キン肉マンネメシスの正体はだれ？強さ・能力や技までネタバレまとめ

再始動したキン肉マン新シリーズ「完璧超人始祖編」において完璧超人無量大数軍第二陣として来襲。その容姿から当初よりキン肉族との関係が囁かれていました。そしてストーリーが進行する毎に疑いは強くなり、遂にはその正体が明かされます。本縞ではその軌跡と強さの秘密を探ります!

週刊少年ジャンプに1979年より連載。1987年に一旦完結し、続編の「キン肉マンＩＩ世」を経て2011年に集英社週プレNEWSにてWebコミックとして復活。シリーズ通算7500万部突破の大人気少年漫画です。

最初の連載終了後、直接の続編としてキン肉マンの息子であるキン肉万太郎を主人公とした「キン肉マンＩＩ世」が連載されていました。断続的な連載の後2011年10月に完結。その後に、本稿で取り扱う新キン肉マンシリーズがスタートする運びとなりました。

そして本稿で扱うキン肉マン・完璧超人始祖編は再度キン肉スグルを主人公に据え、三大勢力和平調印式に突如現れた完璧無量大数軍と死闘を繰り広げます。懐かしい面々と因縁極まる完璧超人たちの熱いバトルと深みのある物語が人気を呼び、キン肉マン復活の狼煙を上げました。

完璧無量大数軍・悪魔超人・正義超人三つ巴の戦い1stステージ直後。勝ち残った完璧無量大数軍と共に突如現れたプタ鼻マスクの男が一人、その名はネメシス! 心当たりのないキン肉マンに完璧超人クラッシュマンは「先代キン肉真弓にでも聞いてみろ」と言い放ちます。果たしてネメシスの正体は?

遙かな昔、超人閻魔(ザ・マン)に選ばれた完璧超人の精鋭部隊。かつての超人閻魔の理想に共感し、彼に忠誠を尽くす近衛部隊です。一人ひとりが一騎当千の実力者であり、並の超人では一切歯が立ちません。

ネメシスは登場するなり正義に寝返った完璧超人ピーク・ア・ブーを完璧超人の掟に従い処刑すると宣言します。ピーク・ア・ブーは学習したばかりのキン肉バスターで抵抗を試みますがネメシスにネオキン肉バスターで返され、あまつさえキン肉マンしか使えないはずのマッスルスパークまで繰り出します。

マッスルスパークは「天」と「地」の二段構えの必殺技ですが、画像のようにネメシスは両方を備えた完璧版を使いこなします。キン肉アタルすら「地」のみと考えると、ネメシスの恐るべき強さがわかります。この時点での正体は全く予測が付きません。

vsロビンマスク戦で繰り出すは、キン肉族十八番の奥義「肉のカーテン」に酷似するパーフェクトディフェンダー! 画像の通り瓜二つの構えで、ロビンマスクの攻撃を全く通しません。

「肉のカーテン」はキン肉族が代々磨き上げてきたもので、この時点でネメシスはキン肉族出身であることがほぼ確定します。しかしネメシスはただ防御するだけに留まらず、其処からのカウンターへと昇華させています。この辺りからキン肉族ゆかりの者が正体ではないかと囁かれ始めます。

上画像にある通り、完璧無量大数軍が来襲した目的が明らかになった72話。ネメシスはキン肉マンに表題の意味深な台詞をつぶやきます。キン肉マンは「初対面の奴に言われとうない」と主張しますが…?

超人墓場へ戻ってきたネメシスを待っていたのは悪魔将軍でした。悪魔将軍こそ完璧超人ゴールドマンと喝破するネメシスはその話の中「自身の素姓に関わること」と告白します。ここでネメシスの正体はキン肉族であることが確定しますが、個人の特定には至りません。

ラーメンマンとの死闘の最中、ネメシスはキン肉族に関することとなると動揺することを指摘されます。観念したネメシスは語り始まます。キン肉王家の闇の歴史を…

かつてネメシスはキン肉王家に生まれ、何不自由なく暮らしていました。彼には兄がいましたが、その兄との関係も極めて良好で、彼は自分の生まれを超人の神に感謝するほどでした。

