劇団イヌカレーの絵力がすごいと話題!その正体や特徴・作品画像は?【まどマギ】

「劇団イヌカレー」という名前をまどマギで知った方は多いのではないでしょうか。まるで演劇ユニットのような名前のこの「劇団イヌカレー」の正体は「泥犬」と「2白犬」の二名のアニメーターで構成された「アニメーション作家ユニット」です。劇団イヌカレーの生み出す作品は、悪夢のような不気味さとあどけない可愛さを感じさせる独特の特徴と魅力を持っています。本記事ではその独特の作風で多くの人を魅了するユニット「劇団イヌカレー」について画像とともに紹介していきます。

劇団イヌカレーの絵力がすごいと話題!その正体や特徴・作品画像は?【まどマギ】のイメージ

目次

  1. 劇団イヌカレーの正体とは?
  2. 劇団イヌカレーの特徴は?
  3. 劇団イヌカレーの手がけたアニメと作品画像
  4. 劇団イヌカレーの画集や個展は?
  5. 劇団イヌカレーに対する感想や評価は?
  6. 劇団イヌカレーまとめ

劇団イヌカレーの正体とは?

「泥犬」と「2白犬」の二名で構成されたユニット

アニメ「魔法少女まどかマギカ」(以下、「まどマギ」)の魔女のデザインで一躍有名となったアニメーション作家ユニット「劇団イヌカレー」の正体について作品画像とともに解説を行っていきます。謎に包まれた彼らの正体は果たしてどのようなものなのでしょうか。

劇団イヌカレーの名前の正体は「泥犬(穴井洋輔)」さんと「2白犬(白石亜由美)」さんの二人組のことを指します。彼らはもともと別のアニメ会社で活動していましたが、独立しようと考えていた時期がちょうど重なり二人で仕事をしていくことを決めたそうです。結成後は様々な制作会社で活動を行うようになりました。次に泥犬さんと2白犬さんの二人について、それぞれ紹介を行っていきます。

泥犬

泥犬(どろいぬ)さんの正体は、元はタントで仕上げオペレーターの仕事を行われていました。自身のブログで「何やってるかよくわからない方」を自称されていますが、ポップな雰囲気のイラストや作品の世界観を引き出す文章制作を手掛けられています。インタビューやブログ、ツイッターなどで発言する機会も多いため知名度は高いと思われます。

2白犬

2白犬(にしろいぬ)さんの正体は、元はガイナックスでアニメーターとして活動されていました。「劇団イヌカレー」としての活動では「まどマギ」の魔女デザインなど、ホラーテイストの強い作品を手掛けられています。ヒゲにこだわりを持っているようです。

謎に包まれた「劇団イヌカレー」の正体が徐々に明らかになってきました。さて、それぞれに独自の持ち味がある「劇団イヌカレー」の二人はどのような作風の作品を生み出しているのでしょうか?次の項目では劇団イヌカレーの作品の特徴について紹介していきます。

劇団イヌカレーの特徴は?

劇団イヌカレーの作品の特徴について解説を行っていきます。それぞれが独特な作風を持つ泥犬さんと2白犬さんは、ユニットを組んだことで唯一無二の作品を作り出すこととなりました。果たしてどのような点が特徴的なのでしょうか。劇団イヌカレーの作品画像とともに見ていきましょう。

特徴①ポップなかわいさと不気味さ

劇団イヌカレーの作品の特徴の一つは、かわいい作風と恐怖を感じさせる作風が両立しているという点です。絵本に出てきそうなかわいらしい見た目のキャラクターが、サイケデリックな色使いやダークに彩られた世界に存在するという作品の特徴によって、不気味なサーカスのようにどこかレトロなおぞましさを体験することができます。

特徴②コラージュ

劇団イヌカレーの作品の特徴の一つはコラージュを駆使している点が挙げられます。コラージュとはフランス語で「糊付け」を意味する言葉で、写真やイラストなど様々なジャンルの画像を切り貼りしたように組み合わせる技法のことです。上の画像でも見られるように、劇団イヌカレーの作品には同じ画像や指の写真、作風の異なる画像などが組み合わさった作品が多く存在します。

コラージュを駆使した作品は主に泥犬さんが手掛けられています。「モンティ・パイソン」シリーズなどでも見られるコラージュの技法は、作品の中の異質な存在として鑑賞者に非常に不気味な印象を与えます。一見かわいい雰囲気の絵柄でありながら、どこか不気味な印象を与えるコラージュは劇団イヌカレーの作品の印象を確固たるものにする特徴的な要素の一つです。

特徴③詩のような文章

劇団イヌカレーはアニメーション「作家」ユニットであるため文章執筆の仕事も行われています。その文章がこれもまた特徴的なものであり、童話のような語りが挟まれたかと思いきや突然ぶっきらぼうな言葉になったり残酷なワードが飛び出たりするなど、大変予測不可能なものです。

また、「まどマギ」シリーズでは敵キャラクター「魔女」の裏設定が記された公式サイト「魔女図鑑」を製作されていました。救いようのない設定や絶望的な設定が魔女一人一人に組み込まれていたため、多くの魔女ファンを考察の渦に巻き込んでいきました。ある程度の謎を残しつつ魔女の魅力を存分に引き出すのも、劇団イヌカレーの文章があってこそなのだと評判です。

