2019年01月15日公開
2019年01月15日更新
ゾバエ病は不死の病?暗黒大陸の五大厄災の正体を考察【ハンターハンター】
今まで世界の全てと思われていた世界地図の外側に広がっているという暗黒大陸、そこには人類すらも滅ぼしかねない危険な5つの厄災があると言われています。その中でも今回は、ご存知ネテロ会長の息子であるビヨンド・ネテロが持ち帰ってしまったとされる「ゾバエ病」について考察していきます。不死の病とも言われるゾバエ病がどのような病なのか、どのような経緯で発覚したのかなど詳しく見ていきます。
ハンターハンターの暗黒大陸編とは?
ハンター協会の会長選挙の後に、今まで世界の全てと思われていた世界地図の外側に、もっと広大な世界が広がっているということが判明しました。それが暗黒大陸です。暗黒大陸は人の想像が及ばないほどの世界が広がり、現代の科学力では到底手の届かないような夢の秘宝が数多く眠っているということが分かっています。
しかしながら、暗黒大陸で夢の秘宝を手にするにはいくつもの障害があります。それが五大厄災になります。今回はそんな五大厄災について、特に不死の病と呼ばれるゾバエ病について焦点を当てて考察していきます。
ゾバエ病は不死の病?
ゾバエ病は不死の病
ゾバエ病は不死の病ということで、文字通り死ぬことができなくなる病気です。ハンターハンターの世界の国際環境許可庁の地下には50年も前から病にかかり、まったく食事を取らずに生きているゾバエ病患者が存在していますが、そのビジュアルはなんともおぞましい姿として登場します。目はぎょろりとして、顔表面は人の肌というよりは無機質な硬い素材に覆われているようにも見えます。
自給自足と言われていますが、その真相は明らかにはされていません。ただし、地震の腕から血か、あるいは肉を吸っているような描写が見られます。吸った(あるいは喰べた)ことで失った血肉を、なんらかの方法で再生させる機構が働いているのでしょう。ただの不死の病というだけでなく、とういったところからもゾバエ病のおぞましさが伝わってきます。
またゾバエ病の患者に人間としての意識があるのかどうかも不明です。作中では、地下の施設を歩く担当者を、ガラス張りの壁の向こう側からゾバエ病患者が睨んでくる場面がありますが、果たしてその人間は人間としての知性を持っているのか、非常に疑問が残ります。ただ「底なしの絶望」とあるからには、単なる不死の病というだけでなく、死ねない体を絶望に感じるくらいの意識はあるのかもしれません。
ゾバエ病の危険度は?
ゾバエ病のハンターハンターの世界での危険度は、総合でB+に設定されています。詳しく見てみると、凶暴性C-1(≒A-2)、数E、繁殖力B-2、破壊力B-2となっています。ここに、ゾバエ病の秘密をとくヒントがあります。そもそも単なる不死の病であればそこまで危険視することはありません。単に暗黒大陸に渡り、病気をもらってきたというだけです。けれどもゾバエ病の危険度は、総合でキメラアントのBすら上回っているのです。
ここで注目すべきは、ゾバエ病の危険度について「ゾバエ(患者)」と表記されていることでしょう。ゾバエ病の菌あるいはウイルスが危険なのではなく、あくまで患者に対して危険度が設定されているのです。つまり、凶暴性があり、繁殖力があり、かつ破壊力も無視できないのはあくまでゾバエ病の患者本人だということです。
また病というからには、感染のリスクも無視できません。数がEということで、個体数が非常に少ないにも関わらず繁殖力は国家単位の人と同レベルかそれ以上に設定されていることを踏まえると、通常の人としての生殖方法で繁殖するとは考え難いところがあります。つまり、ゾバエ病ならではの繁殖方法があるということです。それはおそらく、人を喰らうことによる繁殖方法が取られるのではないかと言われています。
