【うしおととら】鏢（ひょう）の過去と最後を考察！本名やアニメ版声優は？

本記事のメインテーマである鏢（ひょう）の話題に入る前に、まずはうしおととらの作品情報を紹介します。

藤田和日郎による漫画作品「うしおととら」（略称「うしとら」）。1990年から1996年まで小学館発行の週刊少年サンデーにて連載されました。その後、3種類の単行本が刊行。最初は少年サンデーコミックス版全33巻と外伝1巻、次に刊行されたワイド版は全18巻。そして3弾として小学館文庫からは全19巻で刊行されました。発行部数は累計で3000万部にも上ります。

主人公の少年・蒼月潮（あおつき・うしお）が蔵の中に封印されていた妖怪・とらを解放するところから、うしおととらの物語は始まります。とらを従え妖怪退治に出陣するうしお。必殺の武器「獣の槍」を使い妖怪たちと戦っていく彼の姿が描かれています。

絶大な人気を博した漫画・うしおととらは、1992年OVAによりアニメ化され、さらに2015年にはテレビアニメとなって再登場します。テレビアニメ・うしおととらは、第1シーズンが2015年7月から12月にかけて、第2シーズンは翌2016年4月から6月にかけてTOKYO MXなどで放送されました。アニメーション制作はMAPPAとstudio VOLNが担当し、西岡聡が監督を務めました（全39話）。

代々続く寺の僧侶の息子として生を受けた主人公の蒼月潮（あおつき・うしお）。ある時、寺の蔵につながれていた妖怪と遭遇します。潮は、その妖怪に「とら」という名を与えます。蔵に閉じ込められていたとらは、凶悪さで知られた恐るべき妖怪でした。

潮は別の妖怪に襲われた友人の麻子と真由子を助けるため、とらを封印していた槍を引き抜くと共に妖怪退治に乗り出します。自由の身になると潮との約束など忘れて自由に振舞おうとするとら。潮はとらを槍で殴りつけることで何とか言うことを聞かせます。とらを500年間も縫い付けていたこの槍は、中国で2000年以上前に作られた妖怪撃退用の「獣の槍」と呼ばれる伝説の代物でした。

潮の知らぬ間に、ある不穏な動きが始まっていました。大妖怪とらの解放や中国伝来の妖怪退治ツールの使用が、妖怪を封じ込め日本を守っていると自負する仏教団体・光覇明宗の逆鱗に触れたのです。光覇明宗は、獣の槍奪還ととらの再封印をはかるため、強力な刺客を彼らのもとに送りつけます。一方、光覇明宗の攻撃を察知した潮は、追手から逃れるため一路北海道を目指します。

大妖怪・白面の者を恐れる日本古来からの妖怪からも、白面の者を解放した妖怪からも敵視される存在となった潮。母やとらを巻き込む白面の者と日本の妖怪との戦いや獣の槍の意味を改めて考えさせられるのでした…。

ここからは、本記事の主役であるうしおととらに登場する鏢の話題に移っていきます。まずはプロフィールから紹介します。

うしおととらの鏢とは、呪符と呼ばれるお札を使って妖怪退治をする人物です。依頼者から金銭を受け取っていますので、妖怪退治を生業（なりわい）としているプロと言ってもよいでしょう。

鏢の外見の特徴としては、顔の右側に大きな3本の傷があることです。右目は失われており、義眼として青紫色の水晶が埋め込まれていました。この”浄眼”と呼ばれる水晶の義眼は、単に見た目を整えるだけでなく、まやかしを見破る能力が備わっていました。その能力により普通の人には見えない妖怪を確認することが可能となった鏢。さらには、この浄眼を使って相手に暗示をかけることもできるようになります。

右目を失った時、大切な妻や子供も妖怪に殺されてしまいました。妻や子供の命を奪った妖怪によく似た化け物が日本にいるという情報を得た鏢は、急遽日本にやって来てます。そして、とらと対決した鏢。この時、とらを窮地に追い詰めるほどの高い戦闘能力が示されることになりました。

