「ヒミズ」漫画全4巻のあらすじと結末!映画作品の原作をネタバレ!

2012年に映画で実写化され話題となった古谷実さん漫画原作「ヒミズ」。古谷実さんにとって転機となったこのヒミズは不条理な世界観で満ちあふれています。この救いようのない物語は果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか?この記事では漫画版ヒミズのあらすじから衝撃のラストまでを感想を交えて紹介します。ヒミズ以前~以後の古谷実さんの作品もいくつか合わせて紹介していきます。

「ヒミズ」漫画全4巻のあらすじと結末!映画作品の原作をネタバレ!のイメージ

目次

  1. 古谷実さんのヒミズ連載以前の漫画作品から紹介!
  2. ヒミズは漫画連載時から話題になっていた
  3. ネタバレ注意!ヒミズの主要人物を紹介
  4. ヒミズ1巻のあらすじをネタバレ紹介!最初はどのような入りなのかに注目!
  5. ヒミズ2巻のあらすじをネタバレ紹介!住田と正造に悲劇が?
  6. ヒミズ3巻のあらすじをネタバレ紹介!不審な人物の行方は?
  7. ヒミズ4巻のあらすじをネタバレ紹介!新しい絶望が襲う?
  8. いよいよ漫画版ヒミズの衝撃のラストをネタバレ紹介!
  9. 漫画版ヒミズ全体の感想
  10. 古谷実さんのヒミズ以後の漫画作品にも注目!

古谷実さんのヒミズ連載以前の漫画作品から紹介!

ヒミズ連載前はギャグ漫画家だった古谷実さん

ai_blumeさんの投稿
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作者の古谷実さんはヒミズ連載前はギャグ漫画家として、かなりの知名度がありました。ギャグ漫画家が本気のストーリーものを描いたら傑作になるという話は耳にしますが、ヒミズはその最たる例と言えます。しかしここまで作風が変わることは業界内でも珍しいことです。まずはヒミズ以前に連載していた作品を紹介します。

行け!稲中卓球部!~グリーンヒル

デビュー作の「行け!稲中卓球部!」は古谷さんの代表作の一つでもあります。卓球部の中学生達を中心に描かれる思春期特有のノリがふんだんに詰め込まれたこの作品は、多くのファンを獲得しアニメ化までしました。その後「僕といっしょ」「グリーンヒル」とギャグ漫画を連載し、青年誌でのギャグ漫画家としての地位を確立していました。

ギャグ漫画時代からすでにヒミズへと繋がる予兆があった

後付けのような感想となってしまいますが、ギャグ漫画の頃からすでに世の中の不条理を嘆くようなシーンが多々ありました。非現実的な幻覚のようなものが登場するシーンも多く「僕といっしょ」に関しては主人公達の境遇がすでに絶望的で、あらすじだけを見るとすでに不条理です。ヒロインは「人生をやり直せたら」と頻繁に妄想していました。こういったキャラの自問自答の中でのストーリー展開は後の作品にも通じています。

ヒミズは漫画連載時から話題になっていた

雑誌連載時の第1話

ヒミズは2001年にヤングマガジンで連載が始まりました。第1話の扉絵は夜の屋上の様な場所で主人公の住田が頭から血を流し立っている姿が描かれています。この扉絵を見た時点で「今までの古谷作品とは違う」という感想を持った読者は少なくないはずです。本編に入る前に不穏な空気を漂わせ、早くも良くない結末を予感させる独特な扉絵でした。

漫画版ヒミズ第1巻の表紙

ヒミズ第1巻の表紙は真っ黒の背景に血のようなものが滴り主人公住田がただ横を向いているという、シンプルながら物語の空気を表現できている素晴らしくインパクトのある表紙でした。そしてその帯には「笑いの時間は終わりました。これより、不道徳の時間を始めます」と書かれています。古谷さんのギャグ漫画との決別の意思が伝わる文言で、読む前から不安感と期待感を煽り表紙とマッチした素晴らしい帯でした。

ネタバレ注意!ヒミズの主要人物を紹介

住田祐一(主人公)