劇団イヌカレーの作品の特徴について紹介していきました。「イヌカレー空間」と称されるほど特徴的な作品を生み出す劇団イヌカレーは、アニメーション作家ユニットとしてこれまでどのような作品にかかわってきたのでしょうか。次の項目では劇団イヌカレーの手掛けたアニメと作品について画像とともに紹介していきます。

劇団イヌカレーの手がけたアニメと作品画像

劇団イヌカレーがこれまで手掛けたアニメと作品画像を紹介していきます。「まどマギ」の魔女空間設計で話題を呼んだ劇団イヌカレーですが、「まどマギ」以前のアニメ作品にも様々な形で参加されています。はたして劇団イヌカレーの作風はアニメでどのような形で活かされているのでしょうか?

坂本真綾「ユニバース」

「劇団イヌカレー」としての活動は、2007年にリリースされた坂本真綾さんのCDアルバム「30minutes night flight」の限定版同梱DVDに収録されたオリジナルアニメーションショートフィルム「ユニバース」から始まりました。プロダクション I.Gとのコラボレーションとして生み出されたこの作品は、アルバムに収録された音楽の一つ「ユニバース」に合わせた映像となっています。

「眠れない夜を過ごしたことがある、すべての人へ。30分間の夜間飛行。」というCDアルバムのコンセプトに合わせ、一人の少女と「ちいさなあくま」が夜の街で共に踊るという心温まる映像作品です。コラージュや水彩風の絵柄など劇団イヌカレーの作風がすでに確立されていたことが分かります。

天元突破グレンラガン

「天元突破グレンラガン」ではヌメリブドウカバなどの動物デザイン、11話の回想シーン、作中のBGMをもとに作られる映像集「パラレルワークス2」の一つを手掛けられています。どちらかというと「キモ」寄りの可愛い動物デザインや切絵のように表現された幻想的な回想シーン、サイケデリックなパラレルワークスと劇団イヌカレーのあらゆる個性が発揮されています。

さよなら絶望先生

「さよなら絶望先生」シリーズではOAD(オリジナルアニメーションディスク)にあたる「獄・さよなら絶望先生」「懺・さよなら絶望先生 番外地」のオープニング映像、テレビTVシリーズ3期の「懺・さよなら絶望先生」8話Cパートを手掛けられています。OADのオープニング映像はTVシリーズのオープニング映像に大幅な改変が加えられたもので、その凄まじい映像表現は多くのファンに衝撃を与えました。

また、原作「さよなら絶望先生」が最終回を迎えた際、「OADのオープニング映像が原作最終回の展開を示唆していたのでは?」という考察がファンの間で広まりました。風浦可符香の顔に書かれた「嘘」の字や生徒の姿が風浦可符香の姿に変わるなど、原作の展開を予見したような演出が多く見受けられましたが劇団イヌカレーによると「偶然」だそうです。

魔法少女まどか・マギカ

「魔法少女まどか・マギカ」は劇団イヌカレーの知名度を大きく上げた作品です。「まどマギ」はその可愛らしいタイトルの印象からはかけ離れた、ダークな展開や演出が話題となりました。劇団イヌカレーはそのダークな要素の大元といえる存在「魔女」のデザイン、魔女空間の設計を手がけました。

魔女の住む「魔女空間」は神出鬼没に表れる異空間です。アニメ映像に突如として現れるコラージュの演出は、魔女空間が異質で不気味な存在であることを一目で理解させる説得力があります。劇団イヌカレーの作風そのものを危険な異世界として扱う前代未聞の演出は「まどマギ」ならではの斬新な演出として人気を博しました。

「まどマギ」の公式サイトには登場した魔女の解説がついた「魔女図鑑」というページがあります。「手下思いで、手下を倒されると怒る」など本編では一見荒唐無稽に見えた彼女たちの行動も、魔女図鑑を読めば魔女なりの考えがあったことがわかるかもしれません。ストーリーの根幹に関わる魔女という存在を作り上げた劇団イヌカレーは「まどマギ」のヒットの立役者であると言えます。

また、アニメ「まどマギ」の世界観をもとにしたスマートフォンゲームアプリ「マギアレコード」では魔女の設定だけでなく、期間限定イベントのシナリオライターとして劇団イヌカレーが関わることもあります。夏イベントではあの「ドグラ・マグラ」をモチーフにした物語が繰り広げられるなど、文章面でにおいても人の心を不安定にさせる力を発揮しています。

NHK「コワイオハナシノクニ」

アニメ作品だけでなく実写作品に劇団イヌカレーが携わることがあります。NHKで放送された怖い物語を豪華俳優陣が読み語る番組「コワイオハナシノクニ」の影絵、イラストを劇団イヌカレーが手掛けました。「耳なし芳一」「おいてけぼり」「皿やしき」という定番の怪談話が劇団イヌカレーの美術によって美しく、そして不気味に彩られ、まったく新しい恐怖を与えてくれます。

ここまで劇団イヌカレーが関わってきたアニメや作品について紹介してきました。劇団イヌカレーがこれまで様々な作品を彩ってきたことがわかります。では、これだけ個性的な作品を生み出す劇団イヌカレーの画集や個展は存在するのでしょうか?次の項目ではそれらの活動について紹介していきます。

劇団イヌカレーの画集や個展は?

