クレヨンしんちゃんの作者・臼井儀人の死因は？遺書や死亡事故を調査

2009年9月11日、「クレヨンしんちゃん」の作者・臼井儀人先生は登山が趣味で、荒船山に日帰りで登山に行くと朝早くに一人で自宅を出ました。タクシーで登山口にいる姿を目撃されて以降、連絡が取れなくなりました。9月19日荒船山の高さ120ｍの高さの崖下に転落した男性を登山に来ていた人が発見して、行方不明になった臼井儀人先生ではないかと疑いが持たれました。

9月20日に群馬県の捜索隊の手により下田警察署に搬送されました。骨が折れていて顔面の損傷が激しく、歯型のデータと照合しました。結果、行方不明になっていた臼井儀人先生である事が確認され、死亡も確認されました。臼井儀人先生の死因は崖から転落した際に全身を強打した肺挫滅という診断が下されました。死因の肺挫滅は外からの強い力で肺が潰れてしまった状態のことです。死亡推定時刻は11日の午後頃とされています。

クレヨンしんちゃんの作者・臼井儀人先生は1958年4月21日に静岡県で生まれ、クレヨンしんちゃんの舞台となっている埼玉県春日部市で育ちました。臼井儀人先生の代表作は「クレヨンしんちゃん」です。既婚者で、二人の娘の父親でした。高校を卒業後、アルバイトをしながらデザイン関係の専門学校に通い、その後、広告関係の会社に入社してPOP広告を作成しながら生計をたてていて、同時に漫画家デビューも果たします。

1990年に「週刊Weekly漫画アクション」にて「クレヨンしんちゃん」の連載が開始されました。1992年には「クレヨンしんちゃん」のアニメの放送も始まりました。臼井儀人先生は感動を売るのが使命、読者ががっかりするからという理由から決して顔出ししない漫画家として知られていました。転落事故の際も作者・臼井儀人先生の顔写真は使われず、顔出しをしない意向を尊重し、葬儀も密葬で行われました。

作者の臼井儀人先生は周りの人から漫画家らしくない普通の人と言われていて、臼井先生と面識のある関根勤さんの娘の関根麻里さんは「かっこいい」と評しています。近所の人からも真面目な人、常識がある人、あいさつをするいい人で、地域の活動にも協力的だと話していました。劇場版クレヨンしんちゃんで声優として参加した事もあります。趣味の登山では単独で行く事が多く、事故当時発見が遅れてしまった原因と言えます。

クレヨンしんちゃんの作者・臼井儀人先生が登山に行くと出かけてから連絡がつかず、行方不明となり、ご家族が捜索願を出されました。このニュースは様々な所で取り上げられました。日帰り登山に出掛けたまま帰らないという事で、山の中で遭難している可能性が高く、登山ルートを中心に捜索が行われました。埼玉県警などは携帯電話の電波から得た位置情報では14日まで群馬、長野県の県境付近にいた可能性があると話していました。

臼井先生の携帯に電話をかけると繋がるのに応答がなく、登山客の中で臼井先生を目撃した人はいませんでした。ご家族が捜索願を出したことで、臼井先生が失踪した事は16日に世間に知れ渡りました。双葉社でも連絡が取れず心配しているとコメントを出し、臼井先生の失踪に関して中国でも報道されて国際的にも注目されました。臼井先生の捜索には埼玉県、群馬県、長野県が共同で捜索に当たりました。

行方不明となって9日が過ぎた頃、荒船山で崖下に転落していた男性が臼井儀人先生である事が発表されました。遺体は19日の昼前に荒船山で発見され、服装が臼井儀人先生に似ている事から本人ではないかと疑いがもたれ、群馬県警によって身元確認が急がれていました。全身強打の死因だったため、遺体の損傷が激しく、顔ではなく歯型のデータから臼井儀人先生ご本人だとわかり、20日に臼井儀人先生であると発表されました。

