【名探偵コナン】世良真純役の声優は日髙のり子！夫は工藤新一役？出演作品も紹介

数多くのベテラン声優が出演しているアニメ版「名探偵コナン」で近年、「機動戦士ガンダム」の声優である池田秀一さんや古谷徹さんが、物語のキーパーソン的なキャラを演じ物語を盛り上げています。さらに声優・池田秀一さんが演じる赤井秀一の妹・世良真純役として、2012年から「タッチ」の浅倉南役の声優・日髙のり子さんが加わります。

2001年に第46回小学館漫画賞少年部門受賞した青山剛昌原作の漫画「名探偵コナン」は、「週刊少年サンデー」で1994年より史上歴代最長の連載期間となっており、1996年より放送開始となったテレビアニメ版「名探偵コナン」も四半世紀を迎えています。

「名探偵コナン」劇場版は1997年から毎年春に公開されており、海外の大作映画を押しのけ安定のヒットを保っています。枠に捕らわれない様々な展開を続けている「名探偵コナン」で、「名探偵コナン」のスピンオフ的作品「犯人の犯沢さん」「ゼロの日常」「警察学校編」などが人気があるようです。

高校生探偵として注目されている工藤新一は、友達以上恋人未満の幼馴染みの毛利蘭と遊園地へ遊びに行った帰りに、黒の組織によりAPTX4869という薬を飲まされ幼児化してしまいます。幼児化した工藤新一は小学生・江戸川コナンとして、敬愛するシャーロック・ホームズ顔負けの推理力で事件を解決しながら元に戻るため黒の組織の全容解明に務めます。

「名探偵コナン」コミックでは73巻、アニメ版では646話から登場している女子高生探偵・世良真純は、ボーイッシュな装いで男言葉を使っていたことから男と間違えられることがあるようです。当の本人である世良真純は、男と間違えられることには慣れているようです。

帝丹高校に転校した世良真純は蘭たちのクラスメイトとなり、社交的な性格であることから蘭と園子たちと親しくなります。アクションシーンでは中々の活躍を見せ、探偵としての高いスキルを誇る世良真純ですが、コナンと比べるとやや劣る点もあるようです。

世良真純の家族構成は、日本人の父・赤井務武とイギリス人の母・メアリー世良、成人した二人の兄・秀一（長男）と秀吉（次男）となっており、高校生の世良真純は末っ子の長女です。私生活が謎に謎に包まれている世良真純は母方の姓を名乗り、母・メアリーと帰国した世良真純はホテル暮らしをしているようです。

日本とイギリスのハーフである世良真純は、普段はハーフ的な素養を伺わせることがないようです。表向きはアメリカ在住と言っていた世良真純ですが、イギリスを彷彿させる言動でコナンに3年前からイギリス在住だったことが見破られています。

ベテラン声優枠に挙げられる日髙のり子さんは、声優ではなく元々は女優志望で子役として活動していたようです。松田聖子さんや中森明菜さんなどレジェント級のアイドルが排出された80年代、日髙のり子さんはアイドルとしてデビューしています。

子役・女優・アイドル・声優を含めて芸歴40年以上になる日髙のり子さんは、アイドルとしてそこそこの結果が出たものの、生き残りの激しいアイドル業界でやっていくことが徐々に難しくなっていきます。

80年代中頃の日髙のり子さんは、アイドルとして低迷してしまったことで両親から引退を薦められますが、リスナーの投書がきっかけで声優業を視野に入れます。1984年のアニメ「超時空騎団サザンクロス」のサブキャラで声優デビューした日髙のり子さんは、翌年1985年にあだち充原作の人気漫画「タッチ」のアニメ版でヒロイン・浅倉南役に抜擢され、声優としてブレイクすることになります。

声優としてブレイクした日髙のり子さんは、声優だけでなくラジオパーソナリティ、ナレーターなど活躍の場を広げていきます。声優になる前はテレビドラマで女優として活躍しており、70年代に「未来からの挑戦」や特撮モノ「バトルフィーバーJ」で本名の伊東範子で出演しています。アイドル時代の80年代には「GOGO! チアガール」、声優としてブレイクした後も東芝日曜劇場「途中下車純情」に出演しています。

「名探偵コナン」で工藤新一役の声優・山口勝平さんは、同作品で工藤新一こと江戸川コナンの宿敵・怪盗キッドこと黒羽快斗役の声優でもあります。怪盗キッドは青山剛昌原作の漫画「まじっく快斗」の主人公であるものの、「名探偵コナン」にはスピンオフ的な立ち位置となっており、本作がスタートして暫くしてから登場した古参のサブキャラです。

