けものフレンズかばんちゃんの正体とは？手が黒い理由や性別など考察

けものフレンズの「アニマルガール」と呼ばれる、少女化された野生動物が暮らす架空の動物園「ジャパリパーク」を舞台にしたスマートフォン用ゲームアプリです。2015年3月16日にAndroidにてリリースされ、2016年12月14日に提供停止になってしまったけものフレンズのアプリです。ここで紹介する3DCGアニメーションけものフレンズは、提供停止になった翌年の2017年の1月11日から放送開始となっていました。

けものフレンズは、多くのアプリゲームがアニメション化する流れの中で、人気を博しまたは不人気の評価を打たれ、生き馬の目を抜くメディアミックス時代に当時前代未聞の「アニメが放送される前にアプリが停止になった」というマイナスの状態からの放送開始です。けものフレンズのアニメファンのなかには、「楽しみとは別な意味合いで楽しみだ」と興味本位に見始めたという意見もちらほらと見られます。

けものフレンズのかばんちゃんは、カーキ色半そでの縁に黒いラインが一本はいったシャツに、白い半ズボンと白いツバ帽子をかぶり、黒いインナーと両手には黒い手袋を履いています。ヘアスタイルは、少し青みががかったセミロングの髪型をしています。背中にはズボンと帽子と同じ色をした、背中を覆うほふぉの大きな白いリュックを背負っています。

どこか探検家を想像させる服装をしていて、頭にかぶっている白いツバ帽子のツバ部分には向かって右側と正面に穴があり、向かって左側には一枚の羽の羽根飾りがさしてあります。その羽根飾りは、根元から白、青に水色の配色をしています。一人称は「僕」で、男子とも女子ともとれる見た目から、中性的な印象を抱かせます。

けものフレンズの第一話の広い草原のなかで、かばんちゃんは記憶も自分の名前もわからない迷子の状態で目が覚めます。そしてそれを木の上から見つけたサーバルちゃんに「狩りごっこ」の標的にされ遭遇します。迷子は名前も、なんの動物のアニマルガールなのか正体もわからない状態なので、サーバルちゃんは迷子に名前をつけようと考え始めます。

迷子が現在身に着けている物は、羽根飾りを刺した帽子と大きなかばん（リュックサック）のみです。迷子が持つ大きなかばんを見て、サーバルちゃんはカバンを持っているから「かばんちゃん」と迷子に名前を付けます。しかしそれは本当の名前ではないことを、かばんちゃんもサーバルちゃんもわかっています。けものフレンズでは、本当はアニマルガールがなんの動物かを判断してから、名前を付けるのです。

かばんちゃんは空を飛ぶ翼も、早く走る足も、木登りが得意でもありません。得意なことからアニマルガールか正体を特定できませんでした。そこでサーバルちゃんから、現在位置がジャパリパークの「さばんなちほー」にいること、別のちほーにある図書館に行けば、「かばんちゃん」がなんのアニマルガールかがわかると聞き、かばんちゃんとサーバルちゃんの二人は旅を始めるのです。

その道すがらサーバルちゃんが「ボス」と呼ぶものが現れ、かばんちゃんを見て「ラッキービースト」と名乗ります。その声にサーバルちゃんは「しゃべっているところを初めて見たよ」と驚きます。かばんちゃんから「ラッキーさん」と呼ばれるラッキービーストは、二人を図書館まで案内を開始します。アニメけものフレンズは、かばんちゃんの正体を探す旅を中心にして、様々なアニマルガールたちとの遭遇や交流を描く物語です。

かばんちゃんは、はじめはサーバルちゃんに「狩りごっこ」で捕まったときに「食べないでくださーい！」と叫び声をあげて怖がっていました。しかし決して暴れたり、反撃にでようとすることもありませんでした。しかしただ臆病なだけではなく、アニマルガールの天敵のセルリアンを見つけた時に、道具を利用してサーバルちゃんの援護をする勇気や知恵を持ち合わせています。

