アドルフ・ラインハルトがかっこいい！能力と口の傷の理由は？本当に死んだ？

「じょうじ…」という気味の悪いセリフと数、多様性で襲い来る「ゴキブリ」と人類との熾烈なバトルと各国の陰謀などをダイナミックに描いた大人気漫画『テラフォーマーズ』。そのなかでもマーズラインキング２位という非常に強力な能力をもった登場人物としてU-NASAドイツ代表幹部乗組員「アドルフ・ラインハルト」は君臨しています。

口元を常に隠し冷静沈着に振る舞う「アドルフ・ラインハルト」について今回は能力や口元の秘密、かっこいいと称される最期のシーンなどを紹介していきましょう！

漫画『テラフォーマーズ』は貴家悠先生が原作を担当し、橘賢一先生が作画を担当するというタッグで描いている海外でも人気のあるSF漫画です。火星開拓という壮大なテーマとモンスターパニック要素、そして動植物の生態系を深く絡めたバトルアクションなどダイナミックな作風がファンの心を掴んでおり、ヤングジャンプで連載しています。

アニメ、実写映画、ゲームなども発表される人気タイトルで今回の記事の主人公である「アドルフ・ラインハルト」は『テラフォーマーズ 外伝 RAIN HARD』として2015年に単行本で過去が言及されるなど注目度の高いキャラクターになっています。なお、2018年のヤングジャンプ52号からに貴家悠先生の療養のために休載を発表しています。

漫画『テラフォーマーズ』の舞台は26世紀からはじまります。文明の停滞や環境問題から地球の資源だけでは人類の生活は成り行かず火星への移住計画のために環境改善用の「ゴキブリ」を放ちます。しかしこの「ゴキブリ」が突然変異により未知の生物「テラフォーマー」に進化。人類は「テラフォーマー」に立ち向かうために「バグズ手術」と呼ばれる特殊な手術を施した超人化した人々を盾に対峙していくことになります。

この「テラフォーマー」に端を発する難病の治療と人類の存続のために、人類は「U-NASA」主導の「アネックス計画」を決行し、そこから主人公の小町小吉や膝丸燈など人類サイドとテラフォーマーの死闘や国家間にはびこる陰謀、そして火星に眠る文明の秘密と地球での攻防戦へと物語は言及されていくのです。

「テラフォーマー」とは宇宙開発に関する実在する用語で、生存能力の高い微生物や動植物を異星に定着させ酸素濃度などを地球の環境に近付けることやその生物のことをさします。漫画『テラフォーマーズ』の世界観ではそのなかでも昆虫綱ゴキブリ目の「ゴキブリ」が火星移民のための政策として選ばれ、その結果不気味な人型の生物を生み出してしまうことになりました。

この章ではそんな大人気漫画『テラフォーマーズ』に登場するU-NASAドイツ代表幹部乗組員「アドルフ・ラインハルト」のかっこいい活躍について主に５巻から抜粋してご紹介しましょう！

漫画『テラフォーマーズ』の第5巻は主にU-NASAドイツ代表とテラフォーマーズの死闘が描かれています。その中心にいるのがアドルフ・ラインハルトその人であり、回想を挟み込みながらの圧倒的な描写とその最期にファンは涙しました。

合流地点に急ぐU-NASAドイツ代表チームは待ち伏せじみた突然の襲撃にあいます。そこで虎の子であるアドルフ・ラインハルトは仲間を逃すためにも奮起し放電で応戦。その類稀なる闘志と信念、桁違いの能力でテラフォーマーを圧倒します。登場当時は口数が少なくクールにみえたアドルフ・ラインハルトがこの際に数々の名言を残したこともファンを唸らせています。

アドルフ・ラインハルトはここで雷撃による直接的なダメージを与えるだけでなく「磁場で投射物の弾道を捻じ曲げる」「自身に心肺蘇生を行う」などトリッキーな戦術もとっており実力の高さを見せつけました。

