声優・飛田展男の担当アニメキャラまとめ！代表作はカミーユ・ビダン【コナン】

1982年に「サイボットロボッチ」のボブ役で声優デビューした飛田展男さんは、アニメ、ゲーム、吹き替え、ナレーションや舞台俳優等なので幅広く活躍しています。どことなく今上天皇の第一皇子である徳仁親王殿下と酷似している点をネタにされており、「皇太子」「殿下」などと呼ばれることもあるようです。屈折した少年キャラから中年役まで、どんな役でもこなしてしまうカメレオン声優だと言えるでしょう。

「キャプテン翼」「重戦機エルガイム」など人気テレビアニメを経て飛田展男さんは、ロボットアニメの金字塔「機動戦士ガンダム」の続編「機動戦士Ζガンダム」（1985年）の主役カミーユ・ビダンに抜擢されます。アニメだけでなく吹き替えでも、ハリウッドの大作映画や人気海外ドラマなどで活躍しています。NHK連続テレビ小説「半分、青い」（151話）でテレビの声役で出演していたそうです。

国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」で飛田展男さんは、小学生の丸尾末男くんとたまちゃんのお父さんを見事に演じ分けています。まる子のクラスメイト丸尾末男くんは、従来のステレオタイプの学級委員ですが嫌味がありません。「たまえ～!」と言いながら、娘をカメラで撮るのが趣味のたまちゃんのお父さんは、娘には呆れられています。ちなみに、フルネームは穂波真太郎（ほなみしんたろう）です。

しまっちゃうおじさんとは、動物たちが織り成す不条理ギャクと哲学がミックスされたアニメ「ぼのぼの」のサブキャラです。しまっちゃうおじさんとは、主人公のあざらし・ぼのぼのの恐怖的な妄想だそうです。

外見は豹のようですが、正体不明の動物しまっちゃうおじさんは飛田展男さんの卓越した演技力で、トラウマになること間違いなしでしょう。しまっちゃうおじさんは、「しまっちゃお～ねぇ」と言いながらいろいろしまってしまうおじさんなのです。

飛田展男さんが演じる少佐とは、吸血鬼と吸血鬼ハンターとの壮絶な戦いを描いたアニメ「HELLSING」に登場しています。「君主論」を引き合いに出す戦争狂の少佐が放つカリスマ性で、なぜが眼鏡に肥満体の地味な風貌のかっこよく見えてしまいます。ちなみに飛田展男さんは、映画「帰ってきたヒトラー」で、少佐と類似したキャラであるヒトラーの吹き替えもしています。

飛田展男さんは、「週刊少年ジャンプ」に連載されていた人気漫画「NARUTO」のアニメ版でも、エビスとゼツというキャラを見事に演じ分けています。サングラスが特徴の古参キャラであるエビスは、木の葉隠れの特別上忍で、主人公ナルトを蔑む嫌味なキャラとして登場しています。そんなエビスに対し、たどたどしい話し方をする人間離れした外見のゼツとの違和感なしの演じ分けに驚くファンも多いようです。

飛田展男さんは、原作とアニメが大ヒットし、外伝作品も複数ある「ジョジョの奇妙な冒険」で美形キャラ・ストレイツォを演じています。1世紀以上にわたる特殊能力者や吸血鬼たちとの壮絶な戦いを描いた大河群像劇で、75歳のストレイツォは、比較的若々しく肉体を保てる波紋使いだけに外見は50代に見えます。しかし、美しさや強さへの憧れを抑えられず吸血鬼となってしまいます。

ダヨーンは赤塚不二夫の漫画「おそ松くん」とテレビアニメ版にも出ており、3作目では飛田展男さんが演じています。６つ子が大人になったという設定の３作目のタイトルが「おそ松さん」となっており、ダメすぎる６つ子とイケメンボイスがマッチして大ヒットなります。

言葉の語尾に「だよーん」とつけて話すダヨーンは、何を考えているのかわからず、人間であるか不明です。体内にはダヨーン族が住んでおり、掃除機のように何でも吸い込んでしまいう神出鬼没のキャラクターです。キャラが唐突過ぎて、飛田展男さんが演じていることに気づいていないファンも多いようです。

「機動戦士Zガンダム」は、80年代のアニメブームの火付け役となった「機動戦士ガンダム」の7年後の世界が舞台となっています。主人公はアムロからカミーユになっています。作中で明確な表現はありませんが、年齢は一年戦争当時のアムロを同年代で16歳ぐらいでしょう。両親は地球連邦軍の技術士官で、経済的には恵まれているのですが、アムロ同様に家庭の愛情には恵まれていないようです。

