【名探偵コナン】イーサン・本堂とは何者？家族や黒の組織との関係とは？

1994年5号の週刊少年サンデーで連載が開始された、青山剛昌原作の漫画「名探偵コナン」。2017年には少年サンデー史上最長となる通算1000話を迎え、その後も連載記録を更新し続けています。1996年にはテレビアニメとして放送が開始され、2019年に23周年を迎えています。

さらに1997年からは毎年ゴールデンウィークに合わせて劇場版映画が公開されるなど、メディアミックス展開も積極的に行われています。

空前の発行部数を更新し続ける国民的人気漫画・名探偵コナン。世界中で親しまれている本作は、2018年末の時点で96巻まで累計すると発行部数2億3000万部にも上っています。一方テレビアニメは、豪華声優陣のも支えられ放送開始23周年を迎えた2019年現在も高視聴率を維持し放映中です。

さらに、毎年ゴールデンウィーク中に公開されている劇場版アニメも、圧倒的な興行収入や観客動員数は変わらぬ人気を示しています。また、コナンカフェなどの日本各地で開催されているイベントも大盛況で、キャラクターグッズなどコナン関連商品も多数制作・販売されています。

主人公・江戸川コナンこと高校生探偵・工藤新一の難事件に対する推理をベースに、ヒロイン毛利蘭のラブストーリーを織り交ぜながら物語は展開していきます。各エピソードではコナンの体を小さくした宿敵・黒の組織との対決を中心に据え、一方では日常的に起きる難事件を卓越した推理力で解決するコナンの姿を描いていきます。

一つの事件は、原作漫画では3話から4話かけて完了するのに対し、アニメではその多くが１話完結あるいは前後編に分けて解決に至ります。しかし中には、長編という構成を取り大掛かりな事件を扱う場合もあります。その代表的な例が、第1話から延々と続く一大長編「組織編」です。

コナンと黒の組織との直接対決をはじめ、容疑者に変装した黒の組織員が登場したり、誰がキーパーソンなのかを推理させる巧みな話の展開が読者を飽きさせない仕掛けになっていると言われています。

天才的な推理が名探偵コナンの主旋律なら、副旋律となるのはコナンとヒロイン毛利蘭とのラブロマンスでしょう。ここでは周りの登場人物の関係性も合わせて描かれていくため、ラブコメファンの女性からも熱い支持を受けています。

また、ミステリー要素に加えて冒険スペクタル活劇の側面も有しており、冒険ものに憧れる子供の心を掴むのにも成功しています。このように名探偵コナンは、従来の推理漫画の枠を超え老若男女が楽しめるエンターテイメント大作として、漫画界に新たな1ページを加えたと言っても過言ではないでしょう。

推理作家の父と大女優の母を持つ主人公の高校生・工藤新一。「シャーロック・ホームズの冒険」の熱烈なファンで、自らも江戸川コナンと名乗り高校生探偵として活躍します。「日本警察の救世主」とも謳われるコナンは、持ち前の卓越した推理力と洞察力により、数々の難事件を解決へと導いていきます

ある日、工藤新一と幼なじみの毛利蘭は連れ立って遊園地に出掛けます。そこで2人は、怪しげな組織の取引現場に遭遇。取引の様子に目が釘付けになっていた新一は、背後から近づいてきた男に気付かず殴り倒された上、APTX4869という高い致死率を持つ毒薬を飲まされてしまいます。毒が体に回ってくると新一の体に変化が表れます。何と神経以外の組織がすべて退行していき、小学1年生の体格になってしまったのです。

何とか一命を取り止めた新一。しかしもし新一が生きていることが闇の組織に知られたら、再度命を狙われるばかりか周囲の人たちも巻き込んでしまう危険があると阿笠博士が注意を喚起します。そこで、新一は江戸川コナンと名乗り別人に成りすますことに。さらに、謎の組織につながる情報提供を期待して蘭の父である探偵・毛利小五郎の家に住まわせてもらうことになりました。

こうして名探偵コナンが誕生。阿笠博士開発による万能アイテムを武器に難事件を解決すると同時に、元の身体を取り返すべく「黒の組織」に接近を試みていきます。

• 年齢：不詳
• 家族：妻（名前は不明）、娘（本堂瑛海）、息子（本堂瑛佑）
• 職業：中央情報局（CIA）の諜報員

コミックでは56巻、アニメでは485話の「黒い写真の行方」で初登場したイーサン・本堂。仕事の同僚と訪れたお好み焼き屋では、ある時は坪内と名乗ったり、またある時は石川となったり都度名前が変わっていました。また、写真を撮られるのを極端に嫌い、口数も少なく言葉を選んで話していることから極めて用心深い性格であることがわかります。