次にうしおととらの鏢が繰り出す技について解説します。プロフィールでも触れたように右目を失った鏢は、代わりに青紫水晶の浄眼を入れていました。これが彼に技を与えました。鏢は浄眼を使って妖怪を見ることができるようになります。さらに相手に暗示をかける技も修得。妖怪との対戦時には「鏢」と呼ばれる中国に古くから伝わる投擲型の武器による技で止めを刺しました。

また、15種類の技からなる十五雷正法という退魔術を操る鏢。この世の有象無象はすべて気を有しており、この退魔術の技で気を禁じれば妖怪に対しては存在そのものを禁じることができるという強力な技でした。こうした技を駆使して、うしおととらの鏢は妖怪退治を請け負っていました。

ここからはうしおととらの鏢の過去と最後を解説していきます。最初は過去からです。中国・広東省に生まれ育った鏢。ごく普通の人間でした。ところがある日の事、帰宅した鏢は家の中から出てきた者に右目を潰され意識を失います。暫く経って意識を取り戻した彼が見たのは、血だらけで床に倒れている妻子の姿でした。2人は既に息絶えていました。妻子の無残な姿を目の当たりにして錯乱状態に陥った鏢。凄惨な過去でした。

一晩中、森を駆け巡った鏢は桃源郷へと辿り着きます。そして妻子を惨殺したのが妖怪だと知った彼は、それまでの人生と決別、符咒士として仇の妖怪を探し求める旅へと出掛けます。妖怪を探す強力なツール・浄眼を得た鏢は、復讐心に駆り立てられるように仇の妖怪を追うとともに、人間に危害を加える妖怪をも容赦なく倒していきました。これがうしおととらの鏢の過去とその後の半生でした。

鏢の最後はうしおととらの中でも際立つ名シーンとして語り草となっています。その最後の場面は次のように展開していきます。最愛の妻子に惨い仕打ちを加えた妖怪「紅煉」を見つけ出した鏢。臆することなく紅煉に挑みかかっていきます。

片腕をかみ切られながらも、執念で自身の右目を抉り出し紅煉の口に突っ込み爆破させました。その後息も絶え絶えの状態で妻子の亡骸が待つ家にたどり着き、そこでうしおととらの鏢は最後を迎えます。うしおととらの多くのファンの心を掴み、感動の渦へと巻き込みました。

ここからは、うしおととらの鏢の本名や性格を解説していきます。まずは鏢の本名からです。鏢という名前は彼の本名ではなく、妖怪狩りで用いる武器・縄鏢にちなんで付けた仮の名前でした。過去と決別するためか本名については自ら捨てたと語っています。結局本名については最後まで明らかにされることはありませんでした。したがって、うしおととらの鏢の本名は不明という事になります。

本名に続いてうしおととらの鏢の性格について解説します。妻と子供を惨殺されたという衝撃が鏢の性格を一変させてしまったようです。妖怪や悪人に対しては手段を選ばず残忍な方法で始末する鏢。大切な家族の命を奪った妖怪に対する復讐心は尋常ではありませんでした。

妻子を殺した妖怪が日本にいるという情報を得た鏢。早速日本に渡り、うしおととらに対面します。仇の特徴によく似たとらに攻撃を加えあと一歩というところまで追い詰めます。ところが、とらが犯人ではないとわかると攻撃の手を緩め、とらを解放します。この時の様子は、妻子が殺害される前の本来の鏢の優しい性格を表わすシーンとしてファンの胸を打ったと話題になりました。

テレビアニメ・うしおととらで鏢の声を担当したのは、声優の浪川大輔です。以下に声優・浪川大輔のプロフィールを紹介します。

• 出生地：東京都
• 生年月日：1976年4月2日
• 年齢：43歳（2020年1月現在）
• 身長：173 cm
• 職業：声優、ナレーター、俳優、歌手
• 事務所：ステイラック（役職：代表取締役）

声優・浪川大輔のキャリアは、1985年小学2年生の時に始まります。母親の友人で講談師・声優の鈴木みえ（一龍斎貞友）の紹介で劇団こまどりに入団したのです。その後、アメリカのテレビドラマ「白バイ野郎パンチ&ボビー」の子供役の日本語吹き替えで声優としてデビューします。