とは言うものの、アムロにフラゥがいたようにカミーユにもファという幼馴染がおり、グレることなく学校生活を送っていたようです。そして、アムロ同様にメカいじりを好み、鬱屈したものを抱えているようです。しかし、「カミーユ」という女性的な名前に激しい劣等感を抱いており、アクティブな面もあります。

そんなカミーユは、自分の名前を揶揄したティターンズの士官ジェリドを殴ってしまったことがきっかけで、エゥーゴとティターンズの戦いに身を投じていくことになります。カミーユはエゥーゴで、シャアの身分を隠したクワトロ大尉やアムロとの出会いを通して、「機動戦士ガンダム」から受け継がれたテーマとなるニュータイプとして覚醒していきます。

カミーユがコンプレックスを抱いている自身の名前は、フランスの女性彫刻家カミーユ・クローデルから由来しています。才能豊かなカミーユは、「考える人」でお馴染みのロダンの弟子であり愛人でもあったのです。公私共に充実した関係は破綻し、心を病んだカミーユは精神病院で生涯を終えてます。そんなカミーユの行きざまに触発された富野由悠季監督は、テレビシリーズのカミーユを精神崩壊というラストで締めくくっています。

「機動戦士Ζガンダム」20周年を記念した劇場版3部作は、富野由悠季監督・古谷徹さん・池田秀一さん・飛田展男さんなどメインのスタッフやキャストは続投しています。「機動戦士Ζガンダム－星を継ぐ者－」は2005年5月に、「機動戦士ΖガンダムⅡ－恋人たち－」は2005年10月に、「機動戦士ΖガンダムⅢ－星の鼓動は愛－」は2006年3月に公開されています。

「機動戦士Ζガンダム」劇場版３部作は、既存映像の中に新作映像を追加し、テレビシリーズを三部作に再構成しています。新訳と謳ってため、テレビシリーズと異なる点も多々あり、ファンの間では賛否両論だったようです。「機動戦士Ζガンダム」劇場版３部作のラストでは、カミーユは精神崩壊というラストではなく、どちらかというとポジティブなラストとなっています。

富野由悠季監督は、「機動戦士Ζガンダム」劇場版３部作はリメイクではないと公言しており、大幅なボイスキャストの変更が行われたようです。カミーユ役の飛田展男さんにオーディションを行い、ダメなら違う声優に変更すると言っていたようです。この富野由悠季監督の強い信念に、古谷徹さん、池田秀一さん、飛田展男さんらにベテラン声優陣たちに大きな影響を与えていたようです。

「名探偵コナン」のゲスト声優として出演回数が多い飛田展男さんは現在、大人気キャラ安室透こと降谷零の部下・風見裕也役を担当しています。出番は少ないものの、風見裕也は注目株のキャラだと言えます。それまで飛田展男さんが担当していた8人のコナンキャラは、原作には登場していないアニメ版オリジナルエピソードのキャラです。

1996年2月12日に放送された第6話「バレンタイン殺人事件」で、コナンと欄は園子に付き合わされたテニス仲間が集うパーティーで、主催者の医大生・皆川克彦が死亡します。飛田展男さんが担当しているキャラは、被害者・皆川克彦にいびられている気弱な田中直道役です。今や国民的アニメとなった「名探偵コナン」の第6話からゲスト声優として参加している飛田展男さんは、スタート当初からの古参の声優だったようです。

2000年7月31日と8月7日に放送された第201〜202話「10人目の乗客」（前後編）で、コナンと欄、小五郎はボンネットバスに乗ってハイキングに行くつもりが、その車中で殺人事件に巻き込まれてしまいます。飛田展男さんが担当しているキャラは、事件の舞台となる村に駐在する新開均巡査役です。飛田展男さんが初めてゲスト声優として参加した第6話「バレンタイン殺人事件」から、4年ぶりの再登場となっています。

2002年9月9日と16日に放送された第294〜295話「愛と決断のスマッシュ」（前後編）で、元太が熊本で開催される「慈善テニス大会に招待」に当選し、コナンたちは熊本を訪れます。

コナンたちがテニス大会のトレーニングをする中、蘭が誘拐されてしまいます。飛田展男さんが担当しているキャラは、誘拐犯の一人である気弱な間宮秀樹役です。この回から飛田展男さんは、年1回のペースでコナンにゲスト声優として参加しています。

