2019年11月03日公開
2019年11月03日更新
クレヨンしんちゃんの初期は過激すぎる?下ネタが酷い?現在と昔のアニメ画像も比較
嵐を呼ぶ5歳児・野原しんのすけを主人公にした「クレヨンしんちゃん」は、1990年に漫画連載がスタート・1992年にアニメ化され国民的アニメとなります。アニメ「クレヨンしんちゃん」は子供の本音や大人の事情をユーモアたっぷりに描いていますが、漫画での初期設定は過激で下ネタ満載だったようです。漫画やアニメに於いての初期や昔のアニメ画像を比較しながら、皆さんが慣れ親しんだ「クレヨンしんちゃん」とは違う面に迫っていきます。
目次
クレヨンしんちゃんとは?
クレヨンしんちゃんの漫画情報
1990年から連載を開始した臼井儀人原作のギャグ漫画「クレヨンしんちゃん」は、青年漫画雑誌「漫画アクション」(双葉社)での連載を経て、2000年から同社の四コマ誌「まんがタウン」に連載の場を移し臼井儀人さんが亡くなる2010年まで連載されていました。臼井儀人さんの死去から数カ月後、アシスタントによる「新クレヨンしんちゃん」の連載が再スタートしています。
臼井儀人原作の漫画「クレヨンしんちゃん」の単行本は50巻で終了していますが、「臼井儀人&UYスタジオ」の漫画「新クレヨンしんちゃん」のコミックは9巻(2019年7月現在)まで出版しています。累計発行部数5000万部以上を記録している大ヒット漫画です。
「クレヨンしんちゃん」が連載されていた雑誌は青年誌だったことから、初期は直接的な下ネタや当時の世相を皮肉ったエピソードなども描かれていたようです。下ネタなどの過激な表現は、徐々にトーンダウンしていきホームコメディ路線になっても、当時の世相や有名人ネタは初期から一貫して描いていたようです。
連載初期からしばらくの間は、しんのすけがみさえやひろしに絡んだドタバタエピソードや、しんのすけと一般人が絡んだことでブラックユーモアたっぷりのドラブルが発生するエピソードが主体だったようです。
クレヨンしんちゃんのアニメ情報
1992年にテレビ朝日でアニメ化された「クレヨンしんちゃん」の初期は低視聴率だったものの、翌年1月11日放送では20%を超え同局の看板番組となります。1993年からは劇場映画が公開されており、同時期公開の「名探偵コナン」と共に息の長い人気を保っています。
アニメ初期の世間での反応は、理想の子供像からかけ離れたしんのすけに否定的だったようですが、アニメの人気に伴い制作された1993年の劇場映画第1作「クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王」は22.2億円の興行収入を記録しています。
2019年現在27作品公開されている劇場版「クレヨンしんちゃん」に於いて、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」や「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」は特に高い評価を受けています。2009年の映画「BALLAD 名もなき恋のうた」は、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞の「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」を原案にした実写映画です。
クレヨンしんちゃんの初期は過激?
