まほいく（魔法少女育成計画）のリップルのその後は？相棒トップスピードとの関係は？

『まほいく(魔法少女育成計画)』は遠藤浅蜊によるライトノベルです。この記事で紹介するリップルは『まほいく』に登場するキャラクターです。ここでは『まほいく』がどんな作品なのか、作品概要やあらすじを紹介します。

『まほいく』は宝島社から刊行されているライトノベルです。魔法少女を題材としたファンタジー・アクションストーリーとなっています。『まほいく』の第1巻は2012年に刊行され、その後漫画化やアニメ化を果たしています。

漫画は江戸屋ぽちが作画を担当した『魔法少女育成計画』が2014年から2015年まで連載され、全2巻で完結しています。その後、海苔せんべい作画の『魔法少女育成計画 restart』や柚木涼太作画の『魔法少女育成計画 F2P』が連載されています。2016年にはアニメ化され、全12話が放送されました。

人気ゲーム『魔法少女育成計画』は、本物の魔法少女になれるという噂がありました。実際にN市では、数万人に一人の確率で人間離れした能力を持つ魔法少女がプレイヤーの中から選ばれていました。プレイヤーは人助けをすることでマジカルキャンディーを集めることができます。

しかしある日『魔法少女育成計画』の運営は、魔法少女の数が増えすぎたことで土地の魔力が不足してしまうことを懸念して、魔法少女を減らす計画を打ち立てます。マジカルキャンディーの数がもっとも少ない者が脱落していくというのです。脱落は単純に魔法少女としての力を失うだけではなく、死を意味していました。魔法少女達は、命をかけたマジカルキャンディー争奪戦を繰り広げることになります。

『まほいく』に登場するリップルは、忍者のような格好をした魔法少女です。髪の毛はサイドテールにしてくくっており、手裏剣の形をした髪飾りが特徴的です。リップルは短気な性格をしており、人とのコミュニケーションが苦手です。

リップルの正体は細波華乃という高校2年生の女の子です。黒髪のロングヘアで、一人暮らしをしています。家出をしているため、バイトと両立しながら学校に通っており、貧しい生活を送っています。

リップルが家出した原因はその過去にありました。過去にリップルは、母が連れてきた再婚相手に尻を触られてしまい、怒って殴りました。そして家を飛び出したのです。ただしアニメと漫画ではリップルの過去が若干違います。アニメでのリップルの過去はおおよそ原作通りなのですが、尻を触られた時に回し蹴りをしました。

漫画ではリップルの過去が大きく変更されており、小さい頃に養父から暴力を振るわれてきた母を見て育ったという過去でした。母はリップルを守るために暴力に耐えていましたが、リップルは自分のせいで母が暴力を振るわれているのだと思い、早くに家を出たいと思っていました。漫画・アニメ・原作ではリップルの過去は違いますが、どれにしてもとてもつらい過去を持っているキャラクターです。

短気ですぐに手を出してしまう性格のリップルですが、実はスノーホワイトに内心憧れていました。なぜならスノーホワイトは正義感が強い魔法少女で、16人いる魔法少女の中でも、人助けをしたらもらえるマジカルキャンディーを最も多く集めていました。さらにスノーホワイトは、魔法少女の掲示板では一般人からも人気があります。

そんな最も魔法少女らしいスノーホワイトに、リップルは憧れていたのです。しかし、魔法少女狩りをはじめたスノーホワイトは徐々に以前の優しさがなくなっていきます。逆に容赦ない戦い方をするようになるので、リップルはそんなスノーホワイトのことを心配しつつも協力します。

『まほいく』最終回でリップルはとても大きなダメージを受けました。リップルがどんなダメージを受けたのか、ここでは『まほいく』の最終回に行われた戦いや、リップルのその後を紹介します。

トップスピードはスイムスイムから奇襲をかけられてしまい、亡くなってしまいました。リップルはトップスピードの仇を取るためにスイムスイムと戦います。最終回では、雨の中というスイムスイムにとって有利な天候の中、リップルは激闘を繰り広げました。しかし、スイムスイムは体を液体化することが出来るので、リップルが放つ物理攻撃が効きません。

