2019年02月28日公開
2019年02月28日更新
【アルスラーン戦記】タハミーネ王妃の正体は?子供やアルスラーンとの関係を考察
アルスラーン戦記の主人公・アルスラ―ンの母親で、パルス国の王妃であるタハミーネは、アルスラーンに冷たい態度で接する姿や感情に乏しく、愛想が良いとは言い難いキャラクターですが、彼女の無表情には、「傾国の美女」と呼ばれるに至った壮絶な過去が隠されていました。本文では、タハミーネ王妃の正体と共に、主人公・アルスラ―ンとの関係、実の娘の存在と知られざるタハミーネ王妃の子供について考察を交えながら紹介します。
タハミーネ王妃が登場するアルスラーン戦記
架空の世界を舞台に、各地で巻き起こる戦乱により母国を追われた王太子・アルスラーンの母国の奪還、そして1人の王としての成長を描いた「アルスラーン戦記」の登場キャラクター・タハミーネ王妃は、主人公・アルスラ―ンの母親でありながら、ある理由から彼に冷たい態度を取り続けています。以下では、タハミーネ王妃の正体やアルスラーンとの関係、タハミーネの娘や知られざる真実等を紹介します。
アルスラーン戦記の作品情報
タハミーネ王妃が登場する「アルスラーン戦記」は、作家・田中芳樹さんによる大河ファンタジー作品であり、古代~中近東の中東風文化を持つ架空の世界を舞台に、主人公・アルスラ―ンの活躍を描いた物語です。本作品は、敵国ルシタニアに征服された祖国・パルス国の奪還を描いた第一部(単行本1~7巻)、隣国やかつてパルスを震撼させた蛇王ザッハーグ達との戦いを描いた第二部(単行本8~16巻)の全16巻で構成されています。
「アルスラ―ン戦記」は、1986年に第1巻が発表されて以降、およそ30年に渡って執筆され、2017年12月15日に販売されたアルスラ―ン戦記・第16巻を持って完結迎えました。本作品は、2015年にアニメ版が制作され、MBS・TBS系列にて第2期までが放送されました。
「アルスラ―ン戦記」の作者・田中芳樹さんの代表作品には、遠未来の銀河を舞台に繰り広げられる英雄たちの戦いを描いた「銀河英雄伝説」があります。1982年に第1巻が刊行された銀河英雄伝説は、2018年現在、本編10巻・外伝5巻が発表されており、アニメ・ゲーム作品・漫画版など、現在も根強い人気を誇っています。
アルスラーン戦記のあらすじ
大陸航路(現実世界のシルクロード)の中間に位置するパルス王国の王太子・アルスラ―ンは、侵攻してきたルシタ二アとの戦いで14歳の初陣を飾ります。しかし、不可解な霧の発生に加え、万騎長による裏切りにより、無敗を誇っていたパルス軍は総崩れに遭い、大敗を迎えます。パルス軍最強の武将・ダリュ―ンと共に落ち延びたアルスラ―ンは、敵国・ルシタニアの手に渡ったパルスを奪還するべく、仲間たちと共に立ち向かいます。
タハミーネ王妃の正体
アルスラーン戦記に登場するタハミーネ王妃は、主人公・アルスラーンの母親であり、物語の舞台であるパルス王国の王妃です。作中では、息子・アルスラ―ンに関係する秘密から彼を恨んでおり、アルスラ―ンに対して一方的に冷たい態度を取る姿が強調して描かれています。以下では、タハミーネ王妃のプロフィールやタハミーネ王妃の知られざる過去について紹介します。
タハミーネ王妃のプロフィール
タハミーネ王妃は、元はパルス国と敵対するバダフシャーン公国の出身で、公王の妃だった過去を持ちます。後にアンドラゴラス3世に見初められて、パルス王妃の座に就きました。妖艶な美貌に目を奪われた時の権力者たちがこぞってタハミーネを自身の妃に据えるも、彼女の存在はやがて自身や国を滅ぼす結末を迎えており、危険な存在とされています。
タハミーネ王妃の正体は傾国の美女?