臼井先生の死因は全身強打による肺挫滅で、発見された時、骨が折れていて、顔面の損傷が特に激しく、身元の確認は歯型のデータで確認作業が行われて、発覚しました。しかし、遺体の確認で家族が警察署を訪れた時、顔の損傷が激しくても、家族はすぐに「お父さん」だとわかったという事です。臼井先生の遺体を発見したのは群馬県の捜索隊ではなく、山を訪れていた登山客でした。

臼井儀人先生の死亡推定時刻は11日の午後頃で、艫岩（ともいわ）という崖から120ｍ下に転落した事が死因です。事件性はなく、司法解剖はせず、遺体はご家族の元に引き渡されています。当時事故と自殺の両面から捜査が行われていました。自殺を疑われた理由として、滑落現場が過去に事故例がほとんどなかった事、宗教への多額の寄付で母親ともめた事などがあげられ、様々な憶測がネット上で飛び交いました。

その後も事故と自殺の両方で捜査がされていましたが、臼井儀人先生の奥様が「夫の信仰上、自殺はありえない」とコメントを出しました。臼井儀人先生の持ち物からも遺書は発見されず、残されていたデジカメの最後の写真が艫岩（ともいわ）の上から崖下を撮影した風景だった事から、撮影中に誤って足を滑らせて転落したという見解です。双葉社でも取材熱心で好奇心旺盛だったので撮影時に足を滑らせたのではと言っています。

臼井儀人先生とご家族はエホバの証人の信者だったのではと噂されています。実際、新興宗教に多額の寄付金を出した臼井儀人先生はご自身の母親とその事で揉めています。遺族のコメントからも読み取れるという声も多くありました。遺族のコメントでは将来の希望として主人と再会できる日を心から楽しみにしていますという一文があります。この一文から宗教に入信しているのではという見方が強まっています。

臼井儀人先生について関心の強い人達の間ではいつエホバの証人に入信したのかというのも話題になりました。奥様が先に入信していて後から臼井儀人先生が入信した説や漫画のネタになるからと勉強した事がきっかけで入信し、家族も入ったという説など、多くの憶測が飛び交っていますが、残念ながら裏付けされた情報はありません。入信した頃から「クレヨンしんちゃん」の作風も変わったと噂されています。

臼井儀人先生が入信していたとされる「エホバの証人」はキリスト教系の新宗教でほぼ全世界で活動しています。ものみの塔聖書冊子協会と呼ばれる法人があり、「神の王国」という世界政府の確立を支持しています。全世界で820万人もの信者がいて、その中でもアメリカの信者は約120万人、日本では約21万人いるとされています。主流派のキリスト教の基本信条を否定している為、主流派から異端扱いを受けています。

エホバの証人の教義ではキリストが神である事を否定していて、神は唯一神のエホバ（ヤハウェ）とされています。現代の世界は悪魔サタンの支配下にあり、やがて来る終わりの日にキリスト神率いる軍団とのハルマゲドンによりサタンの支配下から解放されるとしています。「エホバの証人」という名前は創造者エホバの心理を語る人という意味が込められています。

エホバの証人の入信者とされている臼井儀人先生の亡くなった原因は宗教にあるのでしょうか？臼井儀人先生の死因は崖からの転落による肺挫滅です。事故の例があまりない場所で起きた事もあり、当時は自殺の線も疑われていました。臼井先生は宗教に多額の寄付をしていた事で、自分の母親と諍いを起こしていました。不和が原因で家出をして行方不明になったのではと囁かれている時もありました。

臼井先生の自宅の隣には宗教施設があり、土地は臼井先生が提供したという話もあって入信を反対する母親とは度々口論になっていたという証言があります。クレヨンしんちゃんの作風も変わったと言われていて、宗教によって考え方が変わっていったことがわかります。母親との口論に疲れて命を投げ出してしまったのかと囁かれましたが、臼井先生の身の回りから遺書は発見されていません。

臼井先生の死後、コメントを発表した臼井夫人は「信仰上自殺はありえない」としていて、宗教では自殺を禁止している事が多く、寄付をして土地も提供している臼井先生は熱心な信者だった事が窺えるので、自殺はありえないでしょう。崖の下の風景を撮影した最後の写真もある事から、状況的に見て事故であり、母親との諍いを苦に身投げしたわけではないという見解がされています。

