リクドウのネタバレ・あらすじまとめ！最強に熱いボクシング漫画を紹介

『リクドウ』とは、現在週刊ヤングジャンプ、通称ヤンジャンにて連載中の、ボクシングを題材とした面白い作品です。悲惨な過去を背負った少年、芥生リク。彼はその絶望の中で、所沢京介と言うヤクザに、ボクシングという希望を与えられました。そんな彼が、ボクシングを通じて何を捨て、何を得ていくのか？その人生の行く末を見守るのが『リクドウ』です。

ボクシング漫画というジャンルでは、『あしたのジョー』『はじめの一歩』をはじめとし、その他作品も含め、これまで様々な角度で描かれてきました。『リクドウ』がとその他の作品とまた違う所は、主人公・芥生リクのあまりにも悲惨な過去でしょう。タイトルに主人公の名前が含まれているのは面白い共通点だと言われています。

『リクドウ』の世界を描いているのはどのような方なのでしょうか？作者は松原利光先生、同じヤンジャンにて絶賛連載中の人気歴史漫画『キングダム』のアシスタントを経て、その他数本の読み切りを発表後、ヤンジャン上で『リクドウ』にてデビューした新進気鋭の漫画家です。初連載にして、既に単行本を15冊出版、その勢いは留まることを知りません。

ボクシング漫画という激戦区に、デビュー作で殴り込みをかけたヤンジャンの『リクドウ』ですが、迫力のある拳闘シーンも面白いですが、この作品はそれだけではありません。そのあらすじや登場人物、その他の面白い所を今から語らせて頂きます。重大なネタバレも含みますので、御注意下さい。

『リクドウ』主人公である芥生リクは、連載開始時点で10歳。多額の借金を抱える父親と2人でアパートに暮らしていました。母親はヤクザの愛人となり、家を出てしまっています。そんなある日、リクの父親は借金に耐えかねて自殺してしまいました、日常的に虐待を受けていたリクが、首を吊った父親の体を殴っている所を、借金の取り立てに来た所沢京介に発見されるのが物語の始まりです。

その姿、その拳に京介はボクシングのセンスを見出しました。その時、彼の見せた一発の手本が、リクのボクシング人生のきっかけとなります。母親に引き取られたリクですが、愛人であるヤクザ・葉桜にも虐待され、その末に殺されそうになります、しかし無意識に動いた体が京介の動きをトレースし、ついにそのまま葉桜を返り討ちにして殺害してしまいました。

施設に引き取られたリクは、京介の仲介により馬場拳闘ジムに所属し、ついにプロボクサーとしてデビューします。デビューしてからは、クラスメイトであり、リクを爪弾きものにしていた三瀬早翼を2RでKO、その他ボクサーも下し、 東日本新人王トーナメント2回戦にて天才ボクサー、兵動楓と激突。結果としてリクは病院送りとなってしまいましたが、試合には勝利することができました。

その後リクは、白人ボクサー・エドガルド・ガーベラ、警察官の伏黒一希、大企業グループの御曹司、水木隆寛その他のボクサーを下します。リクは現在一度も敗北していません。『リクドウ』中に語られる彼の目的は、過去所沢京介が手にしたOPBF(東洋太平洋ボクシング連盟)のベルトを自ら奪取することですが、彼はその目的を果たすことができるのでしょうか、この先の展開に注目です。

元OPBFチャンピオンにして現暴力団に所属するヤクザ、それが所沢京介です。リクが首を吊っている父親を殴っている姿を目にしてその拳に才能を見出した、その人です。世界チャンピオンをも目指す器を持ちながら何故か引退。暴力団に拾われ、問題を起こしながらも組に貢献していました。『リクドウ』での立ち位置としては『はじめの一歩』における鷹村のような存在です。

施設に入ったリクに対し、京介は自分が以前所属していた馬場拳闘ジムを紹介しました。馬場会長への恩義も感じていたようで、リクの才能であれば、もしかしたらジムを再興させることができるかもしれない、という思惑もあったように感じます。A級ライセンスを取得したリクを見届けたのち、ヤクザを廃業、トレーナーとしてボクシング界への復帰を目指している所です。彼の道も『リクドウ』において気になる面白い所でしょう。

『リクドウ』の中で、主人公のリクが所属するジムの会長を務めているのが馬場進司です。ボクサーに対し、自らの求める目標が高すぎたため、素養の無いボクサーを育てることにつかれてしまい、ジムを閉鎖し、自堕落な生活を送っていました。しかし京介が連れてきたリクの才能を認め、ジムを再開します。指導者として非常に優秀な人材ですが、選手を過酷にしごくその育成方法から時代遅れ、と揶揄されています。

