銀魂の天人・ハタ皇子はどんなキャラ？登場回数が減った理由や過去まで考察

銀魂とは漫画家の空知英秋先生によるSF人情コメディー漫画です。江戸時代末期、江戸の町に天人という宇宙人が襲来し、多くの侍が国を守るために攘夷戦争に参加しました。しかし、江戸幕府が天人に屈し、天人が廃刀令を命じ侍は権力を失いました。

そんな国になって10年、『白夜叉』呼ばれた伝説の攘夷志士の坂田銀時は『万事屋銀ちゃん』というなんでも屋で自分の侍道を持って生きてきました。そんな中、剣術道場の復興を夢に見ている少年の志村新八と宇宙最強を誇る天人『夜兎族』の生き残り神楽と共に色々なドタバタ騒ぎを起こして生きていく話です。

銀魂は2004年から『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートしました。2018年現在では単行本は72巻まで販売されています。単行本発行部数は5000万部を突破しています。

2006年からテレビ東京を中心にアニメ放送がスタートしました。銀時役に杉田智和さん、新八役に阪口大助さん、神楽役に釘宮理恵さんと、キャラクターに合った実力派揃いの声優陣が出演しています。2010年には映画化を果たしており、『劇場版銀魂新訳紅桜編』が公開されています。

2017年7月に実写映画化も果たしました。映画監督は『勇者ヨシヒコシリーズ』でお馴染みの福田雄一監督です。ネットでは福田監督の癖の強い演出に賛否両論がありました。銀時役に小栗旬さん、新八役に菅田将暉さん、神楽役に橋本環奈さんとなかなか個性派俳優が集いました。今回はそんな銀魂に出てくる天人のハタ皇子に焦点を当てて、彼の過去やなぜ登場が少なくなったかを解説していきます。

一癖も二癖も個性が強いキャラクターが集まる銀魂。その作品の中でも特に異彩を発しているキャラクター、それが「ハタ皇子」。今回は「ハタ皇子」がどんなキャラクターなのでしょうか?登場回数が減った理由、そしてどのような過去があって今に至るのかを説明していきます。

央国星(おうこくせい)の第3皇子。地球を含め、宇宙のあらゆる生物をこよなく愛してコレクションにしている天人です。ペットの生物への愛は本物ですが、格下の人間に対してはとても態度が大きいです。自分のペットは常に最優先であり、ペットが危機にさらされた時はどんなに人間に犠牲が出ても傷一つ付けずに助けろと言い出す程です。

頭には『チダンネクスコ』という突起物が生えており、皇子のチャームポイントであり、無理矢理引っこ抜くと千切れて血が出ますがしばらくすると再生します。無教養や品格がないのに皇子という立場だけで威張るので、周りからは「バカ皇子」と揶揄されています。

ハタ皇子は銀魂の序盤のキャラクターです。銀魂の序盤はコメディ要素の印象的なセリフが多いです。ハタ皇子も例外ではなく、印象的なセリフを言ってます。「ペットぐらいとはなんじゃ　ぺスは余の家族も同然ぞ」や「ラブアンドピースの心をもっていれば全てうまくいくのになー」などのような自身の動物への心優しいセリフが印象的です。いつもは大きな態度と暴言がやまないハタ皇子ですが、本当は心優しい天人です。

ハタ皇子の声優は坂口候一さんです。坂口さんは主要キャラ1本で演じるよりも、複数の脇役キャラクターを演じることが多い声優です。人間から動物まで幅広いキャラクターを演じ切ります。スーパー戦隊シリーズでは、悪役声優としては欠かせない人になり、毎作品ゲストの悪役キャラとして登場します。主な出演作品は『ポケットモンスター』のムサシのアーボック、『進撃の巨人』のディータ・ネスなどです。

バカ皇子こと『ハタ皇子』は地球に来て馬鹿騒ぎを起こします。そんなバカ皇子の登場回を紹介していきます。

ハタ皇子の初登場回は原作だと2訓目、アニメだと7話目です。ハタ皇子のペットの宇宙生物ぺスが江戸の町で暴れていて、それを当時入国管理局の局長の長谷川さんから依頼を受け、万事屋はぺスを探し出すことになった。ペスは凶暴な生物なので、倒さないと捕らえることが出来ませんが、可愛いペットだから無傷で捕らえろと命じます。

しかし、新八がペスに食べられそうになったところを銀さんがペスを殺します。愛するペットが殺されて怒ったハタ皇子は長谷川さんの事を父に報告する予定でしたが、初登場回の最後には色々溜まっていた長谷川さんに殴られてしまいました。長谷川さんのマダオ人生のきっかけになった1人です。

