【アルスラーン戦記】ギーヴは女たらしのかっこいい楽士！離脱の理由や声優を紹介

「アルスラーン戦記」に登場するギーヴは、旅をする楽師でありながら、剣術や弓などの武術にも優れた美青年です。政治には全く興味を持ちませんが、あることがきっかけでアルスラーン一行へと付き従うことになります。そのスペックの高さから、生い立ちに秘密があるのではないかと推測する「アルスラーン戦記」ファンもおり、正体が謎に包まれていました。

「アルスラーン戦記」は、作家・田中芳樹原作の小説です。第一部、第二部に分かれ、巻数は全部で16冊になります。二作の劇場アニメの他、OVAも製作され、2013年には荒川弘が作画を手がけた漫画も「別冊少年マガジン」にて連載が開始しました。さらに荒川弘のコミックスを元に、地上波で日曜日の夕方5時から人気声優を数多く起用したアニメ「アルスラーン戦記」が放送されまました。

パルス王国は、パルス王国の万騎士・カーラーンの裏切りもあり、イアルダボート教を信仰するルシタニア王国に王都を侵略されます。生き延びたパルスの王太子・アルスラーンは、万騎士の1人であるダリューンを連れ、制圧された王都を取り戻しに向かうのでした。

ギーヴは、各国を旅しながら暮らす楽師です。作中では、主にウードという弦楽器を弾いて歌や詩を披露することが多く、さらに舞や笛もできるなど、芸事に秀でています。顔立ちの整った美青年で女性にもて、タハミーネに仕える侍女を王子であると偽って口説くなど、口達者でもあります。しかし、女性なら誰でもいいという訳ではなく、興味を持つのは美人に限るようです。

貴族や王族などの地位を持つ人間は、自身の利益のためにのみ動き、平気で部下を駒に使うと考えていました。そのため、当初はアルスラーンに対しても淡白な感情を持っていました。しかし、ファランギースについて行き、アルスラーンが部下のために自身の身を危険に晒す行動をとったのを見て、彼に付き従うようになります。

荒川弘版「アルスラーン戦記」では、片耳に動物の肉球のような形のピアスをつけ、頭には白いターバンを巻いています。のちに宮廷楽士の他、パルス王国各地を旅して情報を得る巡検使の役割を担うようになります。

弓、剣、槍といった武芸も、日々鍛錬している並の兵士より優秀です。パルス王国滞在時、万騎長・シャプールがルシタニア軍に捕らえられ、嬲られながら弓で射殺してほしいと懇願します。あまりにも距離があったこともあり、兵士たちの矢は届くことはありませんでしたが、ギーヴは彼の頭に唯一矢を射ることができました。

パルス宰相のフスラブから王妃の護衛を頼まれた際、背後の兵士の存在に気が付いたり、王妃が替え玉であることを見抜いたりなど、頭もよく判断力もあります。倒した兵士の懐から金を取ったり、戦乱の混沌とした状況に紛れて金銭を盗み出したりと、位の高い人間から金品を手に入れており、稼ぎは楽師の仕事のみではありません。

パルス王国を後にした道中で、ギーヴは絶世の美女・ファランギースと出会い一目惚れします。その容姿を「アシ女神」、自身のことは「アシ女神の僕」と表現し、アルスラーンの元へ向かう途中だった彼女についていくことになるのでした。

ペシャワール城にて、アルスラーンは「ルシタニア追放令」と「奴隷解放令」を発表します。このことにより、パルスの諸侯や武将が城を訪れます。しかし、それまでアルスラーンに付き従ってきた身分の低い者たちを、快く思わない人間も多くおり、時には揉め事が起きることもありました。こうした不満を解消するため、ナルサスはギーヴにある演技をしてもらうことにします。

パルス王国がルシタニア王国に大敗した後、パルスの万騎士であったシャプールが捕らえられます。ルシタニアの兵に嬲られながら、シャプールは味方の矢で死ぬことを望みます。シャプールを助けるため、パルス兵士たちは弓矢を射ますが、距離がありすぎて当てることができませんでした。そんな中、ギーヴの射った矢がシャプールの頭にあたります。

