少女終末旅行の謎の怪生物・ヌコの正体はキノコ？最終回の結末も考察

『少女終末旅行』には「ヌコ」という謎の生物が登場します。この記事では、『少女終末旅行』に登場する「ヌコ」の正体や最終回の結末などを紹介します。まずは『少女終末旅行』がどのような作品なのか、原作の漫画情報やアニメ情報をまとめています。

『少女終末旅行』はつくみずによるSF・ポストアポカリプス漫画です。くらげバンチというサイトで2014年から2018年まで連載されていました。漫画は全部で6巻刊行されています。

2017年には『少女終末旅行』がアニメ化され、AT-X・TOKYO MXなどで放送されました。アニメは全部で12話あります。原作の4巻までアニメ化されました。シリーズ構成・脚本を努めたのは、「キャプテン翼」や「はじめの一歩 Champion Road」などで知られる筆安一幸です。

主題歌のオープニングテーマの「動く、動く」やエンディングテーマの「More One Night」を歌っているのは、主人公であるチト役の水瀬いのりとユーリ役の久保ユリカです。テレビ放送されたアニメの他に、Youtubeでは「KADOKAWAanimeチャンネル」でショートスピンオフアニメ『少女終末授業』が限定配信されました。

戦争によって文明が崩壊し、人類のほとんどが死んでしまった終末の世界をチトとユーリが旅をするストーリーです。チトとユーリは古代人達の文明に触れたり、戦争跡地で兵器を発見しながら最上層を目指していました。ときには生存者と交流することもあり、基本的にほのぼのとした話となっています。

『少女終末旅行』には「ヌコ」という白い生物が登場します。「ヌコ」の正体は謎に包まれていますが、その姿はエリンギなどのキノコ類に似ています。「ヌコ」よりも数倍大きい成体はよりキノコのような形をしており、チト達は「エリンギ」と呼んでいます。

「ヌコ」の正体は、機械や動物ではありません。また人の言葉を喋ったりする事もできません。しかし、喋っている言葉を聞いただけで言語を学習することができるほど頭の良い生物です。更には電波や機械にアクセスすることで、人間と会話をすることができます。

成体の「エリンギ」になると高エネルギーを吸収して無力化することができます。たとえば、ミサイルや原子炉などの膨大なエネルギー量でも静的なものに変換できます。「ヌコ」の状態だと弾丸やオイルなどを飲み込むことができます。

「ヌコ」の正体は、地球の営みを止める役割をもった新しい生物です。「エリンギ」の話によると、「われわれは生きている人間は食べたりしない」と断言しています。その代わりに「ヌコ」は弾丸を食べることができ、成体になるとミサイルなども飲み込んでしまいます。そして、エネルギーのあるものを静的なものへと安定させ、その土地のエネルギーを処理し終えたら、次の場所へと移動するという行動を繰り返しています。

「エリンギ」は、エネルギーを静的なものに変換する処理が全て終わると、地球は長い営みを止めて眠りにつくと言いました。それと同時に「ヌコ」や「エリンギ」達も眠りに着くのです。

「ヌコ」は地球を終わらせるために活動する種族の幼体でした。アニメ『少女終末旅行』の12話では、「エリンギ」が「ヌコ」は幼体であると言っています。そして、「エリンギ」達が処理し終えた街は眠りに着きはじめると言います。これはその街が死んでいくことを意味しており、これを聞いたチトとユーリは自分たちも滅亡してしまうのだということを悟りました。

少女終末旅行のアニメ11話ではチトとユーリの他に、仲間に加わった「ヌコ」と共に旅を続けます。アニメ11話には気になる描写がたくさんあるので、それぞれの描写の考察をまとめました。

アニメ11話では、「War and Human Civilization」と書かれた本をチトが拾いました。「War and Human Civilization」の意味は「戦争と人間の文明」です。チトはその本に書かれた内容が読めませんでした。しかし、過去を知りたがっているチトは本を持っていくことにしました。本は、文明崩壊前と崩壊後に出版されたものがあります。