また５巻では並行して主人公である小町小吉が所属する日米合同第1班のなかでもハリオアマツバメをベースとした三条加奈子の活躍がフォーカスされています。雷による派手なアクションとその地続きの先で舞う高速空中戦という対比が美しいのも５巻の魅力です。

アドルフ・ラインハルトが大活躍する第5巻では回想シーンも含めてアドルフ・ラインハルトという男の生き様を通して漫画『テラフォーマーズ』の「M.O.手術」にまつわる世界観を描くなどして数々の名言が登場しています。

アドルフ・ラインハルトは人類初の「M.O.手術」成功例という輝かしいようにみえる功績の上にありながら両親が手術の代償として死んだことなどで悲観的で冷酷な態度をとってきました。しかし、その心の中心には両親が死んで自分の命の価値を見出せなくなってしまったアドルフを「人間として」愛してくれた妻ローザがおり、人としての尊厳と手術者の生き方を象徴するセリフをいくつも遺しています。

特に聖書を引用した地の文や、アドルフ・ラインハルトが率いる第５班のメンバーたちへの内に秘めた熱い想いなどがファンの心を掴んで離しません。

「M.O.手術」（モザイク・オーガン・オペレーション）とは、「バグズ手術」と呼ばれるホモ・サピエンス以外の別の生物の細胞を人間に移植し超人的な能力を付与する手術の発展系で、当初は昆虫類に限定されていたものをアドルフ・ラインハルトの成功例を皮切りに幅広い動植物への転用が3割程度の成功率とはいえ可能になりました。

主人公のひとりであるミッシェル・K・デイヴスや膝丸燈など多くの登場人物たちがこの「M.O.手術」の恩恵を受けて超人的な肉体能力と特殊な能力を併せ持っています。また、ツノゼミを主体として更に能力をうわがさねする技術も開発されており、テラフォーマーズに対抗する手段としての有用性を示しています。

この章ではアドルフ・ラインハルトのかっこいい能力の詳細や、口元の傷に隠された過去、そして死んだとされるアドルフ・ラインハルトの遺した伏線について紹介していきましょう。

アドルフ・ラインハルトは「マーズ・ランキング」と呼ばれる「火星環境下におけるテラフォーマー制圧能力」のランキングで堂々の２位を誇る非常に強力なM.O.手術者です。能力はベースの生物となった「デンキウナギ」にちなんで雷撃が主体となっています。

また、マーズ・ランキング第15位以下のため専用投射武器「レイン・ハード」が支給されており、避雷針のように投射した対象に向かって雷撃をあてるなど驚異的な能力を発揮しています。

アドルフ・ラインハルトの能力のベースはデンキウナギという魚類です。「M.O.手術」の人類初の成功例として登録されている動物でもあり、その「放電する」という特殊能力はテラフォーマーズに対して非常に強い駆逐力をもっています。

デンキウナギはデンキウナギ目ギュムノートゥス科デンキウナギ属に属する魚類で南アメリカのアマゾン川とオリノコ川というあたたかで限られた水系に生息します。ウナギという名前がついていますが、カライワシ上目に属するウナギとは異なりデンキウナギはコイやナマズが属する骨鰾上目に分類されています。

デンキウナギの最大の特徴は体内に存在する筋組織「発電板」の存在で、筋肉を震わすように脳から指令を送り興奮時に放電することができます。

普段は口元を隠し淡々と人を遠ざけているアドルフ・ラインハルトの襟の下には深く裂けた口があります。これは「M.O.手術」によって放電能力を得た代償ともいえるものであり、放電するその電圧で傷ついてしまったことで出来てしまいました。口以外にも背や胸元などアドルフ・ラインハルトの体にはいくつもの傷が残っておりその全てがアドルフ・ラインハルトの忍耐力の強さを物語っています。

