幼女戦記の原作小説の見どころ・あらすじをネタバレ!作品の魅力や感想は?

日本人作家カルロ・ゼンの人気小説「幼女戦記」。2017年にはアニメ化され、2018年には劇場版アニメも公開されました。タイトルからは想像できない本格的な軍事物として人気が高い「幼女戦記」の原作である小説にスポットを当て、各巻のあらすじをネタバレ紹介していきます。また原作の魅力がどこにあるのかも調べ、アニメや漫画との違いにも触れつつ、実際に「幼女戦記」を手に取った人の感想も紹介していきます。

幼女戦記の原作小説の見どころ・あらすじをネタバレ!作品の魅力や感想は?のイメージ

目次

  1. 幼女戦記とは?
  2. 幼女戦記の原作小説の見どころや魅力
  3. 幼女戦記の原作小説のあらすじネタバレ
  4. 幼女戦記のアニメや漫画版の魅力
  5. 幼女戦記に関する感想や評価
  6. 幼女戦記の原作ネタバレまとめ

幼女戦記とは?

幼女戦記の原作の概要

「幼女戦記」は、日本人作家のカルロ・ゼンが2011年から小説投稿サイトで連載していた作品で、2013年に書籍化したライトノベルです。2018年には「このライトノベルがすごい」で3位になり、2019年2月に11巻が発売され、シリーズ累計発行部数も400万部を超えている人気作品です。小説内のイラストは篠月しのぶが描いており、小説の表紙の重厚感のあるイラストが特徴的です。

「幼女戦記」の内容は、徹底した合理主義者でエリートサラリーマンだった男性が神の存在を否定したことで、世界大戦状況のヨーロッパに似た世界に女の子として転生させられ、兵士として戦場を駆け回るというストーリーです。第二次世界大戦を彷彿とさせる世界観ですが、魔法技術が存在し、才能があれば性別年齢問わず兵士になることが出来る世界です。

幼女戦記のアニメや漫画の概要

「幼女戦記」は2016年に漫画化され、「月刊コンプエース」で連載しています。2019年7月には15巻が発売されました。漫画は原作に沿った内容で東條チカが手がけており、原作の内容を分かりやすく解説しているのが特徴です。アニメ化は漫画が始まった時期より遅く、2017年1月から放送が開始し、小説の3巻までの内容で同年3月までに全12話が放送されました。

アニメ版のキャラクターデザインは、小説のイラストを担当した篠月しのぶが務めましたが、メインのキャラクターデザインは細越裕治が担当しています。アニメ設定が無い状態で漫画の連載が始まったため、漫画とアニメでキャラクターデザインが異なるという事態が起きました。

「劇場版 幼女戦記」アニメ公式サイト

幼女戦記の原作小説の見どころや魅力

見どころや魅力①魔法少女詐欺ジャンル

転生、異世界、少女、魔法という言葉が並ぶと、ファンタジーで明るく楽しいイメージが持たれますが、「幼女戦記」の内容は重厚な戦記物です。登場する幼女の中身も徹底した合理主義の中年男性という点からも、魔法少女タイトル詐欺と言われている「魔法少女まどかマギカ」や「魔法少女・オブ・ジ・エンド」と同じジャンルだと言われています。

見どころや魅力②主人公のターニャ

「幼女戦記」の面白さといえば、主人公のターニャ・フォン・デグレチャフの存在です。ターニャは金髪碧眼の美少女で、9歳という若さでありながら軍に所属し将校を務めるエリートです。才能があれば年齢や性別に関係なく兵士になれる世界ではありますが、9歳の女の子というのは異例です。幼女がなぜ将校になれたかというと、中身が記憶を持ったまま転生した30代の男性だからです。

しかもこの男性は元エリートサラリーマンで高い分析能力を持っていましたが、徹底した合理主義者でもありました。幼女の姿をしながら優れた戦闘能力と指揮能力を駆使し、戦争を毛嫌いしながらも戦果を挙げてしまうというギャップが面白く、物語の魅力になっています。

