【カードキャプターさくら】柊沢エリオルの正体と目的は？クロウとの関係をネタバレ

カードキャプターさくらのさくらカード編から登場する、柊沢エリオルについて、「彼の正体とは？」「またさくらの前に現れた目的とは何か？」ということを中心に、紹介していきます。エリオルはさくらカード編以降、非常に重要な役割を担っている人物で、様々な人との関係を紐解いていく事でも、この物語の奥深さが分かります。なお、アニメでは一部設定が変更になっているため、今回は漫画での設定で紹介します。

作者はCLAMP、月刊少女漫画「なかよし」にて、1996年6月号から2000年8月号にかけて連載されていた漫画です。コミックは全12巻、うち1～6巻は「クロウカード編」、7～12巻は「さくらカード編」が収載されています。また、アニメ化や映画化もされ、その人気ぶりから様々な関連グッズも発売されています。2016年からは新シリーズの「クリアカード編」が始まり、再び人気が再燃しています。

カードキャプターさくらの大まかのあらすじは、次の通りです。小学4年生の木之本桜は、ある日父の書庫で一冊の本を開けます。その本には魔力の込められたカード「クロウカード」と封印の獣ケルベロスが封じられていました。世界に解き放たれた「クロウカード」を集めるため、さくらは「カードキャプター」として奮闘し始めます。ちなみに、さくらカード編までは小学4年生ですが、クリアカード編は中学1年生になっています。

• 誕生日：3月23日
• 血液型：AB型
• 好きな色：黒
• 好きな花：桜
• 好きな食べ物：甘いもの
• 得意料理：お菓子類

柊沢エリオルは、性格は穏やかで冷静沈着、物静かな雰囲気が小学4年生にしては大人っぽい印象を与えます。様々な知識に長けていて、絵を描くのも、お菓子作りを含めた料理、浴衣を縫うことまで上手にこなす、とても器用な面を持っています。ただ茶目っ気もあり、まれにジョークを飛ばす時もあります。

魔術師としては、自身がいるあたり一帯を人が来ないように封鎖してしまったり、出会った人からその時の記憶を消してしまったり、時には物や人を操ってしまう程の魔力を持っています。ある目的を果たすまでは、かなり強力な魔術師であると言う事が分かります。

エリオルはさくらが「クロウカード」をすべて集め、新たな「クロウカード」の主になってしばらくして、イギリスから来日し、さくらの通う友枝小学校へ転入してきました。そこから、物語はさくらカード編として幕を開けます。

エリオルには二人の従者がおり、同じくさくらカード編から登場しています。二人はさくらの従者である「ケルベロスと月（ユエ）」と対をなす存在として、エリオルから創り出されました。普段は、仮の姿で家族の様に一緒に暮らしていますが、必要時には真の姿に戻り、エリオルと行動を共にしています。

スピネル・サン

• 愛称：スッピー
• 仮の姿：透明な羽が生えた黒い子猫
• 真の姿：蝶の羽をもった黒ヒョウ
• 誕生日：秘密
• 好きな物：読書（呪術関係の本を特に好む）
• 好きな食べ物：辛い物

静かな環境を好み、本人も冷静沈着な性格で、一日の大半を読書して過ごす事も多いスピネル。羽を使って飛ぶことができるため、時には奈久留の忘れたお弁当を届けに、高校までやってきたこともあります。さくらカード編でのエリオルの目的にいち早く気付いているそぶりも見せており、エリオルのよき理解者であることが伺えます。

秋月奈久留

• 真の姿：ルビー・ムーン（蝶の羽をもつ）
• 誕生日：10月13日（仮の姿限定、ルビーは違うが秘密）
• 血液型：AB型
• 好きな花：月下美人
• 好きな食べ物：非公表（ただし、ルビーは何も食べない）

スピネルと対照的に、奈久留はとても明るい性格をしており、運動能力にもかなり長けています。さくらの兄・桃矢が通う高校に転入し、常に桃矢に付きまとっていますが、奈久留の本当の狙いは彼の持つ強大な魔力をもらう事でした。女の子の服装をしていますが、ルビー自身は人間ではないため、性別と言う概念はなく、似合うから女の子の服装とスピネルに度々話しています。