現在菫ジムに所属し、スナイパーの渾名を持つプロボクサー・柳涼太郎。元々彼を育てたのは馬場会長です。OPBFライト級王者ともなった彼ですが、ジムとしてのマッチメイク力の弱さに失望、菫ジムに電撃移籍してしまいます。その際ボクシング協会に馬場ジムの指導について「過剰な暴力的である」と訴える裏切り行為まで働きますが、会長がリクを育成する姿を見て、馬場ジムであれば世界王者も掴めたのではないかと言われています。

『リクドウ』中ヒロインとしての立ち位置にある少女、それが苗代ユキです。幼少期に両親と死別し、天涯孤独の身となった彼女は、リクと同じ施設にて育ちました。途中までツインテール、高校3年生からはストレートの美しく長い黒髪を持つ美少女ですが、『リクドウ』はあまり多くの女性キャラクターは出てこないため、作中で強い存在感を放っています。

おとなしさの中に強い芯のある心を持つ彼女は、幼少よりリクに強く惹かれており、彼と共に生きたいという望みから里親の話もすべて断っていました。高校卒業後は介護士となるために、専門学校に通いながらリクの社員寮で同棲生活を送っています。リクを一途に想う彼女ですが、彼の無意識に家族を求める心を察知しているためか、肉体関係は結んでいません。

https://twit ボクシングを続けるリクを止めようとしていましたが、彼にとってのボクシングという存在の重さを理解した後は、側で見守り、応援しています。そんな彼女には対戦格闘型ゲームが得意、という一面もあり、地区大会優勝の腕前を持つ馬場会長に初見で勝利してしましました。彼女と彼がこの先どうなるのか、その関係性も面白い所です。

『リクドウ』の中でリクと対比、強調されるボクサー、それが兵動楓です。元世界王者の父親を持ち、そのジムに所属しています。褐色の肌、長めの黒髪を持つ飄々とした掴みどころのない性格をしていますが、高校国体3連覇、通算40戦中36KOという凄まじい成績を残し、世界を狙える逸材である、とアマチュア時代から注目を浴びていました。

そんな兵動楓ですが、彼は母親と死別していますが、その原因は彼が生まれた後の産褥です。そのため父親である兵動秋人から幼い頃より虐待を受け続けてしまいます。世界王者ともなった彼の拳、その痛み、恐怖から逃れるため、パンチを受けることに楽しみを見出してしまう、歪んだ人格となってしまいました。現在、父親には敬愛、恐怖、軽蔑、その他様々な感情が混ざった複雑な形となっています。

兵動楓は、リクのデビュー戦を観戦、その拳に強い興味を抱きます。その拳を受けるためだけにわざとCランクでデビュー、東日本新人王トーナメントにて念願の対決を果たしました。試合中、リングの上でリクが人を殺した事を見抜いた彼は、その拳を受けた先に生の実感を得ようとします。死闘の果て、彼はリクを病院送りにしつつも敗北しました。

しかしその試合をきっかけとし、自分の心にこびりついた父親への執着から脱しようとしています。実は彼も、父親を破った過去のある所沢京介、その「殴ったものを輝かせる」拳に憧れており、リクとある意味同じ境遇を持っているのです。彼の行く末も『リクドウ』の面白い所でしょう。

『リクドウ』の中には、リクや楓を始めとしその他個性的なボクサーが登場します。彼らの中で目的を持たない者はおらず、それぞれの戦う理由をリングの上でぶつけ合う所がこの作品の面白い所でしょう。例えば兵動ジム所属の椿和馬、彼は客を喜ばせる試合をしてこそのプロボクサー、という信条にて現日本ライト級チャンピオンに上り詰めた、王道を行くボクサーです。

物語でも重要な役割を果たすのが、両親と死別し、トレーナーである姉と2人だけで生き抜いてきた神代晴司です。WBCライト級アジア王者となる程の強さを持つ彼は、ただ姉である神代ユカリと共に生きる事を目的としていました。リクとリング上で対峙した彼は、その壮絶な死闘の末、脳震盪により死亡してしまいます。

ヤンジャンで連載中の『リクドウ』のあらすじと登場人物を、ネタバレ込みで紹介してきました。『リクドウ』には所沢京介の「殴った者を輝かせる拳」を始め、ボクサーそれぞれに拳の意味を持たせています。リクの拳が最終的に何処に行きつくのか、それも『リクドウ』の面白い所でしょう。更に盛り上がりを見せるこの物語を、ヤンジャン、単行本で貴方も追いかけてみませんか？