見どころや魅力③本格的な軍記物語

もうひとつの「幼女戦記」の魅力は、本格的な軍記物という点です。転生物語の多くは魔法や魔物といったファンタジーの世界で、圧倒的な力を持つ転生者が活躍する内容が多いですが、「幼女戦記」は戦争に特化しています。各国の思想の違いや政治政策、経済状況、周辺国との関係、政治家と軍人との目線の違いや対立が、現実世界で行われているようなリアリティ感があり、読者を惹きつけます。

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幼女戦記の原作小説のあらすじネタバレ

原作小説1巻のあらすじネタバレ

日本企業の人事部に勤めるエリートサラリーマンは職務に忠実で、徹底した合理主義を掲げ不要な社員をリストラすることにも何の躊躇いも持たない人物でした。ある日、リストラを告げた社員から逆恨みされ、電車のホームに突き落とされ死亡してしまいます。その時、「創造主」を名乗る存在が現れ問答した結果、人として欠落している部分を再認識させるために、前世の記憶を持ったまま非科学的な世界に女として転生させられました。

男性は金髪碧眼のターニャ・デグレチャフとして生を受けますが、両親に捨てられ、帝国の孤児院で育ちます。さらに魔導適正があったため、保身を最優先に考え合理的判断に基づき軍人になることを決意。8歳で帝国軍士官学校へ入学し、9歳で魔導士官になりました。目標は安全な後方支援に回ることでしたが思惑通りにはならず、合理的かつ適切な判断により軍人として評価され、部下とともに最前線で活躍するエースになりました。

原作小説2巻のあらすじネタバレ

戦線での活躍により、11歳で中尉に昇進したターニャ。後方勤務のためのキャリア欲しさに陸軍大学に入学しますが、その際偶然出会ったゼートゥーア准将との問答により、第二〇三航空魔導大隊を編成、指揮することになりました。精鋭部隊の初めての対戦相手は、侵攻してきた南方の隣国ダキア兵60万。しかしほとんどが歩兵だったため、航空魔導大隊による空からの攻撃になすすべもなく敗走。

その後も北方での戦争、ライン戦線へと出動し、戦果を挙げるターニャ率いる第二〇三航空魔導大隊。給料泥棒と言われない程度に仕事をしているつもりのターニャですが、少佐の身で参謀会議に呼ばれるほどの戦略家であり、周囲からは完璧主義者で戦争狂とまで言われ、行動が裏目に出てしまいます。

原作小説3巻のあらすじネタバレ

共和国との戦いが膠着状態になり、帝国はひとつの作戦を遂行します。人力誘導式噴進弾と呼ぶミサイルに括りつけられ、共和国司令部破壊のため飛ばされるターニャ。狂ったやり方だと思いながらも作戦の真の意図を知り、任務を遂行。共和国の首都を占拠し戦争が終結したかに思いましたが、共和国は隣接する植民地に撤退し、徹底抗戦の構えを見せていました。ターニャだけは前世での記憶から、戦争が終結しないことを察知。

しかし上層部はその考えを理解せず、戦争の終結を見誤ります。終わらない戦争を悲嘆し、キャリアのためには決して行ってはいけない命令違反ともいえる行動を起こすターニャですが、1人の力ではどうにもなりません。そして、ターニャの因縁の相手となるメアリー・スーが、父親の仇のため軍へと志願し、合衆国自由協商連合第一魔導連隊へと配属されました。

原作小説4巻のあらすじネタバレ

休暇の為、帝都に戻って来たターニャたち。帰任の報告をしに来たはずが、口を滑らせたことにより上官の思惑に嵌められ、気付けば軍事演習という名の越境作戦に参加させられてしまいました。一方帝国軍参謀本部では、連邦軍との衝突とターニャが提案した連邦首都への襲撃作戦について議論が交わされていました。ターニャの提案が通り首都襲撃を命じられますが、その際幼女としての立場を利用するという面白い一面があります。