ヒミズの主人公の住田は、母と二人暮らしで貸しボート屋を営んでいる中学生です。父はたまに帰ってきては金をせびりまたすぐに姿を消してしまいます。ある日、母親が別の男性と駆け落ちをして失踪し、さらに住田は父の借金取りからの借金の請求と暴力を受けます。不遇な現実に絶望していると、事情を知らない父が戻り母の件と金が無い事を知ります。他人事のようにその場を立ち去ろうとする父を住田はとうとう殺害してしまいます。

haruku3さんの投稿
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性格は現実的で平凡な生活を望む、本人曰く善良な人間ですが「人殺しが目の前にいたら殺してやる」という極端な一面もあります。普通の人間は周りに迷惑をかけてはいけないという自分の中の決まりがあり、ひっそりと生活する事を目標としていましたが、時々見える化け物の様な幻覚に頭を悩ませています。父を殺害してから普通でなくなってしまった自分に絶望し、1年の期限付きで「悪い奴」を殺害するために街を徘徊し始めます。

茶沢景子(ヒロイン)

enaly_kazukeyさんの投稿
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住田の同級生で物語の良心的存在でもあります。始めから住田に好意を持っていて物語後半では身体の関係を持ち愛し合うようになります。住田のことを常に気にかけ心配してくれる作中唯一の存在でもあります。作品のラストまで住田の近くに居て、住田の物語に終止符を打ったのも彼女です。

夜野正造(住田の親友)

sllltooさんの投稿
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住田とは小学生からの付き合いで、昔いじめられていたところを住田に助けられました。スリの常習犯ですが、住田にバレ怒られることもあります。住田の借金苦を何とかしようとスリを重ねる内に知り合った飯島に空き巣を持ちかけられ、話に乗った末に大変な結末を迎えてしまいます。

ヒミズ1巻のあらすじをネタバレ紹介!最初はどのような入りなのかに注目!

最初の数話は日常回

不吉な雰囲気の漂う表紙のヒミズ第1巻ですが、最初の数話は日常回でした。ギャグ要員も居たりして、これまでのギャグ路線にまだ少し乗っかっているような感想を持った人も居たかと思います。住田を始めとするキャラのリアクションも1巻ではまだコミカルな表現もありました。しかし要所で不吉な予兆がすでにあります。例えばふらりと家に戻った父親に対しての住田の反応であったり、時折見える幻覚です。

yorutaiyoさんの投稿
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前半は日常回の中で茶沢や漫画家志望のきいちとの出会いが描かれています。後半になると母親が駆け落ちして失踪してしまい、正造は住田の生活を助ける為にスリをしているところで、後の犯罪共犯者の飯島と出会います。ここから徐々に住田も正造も決して良くない結末へと向かっていくことになります。

1巻を読み終えての感想

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1巻は映画で言う導入部分といった内容がメインでした。感想としては日常回の中でも不穏な空気を漂わせる表現力が素晴らしく、いつ何が起こるか分からない緊迫感が出ていると感じます。冒頭で住田は「ほとんどの人間は極端な幸不幸にあうことなく一生を終える普通の人間」と語っていますが、そんな普通の人間を自負している住田がいつどうなってしまうのか気になる内容でした。

ヒミズ2巻のあらすじをネタバレ紹介!住田と正造に悲劇が?

住田と正造にとってそれぞれ最悪の結末が!(ネタバレ注意)

ahaha_hoshiさんの投稿
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ヒミズ2巻では主人公住田と親友正造がそれぞれ別場面で、最悪の結末を迎える事件が起こります。2巻は住田の父親の借金取りの暴力団が住田の家にやってきて、反抗的な態度の住田が暴力団に暴行を加えられ頬を刃物で切られる話から始まります。そして次の話から住田と正造がそれぞれ動き始めます。2巻のあらすじ紹介はこの2人が起こした事件を別項目で紹介していきます。

正造が飯島と起こした事件のあらすじ(ネタバレ注意)

住田が暴力団から暴行を受けた現場に正造も居たので借金が600万だと知っています。1巻ラストで飯島が持ちかけてきた空き巣の報酬金額が1000万なので、正造はその話に乗ることを決意します。家に忍び込み漁っていた最中に、家主が帰ってきてしまい飯島が揉み合いの末に殺害してしまいます。救急車を呼ぼうとする正造を飯島が止め、死体を山に埋める事を提案します。半ば強引に正造は飯島と山に死体を埋めに行かされるのでした。

その後日、飯島は口封じの為に正造を殺害しようと接触します。正造を山に連行し刃物で襲いかかりますが、正造は刺されながらも必死に抵抗し、なんとか逃げのびます。そして飯島は正造が残りの金で雇った暴力団に脅され地方へ追放されるのでした。正造はその後、住田の借金を肩代わりしたことが住田に知られ、住田は正造を問い詰め殴りかかります。そして正造は一方的に絶交を言い渡され、正造にとっては最悪の結末となりました。

住田が起こした事件のあらすじ(ネタバレ注意)