過激シーン①漫画の第1話
記念すべき漫画「クレヨンしんちゃん」第1話で、吉永先生が中途入園したしんのすけを紹介します。恥ずかしがっていたしんのすけは、いつの間にか吉永先生のスカートに潜り込んでしまいます。注意するはずの吉永先生は、なぜか感じてしまうという展開になっていますが、我に返ってハンマーでしんのすけを殴るオチになっています。
漫画初期の吉永先生は、トラブルメーカーのしんのすけに過激なお仕置きをしていたようです。しょっぱなから過激すぎる漫画「クレヨンしんちゃん」第1話は、単行本未収録回となっています。
過激シーン②事故現場ごっこ
しんのすけは買ってもらった三輪車で遊びにいきます。しばらくすると車のブレーキ音が響き渡り、みさえの脳裏に事故に遭ったしんのすけが過ります。幸い事故ではなく刑事ドラマの「事故現場ごっこ」をしていたしんのすけに、慌てて止まったトラック運転手は困り果て、みさえは「もっと子供らしく遊べ!」としんのすけを叱ります。
過激シーン③ぼーちゃんの扱い
本名や家族構成など不明で、いつも鼻を垂らしているボーちゃんはしんのすけのクラスメイトです。石好きで博学なボーちゃんの初期画像は、ただそこにいるだけのボーっとした締まりのないキャラだったようです。
過激シーン④マイクタイソン
吉永先生に症状を伝えようとするしんのすけは、「マイク・タイソン(元ボクサーで元プロボクシング・ヘビー級統一世界王者)に打たれ2、3日たったような…」という訳の分からない訴えをします。普通はシクシクとかキリキリする痛みと訴えそうですが、しんのすけの場合は一味も二味も違うようです。
過激シーン⑤「前が見えねェ」
給食のおばちゃんから、熱いシチューに注意するように言われた給食当番のしんのすけはおばちゃんの足でシチューの熱さを確認してしまいます。しんのすけはブチ切れ怒りのおばちゃんにより、上記画像のように顔面が崩れるほど過激にボコられ前が見えづらいようです。
過激シーン⑥シチュー
給食当番のしんのすけたちが給食を運ぶ途中、しんのすけが園児にぶつかってしまいシチューをこぼしてしまいます。しんのすけは動揺することなく、チリトリでこぼしたシチューをすくって混ぜてしまいます。悪いことは続いてしまい、次はフルーツみつ豆もこぼしてしまいます。
困った園児たちはしんのすけの指示で、上記画像のようにこぼした給食を混ぜ水ですすぎ洗いし、牛乳などを足して作ったリメイク料理「フランス風フルーツ・ド・ライスシチュー」が完成します。意外にも好評だったようですが、真相を知っているしんのすけは「知らぬが仏」とつぶやきます。
過激シーン⑦吉永先生の発言
粘土で自分と友達の男性器を作っているしんのすけは、松坂先生の恋人のも作ってしまいます。適当にあしらうつもりの松坂先生でしたが、しんのすけ作の恋人の男性器に対し「そんなに小さいくない」と言ってしまい墓穴を掘ってしまいます。
過激シーン⑧ピストル襲撃
園長は自身の犯罪者のような顔立ちに悩んでいます。そんな園長の悩みを知らずに組長と言って楽しんでいるしんのすけは、おもちゃのピストルを携え組長を狙うヒットマンごっごをするため園長宅に現れます。
過激シーン⑨天安門広場
しんのすけは天安門広場を彷彿させる戦車を作り、風間くんはベルリンの壁を作り二人は競い合っています。自分たちのレベルが低くて萎えてしまっている園児たちに、吉永先生は「あいつらが異常だ」とフォローします。上記画像のエピソードも単行本未収録回となっています。
過激シーン⑩地上げ屋
本当は善人の園長先生は、上記画像からわかるように犯罪者顔をしているので周囲から怖がられています。しんのすけは「地上げ屋」と言って楽しんでいるようですが、いつも顔を合わせている園児にも怖がられ本人は落ち込んでしまいます。
クレヨンしんちゃんの初期は下ネタが酷い?