原作小説5巻のあらすじネタバレ

念願の後方勤務に就き喜ぶのもつかの間、自身が書いた戦闘団結成についての論文が評価され、魔導部隊・砲兵中隊・装甲中隊・降下猟兵大隊からなる「サラマンダー戦闘団」の指揮役を任され、方々の戦線へと駆り出されました。東部での連邦との戦闘時、捕虜から国ではなく自民族のために戦っていることを知り、植民地化計画をゼートゥーア中将に進言。その後、戦闘団の解散や元部隊への復帰など上層部に振り回されます。

原作小説6巻のあらすじネタバレ

新たに再編されたサラマンダー戦闘団とともに東部前線に居たターニャ。季節は冬を迎え、補給品も不足していました。その情報を知り、連邦側が攻撃を仕掛けそれぞれの思惑がぶつかります。次にターニャが向かった先は、同盟国であるイルドア王国北部で行われた大規模動員演習でした。その後、連邦軍による全主戦線での反撃戦に対し、帝国は人手不足が深刻化し、勝利し続けることが疲弊に繋がる現状に解決策がありませんでした。

原作小説7巻のあらすじネタバレ

東部前線で戦うターニャたちの周囲は、連邦軍の襲撃が止まない状態でした。敵弾の投下により味方の大佐が戦死するという激戦地域には、休養する暇もありません。そんな中レルゲン大佐が援軍に訪れ、サラマンダー戦闘団もレルゲン戦闘団に名前が変更。戦場視察に来たイルドア王国の大佐の前で、ターニャは活躍を見せ、圧倒的勝利を掴みます。しかし帝国内では、停戦条件に対し政治家と軍人の考えが対立していました。

原作小説8巻のあらすじネタバレ

帝国は参謀本部と政府が対立し、ゼートゥーア中将が東部前線へと左遷されました。さらに帝国は資源物資を手に入れるため、南方への大規模攻撃作戦「アンドロメダ」を決行。しかし後任のウーガ中佐では力が足りなく、アンドロメダ作戦は失敗してしまいました。一方東部では、ゼートゥーア中将が孤立したレルゲン戦闘団の救出を行うとともに、ターニャたちも合流し連邦軍を撤退させます。そして勝利依存症の祖国を嘆いていました。

原作小説9巻のあらすじネタバレ

レルゲン戦闘団は療養と再装備のため帝都へと帰還。同行したターニャは、嘘だらけの新聞を見て怒りを覚えますが、軍の上層部からも政治家が勝利しか求めていないという話を聞かされます。帝都内で行われた戦没者追悼式典に参加し、無関心な人々の様子や食料品の乏しさ、若者の動員など戦争の目を勝利に向けさせなければ暴徒化するような現実を改めて見せつけられます。その後、ターニャは南方大陸派遣した軍の帰国支援を行います。

原作小説10巻のあらすじネタバレ

誰もが平和を望みながらも戦争の勝利に酔いしれている帝国。軍も政治家を排除することを考えはじめ、帝国内部は分裂の危機にありました。ターニャも安定した雇用と適正な給料を求め転職を考えるほどです。上司から無理難題を追いつけられ。矛盾した考えに翻弄されます。さらに帝国はイルドア王国に攻めることも考え始め、軍内部では叛乱計画も持ち上がります。

原作小説11巻のあらすじネタバレ

帝国の現状を察し、如何に上手に負けるか、如何に敗北を先延ばしにするかについてゼートゥーアとルーデンドルフが意見を戦わせていました。同盟国のイルドアを攻めつつ帝国の首都をも攻撃する考えを示すルーデンドルフこそが、排除する相手だと言うゼートゥーアに、ターニャは叛乱の首謀者として暗殺することを提案。暗殺計画を秘密裏に進めます。結果的に連合王国軍との戦闘を利用し、ルーデンドルフが乗った輸送機が墜落。

ルーデンドルフが死亡しゼートゥーアに権力が集中したことで、結果的にルーデンドルフが提案していたイルドアへの侵攻を決めます。最前線で自分たちが主導権を握って戦うことに意気揚々のターニャたち。帝国の猛攻に押され撤退するイルドアですが、ターニャたちはさらに軍港にあった軍艦も破壊。イルドアの領地を奪い物資を確保することも出来ましたが、それを糧に敗北と言う名の終戦に向けて進んでいるのでした。