つまりハンターハンターの作中では明言されてはいないものの、ゾバエ病に感染すると周囲の人を襲い血肉をすすり、それによって襲われた人までもゾバエ病に感染してしまうのではないかということです。そしてそれを防ごうにもゾバエ病は不死の病ですので殺害することもできず、感染拡大を止めるには感染者全てを檻の中に閉じ込めなければいけなくなるのです。
ゾバエ病とビヨンドレポートの関係
そもそもはハンターハンターの世界の首脳会議のような位置付けであるV5の政治的な思惑から、ハンター協会を避けて独自の調査団を作り暗黒大陸に向かわせたことに端を発します。そしてその探検の行動決定を担う専門家の1人として登場するのが、故ネテロ会長の息子であるビヨンド・ネテロです。
ビヨンドはあくまでも未踏のルートを進むことにこだわりました。そしてその結果、メタリオンという錬金植物を持ち帰ることには成功したものの、部隊の中でも帰還できたのはわずかに6名、うち1名が不死の病であるゾバエ病にかかってしまっていたのです。これらの内容を詳細に記しているのが、作中に出てくるビヨンドレポートになります。
ゾバエ病のリターンはメタリオン
上でも述べましたが、ゾバエ病のリターンはメタリオンという錬金植物です。メビウス湖の真南にあるとありますが詳細は不明。またどういった植物であるかもハンターハンターの作中にはほとんど描かれていませんが、おそらくどのような金属にも変化させられる植物なのではないかと言われています。ちなみに、ビヨンドの一行が持ち帰ったメタリオンは枯れてしまったそうです。
ゾバエ病の元ネタはゾナハ病?
からくりサーカスのゾナハ病とは?
からくりサーカスとは1997年から2006年まで習慣少年サンデーにて連載されていた藤田和日郎さんの漫画で、ゾナハ病はその漫画に登場する物語の核ともなる不死に病のことです。正式名称は「他社の副交感神経系優位状態認識における生理機能影響症」といい、作中に登場する自動人形の擬似体液や「銀の煙」を飲んだり吸ってしまうことで発症してしまいます。
ゾナハ病には段階があり、第一段階では突発的な呼吸困難が主症状で、あらゆる薬は聞かず、他社を笑わせることで呼吸困難が一時的に改善します。第二段階では免疫力が低下して、他の病気にかかりやすくなってしまいます。ゾナハ病で死んでしまう患者はこの段階が多いということです。けれどもゾナハ病の恐ろしいところはこの次の段階にあるのです。
ゾバエ病とゾナハ病の共通点
ゾナハ病の第三段階は「死ねなくなること」です。体の成長は止まり、体温は低下、全身が石のように硬直し呼吸困難が持続します。食べ物や水を一切口にしなくても生き続けてしまい、作中では屋外でその状態になったものはいずれ風化して死んでしまいますが、運悪く屋外でその段階に入ってしまうと、死ぬことはできず、何年も何十年も、果ては何百年も、呼吸困難に苦しみながら生きながらえることになります。
ゾバエ病との共通点はまさにそこにあるでしょう。死ねない体と、そこにある無限の苦しみを伴う不死の病。名前や語感も似ていますが、それ以上に感染してしまった患者の末路、悲壮感が元ネタと考察される所以なのでしょう。
ゾバエ病以外の暗黒大陸の五大厄災の正体を考察
「ガス生命体アイ」暗黒大陸の五大厄災
五大厄災の1つガス生命体アイは、ゾルディック家の四男(長女)であるアルカの中にいる「ナニカ」と呼ばれる存在と同じものになります。漫画のガス生命体アイの紹介のコマを見てみると黒い影のような生き物が書かれていて、それはまさしくアルカが「ナニカ」になった時の瞳の中の暗闇と同等の存在であることがわかります。
アルカの中にいるナニカは、お願いを3つ叶えてくれた人間の、どんな無茶な願いでも無制限に叶えてくれます。そしてお願いの難易度に応じて、次にナニカにお願いされる内容が変わってきます。例えば前の人がとんでもない無茶なお願いをすると、その次にナニカにお願いされる人はそれだけハードルの高いお願いをされてしまうのです。