2003年5月5日と12日に放送された第318〜319話「幸運のシガーケース」（前後編）で、帰路に着く途中、レンタカーが故障したコナン・蘭・小五郎は、助けを求めた山荘で起こった殺人事件に巻き込まれます。飛田展男さんが担当しているキャラは、マッサージ機を開発している会社の部長・中野治夫役です。

2004年1月26日と2月2日に放送された第348〜349話「愛と幽霊と地球遺産」（前後編）で、小五郎と蘭に連れられ、地球遺産に登録間近の村に観光にやってきたコナンたち少年探偵団は幽霊騒動に巻き込まれます。飛田展男さんが担当しているキャラは、コナンたちと同じく観光にやってきた桑島和明役です。

桑島和明は、飛田展男さんが担当するコナンキャラの中では最年長の44歳です。少年から中年まで幅広く演じられる飛田展男さんだからこそ、定期的にコナンのゲスト声優としてオファーされるのですね。

2005年8月8日と15日に放送された第409〜410話「同時進行　舞台と誘拐」（前後編）で、旅芝居一座に特別出演することになったコナンたち少年探偵団は事件に巻き込まれます。飛田展男さんが担当しているキャラは、旅芝居一座の団員である尾上又六役です。尾上又六は、いままで飛田展男さんが担当していたコナンのゲストキャラと違い、イケメンのカテゴリーに入ります。

2006年11月13日に放送された第456話「俺が愛したミステリー」で、コナンと小五郎は、マンションの一室で殺害されたミステリー作家殺人事件に挑みます。飛田展男さんが担当しているキャラは、出版社の編集者・遠野俊一役です。眼鏡をかけた細身の遠野俊一は、前回の尾上又六に続きイケメンです。

2010年10月16日に放送された第591話「水族館のある家」で、コナンら少年探偵団と阿笠博士は訪れたアクアリウムデザイナーの家で殺人事件に巻き込まれます。4年ぶりのゲスト声優となる飛田展男さんが担当しているキャラは、被害者のアクアリウムデザイナー西田聡史のアシスタント井村幸輔役です。「名探偵コナン」のゲスト声優として参加し続けた飛田展男さんは、今回でコナンのゲスト声優が最後となります。

カミーユのイメージが強かった飛田展男さんが、映画「帰ってきたヒトラー」（2015年）のヒトラー役の吹き替えをやっているのに気づきませんでした。昨今、洋画の吹き替えはタレントを使い賛否両論ですが、ヒトラー役の飛田展男さんはナイスなキャスティングです。

「機動戦士Zガンダム」繋がりで、レコア・ロンド役の声優・勝生真沙子さんも参加されています。映画「帰ってきたヒトラー」吹き替え版は、「機動戦士Zガンダム」世代に是非お勧めします。

「ポプテピピック」は未見なのですが、毎回有名な声優さんが出ていられるのです。飛田展男さん（カミーユ）と島田敏さん（シロッコ）という絶妙なキャスティング、是非見てみたいものです。「Zガンダム」で共演した飛田展男さんと島田敏さんは、かなりの確率で共演率が高いそうです。

本国ドイツでは9週連続No.1ヒットを記録した映画「ドリームシップ　エピソード 1/2」（2004年）は、人気SF映画のパロディ満載で、人類滅亡の危機に立ち上がったオカマ・トリオの活躍を描いています。2007年にDVD化されており、アマゾンで中古購入できるようですが、レンタルでは検索がヒットしないようです。

メインがオカマトリオなので、日本語吹替版もそのままオネエ言葉となっています。オカマトリオ吹き替えは「機動戦士ガンダム」の古谷徹さん、池田秀一さんと、「24」の小山力也さんが担当しています。その他に、「機動戦士Zガンダム」の飛田展男さんも参加しています。驚くばかりの豪華過ぎる声優陣は、よく考えたら「名探偵コナン」で繋がっているようです。

「機動戦士Zガンダム」でブレイクした声優・飛田展男さんの担当したアニメキャラをまとめましたが、いかがだったでしょうか?長きにわたる声優人生で飛田展男さんは、主役からサブキャラまで様々なキャラを演じてきたのが伺えます。

「名探偵コナン」や「ちびまる子ちゃん」のように、同作内で違うキャラを違和感なく演じ分ける声優・飛田展男さんの演技力に脱帽します。声優・飛田展男さんに興味を持った方は、ボイスキャストを確認の上、飛田展男さんの出演作品をご覧になってみてはいかがでしょうか。