しかし、リップルがたまたま投擲した手裏剣に雷が当たり、スイムスイムにダメージを負わせることができました。光と音に弱いと知ったリップルは、次の手を打とうとします。しかし足元からの奇襲に気づかず、とっさに避けたものの左目に傷を負ってしまいました。そのせいで視界が悪くなり、背後からの奇襲にも気づくことができず、リップルは腕を切り落とされてしまいます。

リップルは切り落とされた腕をスイムスイムに投げ、血を浴びせて視界を遮ります。そして閃光弾を投げてスイムスイムの意識を失わせることに成功しました。リップルは変装が解けたスイムスイムを刺し殺し、勝利します。しかし、リップルはこの戦いで隻眼になり片腕を失ってしまいました。

最終回で腕を切り取られて隻眼となってしまったリップルは、瀕死の状態でした。しかし、なんとか生き残ることができます。争奪戦後は、魔法少女狩りを始めたいと願うスノーホワイトにリップルが戦闘訓練をつけます。さらにリップルは隻眼で片腕の状態でも戦闘できるように訓練しました。訓練後は両腕があった頃よりも戦闘能力が上がり、さらには魔法も成長しました。

『まほいく』にはトップスピードという魔法少女が登場します。トップスピードはリップルの新人魔法少女教育係をしていました。その後、そのままリップルと一緒に組んで魔法少女として活動しています。とても世話焼きで明るい性格をしており、他の魔法少女達とも仲良く交流しています。

トップスピードの正体は室田つばめという名前の主婦で、妊娠しています。過去には「エンブレス」というヤンキーのリーダーをしていたので、一人称は「俺」でたまに言葉遣いが粗くなるのが特徴的です。現在は幼馴染と結婚しており、性格も穏やかになっています。また過去にヤンキーをしていたので、手が早いリップルを何かと気にかけています。

元々トップスピードとカラミティ・メアリは相性が悪く、魔法少女でありながら暴力団に協力していたカラミティ・メアリのことをトップスピードはよく思っていませんでした。カラミティ・メアリは新人魔法少女教育係をしていましたが、リップルの反抗的な性格から後々衝突しそうだと考え、リップルの教育係はトップスピードが担当することになりました。

トップスピードとリップルはマジカルキャンディーの奪い合いが始まっても、争奪戦に参加するつもりはありませんでした。マジカルキャンディー争奪戦では他の魔法少女から奪うのではなく、自分達でコツコツ人助けをしてマジカルキャンディーを集めていました。

カラミティ・メアリもまたマジカルキャンディー争奪戦に対しては派手な動きを見せていませんでした。しかし、自分が育てて屈服させたマジカロイド44を殺され、その報復にハードゴア・アリスと戦うことになります。しかし、ハードゴア・アリスは何度殺しても再生するため、酷く自尊心を傷つけられてしまいます。そこで八つ当たりにリップルに攻撃を仕掛けたのです。

カラミティ・メアリはリップルの担当地区で無差別に人々を襲い始めます。それにリップルは怒り、カラミティ・メアリと戦うことになります。カラミティ・メアリはリップルを追い詰めますが、途中でトップスピードが駆けつけたことで逆にカラミティ・メアリは追い込まれてしまいます。そして最後はリップルが投げたガラスの破片で串刺しにされて死亡しました。

最終回ではスイムスイムとリップルが激闘を繰り広げます。リップルは以前倒して手に入れていたカラミティ・メアリの武器を使っていました。リップルは自分の魔法や武器だけではなく、他の武器もためらわず使っていたことから、なんとしてでもスイムスイムを倒すという覚悟が見受けられます。また戦闘後、リップルはファヴを壊すためにスイムスイムの武器も使っています。

戦闘では、リップルは隻眼になって片腕を失くしても諦めず、スイムスイムを気絶させます。そしてスイムスイムの正体がまだ幼い少女でも、なんのためらいもなくトップスピードの死を悲しみながらリップルはスイムスイムを何度も刺しました。最終回のスイムスイムとの激闘は、最後までリップルの固い覚悟が見られました。