「War and Human Civilization」はチトが読めないと言っていることから、おそらく文明崩壊前もしくは違う文化の人間によって書かれたものだと考察できます。ちなみにこの本は実際に出版されているアザー・ガット著の「文明と戦争」だと考察されています。

アニメ11話でユーリとチトは文化について話をしていました。文化の違いによる戦争で地球は終末を迎えています。それは何故なのか、とユーリはチトに聞いていました。チトは自分の知らない文化が「よく分からない物」だから対立し合うのではないかと言います。そんな話の途中で二人は「よく分からない物」を発見します。

それは歯車で動く機械でした。ユーリはよく分からない物でも「おもしろーい!」と言って遊び始めます。チトもユーリに注意をしながらも「面白い」と呟きました。それにユーリは嬉しそうにします。そんな時、ユーリが持っていたラジオから音楽が流れてきました。「ヌコ」は音楽を流している場所が分かると言いました。

そこには「よく分からない物」があるかも知れませんが、二人はその方角に行ってみることにしました。ユーリは機械にぶら下がりながら、「よし！怖いに面白いが勝ったな」とはしゃぎます。チトはそんなユーリの姿を見て、「案外ユーみたいのが文化をつくってきたのかもね」と言いました。

このユーリの行動から、「よく分からない物」に対して恐怖ではなく面白いと感じていればもっとお互いを受け入れる事ができ、戦争は起きなかったのではないかという考察がありました。

アニメ11話では巨大ロボットが登場します。建物から崩れるようにチコとユーリの前に現れます。二人が巨大ロボットの操縦席に向かい「ヌコ」が機器に手を当てると、ロボットが動き出しました。ユーリの誤操作によってミサイルが発射され、ビームで辺り一面が火の海になってしまいます。ユーリは凄いと大笑いしましたが、チトは「笑い事じゃねえよ!」と言ってユーリを殴りました。

チトは戦争に使われた兵器の威力を目の当たりにし、その兵器を作った人間に怒りを覚えていたのだと考察されています。その後の会話でも、チトは「悪いのは兵器じゃなくて使う人間だから」と冷静に語っていました。

アニメ11話では、巨大潜水艦が登場します。二人は潜水艦のことを知りませんでしたが「でかくてつよそうな物は大抵兵器」と言って、潜水艦の中に入ることにしました。中には原子炉のマークが書かれており、その潜水艦が原子力潜水艦だということが分かります。原子炉だけが動き続けている危険な潜水艦なのです。なぜここから音楽が聞こえたのかは、最終回で明らかになります。

11話のラストでは、ラジオから聞こえてくる奇妙な音楽を追って原子力潜水艦を発見しました。このあとチトとユーリはどうなってしまうのか、ここでは『少女終末旅行』のアニメ最終回の考察を紹介します。

最終回では、チトとユーリは食べ物などを探して潜水艦の中を探っていました。ユーリは「高保存チョコレト」と書かれたものを見つけます。「チョコレト」と書かれていますが、それがチョコレートであることがこの後の二人の会話で分かります。ユーリはそれを食べてすぐに「チョコの味だよね」と気づきます。

二人はチョコレートというものをよく知りませんでしたが、以前チョコ味のものを食べたことがありました。チトは「これがチョコなのかもしれない」と言いますが、ユーリは「いや、チョコ味のなにかでしょ」と否定します。その後チトは「味も情報」と語っています。二人にとっては、その味すらも古代の文化だと感じるのです。

最終回では、二人がカメラで撮影をしてると突然カメラに「接続中」の文字が現れました。どこかに行っていたヌコが周辺機器とカメラをつないでいました。画面にはこれまでチトとユーリが撮影した写真がたくさん表示されます。別のフォルダには、前の持ち主の写真や動画が保存されていました。ユーリは動画をいくつか再生します。

その動画の中には幸せそうなホームビデオから、古代人達の戦争の様子まで映っていました。戦争の動画には各国に宣戦布告している姿もありました。また、戦争だけでなく、隕石が地球に向かっている様子も映っています。地球が終末を迎えるまでの映像がここでは描かれています。

