ベイビーステップの最終回をネタバレ考察！打ち切りという噂と続編の可能性は？

『ベイビーステップ』は勝木光によって講談社の週刊少年マガジンに2007年から2017年まで連載したテニス漫画です。10年に渡り連載し、魅力的なキャラクターや、先の読めない手に汗握る試合が話題を呼び、単行本は47巻まで発行。2度のアニメ化に実写化までした人気作です。

それなのに、突如としてベイビーステップ最終回までのカウントダウンが始まり、あっという間に連載が終わってしまいました。この予想もしなかった突然の最終回にベイビーステップの読者は混乱し、ベイビーステップの最終巻が出た後でも最終回に纏わる考察屋、続編を望む声があります。

ネタバレですが主人公である丸尾栄一郎は、学校の成績でオールAを取る秀才。周りからはエーちゃんと呼ばれる普通の高校生です。ある日、老後の健康の為に通い始めたテニスクラブで、プロ志望のタクマやヒロインのナツに出会い、彼らを通じてテニスの魅力を知っていき、次第に自分もプロになりたいという目標を抱きます。

ネタバレですが初めは壁打ちを延々とこなして行き、小学生と混じって練習して、それでも負けの方が多い日々でしたが、持ち前の動体視力と、学業で培った分析力と、なにより本人の努力もあって徐々にテニス選手としての才能を開花していきます。テニスを初めて僅か２年半で全国ベスト4入り、アメリカ留学やプロも出場する大会で上位に食い込むなどの実績を残し、遂にプロのテニス選手になりました。

ネタバレですがプロになって初めは思う通りの結果を得られずに焦りもしましたが、遂に結果を残せたエーちゃんは、念願だった世界デビューを果たします。恋人となったナツや友人が見守る中始まったデビュー戦。相手は同世代の中でも抜きんでた存在感のある選手。彼との試合の途中で物語は最終回を迎えます。

『ベイビーステップ』はリアルな描写と近代的なトレーニングを盛り込んだテニス漫画です。ド派手な必殺技は無く、テニス初心者だった主人公が一つずつ小さなことを積み上げていき、それが次第に大きな力となっていくという、成長を丁寧に描いた作品です。

ベイビーステップの主人公、栄一郎はテニス初心者ですが、持ち前の分析力と学習能力を武器に上達していきます。試合前に相手のデータを分析するのはもちろん、試合中にもノートを取り出して情報を更新する姿から、「ノートの丸尾」と呼ばれれ周りから注目を集めるようになります。その努力が実り、遂に目標だったプロへと転向できるようになります。

頭にドが付くほど真面目な栄一郎や、天真爛漫で栄一郎だけでなく読者も魅了するナツ。天才肌で気分屋、プレイで周りを驚かせるな池爽児など、ベイビーステップは個性的で魅力的なキャラクターが多数登場しています。中には実在のテニス選手をモデルにしたキャラクターも居るので、それを探すのも楽しかったりします。

ベイビーステップは2014年に第38回講談社漫画賞の少年部門を受賞しています。最近で同じ賞を受賞したのは、『七つの大罪』や『弱虫ペダル』といった今も連載、アニメ化している人気作です。ベイビーステップがそれらの作品と同じぐらい面白い作品という証明になります。

ベイビーステップは2014年と2015年にアニメがNHKから二度放送されています。実力を付けてきた若手声優を起用して、原作をなるべく省略せずに放送したアニメはベイビーステップのファンからの評価も高いです。原作における中盤辺りまでしかアニメ化していない事から、続きを望むベイビーステップのファンが大勢居ます。

また、2016年には松岡広大主演で連続ドラマがAmazonプライムビデオで配信。原作へのリスペクトがあり、丁寧に作品の雰囲気を作り上げ、後に地上波でも放映されたことで話題になりました。

最終回のネタバレですが、プロに転向し、スポンサーやコーチ、更には自分と一緒に情報を収集分析してくれるスタッフが揃いチームを結成したエーちゃん。遂に世界デビュー戦が決まり、戦う相手は自分と同世代のスター候補です。

恋人の応援や家族や友達の激励を受けて挑んだ試合、コートチェンジの僅かな休憩時間にもノートを取り出すいつものエーちゃんが前を向いたところで終わります。最終回にしては中途半端な終わり方に読者の感情は収まり切らず、色々な考察が生まれる原因となりました。