イスファーンは、シャプールの腹違いの弟にあたる人物でしたが、命を救ってもらった恩もあり、兄のことを非常に慕っていました。ギーヴは、わざとイスファーンを怒らせることを言い、喧嘩になります。アルスラーンは、大勢の前でギーヴを軍から追放する芝居を打ちます。ナルサスはギーヴに、離脱後は王位継承の証とされる宝剣ルクナバード探すようを依頼していました。

それは、英雄王と名高いカイホスローと共に陵墓に眠っていました。ギーヴはアルスラーンたちと別れ、各地を周って宝剣の在りかを突き止め、陵墓があるとされる魔の山デマヴァントへとやってきます。そこで、同じく宝剣ルクナバードを手に入れるためにやってきたヒルメスと鉢合わせます。先に宝剣を手にしたヒルメスに矢を射かけますが、気づかれてかわされてしまいます。

剣を交えた接近戦となり、ギーヴはヒルメスが傍に置いた宝剣を奪うことに成功します。そこへ、事態に気が付いたヒルメスに仕えるザンデが駆けつけ、陵墓の外から出た際に宝剣を崖の下へと落としてしまいます。ヒルメスは兵士たちに宝剣確保を命じ、ギーヴも崖下へと向かいます。

しかし、駆けつけた時にはヒルメスの部隊はやられ、ルシタニア王国のボダンが束ねる聖騎士団たちが宝剣を持ち去って行きました。離脱していたギーヴは報告のため、ようやくアルスラーンたちの元に戻ります。

原作「アルスラーン戦記」は完結しており、ギーヴの最後も描かれています。軍を率いてシンドゥラへと赴いた際、蚊を介して広がる感染症によって40前で亡くなります。当初の女好きで飄々とした様子はなくなり、真面目な性格へと変化したといいます。

ギーヴは、大多数を相手にできるほどの武芸、楽器や歌、詩の才能もあるという万能な人物でした。只者ではないため、生い立ちに秘密があり、最後に明かされるのではないかと予想した人もいました。しかし、その正体は、本当にただの旅の楽師だったようです。

地上波で日曜5時に放送された、アニメ版「アルスラーン戦記」でギーヴの声を演じた声優は、Zynchroに所属するKENNでした。サポートボーカルとキーボードを務めるThe NaB'sでデビューしますが、グループの活動休止後、声優、俳優、歌手として活躍の場を広げます。

KENNの声優としての代表的な出演作に、「家庭教師ヒットマンREBORN!」ディーノ役、「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」遊城十代役、「ミラクル☆トレイン」六本木史役、「フレッシュプリキュア」一条和希役、「プリティーリズム・オーロラドリーム」ヒビキ役、「フレッシュプリキュア」一条和希役、「銀河へキックオフ!!」降矢虎太役、「境界の彼方」神原秋人役、「アオハライド」小湊亜耶役などがあります。

ここでは、「アルスラーン戦記」作中でのギーヴの名セリフを紹介していきます。話数などは、日5版アニメのものを記載しています。「アルスラーン戦記」17話に登場する名セリフです。シンドゥラ国にて、ガーデーヴィとラジェンドラは、神前試合を行うことになります。試合ではガーデーヴィは猛獣を、ラジェンドラはアルスラーンに頼みダリューンを代理人に立てます。

猛獣相手にダリューンは苦戦しますが、最後はマントに火をつけて相手に投げつけ、その隙をついて倒すことに成功します。敗北を予想していなかったガーデーヴィは、「神が間違っている」と言います。こちらは、その時ギーヴが発したセリフです。

アニメ「アルスラーン戦記」7話にて、パルス王国から去る中、ギーヴは絶世の美女であるファランギースと出会います。ルシタニア兵に絡まれる彼女を助けようとしますが、武芸に優れた彼女はルシタニア兵を難なく撃退します。少しだけルシタニア兵を倒し、ギーヴはファランギースに声をかけ、彼女の容姿を絶賛するこちらの詩を聞かせます。しかし、彼女からは個性がないとひと蹴りされてしまうのでした。