ここでいちばんの問題は、どんな願いでも無制限に叶えてくれる、というところでしょう。どんなに困難でどんなに不条理なお願い事であろうとも、その願いは絶対に叶うとされています。例えば、世界の滅亡を望んだとしたら、それがかなってしまう可能性も大いにあるということです。
ただしナニカの1件から見ても、五大厄災だからと言ってガス生命体アイが直接危険というわけではないようで、どちらかというとそれにお願い事をする人がどんな人か、という方が重要のようです。ちなみに異名は「欲望の共依存」。アイ単体というわけではなく、ナニカがアルカの中にいたように、他の生命に依存、もっといえば寄生する生き物なのかもしれません。
「人飼の獣パプ」暗黒大陸の五大厄災
五大厄災の1つ人飼の獣パプの画像では、小さい人形のようなもの頭にパイプのようなものが伸びていて、それが画面奥の暗闇に繋がっています。そしてこの暗闇が、人飼の獣パプではないかと言われています。さらにいうならば、パイプが繋がっている干からびた人形鵜のようなものが、パプに捕まってしまった人間の成れ果てであろうと言われています。
「快楽と命の等価交換」と異名が付いていますが、これは文字通り快楽を人間側に提供し、その見返りとして命を奪う生き物であると考察されています。ただし等価交換にあたり条件などの交渉があるのかどうかは不明。1,000人規模の部隊をほぼ壊滅まで追いやっていることから、単純に「快楽をあげるから命をちょうだい」というわけではないようです。
むしろ1,000人単位を一気に襲うだけのマンパワーがあり、襲われたのち飼われてしまうと快楽によって逃れることが困難になる、というのが正解でしょう。生き残りはわずかにわずかに7名とされていますが、その7名がパプに襲われたところ飼われずに済んだのか、飼われるところまでは行ったものの快楽から脱して生き残ることができたのか、その辺にも対抗策の鍵がありそうです。
「双尾の蛇ヘルベル」暗黒大陸の五大厄災
五大厄災と言っても、画像を見る限り普通の蛇とそう変わるところはありません。ただしハンターハンターの世界の危険度の評価では凶暴性A-1、破壊力A-2と、キメラアントと比べてもそれを上回る危険度を誇っています。これについては画像が普通の蛇なだけに、どのようなところが危険なのか考察することが難しいですが、1つヒントをあげるとするならば、「殺意を伝染させる魔物」との異名を持っているということでしょう。
これもいくつか考察されていますが、まとめると「意識を支配して仲間同士で殺しあいをさせる」「相手の内なる凶暴性を最大限まで引き出させる」といった能力を持っていると言われています。これもまた1,000人以上の部隊が派遣され、生き残ったのがたったの1%である11名とされていますが、それだけの死者を出すところは、やはり五大厄災の1つにふさわしいと言えるでしょう。
「植物兵器ブリオン」暗黒大陸の五大厄災
画像では、体はまんま人の形をしていて、顔の部分が大きな球体となっている遺跡の番人とされています。ただし説明文では、「植物兵器」としか記載がなく、もしかしたらそこに描かれている人の体は、すでに植物兵器ブリオンに乗っ取られている可能性が否定できないとされています。五大厄災の中では一番危険度が低い存在でもあります。
万病に効く香草がある古代都市を守護する形でそこに存在するとありますが、それ以上のことはわかっていません。ただ数の危険度の評価がCとされていて、キメラアントのBを下回っていますので、数百とまではいかないにせよ、ある程度の数がいてコミュニティを形成している可能性があります。
ゾバエ病に関する感想や評価は?
