2020年02月20日公開
2020年02月20日更新
ピンポンのアニメOPがかっこいいと話題!主題歌の「唯一人」を歌ったのは?
「ピンポン」は松本大洋さん原作の、卓球に打ち込む高校生達を描いた漫画作品です。1996年から1997年にかけて週刊ビッグコミックスピリッツに連載された後、2002年に実写映画化され、2014年にはさらにTVアニメが放送されました。放送当時はピンポンのTVアニメのOPがかっこいいと話題になりました。評判のピンポンOP曲の主題歌「唯一人」を歌った爆弾ジョニーとはどんなバンドなのか、そしてピンポンはどういうストーリーなのかを紹介します。
目次
ピンポンとは?
ピンポンの概要
ピンポンは週刊ビッグコミックスピリッツに連載された、5人の高校生達を中心にした卓球漫画です。松本大洋先生の作品で、1996年から1997年まで全55話連載されました。ピンポンの単行本は全部で5巻ですが、文庫版は全三巻、雑誌サイズの大型判が二巻にまとまって刊行されています。これまでピンポンは実写映画化、そしてOPの評価も高いTVアニメ化とメディア展開がされてきました。
ピンポンのあらすじ
ピンポンの主人公の星野裕(通称ペコ)と月本誠(通称スマイル)は幼なじみで、神奈川県藤沢市を舞台に、小学校時代からタムラ卓球場で卓球に打ち込んでいました。ペコは卓球は確かに上手いのですが、己の才能にうぬぼれていて、誠は笑わずいつも無愛想。そんな誠に対して、スマイルというあだ名をつけたのはペコでした。二人は成長し、片瀬高校の卓球部へ入ります。
その後登場するライバル達を合わせ、メインとなる5人の高校生は切磋琢磨し、彼らは挫折と努力を繰り返しながら卓球に打ち込んでいきます。幼い頃からライバルだったペコとスマイル、そして対戦相手として出会う他校のドラゴン、アクマ、そしてチャイナ。彼らは高校三年間の集大成となる大会まで熱い戦いを繰り広げ、その後まで目が離せない展開となっています。
ピンポンのアニメOP曲がかっこいいと話題に
ピンポンのOP曲は「唯一人」
さて、「ピンポン」のアニメのOPについて詳しく紹介していきます。ピンポンのOP曲は、「爆弾ジョニー」の「唯一人」です。2014年の6月4日にリリースされました。爆弾ジョニーはその年の4月23日に「はじめての爆弾ジョニー」でメジャーデビューしたばかりでしたが、「唯一人」がピンポンのOPテーマソングに抜擢。カップリング曲は、ライブでも披露されていた「P・P・P」です。
爆弾ジョニーの「唯一人」初回生産限定盤は描き下ろしのピンポンのイラストジャケットで、ピンポンのかっこいいOPアニメーションの他、爆弾ジョニーのMVを収録したDVD付きの2枚組仕様でした。限定版は現在は手に入りにくいですが、唯一人の楽曲は配信サイトでも購入することが出来ます。爆弾ジョニーについてはこの後詳しく解説します。
実は、ピンポンのOPは1話、2話と、3話以降では少し異なっています。アニメの制作の進行に合わせて少しずつ修正が入ったり、物語の途中で登場人物が足されることは他のアニメでもよくあります。ただ、3話以降と2話までは全くと言ってよいほど違います。共通しているのはモノクロで登場人物が登場し、OPの最後に行くにつれて色鮮やかになっていくのがかっこいいポイントです。
「唯一人」の曲調と歌詞がかっこいい
ピンポンのOPの「唯一人」の歌詞には、迷いや悩みを抱える若者の叫びが綴られていて、その中でも状況を変えて前向きに進もうとするかっこいい熱い曲となっています。ピンポンの熱いストーリー、そしてかっこいいOPにふさわしく疾走感あふれるロックナンバーです。
歌詞には、新しい時代が来たのに、主人公である「僕」が自分だけが伸び悩んでいるのではないかと悩んでいる感じられる様子が描かれています。勝負の世界は、努力して勝ちつづける事が一番ですが、ライバルに追い越され取り残されていくような描写は、ピンポンの物語の中でもあります。卓球に打ち込みながらも、悩み苦しむ高校生達にぴったりの歌詞です。
「唯一人」の歌詞には、ストレートに自分と他人を比べて落ち込んでしまうと言うフレーズもあります。孤独を感じ、どうしようもないけれど、孤独なのは自分だけでもないこともわかっているのです。とにかく努力するしか仕方が無いことも理解しているけれど、周りに抜かれて焦るような気持ちをもつ若者たち。明るいメロディに乗せて叫んでいますが、まさにピンポンに出てくる高校生達をよく表しているといえます。
ピンポンのアニメOP曲「唯一人」を歌った歌手
OP曲「唯一人」の歌手は爆弾ジョニー