年齢不詳と言われる妖艶な姿に、ミステリアスな雰囲気を醸し出すタハミーネ王妃の美貌は、見る者全てを引き付けると同時に、不吉な予感も漂わせています。それは、彼女に関わった男は、ことごとく不幸に陥れられる結末を迎えていた過去を持っており、「傾国の美女」とも言われています。
タハミーネ王妃に対する評価は、アルスラ―ン戦記及び視聴者の間でも低いことが見受けられますが、王妃という立ち位置や彼女が経験した壮絶な過去が、作中のタハミーネ王妃像を作り上げたとも考察されます。また、アルスラ―ンに対する恨みが暴言や暴力までに発展していないことや、ルシタニアに捕まった後も、パルス国の王妃として毅然とした態度を崩さなかったことから、決して悪い人物でないことが示唆されます。
タハミーネ王妃の夫①バタフシャーン公国の宰相
タハミーネ王妃は、元々バダフシャーン公国の宰相の婚約者でした。しかし、タハミーネの妖艶な美貌を知ったカユ―マルス公王が、婚約者だった宰相からタハミ―ネを奪いとる形で召し上げさせ、タハミーネは、バタフシャーン公妃に仕立て上げられてしまいます。婚約者・タハミーネが、君主の妃となった事実を知った宰相は、自ら命を絶ってしまいます。
タハミーネ王妃の夫②カユ―マルスの公妃
妖艶な美貌でカユーマルス公王の妃となったタハミーネ公妃は、その代償として婚約者だった宰相が命を絶つ不幸を知ります。その後も、美貌の王妃・タハミーネを巡る権力者同士の争いなど、彼女に心を奪われた男たちの末路は無残な結果を見せています。しかし、タハミーネ王妃にそのような意図は全く見られず、周囲の人間たちに振り回されていたことが明らかとされています。
タハミーネ王妃の夫③パルス国王オスロエス5世の王妃
年齢を感じさせない妙齢の美貌を持つタハミーネ王妃の美しさは、敵国の権力者までも虜にしてしまいます。パルス国との戦いに破れ、祖国・バタフシャーン公国がパルス公国に併合される際、タハミーネ王妃に再び転機が訪れれ、パルス国の王弟・アンドラゴラス3世に見初められます。しかし、タハミーネ王妃は、王弟・アンドラゴラス3世の妃ではなく、当時の国王・オスロエス5世の妃として迎え入れられます。
タハミーネ王妃の夫④アンドラゴラス3世の王妃
国王・オスロエス5世の死後、タハミーネ王妃は、アンドラゴラス3世の妃になり、子供を授かりました。アンドラゴラス3世との間に産まれた子供が、後にタハミーネ王妃が主人公・アルスラーンに冷たい態度を取る原因となります。また、パルス国では、当時の国王・オスロエス5世と王弟・アンドラゴラス3世がタハミーネ王妃を巡って争いを繰り広げていたとの噂も多く出回っています。
ルシタニア王イノケンティウス7世からの求愛
アルスラーン戦記・第一次アトロパテネ会戦で、ルシタニア軍による王都・エクバターナ占領時に、敵国のパルス国王妃・タハミーネに対して求愛する者が現れました。その人物は、ルシタニア王・イノケンティウス7世その人であり、タハミーネ王妃は毅然とした態度で求愛に応じませんでした。
同時に、虜囚となったアンドラゴラス3世の王都脱出に伴い救出されて、ペシャワール城塞へ同行しました。第一次アトパテネ開戦後は、王都エクバターナを離れ、故郷である旧バダフシャーン公国へ戻ります。そして、首府ヘルマンドスにて、公国の離宮だった館を王太后府に改め、隠棲生活を送りました。
タハミーネ王妃の子供はアルスラーン?
