【機動戦士ガンダム】クスコ・アルとアムロの関係は?エルメスのパイロット?

『機動戦士ガンダム』に登場するマイナーキャラのなかでも、クスコ・アルは特に知られていないキャラの1人です。ララァと同じエルメスに搭乗するジオン兵士であり、アムロによって壮絶な最期を遂げるのがクスコ・アルという名の女性兵士です。クスコ・アルはゲームにも登場しており、意外な声優が担当しています。『機動戦士ガンダム』に搭乗するニュータイプ女性兵士のクスコ・アルについて、まとめてみました。

【機動戦士ガンダム】クスコ・アルとアムロの関係は?エルメスのパイロット?のイメージ

目次

  1. クスコ・アルとは?
  2. クスコ・アルとアムロの関係は?最期も紹介
  3. クスコ・アルはエルメスのパイロット?強さも紹介
  4. クスコ・アルの声優
  5. クスコ・アルに関する感想や評価
  6. クスコ・アルについてまとめ

クスコ・アルとは?

『機動戦士ガンダム』のシリーズは多岐にわたり、登場人物も相当数に上ります。初代『機動戦士ガンダム』にも、いわゆる名サブキャラクターと呼ばれる名脇役がいます。例えば第15話のククルス・ドアンや第28話のミハル・ラトキエなどが有名です。それではクスコ・アルというサブキャラクターについては、どうでしょうか?実はクスコ・アルは、かなりコアなガンダムファンでなければ知らない登場人物なのです。

しかもクスコ・アルは小説版『機動戦士ガンダム』において、主人公のアムロ・レイとニュータイプ同士が交わすテレパシー(思念交錯)で理解しあえた関係でした。また、テレビ版ではアムロ・レイがニュータイプとして理解しあえたララァ・スンを戦死させてしまいますが、クスコ・アルに対してもアムロは同じような最期をとげてしまいました。

機動戦士ガンダムの概要

増えすぎた人類が宇宙に生活の場所を求めて数十年後、宇宙移民たちが地球に対して独立戦争を起こします。この戦争に巻き込まれた少年少女たちが最新鋭の宇宙戦艦などの地球までの移送を委ねられ、敵からの執拗な攻撃をかわしながら必死に戦いぬきます。戦争という極限状態であったがゆえに限られた人間に備わったニュータイプという超能力を軸に、人の魂や人の存在意義などについて問いかける物語が、『機動戦士ガンダム』です。

クスコ・アルのプロフィール

クスコ・アルの両親は、地球連邦軍の兵隊たちに殺されています。クスコ・アル自身も軍人たちにレイプされています。この忌まわしい過去から、クスコ・アルは戦争を憎んでいます。小さい頃は父親からバイオリンを習っていました。クスコ・アルのニュータイプ能力は、あのララァ・スンよりも優秀でした。クスコ・アルはキシリアが編成したニュータイプ部隊に所属していました。部隊でのクスコ・アルの階級は中尉でした。

小説中でのクスコ・アルは栗毛色の頭髪で、父親からヴァイオリンを習っていたお嬢様らしき様子が描かれていました。小説の中では左小指の使い方が下手であったために、音もずれていたという描写もあります。また、両親は地球連邦の軍人に虐殺されたと暗にほのめかされています。クスコ・アル自身も軍人にレイプされたと示唆されており、クスコ・アルの戦争嫌いや軍人嫌いのトラウマが感じられます。

WORLD|機動戦士ガンダム公式Web

クスコ・アルとアムロの関係は?最期も紹介

1979年に始めて放映された初代『機動戦士ガンダム』は低視聴率アニメでした。このため全52話の予定が全43話に削られています。ところが打ち切りが決まった直後から中高生を中心に人気が上昇し、再放送を繰り返します。1981年からはテレビアニメ版をもとにした劇場版三部作が作られました。これらとは全く違う『機動戦士ガンダム』があります。1987年発表の小説版『機動戦士ガンダム』です。

クスコ・アルは小説版で初登場します。ニュータイプの女性兵士として、ララァと同じようにモビルアーマーのエルメスのパイロットとして戦闘能力を開花していきます。その力はシャア・アズナブルをして「ララァよりも上かもしれない」といわせるほどでした。短い登場シーンしかなかったクスコ・アルですが、アムロ・レイとニュータイプ同士らしい深い係わり合いを持った女性兵士として描かれています。

クスコ・アルとアムロの関係

クスコ・アルがニュータイプ部隊に配属になる直前のことでした。クスコ・アルは、ララァとの相打ちで宇宙空間を漂っていたアムロ・レイを救助しています。このときのクスコ・アルはサイド6所属の貨物船の乗組員でした。貨物船船長から事情聴取されるアムロ・レイは軍事秘密を守るために言い訳をします。それをクスコ・アルはかばいます。船長には「アムロと二人でベッドの中にいた」などとも証言するほどでした。