ピンポンのかっこいいOP「唯一人」を歌う爆弾ジョニー(ばくだんジョニー)について紹介します。爆弾ジョニーは、日本の5人組のロックバンドです。北海道札幌市で知り合い、2010年2月に結成。高校時代から自主制作盤を7枚制作するなど精力的に活動していました。札幌を拠点に活動しています。爆弾ジョニーは2011年7月に「かなしみのない場所へ」という曲でインディーデビューしました。
爆弾ジョニーのファーストフルアルバムは「イミナシ!」で、2012年12月にリリース。その後は全国でのライブ、フェスへの参加など精力的に活動し、2013年12月に渋谷クアトロでの爆弾ジョニーワンマンライブにて、キューン・ミュージックからのメジャーデビューを発表しました。「唯一人」がピンポンOPに抜擢されるのはその後のこと。爆弾ジョニーはバンドの目標に「ロックで世界平和」を掲げています。
爆弾ジョニーのメンバー
爆弾ジョニーは、ボーカルがりょーめー、ギターのキョウスケ、キーボードはロマンチック☆安田、ベースの小堀ファイアー、ドラムがタイチサンダーという5人のメンバーで結成されています。りょーめーを中心に高校時代にメンバーを集め、インディーデビュー後も全国各地のフェス等で精力的なライブを続けてきました。
しかしピンポンOP曲の唯一人がリリースされた直後の2014年の9月、りょーめーの体調不良を理由に活動を休止。その間、りょーめーは札幌で療養していました。1年半後の2016年4月に活動を再開し、6月30日には渋谷のクラブ・クアトロでライブ「BAKUDANIUS」を開催しました。秋には活動再開を記念するライブツアー「ROAD to BAKUDANIUS 2016」で全国を回り、その公演はライブアルバムとしてもリリースされました。
唯一人をリリース後、りょーめーが一時期音楽活動から離れていた頃もありましたが、2020年は爆弾ジョニーの結成20周年にあたります。20周年企画としてライブ活動をする一方で、りょーめーとキョウスケは新たなプロジェクトを始動させています。2018年の爆弾ジョニーのライブの企画がきっかけとなっており、札幌時代からの友人、ベースの金子声児を迎えてSAMURAIMANZ GROOVEというバンドを結成しました。
爆弾ジョニーというバンドのあり方に、りょーめーだけでなくメンバーもそれぞれ悩んでいた頃に、違う形で表現できるバンドがあることで、爆弾ジョニーが続けられたとのことです。2020年3月19日にはアルバム『見参ッ!!!』がリリース。ツアーも開催されます。4月以降は、ファン待望の爆弾ジョニーの10周年企画がはじまります。
ピンポンのアニメED曲
ピンポンのアニメED曲は「僕らについて」
ピンポンはOPだけでなく、EDも評価が高いです。ED曲についてもご紹介します。ピンポンのEDは「メレンゲ」の「僕らについて」です。メレンゲは2002年に結成された元3人組のロックバンドです。メンバーは現在はボーカル・ギター・シンセサイザーを担当するクボケンジさん、ベース、コーラスを担当するのがタケシタツヨシさんの2人組となっています。
2015年の4月までは、ドラム・パーカッションのヤマザキタケシさんが所属していました。メレンゲのメンバーであるクボケンジさんはピンポンの作者である松本大洋さんのファンで、単行本を集めていたうえ、中学時代に卓球部だったとのことで、ピンポンED曲の依頼を喜んで受けたとインタビューでも語っています。
「僕らについて」は2014年5月28日にリリースされました。初回生産限定版には同じ年の2月14日に渋谷公会堂で行われたワンマンライブより、7曲がライブDVDとして収録されていました。CDには「僕らについて」がバージョン違いで6曲はいっています。CDに収められたタイトルの「僕らについて」の前には“あのヒーローと”と “あの夜明け前の”というふたつの言葉がついており、大きく分けると2バージョンといえます。
「メレンゲ」のサウンドは打ち込みのエレクトロニックな音にギターが加わり、そこにボーカルクボケンジさんの繊細な声がひきたっています。ピンポンのEDである「僕らについて」に関して言うと、映画版の主題歌だったSUPERCARの「YUMEGIWA LAST BOY」を彷彿とさせるとの感想も見受けられます。
「僕らについて」の歌詞の魅力
ピンポンEDの「僕らについて」の歌詞は、ピンポン本編の余韻を味わうにふさわしいものになっています。2バージョンあることで、アニメ本編のそれぞれのシーンを思い起こすことができます。歌詞が絶妙にストーリーとリンクしており、重ねてみてしまう人も多くいます。アレンジは違いますが、同じ歌詞です。