一方住田は貸しボート屋を営みながら、自分の人生の事、不遇な現状に向き合っていました。何故自分がこの様な状況に居るのか?自問自答を続ける内にその憎しみの対象が父親に向けられます。「お前のせいで」と心の中で叫び一人嘆いている中、夜に父親が急に帰ってきます。母の件を伝えると父は「じゃあまたな」とその場を後にします。

and_y8さんの投稿
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住田は父の後を追いブロック塀を手に取り父親の頭を殴打します。静かに、冷静に、父親を撲殺し住田は理解します。普通を目指していた自分が実は普通ではなかったかもしれないこと、そして父親を撲殺したことで本当に普通でなくなってしまったことに絶望します。自分が目指していたものとはかけ離れた結末を迎え、住田は翌日からの日々を「おまけ人生」として生きていくことを決意します。

住田のおまけ人生

kurage_hanyuさんの投稿
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住田の言うおまけ人生とは、1年の期限を決めて最後の日を迎えるまでは自分の命を有効に社会の為に使うということでした。世の中の犯罪を未然に防ぐ為に街を徘徊し始めます。住田曰く「バカがバカを殺す」ということです。そして街を徘徊し続ける途中に寄った公衆便所で、殺人予告の落書きを見つけます。書いた人間を突き止めると、その人物はいかにも性犯罪を犯しそうな青年でした。

2巻を読み終えての感想

e179uさんの投稿
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2巻は衝撃的な事件の結末が2つもあり、1巻とはガラッと変わった急展開な内容でした。しかし1巻から繋げて読むと「起こるべくして起きた事件」という感じがします。住田は1巻で「1番愚かなのは人の命を奪うこと」という持論を語っていますが、実際に人の命を奪い更に「悪い奴」を殺そうと街を徘徊し始めた住田はどこに向かっていくのでしょうか。

ヒミズ3巻のあらすじをネタバレ紹介!不審な人物の行方は?

世の中に潜む「悪い奴」を探しながらのおまけ人生

2巻ラストで見つけた不審な人物を探る住田は、その人物が狙っている女性の彼氏が襲われる現場を押さえます。不審人物に包丁で切りかかり追いかけているところを通りかかった警察に先に捕まえられてしまいます。犯人は捕まりましたが、住田の気は晴れません。まだ自分にはこれからやり直すという選択肢があるのではないか?という自問自答の中、生活費を稼ぐためパチンコ屋で短期アルバイトを始め、同僚に刺青を彫ってもらいます。

yama.aki48さんの投稿
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家に会いに来た茶沢に父親殺害を疑われますが、それを冷静に弁解します。そして正造との仲も戻りますが、それでも住田は二人とも他の人間とも距離を取り、「悪い奴」探しの再開準備を続け、自分の人生の結末までの日々を無駄にする事ないよう行動します。

貸しボート屋にやってきたホームレス(ネタバレ注意)

バイトを辞め「悪い奴」探しをしていると、ある日家に一人のホームレスがやってきます。塚本とし夫と名乗るその男性を休業中の貸しボート屋の店員として雇い、代わりに仕事をしてもらいます。住田に対してまともな正論を言ったりする塚本を、住田は信頼していました。しかし彼こそが住田の探す「悪い奴」だったのです。

塚本は昼は気の良いボート屋ですが夜になると性犯罪を繰り返していました。そんなある日、茶沢が住田の家を訪ねてきます。住田はほぼ1日中街を徘徊しているので、塚本が居るだけでした。塚本は嘘の伝言を茶沢に伝え、夜に茶沢に再訪させ暴行し監禁します。しかし翌日にはボート屋の客にバレてそのまま塚本は逃走し、茶沢は住田を悲しませまいとその事実を隠しました。

初詣で「悪い奴」とすれ違っていた

ntuumiさんの投稿
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クリスマスから年越しの際、住田は体調を急激に崩し家で寝込んでいました。体調が戻ったと同時に茶沢が訪れ、一緒に初詣に行くことになります。そして翌日のニュースで取り上げられた隣町の犯人が初詣に居たことを茶沢に告げられます。住田は再び絶望しながら歩いていると、道ばたでヤンキー達に絡まれます。常備している包丁でヤンキーの肩を刺し追い払います。家に帰ると新たな絶望感の中、布団の中で一人震えるのでした。

3巻を読み終えての感想

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住田は「悪い奴」探しの為に足が血豆だらけになるまで徘徊しているのですが、探している人物は意外と近くに居て、その存在に気づけないでいます。一方で茶沢も大変な事になってしまいますが、自分の身に起こった事よりも住田の気持ちを優先する気遣いを見せます。感想としては茶沢の純粋さが際立っている巻だと思います。本格的に絶望感が大きくなってきた住田ですが、物語はラストに向けて進んでいきます。

ヒミズ4巻のあらすじをネタバレ紹介!新しい絶望が襲う?