スピネル・サンとさくらの従者ケルベロスは、さくらカード編後は通信対戦でゲームをしたり、メールで連絡しあうなど、とても仲がいい様子が見られます。

そのぬいぐるみのような姿から、実際に二人をモチーフにしたグッズも発売されています。二人はまさしく、カードキャプターさくら内でのマスコットキャラクターの位置づけとなっています。

さくらの周りでは不思議な出来事が起こり、その度にさくらはカードを「クロウカード」から「さくらカード」に変えて、全て解決してきました。柊沢エリオルは、さくらの持つカードがほとんどさくらカードに変わったある日、東京タワー（アニメでは月峯神社）で対峙し、その出来事を起こした黒幕の正体は自分だという事をついに明かします。

クロウ・リードは生前、強大な魔力を持つ魔術師で、占い師でもありました。彼自身の魔力を用いて創り出したのが、「ケルベロスや月」「クロウカード」でした。クロウはケルベロスと月によって、看取られて亡くなったはずでしたが、さくらとケルベロスは、エリオルからそのクロウの気配を感じます。

エリオルは一連の出来事の黒幕の正体が自分であると明かすと同時に、自分の正体はクロウの生まれ変わりであると明かします。「正体がクロウの生まれ変わりであるなら、どうしてさくらを困らせるようなことをするか」と尋ねるケルベロスに、エリオルは「欲しいものがあるから」と答えます。

そもそも、ケルベロスと月がクロウを看取った記憶自体、クロウによって書き換えられていた可能性があり、実際には二人はその前に本に封印されてしまっていました。クロウは死ぬ間際に「最後の魔術」を行うためにそのような事を行いましたが、生まれ変わった結果、完全に上手くいかなかったため、今回の一連の出来事を起こす目的の一つとなりました。

KC11巻で、スピネルが「エリオルは同級生として傍で見守れるように、さくらと同じ年のままでずっと待っていた」と語っています。この事から、長い間魔力で小学校4年生位の姿で成長を止めていたことが分かります。ただし、エリオルの実年齢は不明です。

後程詳しくは紹介しますが、さくらの父・木之本藤隆とエリオルは対になる関係のため、本来は同い年でもおかしくありません。しかし、魔力のない藤隆は普通に年齢を重ねていると考えられます。一部のファンからは、エリオルも本当は同い年ではないか？と囁かれています。ちなみに、藤隆は作中の様々な情報を加味すると、40代と推測されています。

さくらカード編では、エリオルがさくらに対して、様々な事件を起こし、試練を与えます。その目的は「欲しいものがあるから」。始めはそれ以上に関して、誰にも語りませんでした。そして、全てが終わった時、その具体的にエリオル自身がさくら達に語っています（KC11巻）。目的は2つありました。

クロウが創った「クロウカード」は、クロウの魔力「闇」の力を元にしていました。クロウカード編の終盤で、さくらは新たな力として「星」の力を得て、星の杖を手にしました。ところが、杖とカードに込められた力が違うため、このままでは魔法が発動せず、さらに「クロウカード」は込められた闇の力を失うと、ただのカードになってしまいます。そこで、さくらの力が使えるカード「さくらカード」に変える必要がありました。

しかし、カードを変えるには、クロウと同じかそれを超える魔力がなければならず、さくらカード編序盤のさくらの魔力はとても及ばない程でした。そこで、あえて様々な事件を起こして、少しずつ魔力を増幅させて、カードを変えさせていくように仕向けていったのでした。

クロウは、「自身の持てる力と心をすべて注いでカードや月たちを創った。だからこそ、新たな主のもとで幸せに暮らしてほしい」と月に語っています（KC10巻）。大切な存在の幸せを願うクロウの想いから、さくらカード編での一連の事柄につながっていきました。

ちなみに、クロウはさくらがすべてのクロウカードを集めて、正式に新たな主となった際にさくらの前に現れ、「これから私が迷惑をかけると思うが、さくらなら絶対に大丈夫」と声を掛けます。この時には既にさくらは新たな力「星の力」を得ていましたが、そのきっかけもクロウが創ったため、さくらカードに変えていかなければならないという事まで予見していたのでしょう。

エリオルが「欲しいもの」として答えてきたものとは、「この世で一番強い魔術師ではない自分」でした。クロウであったとき、彼はあまりに強い魔力故に、未来が見えるなど、ちょっと困ったこともあったと言います。そこで、死ぬ間際に魔術で魂を二つに分けて、後世では一番強い魔術師ではないようにしようとしましたが、魔力は二つに分けることが出来ず、魔力も記憶も全てエリオルが引き継ぐ形になりました。