そして図書館へ向かう途中で出会ったアニマルガールたちの悩みに助言をしたり、彼女たちの相談に乗り悩みを解決してあげて、別々のアニマルガールが持つ問題を利点として互いに助け合えるようにするなど、優しい性格をしています。ジャパリパークを歩く旅の中で、彼女は沢山のアニマルガールを助けて、絆を紡いでいくのです。

初めてかばんちゃんがサーバルちゃんと会った時に、サーバルちゃんはかばんちゃんがなんのアニマルガールかを特定しようとしていました。その特定方法は「特徴や特技からアニマルガールを特定する」方法でした。「尻尾と耳がない珍しいフレンズ」「ゆっくりな動きならナマケモノのフレンズ」「鳥の子ならここ（背中）に羽根」「フードがあれば蛇の子」といろいろ探るのですが、彼女の正体は結局わかりませんでした。

次にサーバルちゃんがした方法は、他のフレンズに聞くことです。さばんなちほーにある高台の水辺で二人と出会ったカバのフレンズに目的とかばんちゃんがなんのアニマルかわかるか聞いてみます。カバも思い当たるアニマルガールの特技から、かばんちゃんの正体を探そうとします。「あなた泳げまして？空は飛べるんですの？じゃあ足が速いとか？」しかし他のアニマルガールのように目立った特技を見つけることができませんでした。

サーバルちゃんとカバはかばんちゃんの特技を見つけることができませんでしたが、かばんちゃんは道具を使うことができます。さばんなちほーから隣のじゃんぐるちほーへ移動する案内板に設置された、動物が地図の紙を取れないようにする透明な箱の蓋を開けて、かばんちゃんはジャパリパーク全体が描かれた地図を取り出します。サーバルちゃんはそれだけでも驚いています。

一話の終盤ではアニマルガールたちにとっての天敵のセルリアンが襲ってきます。そのセルリアンは弱点の石が背中にあるので、一対一の勝負では弱点を攻撃することができません。かばんちゃんは地図を紙飛行機の形に折り、セルリアンの気を反らします。彼女のとっさの機転により、大きなセルリアンを倒すことができました。かばんちゃんの特徴の一つが判明します。かばんちゃんは、道具を作り、使うことができるのです。

一話のサーバルちゃんと再会したかばんちゃんの二人、そこに草陰から「ボス」が現れます。サーバルちゃんはかばんちゃんの事情などを話してボスに協力してもらおうとしますが、ボスはそんなサーバルちゃんを無視してかばんちゃんの前に出ます。立ち止まり「はじめまして、ボクはラッキービーストだよ、よろしくね」と可愛らしく体を傾けて、自己紹介をします。

ボスの自己紹介を聞いてサーバルちゃんは「うわあああああ！しゃべったああああ！」と動揺をあらわにして心底驚きます。そこでシーンが終了して、どうして驚いたのかの説明は二話目になります。実はサーバルちゃんや他のアニマルガールたちが「ボス」と呼ぶ存在は、他のアニマルガールたちとは会話しないものだから、初めて話をした場面を見て驚いたのです。かばんちゃんの特徴の一つにボスと話すことができることがわかります。

「さばくちほー」で洞窟の奥の遺跡へ入ったかばんちゃんとサーバルちゃんは、ツチノコのアニマルガールと遭遇します。ツチノコはアニマルガールと会話しないラッキービーストが話しをしているのを見て、かばんちゃんがなんのアニマルガールか思い当たったようです。サーバルちゃんとかばんちゃんの二人が離れて行く背中に、ツチノコは「あいつ…絶滅してなかったのか…」と感慨深そうに意味深な台詞を発します。

へいげんちほーで縄張り争いに巻き込まれたかばんちゃん達は、ヘラジカ陣営の一人ハシビロコウのフレンズがじっとかばんちゃんを見ていることに気が付きます。ハシビロコウは非常に目力が強いフレンズで、その視線にかばんちゃんは少し引き気味になっていました。しかし縄張り争いが終わってから、彼女はかばんちゃんに「あなた、もしかしてヒト？」と問いかけます。