3巻ラストの新たな絶望感の正体は

3巻ラストで住田が感じた絶望感は数々のチャンスを逃してきた住田は自分自身の感情をコントロール出来なくなってきていることによるものでした。今この状態で外に出るのは危ないという自覚があります。自分がどういう行動に出るのか分からない中、それでも住田は行動します。途中、借金取りの暴力団と再会し拳銃を渡されたりしながら、通っていない中学の卒業式が行われました。

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卒業式後、茶沢が家に卒業証書を届けに来てくれ、その日に二人は身体の関係となります。その後住田は茶沢に父親を殺害したことを告白します。そして現在やっている「悪い奴」探しの事も茶沢に話し、茶沢は冷静に受け答えをします。住田が食料を買いに一人外出すると、3巻ラストで絡んできたヤンキーが現れ住田は暴行を受け指を折られます。その後茶沢に自首を勧められますが、それを突き放し住田はまた行動を始めます。

「悪い奴」探しの徘徊の結末は(ネタバレ注意)

その後見つけた不審者もハズレで自殺志願者でした。しばらく家にも戻らずに野宿をしながら街を徘徊し続けていましたが、とうとう金も底をつき家に戻るバス代のみでした。体力も精神も限界を迎えバスで家に戻る決意をした住田は、バス内でとうとう「悪い奴」と遭遇します。刃物を持って他人を切りつけた異常者に馬乗りになり、包丁で刺しまくり殴り続け殺害します。そして満面の笑みでバスを降り走り出す住田でしたが・・・

家で待っている茶沢に元気いっぱいに報告する住田ですが、茶沢の顔が別人で首が伸びていきます。そこで住田は夢だったのかと気づき目が覚めます。住田は帰り途中のバスで寝ていただけでした。家に戻るとヤンキー達に荒らされた家を茶沢や正造たちが修復してくれている最中でした。正造たちが帰り茶沢と二人きりになったと同時に住田と面識のある警察が茶沢の通報でやってきます。そして残すところはラスト1話となります。

いよいよ漫画版ヒミズの衝撃のラストをネタバレ紹介!

幸せな将来の話を語り合う二人

rikopin_gagaさんの投稿
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住田は今日だけは家で眠りたいから明日出頭すると警察に伝え、警察はそれを承諾します。住田は「これで良かったのかもしれない。ありがとう。」と茶沢に伝えます。その夜布団の中で住田と茶沢は将来の事を語り合います。茶沢は出所後も待ってるからすぐに結婚しよう。と語り二人でその後の将来を想像し始めます。住田は夢のようだと語りながら、「俺にはまだやるべき事があるはずだ」と思っています。

どうしても覆せなかった住田の運命

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夜中の4時前、茶沢が寝入っているときに住田が外に出ると時折見える化け物の幻覚が立っています。住田は化け物に「やっぱりダメなのか?どうしても無理か?」と質問をすると化け物は「決まっているんだ」と答えます。住田は諦めたように「そうか。決まっているのか。」とつぶやき、暴力団員からもらった拳銃で自ら命を絶ちます。最後は草むらで横たわる住田の姿で物語は幕を閉じます。

漫画版ヒミズ全体の感想

漫画版ヒミズの作品内で最も不条理なことは?

ヒミズは全体的に不条理、不道徳な空気で満ちあふれています。特に不条理だと思った事は住田が目指す自分とはどんどん違う方向に行ってしまう事です。そして住田もその流れに抗えないという何とも不条理だという感想を持った方が多いようです。

それを決定づけたのがラストの化け物との会話だったように感じられるようです。それが生まれ持ったものなのか、環境によるものなのかは断定出来ませんが、人によって感想が様々なラストだったようです。

古谷実さんのヒミズ以後の漫画作品にも注目!

不条理漫画~不条理漫画とギャグ漫画の融合へ

ヒミズ以後もいくつが作品を出していますが特に「シガテラ」や「ヒメアノール」は、ヒミズが好きな人に合うあらすじですのでこの2作品がオススメです。近年の作品は不条理なあらすじの中のギャグといった作風となっています。ギャグっぽい作品でも何が起きるか分からないので少しドキドキしながら読んでしまいますが、それも古谷さんの作品の魅力です。

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