しかし幸せな時間は長く続きません。彼の才能と強さに嫉妬した者たちが、あらぬ噂を立て始めたのです。中には直接父王に有る事無い事吹き込む輩まで出る始末。

しかしそれも無理からぬ事。恐るべきことにネメシスは、なんとたったの13歳でキン肉族最大奥義マッスルスパークを会得してしまったと云います。この無双の強さを持つネメシスが、もし謀反を起こしたら…? そんな肥大した恐怖が、次なる悲劇の幕を上げるのです。

ネメシスは地下深く幽閉され、其処から出ることは決して許されませんでした。この時点ではまだ、彼自身は「無理からぬ事」と諦観し、己が運命を受け入れるつもりでいました。

一方地上ではネメシスの存在を語るものはすべて処刑されるという、魔女裁判も裸足で逃げ出す蛮行がなされていました。こんな恐怖政治してた歴史は恥ずかしくて表に出せません。

しかし仲の良かった兄だけは、彼の許を訪れていました。王になったばかりで何の力もない、愛する弟一人助けてやれぬと嘆く兄に、彼は「兄さんは悪くない」と答えます。

しかしネメシスの悲劇は未だ終わっていなかったのです。幽閉するだけでは安心できなかったのか、キン肉星を牛耳る元老院が、彼の処刑を決定したのです。怒りに震え脱出を決意するネメシスに、兄は今生の別れに言葉を託します。

そして地下牢をその日の内に破った彼は、「聖なる完璧の山」を目指します。そこで門番ミラージュマンに認められた彼は、完璧超人の洗礼を受け、生まれ変わりました。「完肉」ネメシスの誕生です。

なおネメシスの本名はこの過去話の更に後に明かされます。キン肉サダハル。それが彼の本当の、そして今は捨て去った名前です。

ネメシスは攻撃的な特殊能力を持たず、己の肉体のみを駆使したストロングスタイルの超人です。シルバーマンから脈々と受け継がれる正統派超人の強さを画像つきでご紹介します。

ネメシスの強さの真価はその柔軟性にあり! なんとラーメンマン必殺のキャメルクラッチを安々と抜けられるほどの柔らかさです。まさに柔軟併せ持つ隙のない強さ!

首の筋肉を盛り上がらせ、必殺のロビンスペシャルをも外す恐るべき技。己の肉体を自在に操るネメシスの天賦の才あっての技と言えます。

ネプチューンマンでお馴染みの相手の力量を計る技。完璧超人共通の技らしく、ネメシスも使用します。

キン肉マンオリジナルホールド・キン肉ドライバーに似たネメシスの必殺技。顎を腕の3倍の力の両足で抑えているため腕で外すことは非常に困難。ネメシスの強さを支える驚異的な柔軟性あってこその技。

こちらの画像はラーメンマンに放ったもの。さしものラーメンマンもネメシスの完璧なホールドからは逃れられませんでした。

忘れてはならないのがこのパーフェクトディフェンダーです。完璧超人すら容易には貫けぬこの絶対防御は、元を正せばキン肉族の祖先であるシルバーマンの技です。始祖と見紛うレベルで完成されているこの技こそ、ネメシスの強さを支える重要な要素と言えます。

パーフェクトディフェンダーの強さは防御力だけにあるのではありません。相手の攻撃を腕で挟み込み、攻撃に転じることこそが真骨頂。上記画像はロビンマスク戦で見せた派生技・パーフェクトアセイラントです。

上記画像は対キン肉マン戦のものです。肉のカーテンの上位互換であるパーフェクトディフェンダーにキン肉マンも大苦戦を強いられます。

超高度な複合技・マッスルスパークをマスターしているネメシスは、もちろん関節技もパーフェクト! あのラーメンマンすら尋常な手段では脱出出来ません。

なんとラーメンマン、ウォーズマンにつけられた頭の古傷を自らえぐり、血しぶきの目潰しを仕掛けます。ラーメンマンにそこまでさせるネメシスの極・吊り天井固め恐るべしでしょう。

「完肉」とつく通り、完璧超人としてのネメシスフェイバリットホールドです。背中越しに相手をホールドし、そのまま逆落としに脳天を叩きつける必殺技です。

その威力たるやロビンマスクの奥の手「アロアノの杖」をも一撃で曲げるほど。ロビンマスクは立ち上がりこそしましたがダメージは深刻で、大勢はここで決したと言って良いでしょう。