ギーヴは、パルス王国の王妃・タハミーネに支える侍女に王子と身分を偽り、一夜を過ごします。楽師としてタハミーネの元に訪れた彼を見て、嘘だったと知った侍女は詐欺師と揶揄して怒ります。そんな彼女に対し、ギーヴはこちらのセリフを口にします。正体を偽ったことに変わりはない上に、保身のための言葉とも取れます。しかし、楽しい夢として終わらせた方がいいこともあるのかもしれないと感じさせる、お洒落な名セリフです。

アニメ「アルスラーン戦記」では6話に登場するセリフになります。パルス王国は、ルシタニア軍に侵略されるのも時間の問題でした。ギーヴは、宰相から地下通路を使って、タハミーネ王妃を外へ逃す任務を頼まれます。しかし、鼻もきくギーヴは、影武者である王妃の正体をすぐに見抜き、本物の王妃は別の方法で脱出しようとしていることを見抜いていました。貴族や王族に呆れ返る、ギーヴの気持ちが現れたセリフです。

こちらも、アニメ「アルスラーン戦記」では6話に登場するセリフになります。王妃の影武者役の女性は、偽物であることを見抜かれ、隙をついてギーヴの元から逃げ出し、ヒルメスと鉢合わせます。パルス王国の万騎士であるカーラーンを見て、思わず敬称をつけて名前を呼んでしまいます。これにより、正体がバレてヒルメスに首をしめられ殺されてしまいました。

様子を見たギーヴは影から登場し、先を進もうとするヒルメスを呼び止めて、こちらのセリフを口にします。基本的に自身の利益のために行動することが多くありますが、美人が目の前で殺されたため、何か言わずには気がすまなかったようです。

ここでは、「アルスラーン戦記」のギーヴに関する感想や評価を紹介していきます。「アルスラーン戦記」は、シリアスな展開が多い物語です。その中でも、明るく飄々とした彼は、登場するだけで雰囲気を明るくしてくれるという感想があります。

美しいイケメンキャラクターである上に、強さを賞賛する感想もあります。離脱時は、宝剣ルクナバードを探しに行き、ヒルメスが率いる兵を相手に1人で戦います。アニメ版「アルスラーン戦記」では、余裕を感じさせるスマートな戦闘シーンに感動したといった声もありました。

アルスラーンに仕えるナルサスは、何度も部隊を救ってきた天才軍師です。その頭の良さや先を見通す力などから、ギーヴも彼を信頼しているようです。権威の象徴であるアルスラーンにとって重要なアイテムである宝剣ルクナバード探しという重要な任務を頼んだのは、ナルサスもギーヴを信頼しているからだろうといった「アルスラーン戦記」ファンの意見もあります。

アルスラーンが演技でギーヴの離脱を兵士たちの前で命じた時、ギーヴは彼を気遣う別れの言葉を口にします。イスファーンたちを助け、その場を後にしようとした際、ファランギースを通じてアルスラーンからの謝罪の伝言を聞きます。互いを思いやるこのやり取りを評価する感想もあります。

「アルスラーン戦記」ギーヴの声優・KENNに関する評価は、声質に色気があり、キャラクターとよく合っているというものが多くありました。ファランギースの容姿を賛美する歌や、詩などを読む時の声も、風情があって好きだといった意見もあり、「アルスラーン戦記」のギーヴを通して声優を調べたという人もいました。

原作「アルスラーン戦記」でギーヴが亡くなるのは、アルスラーンよりも後です。しかし、ギーヴが作者と推測されるアルスラーンの挽歌が前々から登場しており、最後はアルスラーンより長生きするだろうと予想する人は多くいました。しかし、最後はギーヴも38歳という若さで亡くなってしまいます。もっと長生きする最後を予想していた人もいました。

ここまで、「アルスラーン戦記」ギーヴの作中での活躍や、離脱の理由、日5アニメの声優、名セリフ、原作で最後どうなるのか、気になる正体などの情報を紹介してきました。ひょんなことから仲間に加わり、「アルスラーン戦記」作中のムードメーカーでもあるギーヴ。今後の活躍にもご注目ください。