主に少年から青年役を担当することの多い声優の浪川大輔ですが、アニメからゲーム、海外作品の吹き替えなど数多くの作品に出演しています。2010年に第4回声優アワードの助演男優賞を受賞しました。

声優・浪川大輔の出演作品の中から、メインキャラクターを演じたテレビアニメの作品を紹介します。

• 君に届け（2009年-2011年、風早翔太）
• 07-GHOST（2009年、ミカゲ]）
• 閃光のナイトレイド（2010年、伊波葛）
• HUNTER×HUNTER（2011年-2014年、ヒソカ＝モロウほか）
• ルパン三世（2011年-、石川五ェ門）
• ダイヤのA（2013年-2019年、滝川・クリス・優）

• 東京喰種トーキョーグール（2014年-2018年、有馬貴将）
• うしおととら（2015年、鏢]）
• ポケットモンスター サン&ムーン（2016年-2019年、ロトム図鑑）
• ブラッククローバー（2017年-2019年、ジャック・ザリッパーほか）
• ヴァイオレット・エヴァーガーデン（2018年、ギルベルト・ブーゲンビリア）
• 2019年明治東亰恋伽（森鴎外）

ここまで、うしおととらに登場する鏢の特集記事をお届けしてきましたが、最後に鏢に関する感想や評価を紹介します。

最初に紹介するうしおととらの鏢に関する感想や評価は、最後のシーンは涙無くして見れないという東風さんのツイートからです。普通の優しいお父さんだった鏢が、家族を失い名前を捨て、復讐に生きることになった残酷な運命を思うと、妻子が眠る家にたどり着く鏢の最後のシーンはことさら胸に迫るものがあったのでしょう。

次に紹介するうしおととらの鏢に関する感想や評価は、鏢のことだけで漫画が一本描けるという”そふつおにいさん”のツイートからです。平穏に暮らしていた青年が妻子を奪われ復讐の鬼と化し多彩な技を習得、最後は願いを遂げて妻子のいるところに旅立っていく…。激動の半生を描いたストーリー展開は、それだけで一つの作品になるような内容となっているのではないでしょうか？

続いて紹介するうしおととらの鏢に関する感想や評価は、復讐を諫められた時のうしおととら・鏢の返答が好きだという永遠の繭期さんのツイートからです。不条理な理由で最愛の妻と娘を失ったごく普通の男性だった鏢。生きる希望を失った鏢は、妻と娘の仇をとることに活路を見出し、それまでの人生をかなぐり捨てて冷酷なまでに復讐の鬼に徹します。

その後仇の妖怪を見つけだしたうしおととらの鏢。最後は仇討ちを成し遂げるのですが、そこに偶然居合わせて妖怪に襲われてしまった見知らぬ母子を命がけで守り抜きます。見知らぬ親子を守り抜くというシチュエーションは、鏢の仇討ちを正当化するためにうしおととらの作者が用意した配慮なのかも知れません。

うしおととらの鏢に関する感想や評価、最後に紹介するのは、うしおととらの作者の藤田先生の描写力が素晴らしいという亮さんのツイートからです。最後に家族のもとに帰るシーンでは、家族が殺される場面やそれを見た鏢の慟哭の表情が頭をよぎり、涙無くしては見られなかったそうです。

ここまで、うしおととらに登場するキャラクター、鏢の本名や技などプロフィールから、過去の悲しい出来事と最後についての考察、さらにはアニメ版声優の経歴などを中心にお届けしてきました。いかがでしたでしょうか？

自分の帰りを家で待っていた最愛の妻と子供を妖怪に惨殺されるという悲しい過去を持つ、うしおととらの鏢。この記事を読んでうしおととらの鏢に興味を持った方は、実際にうしおととらの原作漫画やアニメをチェックしてみてはいかがでしょうか？復讐に燃える男に見え隠れする真の姿、彼が死ぬまでもち続けていたアイデンティティ、その優しさを感じることができるかも知れません。