下ネタ①ネネちゃんの発言
ネネちゃんは、粘土で作った犬(メアリー)が犯されたと吉永先生に訴えます。しんのすけが作った粘土の犬をメアリーの背後から覆いかぶさせたことで、動物の交尾を連想させてしまいます。叱られても反省なしのしんのすけに乗せられた吉永先生は、恋人・石坂さん(後に結婚)がいるので「嫌いどころかむしろ…」と本音を露呈してしまいます。
下ネタ②「菊ならここに」
お絵描き中のネネちゃんに吉永先生は「お花を描いているの?」と尋ねます。そこに現れたしんのすけは花繋がりで「菊ならここに」と、菊門=黄門なのでお尻を突き出してアピールします。吉永先生は、しんのすけの顔がピカソになるほど過激なお仕置きをします。上記画像のエピソードも単行本未収録回となっています。
下ネタ③コンドーム
何でも興味津々なしんのすけが、避妊具コンドームをフーセンガムと勘違いして膨らませようとします。ガムではなかったと理解したしんのすけは、苦虫をかみつぶしたような顔をします。
下ネタ④つわり発言
ネネちゃんがバス酔いで吐きそうなので、しんのすけは吉永先生に「ネネちゃんが妊娠している」と訴えます。バス酔いだと理解したしんのすけはネネちゃんを労わろうとしますが、バス酔いを悪化させることばかりをしてしまいます。
下ネタ⑤下着が帽子
みさえはしんのすけに幼稚園の支度をさせたのですが、帽子を忘れてしまいしんのすけに幼稚園帽子を取りに行かせます。帽子は見つからず、みさえの下着を被って戻ったしんのすけのおバカな行為にみさえは怒り心頭です。やっと用意ができて幼稚園バスに間に合うはずでしたが、しんのすけが便意を催しみさえが送っていくことでバス代が無駄になってしまいます。
下ネタ⑥ソープ発言
犯罪者顔の園長は、外見で誤解されることばかりですがメゲることなく頑張っています。部下である吉永先生はそんな園長を理解しているはずなのですが、つい「ソープに売るのだけは勘弁して〜」と過激発言をしています。
下ネタ⑦考える人の像
しんのすけは風間くんが作った「考える人」に対抗して、しんのすけ版「いやらしい事を考える人」を作ってしまいます。しんのすけに触発された風間くんは、新たな高みに挑戦するようです。上記画像のエピソードも単行本未収録回となっています。
下ネタ⑧夫婦の営みシーン
ひろしは家族を養うために働き、みさえは家事育児に大変ですが夫婦の時間も大切です。気分が盛り上がり夫婦の営みが開始したものの、「オラにもやらせろよ父ちゃん」とタイミング良すぎるしんのすけの過激な寝言で夫婦の営みが中断されます。
下ネタ⑨プロレスごっこ
しんのすけが寝静まったのを確認したひろしとみさえは安心して夫婦の営みを再開しますが、そこへ恐ろしく寝相の悪いしんのすけが転がってきてしまいます。夫婦の営みを見られてしまった二人は、プロレスごっこで誤魔化すしかなかったようです。
下ネタはみこすり半劇場の影響?
漫画「クレヨンしんちゃん」初期の下ネタ元といわれる成人向けの4コマ誌「みすこり半劇場」(ぶんか社)は、下ネタ系4コマ漫画をメインの雑誌です。成人向けとなっていますが、過激な性描写はなく上記画像のようなブラックユーモアある笑いを提供していたようです。2013年より下ネタ系4コマ漫画から、お色気漫画及び劇画誌に方向転換しましたが2014年4月で休刊となっています。
クレヨンしんちゃんのアニメ画像比較
放送初期のアニメ画像
「クレヨンしんちゃん」のアニメ初期画像のしんのすけや他のキャラクターは、漫画初期を忠実に表現しているようでうす。「じゃがいも小僧」と称されるしんのすけの輪郭は、アニメ初期では縦長でじゃがいもに近い輪郭となっています。子供は目が大きいというイメージですが、アニメ初期ではしんのすけの目は小さく描かれています。話数が進むにつれて眉毛が少し太くなり、目や耳が大きく描かれるようになっています。
最近のアニメ画像
話数が進むにつれアニメ初期画像のしんのすけの輪郭は、縦長から横長へ変化していき、徐々に最近のアニメ画像へ近づいていきます。作画監督によって違いはありますが、表情豊かとなり、お餅のようなむっちりと頬ですりすりしながら甘えるシーンは可愛らしいと好評です。
クレヨンしんちゃんのアニメ声優