ベテラン声優・山口勝平さんは東京アナウンス学院卒業後、舞台俳優と並行して声優業もスタートさせています。1988年「どんどんドメルとロン」の端役で声優デビューした無名時代の山口勝平さんは、1989年に「うる星やつら」で知られる高橋留美子原作の漫画「らんま1/2」テレビアニメ版の主人公・早乙女乱馬役に抜擢されます。

以降、数々のアニメや洋画の吹替えなどで声優のキャリアを築いていった山口勝平さんは、「東京国際アニメフェア2003」で個人の声優賞を受賞、2019年には「第13回声優アワード」で富山敬賞を受賞するほどの実力派声優の地位を築き上げます。

人気漫画のアニメ作品に数多く出演している声優・山口勝平さんは、「名探偵コナン」の高校生探偵・工藤新一役や「ONE PIECE」のウソップ役という2大国民的アニメ作品に出演している声優です。「サンデー」「ジャンプ」「マガジン」で人気漫画のアニメ作品の探偵役に縁がある声優でもあり、工藤新一役以外にも「DEATH NOTE」のL役、「金田一少年の事件簿」の劇場版第一作だけ金田一一役を演じています。

声優として山口勝平さんが初主演し出世作となった「らんま1/2」の原作者・高橋留美子さんのアニメ作品にも縁がある声優で、「犬夜叉」では主人公・犬夜叉役、「境界のRINNE」では主人公の父親・六道鯖人役を演じています。

日髙のり子さんは、自身のラジオ番組で知り合った夫となる2歳年下のディレクターと1992年に結婚しており、夫の個人事務所に所属していた時期があったようです。日髙のり子さんは夫との間に成人した一人息子さんがいます。

ネット上には日髙のり子さんの夫の詳細はあまり触れておらず、夫の写真も見当たりません。夫は芸能人ではないので日高のり子さんは、声優業とプライベートはきっちり分けているのではないでしょうか。

日髙のり子さんと山口勝平さんは、「らんま1/2」「犬夜叉」「ONE PIECE」など共演作が非常に多く、一時期は日髙のり子の夫が同業者の声優・山口勝平さんだという噂があったようです。声優新人時代の山口勝平さんは、「タッチ」で声優事業を積んだ日髙のり子さんに厳しく指導された影響で、頭が上がらないようです。

声優以外にも山口勝平さんにはイラストレーターとしての顔があり、アニメ・声優関連の雑誌・書籍などにイラストを提供しています。日髙のり子さんのエッセイ「のんこ」の扉絵が山口勝平さんであることから、日髙のり子さんと山口勝平さんは良き声優仲間という間柄だと言えるでしょう。

アニメ版「タッチ」（1985年〜1987年）の浅倉南役は、子役からアイドル、そして声優に転身した日髙のり子さんにとって声優人生を左右した重要なキャラとなっています。「タッチ」は双子の兄弟・上杉達也和也と幼馴なじみの浅倉南と恋愛模様と、物語前半で亡くなった和也の「甲子園へ行く」という意志を継いだ達也と南の成長を描いています。

外見と中身がハイスペックでありながら、それを鼻にかけることのない浅倉南は既に紙面上でアイドル的存在でした。声優学校に通ってなかった新人声優の日髙のり子さんは、先輩声優による熱血演技指導もあり、浅倉南はリアルなアイドルよりも身近に感じられるアイドル的なキャラとなっていきます。

声優として上昇気流に乗り始めた日髙のり子さんは、「うる星やつら」で知られる高橋留美子原作の漫画「らんま1/2」のアニメ版（1989年〜1992年）で主人公の高校生格闘家・早乙女乱馬の許婚・天道あかねを演じています。修行で訪れた中国にある伝説の泉に落ちてしまった乱馬は、水をかぶる女の子変身し、お湯をかぶると元に戻る体質になってしまいます。

変身体質となった乱馬をメインに、奇想天外な格闘＋ドタバタコメディタッチでありながら、乱馬とあかねの素直になれない恋模様を織り込んでいます。子供時代の日髙のり子さんは、空手道場の師範だった父の影響で空手をやっていた時期があり、格闘に心得がある男勝りなあかねを身近に感じているようです。

「タッチ」「らんま1/2」など人気作品の出演が続いている日髙のり子さんは、声優にとって憧れのジブリアニメでダントツの人気を誇る「となりのトトロ」（1988年）で、妹メイの面倒を見るしっかり者の姉サツキ役を演じています。日本の古き良き時代を彷彿させる自然豊かな昭和30年代前半を舞台に、母が入院して不在の中、サツキとメイ姉妹は子ども時代にしか遭遇できないらしい不思議で愛らしい生き物トトロと出会います。