前触れもなしに始まったベイビーステップ最終回カウントダウンにファンは何かの間違いではないかと論争が巻き起こりました。特に最終回の発表があった時は世界デビュー戦が始まる段階で、残り話数からその試合を全部やらないというのは予測できました。ベイビーステップ最終回は数年後に飛んでナツがエーちゃんの子供をあやしながら、世界の大舞台で活躍するエーちゃんを見守って終わるのか、などといった最終回予想がされました。

そして迎えたベイビーステップの最終回。本当に最終回だったことに、そして中途半端とも取れる内容に多くのベイビーステップのファンは落胆して、嘆きました。この突然すぎる最終回に様々な憶測が流れだします。その中で、一番多く囁かれたのが打ち切りという可能性です。

『ベイビーステップ』は試合中に対戦相手の心情や背景を深く掘り下げる特徴があります。エーちゃんのプレイスタイルは、相手を分析して弱点を突くというもので、対戦相手は自分の弱い部分を思い知らされ、試合中に成長を迫られます。

その分ストーリーに深みが増し、ベイビーステップのキャラクターに愛着が湧きます。ですが、最終回の相手はエーちゃんと同世代の、将来のスター選手ということ以外謎に包まれたまま最終回を迎えます。これまでに無かった展開から、この最終回が打ち切りではないかと言われる最大の根拠になっています。

ベイビーステップの中で、日本人としてトップを走っている池爽児という選手が登場します。エーちゃんの恋人であるナツの幼馴染で、彼女と共にテニスを始め、あっという間に世界へと羽ばたいた天才少年です。彼のモデルは実在のプロテニスプレイヤーの錦織圭選手です。

エーちゃんよりもはるかに早く世界に出ていた池は、エーちゃんにとって強い影響を与えた選手です。なにしろ、彼に出会った事でプロになるという目標を持ったのです。憧れであり目標のライバル、いつか公式で試合をしたいと言っており、読者も最終回の相手は彼じゃないかと予想していました。それが突然の最終回を迎えてしまい、夢の対決は夢となってしまいます。

ベイビーステップには彼以外にも公式戦で二度敗北した同年代へのリターンマッチや、年下の生意気小僧などファンには戦ってほしいライバルが残っていました。彼らとの戦いを匂わせる伏線もあったのに、回収しないまま最終回を迎えた事も打ちきりと言われる根拠の一つです。

『ベイビーステップ』のヒロインである鷹崎奈津ことなっちゃんはエーちゃんを励まし、勇気づけ、もっとも影響を与えた女の子です。同時にエーちゃんの頑張る姿に励まされ、共にプロを目指していく中で恋人同士になりました。

そんなラブラブな二人ですが、エーちゃんを密かに狙う女の子が二人居ます。一人はなっちゃんと同世代の日本人プレイヤーの清水亜希。偶々出会ったエーちゃんに助けられ、それ以来密かに目で追いかけるいじましさをもつ、ベイビーステップの人気のキャラクターです。テニスの腕ではナツと同格かそれ以上で、ナツはこの子に勝つことを目標の一つにしていました。

もう一人が、エーちゃんがアメリカ留学をした時に知り合ったマーシャという年下の女の子です。出会った当初はまだ幼かった事もありエーちゃんの事を異性として気にしていませんでしたが、再会した時に評価を改め、以後意識をしている場面が増えていきます。こっそりと電話をする番外編では兄のアレックスをヤキモキさせるシーンもありました。

互いにプロになるという夢を持ち、一緒に歩いていた二人ですが、なっちゃんはアメリカの大学に留学する選択をします。日本を中心に活動を続けるエーちゃんとは遠距離恋愛になりました。それを知ったマーシャなどは、怪しい動きを見せていたのですが、結局エーちゃんを取り合う修羅場のような事は起きずに最終回を迎えてしまいました。この不完全燃焼も打ちきりではないかという根拠になっています。

ベイビーステップはいくつかの伏線を残したまま最終回を迎え終わってしまいました。その理由に関しては今を持っても謎のままです。昔、週刊少年ジャンプで連載していた『シャーマンキング』という漫画は、打ちきりで未完となった事を皮肉ってミカンを最後のページに書きました。ベイビーステップでは最終巻のあとがきで、作者が力不足と答えていましたが、果たしてそれが何を意味しているのかまでは不明です。