「唯一人」のストレートな歌詞と違い、情緒あふれるフレーズは、ピンポンという物語に隠されているテーマや、登場人物達の心情を描いているなど、様々に解釈することができます。「あのヒーローと」のアレンジは、クボケンジさんの音楽らしいと言われています。「あの夜明け前の」バージョンは、逆にメレンゲのバンドサウンドらしさがでているという感想がみられます。BiSがコーラスに参加しています。
幼い頃のペコは誰よりも卓球が強く、当時のスマイルにとってペコはヒーローでした。成長し、高校生になった彼らは、卓球の実力をお互いに高め、いつしかライバルとなり、幼い頃の関係のままではいられなくなっていきます。それでもスマイルにとってのペコの存在が大きかったのではないか、という描写が物語の途中でわかるシーンがあります。「あのヒーロー」はペコとも考えることができます。
また、ライバル校のアクマやドラゴン、チャイナ達の目線で解釈することもできます。先の見えない事への不安や迷いを抱えながらも、立ち上がって前に進もうとするような歌詞ですが、アニメのEDには入っていない最後の歌詞が、スマイルにとってのペコのようなヒーローを現しているのかもしれないと言われています。
ピンポンのアニメOP曲やED曲に関する感想や評価
ピンポンのOP、大平さんだった。
— 小林治 (@osamukoba) April 24, 2014
なんていうか、もう好き嫌いとかじゃなくて衝撃。
特にハイコンの絵がカッコいい。
薄墨のシーンは狙いなのか良くわかんなかったけど、なんていうかハイコンのアニメではペコのパワーが凄まじく伝わる。
白と黒、線画で書かれた松本大洋の光。
驚いたw。
ピンポンのOPについての感想をご紹介します。かっこいい演出をされた「大平さん」というのは、アニメーターで演出家の大平晋也さんのことで、劇場版AKIRAや千と千尋の神隠し、テニスの王子様など様々なアニメの原画等を担当されているベテランです。ピンポンのOPでは絵コンテから作画監督、演出と原画まで手がけていらっしゃいます。
ピンポン 3話。
— いちナぎ (@iti_na_gi) April 25, 2014
とんでもねぇOPがきたと思ったら大平晋也さんの仕業だった。なにこれ、こんな映像をTVアニメで観て良いのだろうか。本当ごちそうさまです。
本編でも松本大洋の絵が動いていてスゴイとか感動してたけど、OPはそれ以上に松本大洋テイストを再現しててポカーンとするしかない。
1、2話のOPが好きという感想もありますが、3話以降は完成版と言われていて、アニメ向きとは言えない原作の松本大洋さんの絵柄を再現しながらも非常にクオリティの高いOPに仕上がっています。3話放送当時の驚きの感想も多くみられます。
ピンポンの素敵なEDアニメを書いているのはウニョン(CHOI EUNYOUNG)さん。
— 小林治 (@osamukoba) April 17, 2014
湯浅くんが監督した「カイバ」の5話、めっちゃ好きです。
彼女が書くアニメーションやキャラクター、可愛いんです。
未見の方は是非!
EDアニメーションを担当したチェ・ウニョンさんは、韓国出身のアニメーターで、他に演出、監督もつとめています。湯浅政明監督作品を中心に活躍し、その後ピンポンのアニメでは副監督をしながら、EDを1人で描き上げました。劇場アニメ映画では夜は短し歩けよ乙女、2020年のテレビアニメでは映像研には手を出すな!でプロデューサーとして携わっています。
ピンポンアニメDVDbox買ったった。サントラ最高である。アニメのDVDboxなんて買ったの初めてだったりするが、まるで後悔していない。いや、むしろやはり買って良かった。原作が素晴らしいてのは当然だけど、アニメの新たな追加要素も素晴らしい。とにかくOPはいつ観てもカッコイイし。
— 愚者の黄金…。 (@FoolsGold2) September 1, 2014
ピンポンのOPがかっこいいという感想は他にも数多くみられます。原作のあるアニメ化や実写化は比べられがちですが、それでもピンポンが評価が高いアニメであることがわかります。サントラを評価する声から、楽曲も力を入れていたことがうかがえます。劇伴担当は牛尾憲輔(うしおけんすけ)さんです。電気グルーヴのサポートメンバーとしてもキャリアがある方です。
ピンポンのアニメOP曲まとめ
「ピンポン」のあらすじとともに、かっこいいと評判のアニメ版ピンポンのOP爆弾ジョニーの唯一人とEDについて紹介しました。ピンポンは熱いストーリーは今でも人気が高く、原作、実写映画、そしてアニメとたくさんのたのしみ方があります。かつて何度も読みかえしたと読み返したという方も、ピンポンの映画やアニメが好きだった方も、OPやEDのかっこいい音楽を含めて改めてピンポンを楽しんでみてはいかがでしょうか?