イーサン・本堂の名前の由来ですが、映画の主人公の名前をもじっているようです。映画「ミッション：インポッシブル」シリーズの主人公イーサン・ハントと、映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドからファーストネームとラストネームをそれぞれ拝借しています。

• 名前：小山力也（こやま りきや）
• 愛称：リッキー、りきちゃん、リキ
• 性別：男性
• 出生地：京都府京都市
• 生年月日：1963年12月18日
• 年齢：55歳（2019年10月現在）
• 身長：173 cm
• 職業：声優、ナレーター、俳優
• 事務所：劇団俳優座

イーサン・本堂の声優・小山力也は、アメリカのテレビドラマ「ER緊急救命室」での吹替えでデビューします。ジョージ・クルーニーの声を担当し、これがきっかけで以後もクルーニーの声優として活躍しています。しばらくは海外ドラマや映画の吹き替えを中心に活動しますが、2000年以降はアニメやゲームなどの分野にも進出。そして2009年、神谷明の後任として名探偵コナンの2代目毛利小五郎役に抜擢されたのです。

アニメ出演作としては、「うたわれるもの」のハクオロ役、「Fate/Zero」の衛宮切嗣役、「キングダム」の王騎役など数多くの主要キャラクターを演じています。また海外ドラマや映画の吹き替えとしては、前述のジョージ・クルーニーや「24」のキーファー・サザーランドを今日までほぼ専属で担当。他方、劇団俳優座所属ということからもお察しのように、テレビ俳優や舞台役者としても活躍しています。

イーサン・本堂の妻ですが、物語の始まる10年ほど前に病気のため亡くなっていました。「赤と黒のクラッシュ 血縁」の回で、奥平家に住み込みの家政婦として勤め息子がいたことが明かされます。しかし名前は不明で、しかも後ろ姿のみの登場でした。

また、「赤と黒のクラッシュ 侵入」の回では、息子・本堂瑛佑が白血病に罹っており手術をしたということ、さらには回想シーンで初めてその姿を現しました。

イーサン・本堂の娘は名前を本堂瑛海といい、水無玲奈（みずなしれな）という偽名を使ってアナウンサーとなっていました。しかし、その正体は父と同じCIAの諜報員。極秘任務で黒の組織に潜入し、キールというコードネームを持っていました。

イーサン・本堂の息子は本堂瑛佑といい、帝丹高校に転校してきた男子高校生で毛利蘭の元クラスメイトでした。本堂瑛佑は、母親が病気で亡くなると父イーサン・本堂に引き取られしばらくの間大阪で共に暮らします。その後イーサン本堂が海外を飛び回るようになると、本堂瑛佑は知り合いの家に身を寄せるようになりました。

行方のわからない姉・本堂瑛海を探す本堂瑛佑。コナン「赤と黒のクラッシュ」の回では、この本堂瑛佑が姉と瓜二つの水無玲奈を追いかけるところから物語が展開します。その後本堂瑛佑は、アメリカのCIAに入るため渡米することになりました。

次にイーサン・本堂と黒の組織との関係について解説します。CIAの諜報員であるイーサン・本堂は、黒の組織に潜入しスパイ活動をしていました。

「赤と黒のクラッシュ 遺言」の回では、実の娘・本堂瑛海（水無玲奈）の口からイーサン・本堂の死の真相が語られています。娘・本堂瑛海を必死に守ろうとするイーサン・本堂の姿から、いかに娘・本堂瑛海を大切に思っていることが手に取るようにわかり、観る者の胸を熱くするシーンとなりました。

イーサン・本堂が黒の組織の次の取引場所に来ることを聞いた本堂瑛海。新たな諜報員を紹介するため、取引場所である横浜の倉庫でイーサン・本堂と落ち合います。本堂瑛海に会ったイーサン・本堂は、彼女に発信機が付けられているのを発見。車のエンジン音から黒の組織の暗殺部隊の接近を察知したイーサンは、銃で瑛海の体を傷つけ「耐えろ。こうするしか助かる道はない」と言うとその銃を本堂瑛海の手に渡します。