ベイビーステップは50巻近く長期連載をして、アニメ化や実写化にも恵まれた作品です。売り上げ不振から打ち切りというのは考えにくいです。となると、考えられるのはそれ以外の理由となります。不本意な最終回から時間が経つにつれて、ベイビーステップのファンの中で、ある考察が注目を集めています。

ベイビーステップの作者の勝木光は別名義で活動していましたが、ベイビーステップが初めての連載漫画です。初めての連載で、50巻近く発行したのは驚異的な事です。そんな作者ですが、実は謎が多い方です。私生活は秘密で顔も出しておらず、女性としか分かっていません。

女性作家さんだと妊娠を理由に連載を休載する方も居ます。また、体調不良のために連載を終了するという場合もあります。ですが、『ベイビーステップ』終了後、そういったニュースは講談社の方から発信されていないため、この考察は可能性が低いです。

『ベイビーステップ』は派手な必殺技が飛び交ったりする、エンターテインメント性の高い漫画ではありません。真面目な少年が一つずつ階段を上っていく、地味なタイプの漫画です。それがプロになり、最終回では世界ツアーに参加できるようになります。

これ以上の活躍は本来のテーマから外れていくため作者の方から連載に幕を下ろしたという説があり、一番可能性の高い説として支持されています。そう考えると、ベイビーステップの最終回は実は綺麗に纏まっているのではないかという考察も出来ます。

ネタバレですがベイビーステップの最終回で戦う相手はジェームス・ファウラーという、エーちゃんとは同世代の選手で、日本人トップの池をウィンブルドンで倒した選手です。将来の世界一位と噂されるホープですが試合の途中で最終回となりました。つまり、その前に戦った相手こそ本当の意味で最後の相手と言えます。その相手はクリシュナというインドのテニスプレイヤーで、エーちゃんの友人でもあります。

ネタバレですが、クリシュナはエーちゃんがアメリカに留学した時に知り合った少年で、その時はまだちょっと不思議な少年でした。ですが、別れる時に彼がノートに書いた餞別の言葉こそ、『Baby step』。この作品のタイトルであり、エーちゃんを象徴する言葉でした。

ネタバレですが、クリシュナのプレイスタイルは観察と分析というエーちゃんに近いスタイル。言ってしまえば、もう一人の自分と戦う特別な試合でした。熱戦は巻を跨ぎ、エーちゃんは苦戦の末に勝利を掴みました。そして、この勝利がきっかけで、長い事不調だった調子が向上していき、最終回の世界デビューへと繋がります。つまり、彼との対戦から物語は綺麗に纏めへ入り始めたので、最終回は最初から予定調和だったという見方があります。

漫画にとって打ち切りとは、これ以上物語を続けませんという出版社側の意思表示でもあります。その理由や原因は売り上げが悪かったり、アンケートが良く無かったり、あるいは大人の事情など様々ですが、続編は基本的にありません。打ち切りになって最終回を迎えた作品は、そのまま終わってしまいます。

数少ない例外と言えば週刊少年ジャンプで連載していた『ライジングインパクト』という漫画です。現在はマガジンで『七つの大罪』を連載している鈴木央のデビュー作で、売り上げが伸びなかったのか2巻で打ち切りになり、最終回には大人になった主人公が登場して終わります。その連載終了を惜しむ声が多かったため再連載、当時の最終回も一部書き直して続巻と話しの辻褄を合わせて発売されました。ですが、これは例外中の例外です。

しかし、最終回が円満で終わった場合は違います。人気があり、固定のファンが多く居て、未回収の伏線や謎が残したまま最終回を迎えると続編が発売されるケースがあります。古い作品だと『キン肉マン』、『シティーハンター』、最近だと『タッチ』や『ネギま』、『花より男子』などが最終回からの続きを発表して人気を博しています。

いかがでしょうか？今回はベイビーステップの打ち切りという噂の真相と続編の可能性についてを紹介しました。ベイビーステップはいくつかの伏線や未消化のネタなどを残しつつ、人気があるうちに最終回となりました。つまり、最終回からの続編を描く要素は十分にあるという事です。現時点では勝木光の最新作は発表されていませんが、もしかしたら、エーちゃんたちの物語の続きが読める日も近いかもしれません。