クスコ・アルはアムロ・レイを「坊や」と呼び可愛がります。アムロ・レイをサイド6まで送るまでの短い間でしたが、クスコ・アルはアムロ・レイと共に時間を過ごしたのです。ニュータイプ同士であれば、時間さえも見ることができるのですから、理解しあうことは簡単に出来ます。ただ、このときのクスコ・アルはまだニュータイプ能力が開花し始めた頃なので、アムロ・レイに対して好意を感じたに過ぎませんでした。

クスコ・アルは戦死した?

アムロをサイド6に送り届けるとすぐ、クスコ・アルはシャア率いるニュータイプ部隊に配属されます。クスコ・アルはグラナダ攻防戦の戦闘で戦果を挙げますが、アムロに傷を負わされます。アムロとクスコ・アルの二度目の戦闘は、小惑星帯の「コレヒドール暗礁」での戦闘でした。クスコ・アルはアムロによって、撃墜され最期をとげます。クスコ・アルの最期のそのとき、アムロはクスコ・アルの生涯を幻視しました。

ニュータイプ同士がテレパシーで会話することは、ガンダムの世界でも取り入れられています。テレビ版でもララァとアムロが思念の中で会話しているのをシャアが引き裂くシーンがありました。同じように、クスコ・アルは戦闘中にアムロと思念交錯します。そこでアムロはクスコ・アルに肉体関係を迫ります。驚くことにクスコ・アルはそれに同意します。クスコ・アルの最期は壮絶な最期を遂げたといえるでしょう。

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クスコ・アルはエルメスのパイロット?強さも紹介

クスコ・アルはジオン公国のモビルスーツパイロットです。しかもクスコ・アルはフラナガン機関でニュータイプとして訓練されていました。『機動戦士Zガンダム』では人工的に作り出した「強化人間」というニュータイプがいましたが、もとは自然発生したものを指しました。初代テレビ版『機動戦士ガンダム』では、自然発生のニュータイプはシャア・アズナブルとララァ・スン、シャリア・ブルの3人しか描かれていません。

自然発生のニュータイプはサイコミュを使ってモビルアーマーを操縦しました。地球連邦軍兵士がエルメスと遭遇したときは「気が付いたら最期。やられていることに気が付く」という強さでした。ララァを凌駕するというクスコ・アルの軍人としての能力や搭乗していた兵器などについて、まとめてみました。

クスコ・アルはエルメスのパイロット

小説版『機動戦士ガンダム』において、テレビ版の3人に加え自然発生したニュータイプとして描かれているのがクスコ・アルです。クスコ・アルが搭乗したモビルアーマーはエルメスです。MSVでは2号機がララァ機でクスコ・アルは3号機となっていますが、小説版ではクスコ・アルは2号機に乗っているとされています。いずれにしても、サイコミュ搭載のエルメスを駆使するニュータイプ能力を持っているのがクスコ・アルです。

エルメスはテレビ版でも搭乗するモビルアーマーであり、ニュータイプ能力があるパイロットでなければ使いこなせない兵器でした。小説版『機動戦士ガンダム』では、ララァが撃墜されたあとにクスコ・アル専用機としてのエルメスが登場します。メタリック・グリーンの塗装がされていると描かれています。ゲーム『SDガンダム』では白いエルメスが登場しますが、それはハマーン・カーン機でした。

クスコ・アルのゲームでの活躍や強さ

例えばゲーム『機動戦士ガンダム・ギレンの野望・アクシズの脅威』では、ララァよりは少し劣る設定です。ニュータイプとしての能力はララァなどのトップクラスより少し落ちる程度のレベル設定ということです。フォウ・ムラサメなどと比較すると格闘戦に強い設定になっています。ただし、サイコミュを搭載していないモビルアーマーでは能力が制限されてしまい、活躍に欠ける動きになります。

小説版ではアムロと戦うことができた戦闘レベルなので、クスコ・アルの戦闘能力は低くはありません。ニュータイプという得体の知れない戦闘能力は、たとえ訓練された兵士とでも比較することは難しいといえます。それでも自然発生したニュータイプ能力を持つ軍人たちは、常人離れした能力を戦闘で開花させています。つまりクスコ・アルの強さは本物であるというわけです。

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クスコ・アルの声優

小説版『機動戦士ガンダム』では、栗色のロングヘアーで大人の女性としてクスコ・アルが描かれています。この設定を踏襲したゲーム『ギレンの野望』などでのクスコ・アルの声優は、誰だったのでしょうか。小説版『機動戦士ガンダム』ではアムロを「坊や」と呼び、シャアに「ララァより高い能力」といわしめたのがクスコ・アルです。

サイコミュ搭載のモビルアーマーであるエルメスに搭乗する女性ニュータイプパイロットがクスコ・アルです。クスコ・アルの独特な、大人の女性の雰囲気を醸し出せる声優とは、いったいどのような声優だったのでしょうか?