アルスラーン戦記にて、実の子供であるアルスラーンに対するタハミーネ王妃の冷たい態度は、視聴者も目をそむけたくなるような光景ですが、作中でのタハミーネ王妃の態度には、彼女の子供とされるアルスラ―ンとの知られざる秘密が隠されています。以下では、タハミーネ王妃とアルスラ―ンの関係や、タハミーネ王妃が産んだとされる実の娘、王妃も知らない真実について紹介します。
タハミーネ王妃のアルスラ―ンへの冷たい態度
アルスラーン戦記にてタハミーネ王妃のアルスラ―ンに対する冷たい態度は、一部の視聴者には目に余る光景にも感じてしまうでしょう。しかし、タハミーネ王妃がアルスラ―ンに冷たい態度を取る背景には、アルスラーンはタハミーネ王妃が産んだ子供ではないことが原因とされています。
また、アルスラ―ンは、アンドラゴラス3世と側室との間に産まれた男子ではないため、パルス王族とは血縁関係がないとされています。そして、アルスラ―ンがタハミーネ王妃の子供として受け入れられた背景には、パルス国の王位継承にまつわる規則が要因しています。
アルスラーンはタハミーネ王妃の実の子供ではなかった
アルスラ―ンが属するパルス国では、王位継承は男子のみ受け継ぐという決まりがあります。しかし、アンドラゴラス3世とタハミーネ王妃の間に産まれた子供は2人とも娘であり、男子に恵まれずにいました。そして、タハミーネ王妃が子供を望めない体となったことを機に、実の娘と引き換えに王位継承権を持つ息子としてアルスラーンが王宮に迎え入れられました。
アルスラーンを王宮に迎え入れるにあたり、産まれたばかりの娘をアンドラゴラス3世によって奪われるようにどこかへ連れ出され、代わりに男子であるアルスラーンが来た過去が、タハミーネ王妃に深い傷を負わせたとも考察させます。また、王宮に迎え入れられたアルスラ―ンの生家は、名も無き中流騎士の家柄の出身であり、両親の死後、アンドラゴラス3世に引き取られた経緯があります。
タハミーネ王妃には実の娘がいた
アルスラーンと引き換えに王宮の外へ連れ出された娘のことを、タハミーネ王妃は人知れず気にかけ続けていました。表では、王妃として慎ましい立ち振る舞いを心がけるも、やはり娘を失うきっかけとなったあるスラ―ンに対する恨みが、彼に対する冷たい態度に表されています。
また、アンドラゴラス3世に執着するタハミーネ王妃の内面は、アンドラゴラス3世に対する愛情ではなく、娘に関する秘密を聞き出すためとも捉えられます。このようにタハミーネ王妃が、王宮の外で暮らす娘を気にかけ続ける一方、アンドラゴラス3世は、タハミーネ王妃に彼女の娘に関する重大な秘密を隠し続けていました。
タハミーネ王妃が知らない真実
表では娘しか恵まれなかったと信じ込むタハミーネ王妃ですが、実は死産した息子がいたことが明かされています。しかし、タハミーネ王妃を大切に想うアンドラゴラス3世は、男子を死産した事実を隠すと同時に、産まれた子供が娘だったため、王位継承権を持つ男子としてアルスラ―ンを王宮に迎え入れたいきさつをタハミーネ王妃に信じ込ませます。
さらに、タハミーネ王妃と娘の再開に備えて、買い取った娘3人に銀の腕輪を付けて別々の場所に放ちます。また、アルスラ―ンがタハミーネ王妃の娘と引き換えに王宮に迎え入れた男子と信じ込ませた理由は、将来アルスラ―ンに王位を継承させたいと決めた時のタハミーネ王妃との衝突を避けるためと言われており、結果、タハミーネ王妃のアルスラ―ンに対する冷たい態度は、アンドラゴラス3世の思惑通りとなりました。
タハミーネ王妃の声優