劇団イヌカレーがこれまで開催してきた個展や画集について紹介していきます。アニメやイラストなどで非常に独創的な演出を施す劇団イヌカレーはこれまで画集の制作や個展の開催などの活動も行ってきました。これまでどのような個展が行われてきたのかを振り返っていきましょう。

ポメロメコ展

雑誌「ネムキ」で連載された劇団イヌカレーの漫画「ポメロメコ」に関するイラストや原画が展示される「ポメロメコ展」が2016年に開催されました。三つ編みがつながった二人の少女「ポメロ」と「ロメコ」が「床下の世界」を救うために冒険する、という漫画の世界観に入り込んだような空間演出も見どころとなった個展でした。

床下展

2016年には東京で泥犬さんによる「床下展」が開催されました。地下の展示施設に広がる泥犬さんのダークでポップな作品の中を進んでいくという、まさに「イヌカレー空間」を体験できるような個展です。壁だけでなく柱や床などいたるところに展示物があるという、空間をフルに利用した展示が行われていたそうです。

暗闇展

「暗闇展」は「ポメロメコ」単行本発売記念に開催されました。真っ暗な「床下の王国」を冒険するかのように暗闇の中を照らしながら進むという、一風変わった展示が行われていたそうです。これらの個展はいずれも東京、京都の2か所で開催されました。

魔法少女まどか・マギカPRODUCTION NOTE

「魔法少女まどか☆マギカPRODUCTION NOTE 新装版(TVseries)」はテレビアニメ版「まどマギ」の設定資料集です。ここには魔女の設定や原案が描かれた144ペ-ジにも及ぶ「劇団イヌカレー画集」が収録されています。作中の魔女の設定や見た目に魅了されたファンはぜひとも手に入れたい資料集です。

劇団イヌカレーの開催した個展や画集を紹介しました。ここで紹介した個展は現在は開催されていませんが、もし新しい個展が開催された場合は欠かさず参加し、その独創的な空間を体験してみましょう。次の項目では劇団イヌカレーに対する世間の評価を紹介します。

劇団イヌカレーに対する感想や評価は?

泥犬さん自身が「10人中、3~4人にしか理解してもらえないようなもの」と称している劇団イヌカレーの作品は世間でどのように評価されているのでしょうか?ここでは劇団イヌカレーに対する感想や評価を紹介していきます。

「絵本みたいな絵なのに不気味」という一見相反していそうな要素が混合している点が評価されています。子供のころ、なんてことのない絵本が何故か不気味に見えていたことを思い出します。また、劇団イヌカレーの絵が「空間」と呼ばれているところに、作品の世界観が確立されていることが考えられます。

「モンティパイソン」で見られるテリーギリアムのコラージュ表現と比べられています。確かに双方の作品で写真の人物の首が飛んだり、突然降ってきたものに押しつぶされるようなややグロテスクな表現がみられます。逆にそういった描写が苦手な人には劇団イヌカレーの作品は抵抗があるかもしれません。

現実の法則に縛られない荒唐無稽な表現は、見る人の心を不安にさせます。しかしそうした不安定で怖い要素が何故かクセになってしまうのが不思議です。脈々と続いてきたシュルレアリズム表現の現代ならではの形に劇団イヌカレーは挑戦しているのかもしれません。

劇団イヌカレーまとめ

謎に包まれていた劇団イヌカレーの正体を明かしてきました。最後にこれまで紹介した劇団イヌカレーの活動についてまとめていきます。

泥犬と2白犬の二人ユニット

劇団イヌカレーの正体は「泥犬」さんと「2白犬」さんの二人で構成されたアニメーション作家ユニットです。文章や画像をコラージュさせた作品制作、個展などの活動を泥犬さんが、「まどマギ」の魔女デザインをはじめとしたホラーな絵柄を2白犬さんが手掛けられています。

怖さと可愛さの両立した作品

劇団イヌカレーの作品は絵本のようなかわいさと悪夢のような不気味さが特徴です。そのアンバランスさが不気味ながらもどこか懐かしい雰囲気を醸し出しているため、その世界観に魅了される人も多いです。

アニメのワンシーンの制作や個展などの活動

様々なアニメの一場面の演出を手掛けたり、作品の世界観を再現した個展を開催するなどの活動を手掛けられています。なかでも「まどマギ」の魔女デザインや映像表現が話題を呼び、劇団イヌカレーの名を知らしめるものとなりました。

アニメのスタッフロールなどで見ることのある「劇団イヌカレー」の正体は、現代の「シュール」を表現する唯一無二のアニメーション作家ユニットでした。これまで知らなかった人も、これを機に「イヌカレー空間」に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。足を踏み入れすぎて現実世界に戻ってこれない、なんてことのないようご注意ください。

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