榊原良子のプロフィール

クスコ・アルの声優は榊原良子です。榊原良子は桐朋女子中高から桐朋学園芸術短期大学の演劇科を卒業しています。1979年には女優として『太陽にほえろ!』や映画『トラック野郎』にも出演していますが、他にもナレーターとしても多くの番組に携わっています。声優としては1980年の『ベルサイユのばら』が初仕事でしたが、声優としての正式デビューは1981年『六神合体ゴッドマーズ』となっています。

榊原良子の主な出演作品

ナレーションの仕事としては、テレビ朝日系の『ニュースステーション』で10年以上もメインのナレーションを担当していました。そして声優の仕事として最も有名なのが『機動戦士Zガンダム』における「ハマーン・カーン」です。当時は声優として駆け出しだったころで、富野監督には付きっ切りで演技指導されていました。他にも『うる星やつら』や『風の谷のナウシカ』などの多くのアニメ作品に声優として出演しています。

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クスコ・アルに関する感想や評価

クスコ・アルは小説版『機動戦士ガンダム』で描かれているキャラクターであり、テレビ版には一切かかれていないため世間からの注目度はきわめて低いといえます。ただしゲーム『ギレンの野望』ではニュータイプらしく戦うことが実証されており、プレイヤーからの評価は概ね良好です。ゲームでの声優がハマーン・カーンと同じ榊原良子であることも、強い女性らしさが強調されていると評価されています。

ニュータイプ同士の共感

戦争地帯で、女性が男性を憎むことは現実社会でも発生していることです。小説だからこそ、こうした人間のえげつなさをも表すことができたといえます。小説版『機動戦士ガンダム』は、テレビ版とは全く違うものとして読むべきとの声が多く聞かれます。著者の富野監督も「中高生向けのテレビ版ではできなかったことをした」とコメントしているほど、別物語です。特にクスコ・アル最期のシーンは意味深だという声がありました。

女性兵士の原型

『機動戦士ガンダム』シリーズにおける女性兵士の多くは、哀しい運命を背負って描かれています。富野監督が初代から一貫してテーマとした「人の存在」というものを、女性兵士の姿を借り、彼女たちの「死」をもって表現しているのではないかという感想も見られました。クスコ・アル最期のシーンについて「人間らしさとはなんだろう」という問いかけを聞いているようだという声もネットでは聞かれました。

後に続くセクシー路線

「どたぷーん」とは、女性の胸が揺れるのを見ている男性が興奮している様子を表現した言葉です。クスコ・アルは『機動戦士Zガンダム』の登場人物であるナナイ・ミゲルなどに見られる「綺麗なお姉さん」的な女性兵士の原型ともいえます。小説版でのクスコ・アルは栗毛色のロングヘアで良家のお嬢様のような描かれ方をされています。ゲーム版では髪がピンクになり、プロポーションも良く描かれています。

コアな人たちの会話

世界遺産で有名なインカ帝国の遺跡「マチュ・ピチュ」の更に高い土地にあり、インカ帝国の首都がクスコという街です。実は、インカ帝国を作ったのが日本人だという歴史ミステリーがあるのです。世界地理や南米の歴史などにクスコという言葉は出てくるので、コアなガンダムファンにとってはどうしても「クスコ・アル」につながってしまうようです。ネットでも「マチュ・ピチュよりはピンクの髪を思い出す」という声があります。

クスコ・アルについてまとめ

クスコ・アルはジオン公国の女性パイロットであり、ニュータイプでした。テレビ版には一切登場せず、小説版の『機動戦士ガンダム』やゲームの『ギレンの野望』にのみ登場するキャラクターでした。声優は榊原良子でした。ララァと同じく、モビルアーマーであるエルメスのパイロットであり、アムロ・レイとは合計3回遭遇します。このときニュータイプ同士のコミュニケーションで理解しあいました。

クスコ・アルの最期はテレビ版のララァの最期によく似ています。アムロによってエルメスが撃墜され、クスコ・アルの最期となります。このときにアムロはクスコ・アルに肉体関係を迫り、彼女は同意するという衝撃のシーンが小説版には含まれています。クスコ・アル専用エルメスの最期は、ララァでは語れなかった富野監督の思いが爆発したともいえるのかもしれません。

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