日髙のり子さんは「らんま1/2」の天道あかね役に引き続き、高橋留美子原作漫画「犬夜叉」のアニメ版（2000年〜2004年・2009年〜2010年）で主人公・犬夜叉の初恋の人である巫女の桔梗を演じてきます。

21世紀の日本から戦国時代にタイムスリップした日暮かごめは、半妖・犬夜叉と砕け散った四魂の玉を探す旅に出ます。物語初めで亡くなった桔梗の魂はかごめに転生していますが、善悪が入り混じった状態で蘇ってしまい犬夜叉の心乱すこととなります。

大海原を舞台に海賊王になる夢を掲げるルフィ達の冒険を描いた尾田栄一郎原作の漫画「ONE PIECE」のアニメ版（1999年〜）で、日髙のり子さんはベルメールを演じています。世界中で親しまれている「ONE PIECE」のメインキャラ一人であるナミの母親代わりとなった元海軍将校ベルメールは、海賊襲撃により非業の死を遂げますが、堂々とした死に様はファンの間で語り草になったようです。

大川ぶくぶ原作の4コマ漫画「ポプテピピック」は、世間にある様々な出来事を題材にしてタブーを恐れることなく斬新な解釈で描いているギャク漫画です。アニメ版（2018年1月〜3月）は1話が前半と後半に別れており、ポプ子とピピ美を演じる声優はすべて違っているのが特長です。

日髙のり子さんは第1話の後半でピピ美を演じており、相方のポプ子は「タッチ」の達也役の声優・三ツ矢雄二さんです。「タッチ」のリアムタイム世代は、「ポプテピピック」での南と達也の再共演に驚いたことでしょう。

「エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督による「ふしぎの海のナディア」（1990年〜1991年）で、日髙のり子さんは発明好きな少年ジャンを演じています。ジュール・ヴェルヌ原作のSF小説「海底二万里」「神秘の島」を原案に19世紀後半を舞台にした冒険ドラマで、主人公ナディアがジャンと宝石「ブルーウォーター」を巡る冒険を繰り広げていきます。

日本の一大転機となった幕末から明治時代を舞台にした和月伸宏原作の漫画「るろうに剣心」のアニメ版（1996年〜1998年）で日髙のり子さんは、主人公・剣心に劣らない剣の才に秀でた美少年キャラ・瀬田宗次郎役を演じています。「実写版の瀬田宗次郎役は神木隆之介」と語っていた日髙のり子さんの意見が反映されたかは不明ですが、実写版では神木隆之介さん演じています。

時代を超えて親しまれている作品「ピーターパン」のアニメ版「ピーターパンの冒険」（1989年1月〜12月）で、日髙のり子さんは主人公・ピーターパン役を演じています。女の子役が多かった日髙のり子さんは、ヒロイン・ウェンディ役をオファーされていたのですが、イメチェンを図るためピーターパン役を希望したところ初の少年役が実現しています。

SFロボットアニメ「忍者戦士 飛影」（1985年〜1986年）で日髙のり子さんが演じるレニーは、主人公・ジョウの幼なじみという「タッチ」の浅倉南的なポジションですが、浅倉南と違いわかりやすい嫉妬心を燃やすことがあるようです。

2020年春公開予定の「名探偵コナン」劇場版第24弾は、世良真純の家族がメインとなっています。アニメ版でも世良真純のアクションは見られたのですが、劇場版第24弾では愛用のバイクを颯爽と乗り回す世良真純や、ハリウッド映画のようなアクションを披露する世良真純が堪能できることでしょう。

己の信念を貫く「機動戦士ガンダム」シャアと「名探偵コナン」赤井秀一、そんな兄を心配する「機動戦士ガンダム」セイラと「名探偵コナン」世良真純、上手くまとめたと納得しているファンもいることでしょう。

世良真純の名前の由来は「機動戦士ガンダム」のセイラ・マスからきているようですが、本家のシャアとセイラの兄妹は数奇な運命に翻弄され別れ別れとなってしまいます。「名探偵コナン」の赤井秀一と世良真純の兄妹はどうなってしまうのでしょうか？

「タッチ」の浅倉南役でブレイクした声優・日髙のり子さんは、タイプキャストの枠にはまることなく、かわいい系キャラから世良真純のようなクール系キャラまで様々なキャラを演じられる声優へと成長していきます。

夫のことなど私生活は最小限にしか明かさず、声優道を邁進する日髙のり子さんにストイックさを感じた方もいるでしょう。「名探偵コナン」の世良真純役で、新たなファンを開拓した声優・日髙のり子さん。日髙のり子さんの声に注目しながら「名探偵コナン」をご覧になってみてはいかがでしょうか？