矢島晶子
1992年4月放送開始からしんのすけ役を務めていた矢島晶子さんは、しんのすけの声を保ち続けることが困難となり、2018年6月29日の放送を最後に降板しています。父からは芝居の道を反対されていたようですが、しんのすけ役を通して認められたようです。矢島晶子さんのしんのすけは、アニメだけでなくCMやゲームなどでも活躍していました。
初代しんちゃん声優
小学校のクラブ活動で演劇と出会った矢島晶子さんは、内向的な自分とは違うものになれることが楽しかったようです。父親から芝居の道を反対され社会福祉関係の短大に進学しましたが、卒業前に進路変更して一般企業へ就職しています。数年の会社員生活の中で芝居への情熱が蘇り、再び演劇の道を歩むことになります。アルバイトと両立しながら演劇に携わっていた矢島晶子さんは、声優・たてかべ和也さんにスカウトされます。
「アイドル伝説えり子」の主人公・田村えり子役で矢島晶子さんは声優デビューしていますが、その前に声優の練習の場が与えられ、機内版「ロジャー・ラビット」の端役として声優デビューします。厳密には機内版「ロジャー・ラビット」の端役が声優デビューとなるようです。その後、声優のキャリアを順調に重ねていき「クレヨンしんちゃん」のしんのすけ役を射止めます。
近年と違う?初期の声
アニメ初期のしんのすけの演技と声は近年と比べ、皆さんが慣れ親しんだ独特の抑揚が無く発声も高音だったようです。1993年頃あたりから原作の作風の変化に伴い、徐々に近年のスタイルに変化していきます。演技の変化に気付いた矢島晶子さんは、音響監督に確認したようですが特に問題はなかったようです。初期の特徴的なしんのすけの笑い方は、弟を参考にしていたそうです。
小林由美子
2代目しんちゃん声優
2018年7月6日からしんのすけ役を矢島晶子さんから受け継いだ小林由美子さんは、「アニメージュ」・日本ナレーション演技研究所主催の声優スクール出身で、声優のキャリアは20年以上のベテランです。主な出演作品は「電脳冒険記ウェブダイバー」の結城ケント、「デュエル・マスターズ」の切札勝舞・切札勝太・切札ジョー、「PEACE MAKER鐵」市村鉄之助など少年役が多いようです。
クレヨンしんちゃんに関する感想や評価
クレヨンしんちゃんだいぶ慣れ親しんだ後に初期を読むと心がザワつくんだけどしんちゃんの顔が何を考えてるかわかんない顔つきしてると気づいた。眉毛でこそ表情は変わるが瞳がまっすぐすぎてタダの5歳児じゃない…てなる
— ラリアット (@rariatoo) October 23, 2019
しんのすけは、世間一般が抱く5歳児の可愛いイメージをことごとく破壊しています。そんなしんのすけが、将来日本国民に愛されるキャラクターなるとは誰が想像したことでしょう。
小学二年生の時初期のクレヨンしんちゃん読んで食事中親に「コンドームってなに???(無邪気)」って聞いたことあるよ
— ymmc (@w_Makura) October 22, 2019
「クレヨンしんちゃん」が面白いのは周知の事実ですが、親の立場からしたらアニメ初期は子供がしんのすけの真似をした下ネタ発言に困ったことでしょう。そういう時期を乗り越えたからこそ国民的アニメという栄誉を獲得したのでしょう。
初期の頃のしんのすけ好きなんですよねw
— リスト収集が趣味@相互フォロー (@nakayuta1960) October 24, 2019
ホント生意気で面白かったwww#クレヨンしんちゃん #アニメ
pic.twitter.com/z0MfUFY5gN
「クレヨンしんちゃん」アニメ初期のしんのすけ声は、矢島晶子さんはとは別人の声優と感じてしまう方も多いでしょう。アニメ初期は、漫画初期のイメージをそのまま表現したのかもしれません。
クレヨンしんちゃんの初期は過激だった!
漫画「クレヨンしんちゃん」は青年誌に連載されていたことから、初期は過激な下ネタが満載だったようですが、意外にも秀逸なエピソードもあったようです。国民的アニメとなった現在は初期の過激さはトーンダウンしてしまったものの、初期から脈々と続いている既成概念にこだわらない「クレヨンしんちゃん」のスタンスは変わっていないようです。