第10訓の定春の初登場回にもハタ皇子は登場しています。ハタ皇子は再び地球に来日してきて、じいと一緒に珍しい生物を探しに来ました。しかし、なかなか見つからず、故郷に帰ろうとしたところに狗神(定春)を発見して、車で持ち帰ろうとしたところを銀さんと神楽に襲撃されてしまいました。

第16訓の長谷川さんの再登場回でハタ皇子が再登場します。長谷川さんはハタ皇子を殴ったことにより、職を失います。そんな長谷川さんはタクシー会社に再就職を果たし、順風満帆に事は進んでいました。そんな状況も束の間、クビになった原因のハタ皇子がタクシーに乗ります。

目的地に向かう所に子供が生まれそうな妊婦とその夫が現れ、タクシーに乗せてくれと頼み込みます。しかし、ハタ皇子はそんな状況でも自分の私情を優先にして席を譲りませんが、最後に長谷川さんが皇子を再び殴って、その夫婦を病院に送ります。そして、また長谷川さんは無職に戻ります。

第五十七訓から第六十三訓の星海坊主編もハタ皇子の登場回です。皇子の帰郷時にじいが皇子のコレクションのペットの容器を壊してしまいます。容器の中のペットは脱走してしまい、ハタ皇子とじいを襲います。しかし、そんな状況を神楽が身代わりになって二人を助けます。二人は神楽を見殺しにしたので、神楽の父の星海坊主に殺されそうになりますが、神楽が止めます。

その直後に神楽が宇宙生物に取り込まれ、松平が松っちゃん砲を打つ時に、新八とじいが攻撃したら国際問題になるハタ皇子を人質にして時間稼ぎをします。しかし、松平は打つますが、星海坊主が全員を救います。ハタ皇子はその後インタビューを受けて大袈裟に事を語ります。

序盤の頃は登場回がとても多かったハタ皇子。しかし、星海坊主編以降のハタ皇子の出番は皆無になりました。この理由は作者の空知英秋先生がハタ皇子に飽きてしまったからです。これは銀魂の公式ファンブックの『銀魂五年生』に記載されています。原作での登場は『銀ノ魂編』までありませんが、アニメではアニメオリジナル回に出演したり、原作では登場しないところで出演しています。

原作では出番が減りましたが、アニメではしっかり出てくるバカ皇子。アニメ75話にて、銀時の過去の仲間・高杉の声をハタ皇子がアフレコしています。一部のファンには不快だったらしく、視聴者からの苦情の電話が沢山来たそうです。

アニメ176話にて、またバカ皇子がアフレコします。今回は高杉だけではなく人気キャラの沖田や土方そして銀魂までと標的が広がり、彼等の名セリフにバカ皇子がアフレコしました。前回以上に視聴者からの苦情が来たと予想されています。

アニメ192話にて、ついに『劇場版銀魂新訳紅桜編』の予告でアフレコをします。CMの全てがハタ皇子の声という大事件が発生しました。

ついに『劇場版銀魂新訳紅桜編』の本編でハタ皇子がアフレコをしました。声優の全てのクレジットがハタ皇子になっていました。『劇場版銀魂新訳紅桜編』の完全生産限定版DVDの特典として『ハタ皇子吹き替え版』が付いています。

ハタ皇子にはいつも側近の「じい」がいます。ハタ皇子の回想でネスという名前だと判明しました。表では皇子に忠誠を尽くす義理堅い天人ですが、裏では皇子を『バカ皇子』と馬鹿にしています。星海坊主編でも皇子のコレクションのペットの容器を運んでる途中に1つの容器を壊してしまい、中の生物が逃げ出してしまいます。その時、じいは生物に皇子を食べさせて自分だけ助かろうとしました。

過去の回想でも、皇子の王としての資質を述べますが、同僚のダンにハタ皇子のおこぼれに預かりたいだけのハイエナと見透かされています。そんなじいですが、星海坊主編でハタ皇子を人質にして、松平の狙撃を阻止した際には、宇宙生物に襲われた際に神楽に世話になったと言っています。

じいの声優は平野俊隆さんです。同じ銀魂の脇役キャラ声優として起用されていて、天導衆や僧侶やバネ子を演じています。同じジャンプ作品のNARUTOやバクマン。の脇役キャラとしても起用されています。メインキャラだと『絶体絶命でんじゃらすじーさん』の校長を演じています。

銀魂68巻第六百十三訓でハタ皇子の過去が明らかになりました。若い頃の彼は綺麗な髪で澄んだ眼を持つ心優しい美天人でした。当時から宇宙生物を愛していて、その優しさは臣下の支えにもなると言われる程でした。王の器があるのにもかかわらず、未だに王の座に就かず皇子の座に就いているのも明らかになりました。王の座に就かないのは、王の器が足りなかった兄の帰りを待ち続けているという衝撃の事実も明らかになりました。