アドルフ・ラインハルトの手術の代償は口元の傷だけでは済みませんでした。それは両親の存在であり、手術の際に2人とも死んだことで本人も軍属のある種「生体兵器」として生きていくしか無くなってしまいます。気になるアドルフ・ラインハルトの幼少期についてはスピンオフ作品である『テラフォーマーズ 外伝 RAIN HARD』で確認できます。

自分の能力のせいで両親が死んだという経験は暗い死生観をアドルフに与え、人類初の成功例という偉業の一方で実験生物のような生き方ゆえに悲観的で冷酷な性格に育ってしまいます。

両親が死んだあとのアドルフ・ラインハルトは暗く悲観的な性格をしていましたがそんな彼に人間として生きる光を与えたのが青年期に出会ったローザ・ツィプリースです。ローザは両親が死んだことと自分の能力を結びつけるアドルフに人間としての愛を与え、アドルフもその愛情をもとに人間として生きていくことを決めるのでした。

しかし不幸にもローザは別の男性に横恋慕されてしまい、その事実を知りながらも自分が能力者として危険な任務に就かなければならないことや普通の人間ではないという自負も合間って何も言えないまま火星へと経ってしまった負い目があります。

アドルフ・ラインハルトは辛い過去と絶望を跳ね返すように第５班のメンバーたちを護るという一念に縋って神懸かりな活躍を見せます。しかし、その強い信念を卑怯にも逆手に取られ投擲からエヴァや仲間たちを護り切るために追い詰められ防戦を強いられてしまい、ついには致命傷を受けてしまいます。

また、テラフォーマーズが死んだ者たちの細胞から「M.O.手術」のように能力を継承する可能性が危惧されており、致命傷を負い虫の息となったアドルフの身には自身の細胞をテラフォーマーズに渡さないための措置として心停止によって起爆する自爆装置が仕掛けられていました。そのためアドルフ・ラインハルトの死体は未だに発見されていません。

アドルフの自爆によって第５班のほとんどが結果として死亡することになります。そしてそのなかで唯一生き延びることになり、能力を引き継ぐかたちでエヴァ・フロストが再登場を果たすことになります。

アドルフ・ラインハルトの心停止によって発動する爆弾であるため生存している可能性は非常に低いですが、心肺蘇生などのトリックやエヴァの存在などアドルフが生きている可能性を示唆する説は根強く存在しています。

2014年から放映されたアニメ版やOVA版ではアドルフ・ラインハルトの声優を遊佐浩二さんが担当しています。

遊佐浩二さんの低くハスキーな声質と抑揚のある演技はアドルフ・ラインハルトにぴったりだったとアニメファンの間でも高評価を得ています。

遊佐浩二さんはフリーの声優であり、『ソニックX』（2003）の「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」や『BLEACH』（2004~）の「市丸ギン」、『黒執事』（2008）の「劉」、『弱虫ペダル』（2013~）の「御堂筋翔」、『鬼灯の冷徹』（2014~）の「白澤」など幅広い役柄をこなしています。

この章では漫画やアニメ『テラフォーマーズ』のSNSにおけるアドルフ・ラインハルトに関する感想をご紹介しましょう！

オーバードーズも辞さずに大切な味方のために奮起するアドルフを象徴する１コマとしてこのカットは非常に人気が高いコマになっています。

アニメ版『テラフォーマーズ』の５巻の再現度の高さもまたファンの興奮を煽っており、思わず涙したという声も多くあがっています。

またその無常観や切なさやるせなさからアニメのなかでも鬱回として記憶されており、テラフォーマーズの世界観を象徴するものになっています。

またコミックのなかで確認できる些細なギャグコマでもアドルフ・ラインハルトはその人気を博しており、「かっこいい」だけではなく「かわいい」「ギャップが好き」などの声もあがっています。

アドルフ・ラインハルトの能力や最期についてのまとめはいかがだったでしょうか？かっこいいキャラクターが多く登場する『テラフォーマーズ』の今後の展開にも期待しつつ読み返してみるのも楽しいかもしれません。