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幼女戦記のアニメや漫画版の魅力

幼女戦記のアニメの魅力

「幼女戦記」のアニメ化は2017年に行われ、1月から3月まで小説3巻に相当する全12話が放送されました。「幼女戦記」の小説が重厚な戦記物だったのに対し、原作者自らアニメ版はエンターテインメントに徹してほしいという要望があり、迫力ある戦闘シーンが多く描かれました。また、アニメの最大の魅力は声優が演じる点であり、登場人物の心情が分かりやすく表現されています。

幼女戦記の漫画版の魅力

「幼女戦記」は漫画化もされ、角川コミック・エースから発売されています。漫画を担当したのは東條チカで、軍事関係の専門用語や戦略も説明されているため、全く戦争や軍事関係を知らない人でも楽しめるように解釈や説明文を入れ、分かりやすく描かれています。内容も小説やアニメよりもコメディー寄りで、ターニャの表情も豊かです。

幼女戦記のアニメや原作の違い

「幼女戦記」のアニメと小説の大きな違いは、ターニャの視点です。小説は各国の様々な登場人物の考えが章という区切りの中で表現されていますが、アニメはターニャの視点で各国や自国の内情について描かれています。そのため、小説は結果が先で発端や過程が後になるような書き方が多いですが、アニメはターニャの活躍に沿った流れになっています。また、アニメの方が戦闘シーンが多く、キャラデザインも異なります。

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幼女戦記に関する感想や評価

原作のあらすじや見どころについて説明してきましたが、実際に読んだ人の感想も気になるのではないでしょうか。ここからは「幼女戦記」に関する感想やコメントを紹介していきます。

「幼女戦記」が魔法少女詐欺ジャンルと紹介しましたが、タイトル詐欺とも言われていますが、タイトルの印象からこの作品を手にしない人たちに向けた感想です。主人公のターニャは、幼女という名の化物と言われ敵味方問わず恐れられていますが、中身は神の存在を信じない現実的で合理主義の大人の男性です。それだけでも面白いのですが、軍事物としての評価も高く、どの作品も面白いという感想が多く見られました。

「幼女戦記」の面白さが、容姿と中身のギャップだという感想です。作品の所々で創造主が現れますが、神の存在を否定し続ける主人公は、運が自分に向いた時にすら悪態をつきます。美少女が歪んだ笑顔を浮かべつつ戦う姿には、かっこいいと可愛いという相反する声が両方挙がっています。また、自分が選ぶ道がことごとく苦難な道へと続くことになんらかの意図を感じるという姿が面白いという感想もありました。

「幼女戦記」は、各巻ごとに英語のサブタイトルが付けられています。このサブタイトルも奥が深いと言われています。1巻のサブタイトルは「Deus lo vult」で、「神がそれを望まれる」というラテン語です。2巻の「Plus Ultra」はもっと先へを意味し、それ以外にも物語を要約するようなローマの名言や軍艦の名前がサブタイトルに付けられています。このサブタイトルから作者の意図や今後の展開を考察する感想もありました。

アニメのオープニングが好きという感想も多く挙がっています。幼女戦記のオープニングテーマはMYTH & ROID(ミス アンド ロイド)の「JINGO JUNGLE」で、エンディングテーマはターニャを演じた悠木碧が歌う「Los! Los! Los!」です。両方とも「幼女戦記」の世界観にマッチしており、音楽だけでなく歌詞にも惹かれているようです。

幼女戦記の原作ネタバレまとめ

原作小説、アニメ、漫画、劇場アニメとして人気がある「幼女戦記」の原作小説を中心に、見どころやあらすじをネタバレ紹介し、魅力についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。「幼女」という言葉に惑わされず、本格的な軍記物が好きな方には楽しめる小説だということは、実際に手に取った人の感想からも分かります。小説が苦手な方は、迫力ある戦闘シーンが楽しめるアニメから入るのもいいのではないでしょうか。

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