アルスラーン戦記では、主人公・アルスラ―ンに対する冷たい態度が強調され、妖艶な美貌ゆえに多くの権力者を虜にし、結果国を滅ぼした「傾国の美女」との評価を受けるタハミーネ王妃の声を、声優・田中敦子さんが担当しました。
タハミーネ王妃の声優は田中敦子
アルスラーン戦記の登場キャラクターで、アルスラ―ンの母にあたるパルス国王妃・タハミーネの声優は、海外作品の吹き替えを多く担当する声優・田中敦子さんが演じました。声優・田中敦子さんが演じる役柄は、クール系美女や姉御肌キャラなど大人の女性役が多く見られます。
田中敦子のプロフィール
アルスラーン戦記・タハミーネ王妃を演じた声優・田中敦子さんは、1962年生まれ、群馬県出身の声優・ナレーターであり、1980年代から声優活動を行なっています。ニコール・キッドマンやジェニファー・ロベスなどの海外女優を始め、数多くの洋画作品の吹き替えを担当する傍ら、アニメ作品へも数多く出演・活躍する人気声優です。
田中敦子の主な出演作
以下は、声優・田中敦子さんの主な出演作です。
- アイドルマスターシンデレラガールズ:美城常務
- 機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ:アミダ・アルカ
- ハリー・ポッター(死の秘宝Part2):リリー・ポッター(ジェラルディン・サマーヴィル)
- 天使のくれた時間:ケイト・キャンベル(ティア・レオ―ニ)
- ジュラシックワールド:カレン・ミッチェル(日本テレビ版)
- CSI:化学捜査班(シーズン12~15):ジュリーフィンレイ(エリザベス・シュー)
タハミーネ王妃に関する感想や評価は?
原作やアニメでのアルスラ―ンに対する冷たい態度に良い印象が持てないと言われるタハミーネ王妃ですが、作中で語られた壮絶な過去から、時の権力者たちに振り回され続けられた不幸な女性とも捉えることもできます。以下では、「アルスラーン戦記」の登場キャラクター・タハミーネ王妃に関する感想や評価を紹介します。
感想1:幅広い世代を対象にした読み応えのある作品
アルスラ―ン戦記第1巻やアニメ版序盤にて、タハミーネ王妃の息子・アルスラ―ンに対する態度や、氷のように冷たい振舞いから、愛想の良いキャラクターとは言い難い雰囲気を醸しています。しかし、タハミーネ王妃の無表情には、彼女が経験した壮絶な過去が色濃く影響しており、物語に深みを与えているでしょう。
漫画を読む前に原作を知っておこうと思い読み始めた。1巻は30年くらい前に出たのか・・!そこまで古臭さはない。少年〜青年向けだと思ってたけど、おそらく年配のファンも多そう。なかなか容赦のない場面も多く読み応えがある。
感想2:アルスラーンの優しさに感動
アニメ版「アルスラ―ン戦記」でも、母親にあたるタハミーネ王妃のアルスラーンに対する冷たい態度は描かれました。しかし、敵の手に落ちたパルス奪還と同時に、自分に愛情を示すことはなかったアンドラゴラス3世やタハミーネ王妃の無事を心配するアルスラ―ンの姿は、王としてふさわいい逸材でしょう。
しかしアルスラーンはまだ14歳の無力な少年。あるのは王子としての責任感と愛されはしなかったが両親の無事を思う気持ちのみ。
タハミーネ王妃の正体まとめ
「アルスラーン戦記」の登場キャラクター・タハミーネ王妃の正体や主人公・アルスラ―ンとの関係、実の娘の存在やタハミーネ王妃の隠された真実、アニメ版声優について紹介しました。アルスラ―ン戦記では、人気の低いキャラクターですが、タハミーネ王妃の正体を知ることは、アルスラ―ンに対する冷たい態度の真意を理解することにも繋がります。