五大厄災の1つであるゾバエ病はネットでも非常に話題に上がりやすいネタで、単にハンターハンターの暗黒大陸編に関する話題だけではなく、色々な場面でその名前を聞くことができます。ここではそのうちいくつかを紹介していきます。
ゾバエ病患者50年間何も無い空間に閉じ込められて頭クルクルパーになってるだけで普通に生活しようと思えばできる?隔離されてるってことは伝染病ぽいけど誰かが発病して他人に伝染ってシチュはヤバいぐらい最高なやつだ
— 吐瀉物 (@to_buO1) September 7, 2017
ゾバエ病の怖さは不死ということもそうですが、一番は伝染することだという意見がちらほら見られます。そうでなければ人類を滅ぼすレベルの厄災とは言われないでしょうから。そういう意味では、感染した個人が不死になること、底なしの絶望に突き落とされることなど、そこまで問題でもないのかもしれません。
ゾバエ病は、ハンター×ハンター
— かのん@高等遊民 (@tabibito1909) May 14, 2017
ゾナハ病は、からくりサーカス
どっちも不死且つ不治の病。(からくりサーカスのゾナハ病は進行したらほぼ不死のまま地獄の苦しみを味わう)
ゾバエ病は現時点では、自給自足で50年生きてる事と、人間ではなくなってる事しか分かっていない。
からくりサーカスのゾナハ病との関連についても多く感想が見られました。不死となり苦しみながら永遠を生きながらえる苦痛については、誰しもが恐怖するところでしょう。
不老不死は苦痛であり死ねないことは悲しく短い生にこそ喜びがあるという考えで鬼白とか幽白の二次創作してるんですけどゾバエ病が出てきた時これは完全にとがしの影響だったんだなって気付かされた。戸愚呂兄とかもそうだし…殺してくれ、という願いが端々に盛り込まれていてそれはいつも救いの懇願
— アマユキ (@amayukioff) August 4, 2017
ハンターハンターの作者冨樫義博さんの代表作の1つ幽遊白書でも、確かに不老不死の苦しみについて描かれることが多かったかもしれません。上にもありますが、戸愚呂兄への蔵馬の制裁や、軀への飛影のプレゼントなど、冨樫義博さんの作品では「罰」として不老不死を登場させる機会が多いのでは?という考察も目にしています。
ハンターハンターって本当凄い。
— リトル|オナ禁215日目 (@lilililittlesi) September 20, 2018
究極の長寿食ニトロ米を食べて長生きできるという考え方もあれば、不死の病ゾバエ病のように死なないけどそれは苦痛なんだという考え方もある。
冨樫さんは天才か。
双尾の蛇・ヘルベルに対するリターンが、究極の長寿食であるニトロ米になります。そしてそことのつながりについて考察する声も少なくありません。不老不死ということが果たして死なないというボーナスなのか、死ねないというペナルティなのか、人によって解釈は分かれそうです。
なんだろう,きょう有給とってずっと引きこもって進捗だしたり刃牙見たりしてるんだけど食べなくても死なない.ゾバエ病かな?
— piroyoung (@piroyoung) December 3, 2018
実はこういった、ゾバエ病をネタにしたツイートは非常に数多く見られます。何かに熱中していてハイになり食事も取らずに取り組んでいる時、残業に次ぐ残業で食事も睡眠も取らずに仕事をしている時など、バリエーションもかなり豊富です。
暗黒大陸には長寿食のニトロ米があるけど、それを食べさせて助命なんて安易な展開にはしないと思う。ゾバエ病に罹る展開ならあり得そうですが。
— Satoshi (@satoshiless) July 15, 2017
というか自分はクラピカより冨樫センセの寿命の方が心配です><
不死という単語に絡めて、冨樫さんがちゃんと生きている間にハンターハンターを終わらせてくれるかどうかを心配する声も少なくありません。展開が複雑で伏線も多い中、冨樫さん本人も体調不良で休載も少なくなく、物語に散りばめられた数多くの謎が本当にちゃんと解明されるのかどうか気になって仕方がないという人は決して少なくありません。
暗黒大陸ついたらとりあえずゾバエ病探して冨樫にかけろ
— みくりんご (@ara_gakii_yui) September 4, 2018
その上での、下のツイートです。数多くのファンの声が、この1文に凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。
ゾバエ病について考察まとめ
いかがでしたでしょうか?ハンターハンターの世界の謎の中でも特に興味をそそられる暗黒大陸の五大厄災の1つ、不死の病ゾバエ病について考察してきました。すでに多くのサイトで考察されているものの、その真相はまだまだ闇に包まれたままです。
また暗黒大陸に着くまでしばらくは王位継承戦の話題が続くかと思いますので、ちょっとお預け状態となりますが、必ずやこの暗黒大陸の五大厄災は登場してくるでしょう。ぜひその時までに改めて、暗黒大陸について復習しておくのもいいかもしれません。