最終回では純粋な少女であるスイムスイムと中学生のスノーホワイトが対照的に描かれていました。スイムスイムの憧れは魔法少女ではなく、お姫様でした。対してスノーホワイトの憧れは魔法少女そのものです。スイムスイムはお姫様になるために一番手っ取り早く魔法少女を惨殺していきます。

一方でスノーホワイトは魔法少女に憧れているので、魔法少女としての立場から逸れるような行動はしませんでした。このようなアプローチの違いからスイムスイムの夢は破れ、スノーホワイトは生き残ったのだと考察されています。

『まほいく』のタイトルである『魔法少女育成計画』の全貌は最終回にファヴによってすべて明かされます。ファヴはその計画の正式名称が「魔法少女人材育成計画」と言いました。ファヴの正体は魔法世界から送られた人材発掘部の使い魔でした。これまで、魔力不足を理由に魔法少女を減らすために魔法少女達が命がけの戦いをしていると思われていました。

しかし事実は違いました。魔法少女の中から最も成績の良い一名を選抜し、魔法の世界の一員として本当の魔法使いを育てることが目的でした。選抜によって選ばれた魔法少女は、これまで通りに魔法少女として活躍するかマスターとして魔法少女の選抜試験を行う義務があります。スノーホワイトが参加した今回の選抜試験のマスターはクラムベリーでした。

しかしクラムベリーは死亡してしまい、ファヴは時期マスターにスノーホワイトと選びました。だからファヴはスイムスイムとリップルを殺し合うように仕向けたのです。選抜試験の内容については魔法界の上層部は関与しておらず、マスターと使い魔の采配によって決定します。通常であれば人助けをたくさんしたものが選ばれたり、適当な敵キャラを倒させたりします。

通常の「魔法少女人材育成計画」は命の危険は伴わないのです。しかし、クラムベリーとファヴは生ぬるい試験に退屈をしていました。そこで選んだ魔法少女を互いに戦わせて、最後に生き残った一人を合格させることにしたのです。これが今回行われた「魔法少女人材育成計画」の全貌でした。

スノーホワイトは、自分が何もできずに皆が戦って死んでしまうことを悲しんでおり、その想いをリップルにぶつけています。最終回のラストでは、スノーホワイトはリップルに戦闘訓練をつけてもらいたいと願います。リップルは強さだけが全てではないと説得しますが、スノーホワイトは「もう後悔したくない、後悔する前に自分で選びたいから」と言いました。

魔法少女として小さな親切をコツコツと積み上げてきたスノーホワイトは、現実を見て変わろうとしました。かつて夢や憧れとして見ていた魔法少女を、現実として受け止めるようになりました。そんなスノーホワイトの想いを知ったリップルは、戦う術を教えることにしました。

リップルとトップスピードの仲のいいコンビはとても人気でした。だからこそトップスピードのために、リップルが片腕をなくしてでも戦う姿がとてもつらいという感想がありました。

リップルが片腕と片目を犠牲にしてしまったことは、アニメ視聴者にも大きな衝撃を与えました。しかしリップルは、争奪戦後にはトップスピードの真似をして周りとコミュニケーションを取るようになっていきます。スノーホワイトだけでなく、リップルもまた変化していきました。

アニメの『まほいく』では、リップルが腕を切り落とされた時の叫び声が痛々しくリアルだったという評価をしている方もいました。リップルの悲鳴は、思わず痛さが伝わってくるほどの悲痛の叫び声でした。

『まほいく』に登場するリップルは、マジカルキャンディー争奪戦で最後まで生き残っていたキャラクターです。リップルはスイムスイムとの激闘で腕と目を負傷しましたが、その後も魔法少女として活躍していきます。また、スノーホワイトに戦う術を教え、魔法少女狩りに協力していきます。アニメ『まほいく』の続きは原作のライトノベルや漫画で読むことができるので、ぜひリップルのその後を読んでみて下さい。