クロウにはできなかった、魔力を分けることが出来る者、それはクロウを凌ぐ魔力を持つ者のみです。そしてそれが出来るのは、クロウが創ったカードを自身の力で変えることが出来たさくらでした。そして、さくらはエリオルの魔力を二つに分け、藤隆とエリオルにそれぞれ宿らせました。こうして、魔力が半減したことで、エリオルは最強の魔術師ではなくなり、生前のクロウから受け継がれた想いは達しました。

エリオルが木の上から優しい目で藤隆を見守っていたり、藤隆にはエリオルの魔法が効かなかったりと、二人には特殊な関係性があることが描写されています。実は藤隆の正体は二つに分けたクロウの魂の片割れでした。しかし、記憶や魔力は全てエリオルが継いでしまい、藤隆には全く魔力はなく、自分の正体も知りません。それでも、最後は魔力を分け合う形になり、その力で藤隆は亡き妻・撫子の姿が見られるようになります。

藤隆はクロウカードの事や魔術のことなど全く知らず、今回の一連の出来事も、「なんとなくさくらさんが大変な事をしている」という親の勘が働いている程度です。しかし、封印の本が流れに流れて家の書庫に行きついた事、さくらが次期カードの主となった事、さくらと桃矢にはクロウの力によく似た魔力を持っていた事を考えると、藤隆がクロウのもう一人の生まれ変わりである事が関係していると考えられます。

さくらの親友・知世は、エリオルがさくらを見つめる姿を「恋ではなく、とても大切な人を見守るような本当に優しい感じ」と見とりました。他にも、エリオルが悲しむさくらを元気づけた小狼にお礼を言う場面もありました。ここから、エリオルにとって、さくらは本当に大切な存在であると言えます。

また、藤隆とエリオルが対の存在であることから、もしかすると子供を見守るような想いがあったのではないか？という推測もネット上には挙げられています。ただ、初めて出会ったころには、「初めて会った気がしないのは、生まれる前に会っているのかも」とさくらが照れてしまう言葉もかけているので、「恋心があるのでは？」と思わせる一面もありました。

さくらの協力者で友人の小狼は、エリオルと初めて会った時、さくらに接する姿を見て、警戒心（ライバル心）を抱きます。一方、エリオルは初めは「欲しいもののためには邪魔な存在」と思い、小狼を操ってさくらを襲わせた事もありましたが、「一生懸命なところが彼のいいところ」と評価し、徐々に考えが変わってきました。小狼のさくらに対する想いにも気づいており、それがエリオルにも予見できなかった未来へつながっていきます。

さくらカード編以降、親交を深めたようで、クリアカード編ではこれから起こりうる事に対し二人で協力し、連絡を取り合う姿が描かれています。ちなみに小狼はクロウの母方の一族のため、クロウとは多少血の繋がりがあります。エリオルも小狼を（実際には前世ではですが）血縁として意識している節があります。

山崎君はさくらのクラスの委員長で、一見するといつも笑顔で明るい、博識なしっかり者です。しかし、披露しているうんちくの大半が、本当のようなジョークで、さくらや小狼のような素直な人たちは信じてしまいそうになり、直前で幼馴染の千春が突っ込みを入れて、今までのうんちくがすべてジョークだったとわかると言うのが日常になっています。

バレンタインデーの時、「昔はチョコレートを子供は食べてはいけないという法律があった」というジョークをエリオルにふったところ、とても自然に乗っかり、見事な嘘のうんちくを披露しました。そのあまりの二人の気の合い様とコンビネーションの良さに、周りがみんな驚きました。エリオルと山崎君も気が合う事を確信したようで、いい関係が気づけそうだと握手を交わしています。一方でさくらと小狼はますます信じてしまいました。

観月先生は教育実習後にイギリス留学をし、その時にエリオルと出会いました。「歌帆」「エリオル」と名前で呼び合う仲なのですが、それは二人が両想いの関係だからです。それは、観月先生が「エリオルを好き、そして二人が同じ気持ちであればハッピーエンド」という言葉に対して、エリオルがはっきりと返答はしませんが、「さくらも同じようにハッピーエンドを迎えてほしい」という願いを話している事から分かります。