クレヨンしんちゃんの作者・臼井儀人先生が転落死した現場から遺書は発見されていません。しかし、ネット上では臼井儀人先生の遺書ではないかと思われるものが出てきて、議論されています。ネットで広まっている遺書と思われるイラストは不気味であり、どんな意味があるのかと様々な意見が出ました。人気作でプレッシャーがあったのでは？という声がある一方でネットにわざわざ遺書を載せるか？と疑問視する声もありました。

画像からもわかる通り、とても不気味な遺書です。縦の文字が「かあちゃ-」「ひま-」「ネネちゃ-」「かざまく」「ボーちゃん-」「まさおくん-」「とうちゃ-」「シロ-」で、横の文字が「ごめんね」「おらもう」となっています。不気味で意味深な画像であり、クレヨンしんちゃんの作風が変わり、以前から自殺を考えていたのでは？と議論されていました。

物議をかましたクレヨンしんちゃんの作者・臼井儀人先生の不気味な遺書ですが、この遺書についてあるブログで「俺が作った」という人物が現れました。いたずらが好きと発言し、以前からネットでよくいたずらをしていた人で、臼井先生の遺書として議論される事が面白いとみていましたが、臼井先生の訃報が飛びこみ、流石にまずいと思った男性は自分が作った画像だとカミングアウトしました。

出来心から遺書のような不気味な画像を作った男性ですが、小学二年生の時からクレヨンしんちゃんが好きで、しんちゃんの真似をして遊んでいた事も明かしています。ブログで自分が作った画像であり、臼井先生の遺書ではないと書いた男性は今回の件について反省しているとの旨を記載しています。ネット上で騒ぎになった赤い画像の遺書のようなものは臼井先生が作ったものではありませんでした。

クレヨンしんちゃんの作風が変わったと噂されているエピソードの代表としてしんちゃん達が通う幼稚園のまつざか先生の話です。まつざか先生が結婚の約束を交わした恋人の徳郎が海外で爆破テロに巻き込まれて死んでしまうというエピソードです。彼の訃報を知ったまつざか先生はアルコールと疲労で内臓をボロボロにして後追い自殺を考えていました。仕事中に飲酒をして謹慎処分となり、街で喧嘩に明け暮れます。

不良グループのリーダーに抵抗せず、殴られ続けるまつざか先生は殴り殺されようとしていました。まつざか先生を救ったのはしんのすけが徳郎の母から預かった、生前徳郎がまつざか先生に宛てた手紙でした。亡くなった恋人からの手紙を読んだまつざか先生は生きる気力を取り戻し、相手に勝ちますが、ファンの間では「鬱展開」と呼ばれ、残酷すぎるエピソードに子供には見せられないと否定的な声が目立ちました。

しかし、もともとクレヨンしんちゃんは子供向けの漫画ではないという事でたいしたことない、もともと毒のある漫画と受け入れるファンも大勢いました。しかし、アニメの方では内容が子供向けではないとして、放送されませんでした。クレヨンしんちゃんの衝撃的なエピソードで作風が変わったとされ、周囲の漫画家からも「最近変だね」と噂されていたという話もありました。

クレヨンしんちゃんの作者・臼井儀人先生の訃報が飛びこんだ後、双葉社では連載されているクレヨンしんちゃんについて入稿されている2009年12月号までは連載を続けると話し、クレヨンしんちゃんのアニメについては原作者が亡くなった事もあり、今後についてはご家族と検討するとコメントを発表しました。2009年11月に臼井先生の遺稿が見つかり、2010年3月まで連載が延長されました。

作者の死亡により、絶筆作品となった「クレヨンしんちゃん」ですが、アニメの方ではサザエさん方式で放送を継続する方向で話を進めていると明かし、アニメクレヨンしんちゃんの放送は現在も続いています。原作は作者死亡という事で無念の連載終了となってしまいましたが、アニメはこれからも受け継がれていきます。長く愛されてきたクレヨンしんちゃんはこの先の未来でも多くの人から愛される作品となるでしょう。