ヒトという聞きなれない言葉に、サーバルちゃんとかばんちゃんはさらに聞きます。するとハシビロコウは「ヒト、のような気がする。 わたしも噂で聞いただけで、詳しく知らないんだけど」と前置きを言い「あなたみたいに不思議なことたくさん閃いて、とても器用な子らしいよ。見た目はわからない。 でも、頭がよくて、いろんなこと知ってて、いろんな物使ったり作ったり…」と言っています。

第11話のラストでセルリアンに取り込まれてしまったかばんちゃんですが、最終話でいままで出会ったフレンズたちの協力でかばんちゃんは奇跡的に救出されました。その時に手袋をつけていませんでした。しかし、時間が経過して桟橋の辺りから、指先が不自然に黒くなり始めます。だがどのフレンズもそのことに気が付きません。

さらに時間が経過して、かばんちゃんとサーバルちゃんの二人がみんなで作ったイカダに乗って旅立とうとしている時、彼女の手は指の付け根辺りまで黒く染まっています。最終話の放送を終えた後に、3DCG制作総監督のたつき監督がTwitterにてアップロードしたイラストでは、手の拳部分が黒くなっているように見られます。これには多くのファン達が深く考察をしました。

けものフレンズの最終話に近づくにつれて増えた多くのファンが、固唾をのんでかばんちゃんの無事を祈りました。そしてかばんちゃんが戻ってきたことに喜びました。その喜びが冷める前に、かばんちゃんの指が黒く染まる不穏なものを見ました。その黒はどこか巨大セルリアンの色とも同じ黒です。喜びの裏に忍び寄る不安のなかで、ファン達はネット上でかばんちゃんの指を染めている黒いものの正体を口々に考察しました。

その考察の中の一部を紹介します。「巨大セルリアンを倒すために木に登った時のただの汚れが指先についている」「かばんちゃんが元の正体に戻りつつある」「かばんちゃんは徐々にセルリアンになるのではないか」「かばんちゃんの肉体が別の黒い物体になるのではないか」「人気が出てきたからテレビアニメ二期に向けての伏線などでは？」などなどです。どれもアニメけものフレンズの世界観では完全に否定できない説得力があります。

紹介したけものフレンズファン達の考察の中で、一番有力な意見が「セルリアンに飲み込まれたことによって失った黒い手袋が元に戻りつつある」です。実は、かばんちゃんが失っているのは、手袋だけではなく、黒いソックスも失っているのです。映像を見ればソックスも手袋と同じように再生していく様子を見ることができます。

けものフレンズのかばんちゃんの服装は男女ともに着ていてもおかしくない姿をしています。髪型もセミロングですが、少し長い髪をした男の子ともとれます。さらに一人称は「ぼく」と、一般的には幼い男子が使う一人称をしようしています。そこからかばんちゃんのファンは、かばんちゃんの性別をはっきりとさせることができなくなってしまいました。

さらにアニマルガールたちは「ガール」とついている通り、女の子の姿をしています。サンドスターでフレンズ化すると、みなメスになるのです。そこで「実はオスでもサンドスターでフレンズ化するとメスになる」仮説も成立します。なので「かばんちゃんの元の姿はオス」という可能性もあります。

ジャパリパークを冒険しているなかで、かばんちゃんは足をそろえて座る場面が時折見られます。女の子座りとは、正座を崩したような座り方で、女児や少女に見られる特徴的な座り方です。その動作から、かばんちゃんの性別は女の子なのかもしれないという仮説があります。

多くの仮説が存在しますが、かばんちゃんの役をした声優内田彩さんが、かばんちゃんのことに関してコメントするときに「彼女」と発言していました。このことから、内田彩さんはかばんちゃんの性別を女子だと考えているように見えます。また製作者のたつき監督のインタビューでは、可能性を示したうえで「また推測をしていただければと思います」と視聴者の想像の余地を残しています。

かばんちゃんをはじめ、けものフレンズにはいまだ明かされていない謎も多いです。もしかしたら先人たちが見逃している伏線や、描写もあるかもしれません。この記事を読んで興味をひかれた方は、かばんちゃんの正体について3DCGアニメーションけものフレンズをご覧ください。もしかしたらまだ見ぬ新しい発見があるかもしれません