実は、観月先生とクロウとの間にもちょっとした関係があります。クロウはさくら達の住む友枝町の一軒家で生涯を閉じ、彼は死の前に、家の近くにある「月峰神社」に将来新たな主となる者を助けるための道具「月の鈴」を預けました。観月先生は月峰神社に生まれ、多少力があるため、鈴の持つ秘密に気づきます。そして、月の鈴を用いてさくらを助け、さくらは新たな主となりました。

さくらを助けた時は留学からの一時的な帰国であり、その後入れ替わるようにエリオルが来日しています。よって、さくらカード編で二人がそろったのは一番最後です。その間も手紙のやり取りをする様子が描かれています。ちなみに、クリアカード編では、4人で一緒に暮らしているようです。

柊沢エリオルを演じているのは、佐々木望（ささきのぞむ）さんです。さくらカード編から最新作のクリアカード編まで、映画も含めて声優として担当しています。様々なアニメでメインキャラクターを演じてきた男性声優で、その独特な存在感の声が人々を魅了しています。エリオルのような冷静で落ち着いた役どころから、熱血キャラまで幅広い役どころを演じている声優さんです。

• 名前：佐々木望(ささきのぞむ)
• 職業:声優、ナレーター、歌手
• 生年月日:1967年1月25日
• 出身:広島県広島市
• 特技：言語（英語は英検一級取得、他スペイン語を話せる）

1986年に声優デビューし、以降現在に至るまで、様々な作品でメインキャラクターを演じています。また、海外ドラマや映画の吹き替え声優としても活躍しています。また、歌手活動も行っており、シングルやアルバムも発売しています。まさしく「歌って踊れる声優」として、第一線で活動しています。

かつては高めの声が特徴的な声優でしたが、徐々に低めの声に変化していきました。この理由は、本人が後に声優雑誌で語っています。それによると、人気がゆえに仕事が重なり、のどが炎症を起こしているにもかかわらず、そのまま仕事を続けて悪化させてしまったのがきっかけで、若い頃からの発声法に問題があると指摘されたため、トレーニング方法を変えていった結果、変化していたのだそうです。

主なアニメ出演作品には、次のものがあります。

• 幽☆遊☆白書(浦飯幽助)
• 鎧伝サムライトルーパー(毛利伸)
• うしおととら（蒼月潮）
• キャプテン翼J（大空翼）
• 魔法騎士レイアース(導師クレフ)
• 銀河英雄伝説（ユリアン）
• きかんしゃトーマス（エドワード）

ここには書ききれないほど、たくさんのアニメに声優として参加しており、幽☆遊☆白書のように主役を演じた作品も多いので、聞き慣れた声が実は佐々木望さんだったという事もあるでしょう。ちなみに、魔法騎士レイアースもCLAMPの作品で、どちらの作品でもキーマンの役を演じています。

鎧伝サムライトルーパーは、主演登場キャラクターを演じた声優5人で、声優音楽ユニット「NG５」を結成し、その人気ぶりからマスコミで取り上げられるなど、話題になりました。

これは、現在ではよくみられる、声優がマルチ活動を行う先駆けとなったきっかけとなったと言われています。

柊沢エリオルのファンは多く、その優しい雰囲気と、それとは裏腹に何かを画策するほくそ笑む姿に、エリオルの虜になってしまうようです。カードキャプターさくらの中で一番好きなキャラクターだというコメントもあります。

アニメは再放送をされたり、DVDが発売されたりもしているため、度々Twitter上に登場しますが、特に3月24日のエリオルの誕生日には、誕生日を祝うコメントが寄せられています。何年たっても、その人気ぶりは陰りを見せていないことが分かります。

また、その人気ぶりからエリオルのコスプレをするコスプレイヤーも多く、Twitter上では数多くの写真がアップされています。魔術師の正装も精密に作られているのが分かります。

カードキャプターさくら自体、様々な衣装を使用している関係もあってか、コスプレの題材として使われることが多いようです。制服バージョンで衣装を作成している方もいらっしゃいます。

今回はさくらカード編から登場した、柊沢エリオルの正体や彼の目的について紹介しました。正体を知り、彼の生誕の秘密を知ると、いかにこの物語が奥深く、様々な伏線が張られている事に気づきます。その伏線は書き表せない程なので、読んだことがある方もない方も、この機会に読んでみてはいかがでしょうか？クリアカード編にも登場しているエリオル、今後の活躍に期待しましょう。