最終回では、ユーリが巨大な「ヌコ」に食べられてしまいます。チトは急いで巨大な「ヌコ」を追いかけました。チトがやっとのことで追いつくと、ユーリはちょうど巨大な「ヌコ」から吐き出されているところでした。その巨大な「ヌコ」は「ヌコ」の成体である「エリンギ」でした。「エリンギ」は全ての高エネルギー体を静的なものに処理し、地球を眠らせることを使命としていました。

地球を眠らせるということは、地球が生命維持の活動を辞めてしまうということです。つまり、人類は滅亡してしまうのだと考察できます。「エリンギ」はほとんどの街を回ったが、生きている人間はチトとユーリ以外見ていないと言いました。

集団行動をする「エリンギ」は「ヌコ」を連れて、次の街へと移動しました。ユーリは歌の正体が「エリンギ」達だったことに気づきます。ユーリは「きっと絶望となかよくなったんだよ、だから悲しげなんだ」と「エリンギ」達の歌を聴きながら言いました。

『少女終末旅行』の原作漫画の最終回では、ついにチトとユーリが最上層までやってくることができました。しかし、そこには何もありませんでした。大地は雪に覆われており、その中心には大きな石くらいしかありません。上を見上げても空だけです。二人の手元にはもう一人分の水と食料しかありません。二人は水と食料を半分に分け合い、「生きるのは、最高だったよね…」と言って眠りにつきました。

そのままストーリーを読み終えると、二人は雪の上で寝ているのでそのまま死亡してしまったのではないかといわれています。しかし、その次のページのあとがきでは、二人が麦畑にいる様子が描かれています。この麦畑については、あらゆる考察がされています。

あの大きな石は、違う次元に移動する手段なのではないかという考察です。つまり、最上層に大きな石しかなかったのは、そこから最上層の人間達が避難したからなのではないかといわれています。

「ヌコ」の声優を担当したのは、花澤香菜です。花澤香菜は大沢事務所に所属しており、声優やナレーター、歌手として活動しています。出演作品には、「物語シリーズ」の千石撫子役、「海月姫」の倉下月海役、「青の祓魔師」の杜山しえみ役、「シュタインズ・ゲート」の椎名まゆり役などがあります。

「ヌコ」は猫のような呼び方をされていますが、その容姿は全く猫っぽくはありません。白くて細長く、ゆるキャラのような顔立ちをしています。そのため、絶望の中でも「ヌコ」が可愛くて和むと評判でした。

『少女終末旅行』のキャラクターの中でも「ヌコ」のグッズは人気です。「ヌコ」のグッズには、ぬいぐるみやTシャツ、キーホルダー、缶バッチなどがあります。

発見当初の「ヌコ」はよく分からない生物でした。ユーリはそれを食べようとさえしています。しかし、ラジオが近くにあると「ヌコ」は喋ることができるようになります。意外にも可愛らしい声で愛おしいと感じた方もいるようです。

アニメ11話では、ヌコが銃弾を食べたりオイルを飲んだりする場面がありました。この11話で「ヌコ」の生態をおおよそ知ることができ、最終回前には「ヌコ」が終末に関わっていることを考察している方もいました。

アニメの11話では、二人が原子力潜水艦と知らずに中に入っていくシーンがあり、最終回では原子炉が爆発するのではないかと最悪の事態を予想している方もいました。しかし、最終回ではすべて「エリンギ」達が静的なものに処理したので、長く動き続けてきた原子力潜水艦は動きを止めました。二人には危害もなく、旅を続けることができました。

『少女終末旅行』に登場する謎の生物「ヌコ」は、地球上にある高エネルギーを静的なものに処理する「エリンギ」の幼体でした。そのため、銃弾やオイルなどを好んで食べていたのです。「ヌコ」は『少女終末旅行』のアニメ10話〜12話に登場するので、ぜひ観てみて下さい。