ネメシス版「完璧」キン肉バスター。両足で相手の両腕を挟み込むマッスル・Gに似る方式を採用しており、キン肉バスターの名手であるキン肉マンすら脱出困難にしています。バスター派生技はいかに首を外させないかが肝になりますが、この「完璧」バスターは1つの完成形と言えるでしょう。

もろちん威力は折り紙付きで、食らったキン肉マンは上画像のように完全にグロッキーになっていました。しかしカウント勝ちを良しとしない完璧超人のネメシスは、無理矢理起こして更なる攻勢を仕掛けるのです。

《完力》ポーラマンと仕掛けた合体技です。画像はピーク・ア・ブーの処刑を阻止せんとしたキン肉マンとテリーマンに仕掛けた時のもので、実は現時点でネメシスの合体攻撃はこれ一回こっきりの貴重な画像です。

しかし残念ながら(?)この貴重な合体技はバッファローマンとスプリングマンの合体殺法スプリング・バズーカの横槍により不発に終わってしまいます。なので正確な威力は不明なのですが…『力』を冠するポーラマンとの合体技ですので、相当な破壊力があると予想されます。

連続ブリッジで相手を空高く跳ね上げ、空中で片足を首に引っ掛け両腕と足で締め上げる「天」と背中合せで手足を固定し頭と膝を地面に叩きつける「地」からなるキン肉族三大奥義のひとつ。この超難度技を、彼はわずか13歳で完全にモノにしています。上画像は始動技のブリッジです。

上画像はマッスルスパーク「天」です。一時期は「スグル版マッスルスパーク」とも呼ばれていました。ご覧の通り足と腕で首を極める関節技となっています。

こちらが「地」です。「アタル版マッスルスパーク」とも呼ばれます。両脚をフックし腕を持って背中合せに落下、後頭部と膝を叩き付け破壊する打撃と関節技の複合技です。

ただし。ネメシスの操るマッスルスパークとキン肉マンのマッスルスパークは何かが違うようです。その僅かな差がラーメンマンの、そしてキン肉マンの命をつなぐ鍵となります。

先程も述べましたが、たった13歳で秘奥義マッスルスパークを会得するに至った彼の才能は異常です。ただ吸収が早いだけならまだしも、彼には更なる強さを持ち合わせていました。

ネメシスの強さはキン肉族奥義を修得するだけに留まりません。なんと始祖であるシルバーマンの完璧奥義アロガントスパークすらひと目見ただけで再現してしまいます。何処まで行くか想像だにできない強さ。これこそ彼を元老院が恐れた原因と言えます。

その才の程は完璧超人の門番・ミラージュマンの試練においても見ることが出来ます。長年の牢屋暮らしで戦いの勘も何もあったもんじゃない状態でミラージュマンの攻撃を凌ぎきる離れ業をやってのけます。

ネメシスの強さは肉体だけに留まりません。ロビンマスクの必殺技タワーブリッジ・ネイキッドを大胆不敵な方法で外すなどとっさの判断力にも優れます。自身の肋骨をわざと犠牲にしても確実な勝ちを狙う。このクレバーさがネメシスの強さを支えています。

斯くの如き度外れた強さを持つネメシスでは、仮にキン肉族超人予言書にその名が記されてなくとも、早晩元老院を始めとする他の王族から疎まれ同じ結末に至ったことは想像に難しくありません。あまりに突出した才能が招いた悲劇と言えます。

ただ…兄にして王位第一継承者であるタツノリが、この当時から弟に伍する才能を発揮していたなら…この悲劇は起こらなかったかもしれません。彼とて非凡なる戦士には違いないのですが、いかんせん弟は早熟に過ぎました。タツノリに責任を負わせるのは酷というものでしょう。

しかし元々サダハルには野心の一欠けらもなく、兄タツノリこそが王にふさわしいと考えていました。もし元老院他が一片でもサダハルの心を汲んでやれていれば、と思わずにはいられません。

しかし、サダハルの志は、理想は死んではいませんでした。それはタツノリから真弓へ、そしてスグルへと受け継がれ。キン肉族にわだかまる闇を払っていきます。すべてはこれからなのです。

ネメシス=キン肉サダハルはキン肉スグルの祖父キン肉タツノリの弟です。つまりスグルから見て大叔父にあたります。その悲劇の生い立ちからキン肉族と正義超人全てを憎んできた彼ですが、激戦を通じて彼らを認めていきます。彼もまた、この作品のテーマを担う重要な一人なのです。