過去のハタ皇子の声優は雨澤祐貴さんです。群馬県出身の若手声優です。『とんかつDJアゲ太郎』の準レギュラーキャラの平積タカシ役を演じています。テレビアニメだけではなく、Webアニメやゲームや吹き替えの仕事もこなしています。

ハタ皇子の故郷の央国星。この国は幕府にお金などを貸しているので、地球に対して強い権力を持っています。この星の雄には象徴にして誇りの『チダンネクスコ』という突起物が額に生えています。
 

央国星にはチダンネクスコの大きさで雄の価値が決まるという伝統があります。どんなに才能にあふれていても、どんなに品格があったとしても、チダンネクスコが大きくないと、王にはなれません。中にはチダンネクスコの大小だけで価値が決まるのが悪しき風習だと考える者もいます。

ハタ皇子の兄であり、央国星第一皇子のドラゴニア。『九龍公子』と言われた傑物です。5歳にして、チダンネクスコは龍の髭のように長く、才能があり王としての器もありました。王になれば、国の繁栄は間違えないと呼ばれていました。しかし、あまりにも大きいチダンネクスコが木に引っかかり、崖の下に落ちてしまいました。

ドラゴニアの声優は神谷明さんです。48年という長いキャリアを持つ声優界隈のレジェントです。銀魂と同じジャンプ作品の『キン肉マン』のキン肉スグル役、『北斗の拳』のケンシロウ役、とあらゆる主人公キャラを演じている声優です。70年代では『ロボットアニメの主役ならとりあえず神谷明』と言われるほどでした。現在は若手と交じってオーディションを受けていたり、若手の育成に力を入れているそうです。

紫雀が自分の正体をバルカスと明かした直後、エリザベスの中から長い突起物のドラゴニアが出てきました。元バルカス派のダン達がハタ皇子を銃で打とうとした時に九頭龍殱を喰らわせます。崖下に落ちた時に死地を彷徨い、その時にエリザベスに乗っ取られた模様です。だが、エリザベスの中にはもうドラゴニアは存在せず、地球のエリザベスになりました。

ハタ皇子の兄であり、央国星第二皇子のバルカス。戦略を練るのが上手く政道にも通じている王の器を持っていますが、央国星の雄の象徴の『チダンネクスコ』が小さいため、王になる資格がありませんでした。
 

バルカスは自分が王になったとしても王位を巡って戦乱が起こるので、ハタ皇子みたいな優しい男が王になることによって平和が保たれると考え、過去と国を去りました。バルカスは自分にふさわしい国があると思い、名前も地位もチダンネクスコも捨てて戦場を求めて戦い続けていました。

バルカスの声優は津田健次郎さんです。低音ボイスが特徴で寡黙な二枚目キャラを演じることが多いです。銀魂と同じジャンプ作品だと、『遊戯王』の海馬社長役、『テニスの王子様』の乾貞治役、『家庭教師ヒットマンREBORN』大人ランボ役を演じています。俳優としての活動もしています。津田さんの演じるキャラは他にも残念な二枚目キャラが多いです。実際にバルカスも喜々と一緒に脱糞しているので、残念な二枚目キャラです。

バルカスの正体はアルテナ解放軍の紫雀提督です。アルテナ解放軍とは幕府を裏から操っている天導衆から地球の生命エネルギーのアルテナを解放を目的に活動している軍隊です。アルテナ解放軍の提督というトップの立場であります。紫雀は一橋喜々に天導衆の件は地球だけの問題ではないので我々と手を組もうと提案しました。喜々もその話に乗ります。

紫雀は一時的な和解をしますが、同じアルテナ解放軍の圓翔が肉片と化した無残な天導衆を見つけ、天導衆に国を滅ぼされた解放軍の怒りや憎しみの行き場を失うなら地球人でもいいから戦いが必要と考えた圓翔に牢にぶち込まれてしまいます。その後、過去に決別した弟のハタと過去に死んだと思われていたドラゴニアと再会し、桂と坂本と協力して圓翔の暴走を止め始めます。

ここまでハタ皇子という生物好きのバカ皇子の過去や登場回が減った理由を解説してきましたがいかがでしたでしょうか?現在も銀魂は連載されていまして、2018年7月には『銀ノ魂編』の後半戦が始まります。ハタ皇子を始め、銀さん達と天人の闘いはどうなるのでしょうか?銀魂作中のハタ皇子にもこれからも注目です。