本堂瑛海がCIA諜報員であることを隠し通すために、イーサン・本堂が苦肉の策で取った行動でした。イーサン・本堂はこの後取るべき行動の筋書きを伝えると、瑛海の手に握らせた銃の引き金を引き死を遂げたのです。

イーサン・本堂の正体とは、一体何だったのでしょうか？彼の正体が判明したのは、「黒い写真の行方」でのことでした。コナンは、幼い本堂瑛佑が父イーサン・本堂に連れられてよく来ていたという、大阪のお好み焼き屋の現店長・西郡宗平に話を聞きます。

店長によると彼の祖父である元店長とイーサン・本堂は昵懇の間柄で、閉店後の店内でよく話しをしていたということでした。西郡のカメラを幼い本堂瑛佑が悪戯したことで偶然写っていたのがイーサン・本堂の顔写真でした。また、西郡の記憶によると「この人は会社員。カンパニーに雇われている」と元店長である祖父がイーサン・本堂の正体について話していたということでした。

さらに西郡の友人に話を聞くと、正体を知る手掛かりとなる次のような証言が得られました。イーサン・本堂が仕事仲間に「いよいよ潜る」と話すと、相手は「good luck」（健闘を祈る）とか「no pain,no gain」（痛みなくして得られるものはない）と答えていたいうことでした。また、その時の仕事仲間は外国人で黒い服を着用していたことも判明しています。

「赤と黒のクラッシュ 昏睡」の回では、FBI女性捜査官ジョディ・スターリングからの情報として、イーサン・本堂の正体が日系二世のアメリカ人であることが明かされました。

さらに、ジョディによりイーサン・本堂の正体は、CIA（中央情報局）に所属する諜報員であったことも判明します。CIA入局3年後に来日し日本人と結婚、日本国内で潜入捜査をしていましたが、物語の始まる4年前に前述の経緯で死亡してしまいました。

ここまで　「イーサン・本堂」特集をお届けしてきましたが、最後にイーサン・本堂に関する感想や評価を紹介します。

感想・評価の紹介は、母の「イーサンと言えば…」という言葉の後に、当然「本堂」という答えを予想していた方からです。ところが母の口から出てきた言葉は、イーサンという名前の由来となった映画「ミッション・インポッシブル」の元ネタとなったテレビドラマ「スパイ大作戦」。ジェネレーションギャップを感じさせるエピソードでした。

イーサン・本堂に関する感想や評価、続いてはイーサン本堂が最期に残した台詞を名言と評する方です。本記事でも触れたように、娘を想う父親に胸が熱くなるシーンと言えるでしょう。

次に紹介するイーサン・本堂に関する感想や評価は、本堂親子の揃い踏みを目にしてみたいという方のもの。ともにCIAの諜報部員となった3人。イーサン・本堂が娘のために命を落としたことから叶わぬ夢となってしまいました。

イーサン・本堂に関する感想や評価、最後は記念すべきコナン500話突破で登場したイーサン・本堂がカッコよすぎるという方です。さらに、『どう見てもバウアー捜査官！』と奇しくも同じ声優・小山力也が担当したテレビドラマヒーローの名を挙げていました。

ここまで『名探偵コナン、イーサン・本堂とは何者？』と題して、イーサン・本堂の正体や黒の組織との関係、さらには妻や我が子である本堂瑛海・本堂瑛佑の情報についてもお届けしてきました。

名探偵コナン「黒い写真の行方」で初登場したイーサン・本堂。偽名を使い分ける彼の正体は、アメリカ合衆国CIA（中央情報局）の諜報員でした。また、アニメでイーサン・本堂の声を担当したのは、おなじみの声優・小山力也。人気ドラマ「24」では主人公ジャック・バウアーの声を演じています。

イーサン・本堂の家族ですが、日本人の妻との間に子供が2人いました。娘の本堂瑛海は父と同じCIA諜報員、この娘を助けるためイーサン・本堂は命を落とすことになります。また息子の本堂瑛佑も、後にCIAに入るため渡米。皮肉にも共にCIAに身を捧げ引き裂かれる親子の姿がありました。この記事でイーサン・本堂に興味を持った方は、彼の登場回を観ることで運命に翻弄された親子に思いを馳せてみるのも良いでしょう。