2018年12月18日公開
2018年12月18日更新
ゴールデンカムイの辺見和雄はどんなキャラ?モデルやアニメ声優は?
ゴールデンカムイはヤングジャンプで現在連載中の明治時代の北海道を舞台に展開するサバイバルバトル漫画です。「このマンガがすごい!2016」オトコ編で第2位を獲得、アニメ化も果たし、今注目の人気作品です。ゴールデンカムイの魅力は何と言っても個性溢れる多種多様なキャラクター達です。そんな一癖も二癖もキャラクターの中でも、一際アクが強いのが辺見和雄という人物です。ここでは、アニメで辺見和雄の声を担当する声優やモデルとなった人物について紹介していきます。
目次
ゴールデンカムイの辺見和雄が気になる!
ゴールデンカムイには非常にアクの強いキャラクター達が数多く登場します。個性豊かなキャラクター達をより深く知ることでゴールデンカムイの面白みがさらに増していきます。今回ご紹介するのは、そんなキャラクターの中でも特に異常性が目立つ「辺見和雄」という人物。一見するとごく普通の男ですが、うちに秘めた恐ろしい本性やモデルとなった人物、アニメで声を演じた声優など詳しくご紹介していきます。
ゴールデンカムイとは?
ゴールデンカムイは、現在週刊ヤングジャンプで連載されています。日露戦争から帰還した元陸軍軍人・杉元佐一を主人公に繰り広げられる一攫千金サバイバルマンガです。アイヌの一派が残した埋蔵金を巡り、その在り処を示す脱獄囚の刺青を求め、同じく埋蔵金を奪った男に父を殺されたアイヌの少女、アシリパと手を組み、他勢力との埋蔵金争奪戦を繰り広げられることになります。
ゴールデンカムイの作中で埋蔵金を狙う勢力は主に、亡くなった親友の願いを叶えるため埋蔵金を求める主人公・杉元やアイヌの少女・アシリパを中心とした「杉元一派」、北海道の独立を目論む土方歳三のもとに集った「土方一味」、北海道に軍事政権を樹立させようとする鶴見中尉率いる「帝国陸軍第七師団小隊」、網走監獄を脱獄した「刺青の囚人24人」の4つです。それぞれの勢力がそれぞれの目的のために埋蔵金を求めています。
ゴールデンカムイの魅力はそのジャンルの広さです。日露戦争やロシア革命などの歴史ロマン要素のほか、伝統的なアイヌの民族文化、狩猟やアイヌ文化独特のグルメ要素など様々なジャンルを網羅しています。また、ゴールデンカムイは「アイヌ文化を文献や資料をよく調べて細かく描写されている」「若い世代の人間がアイヌ文化に興味を持つきっかけとなる」と平取町アイヌ情報文化センターでも人気になっているようです。
担当編集者はゴールデンカムイを「和風闇鍋ウエスタン」と称しており、まさにその名に恥じない作品となっています。コミックスの累計発行部数は2018年8月時点で800万部を突破し、「このマンガがすごい!2016」オトコ編で第2位、同じく2018オトコ編では、第7位を獲得しました。さらに手塚治虫文化賞でマンガ大賞を獲得、春にはアニメ化も果たし、現在は第2期を放送中です。勢いに乗っている注目の人気作品です。
ゴールデンカムイのアニメーションは劇場アニメである「虐殺器官」で新設された「ジェノスタジオ」が制作しています。 アニメでは多種多様なキャラクターが滑らかな動きと声優の名演によって彩られ、雄大かつ広大な北海道の大地やアイヌの料理、北海道の自然に住まう動物たちが美麗に生き生きと描写されています。戦闘シーンも迫力満点でゴールデンカムイ原作ファンも満足の仕上がりとなっています。
アイヌ語をはじめとして方言が数多く飛び交うゴールデンカムイですが、原作に対するリスペクトは素晴らしく、アニメではアイヌ語の監修に、同じくして原作でも監修を努めている中川裕さんが引き続き担当しています。他にも薩摩弁を話すキャラクターにも監修が付いていたり、秋田県出身の谷垣源次郎の過去を描いたエピソードでは秋田県出身者や秋田弁指導者が監修しており、徹底したクオリティーとなっています。
ゴールデンカムイの辺見和雄はどんなキャラ?モデルも調査!
辺見和雄は殺人鬼!
辺見和雄はコミックス第4巻・第37話「初春」、アニメでは第8話「殺人鬼の目」で初登場を果たします。辺見和雄は脱獄した24人の囚人の一人です。一見すると礼儀正しく人当たりがよい温厚な人物ですが、その正体は日本各地を巡り100人以上をその手で殺害してきたシリアルキラーです。辺見和雄にとって「人殺しは息をするのと一緒」であるらしく、この発言からその異常性が窺えます。
網走監獄から脱獄した後、辺見和雄はニシン漁に季節労働者として勤しむ「ヤン衆」として自らの素性を隠し活動していました。しかし、人を殺すことに欲情し快楽を覚えると同時に、自らも無残に、残酷に殺されたいと考える辺見和雄は、自分を殺してくれる人が見つけてくれるように、あえて自らの体に彫られている刺青と同じ「目」という漢字の痕跡を死体に残して殺人を続けます。
辺見和雄はニシン漁に出ていた時、同じくクジラ漁に出ていた杉元たちと出会います。クジラが船に激突し海に転落したところを杉元に助けられるも、この時、辺見和雄の顔を知っている白石が別行動だったため、刺青の囚人だとは気づかれませんでした。杉元から自分と同じ人殺しのニオイを感じ取り、「この人に殺されたい」と強く願うようになり、事あるごとに杉元に殺される様を妄想しては悦に浸っていました。
その後、何とかして二人きりになろうとするも、杉元は目的を同じくして刺青人皮(いれずみにんぴ)を求めて追ってきた第七師団の兵士を見つけます。辺見和雄は杉元に親方の屋敷に隠れるよう促すも、中にいた第七師団の兵士に見つかってしまいます。辺見和雄は杉元を匿おうとし、包丁で二人の殺害を図るも、その内、顔を貫いたはずの一人から腹に銃撃を受けてしまいます。
辺見和雄が撃たれた時に屋敷内に響いた銃声により第七師団を率いる鶴見に見つかてしまいます。親方がコレクションとして所有していたマキシム機関銃によりハチの巣にされそうになるも、未だ辺見和雄の正体に気が付いていない杉元は負傷した辺見和雄を抱えながらなんとか屋敷から海岸まで逃げ出します。抱えられながら逃げているときも辺見和雄はの頭の中は杉元に殺されることばかりでした。
辺見和雄はゴールデンカムイの作者である野田サトルさんのお気に入りのキャラクターでもあります。手塚治虫文化賞を受賞した際のインタビュー記事には、記念として描き下した辺見和雄を、自画像としています。Twitter上で行われている「#ゴールデンカムイ版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」というタグにも作者自ら参加し、辺見和雄を描き上げ、載せていました。辺見和雄の愛されっぷりがよくわかります。
辺見和雄の弟について
辺見和雄が各地で殺人を犯すようになった背景には彼の過去が関係しています。辺見和雄は幼少の頃、自宅の裏山の竹林に住み着いていた大きなイノシシが、実の弟を生きたまま喰っている光景を目の当たりにします。必死で抵抗してもなすすべなく殺され、絶望して光を失っていく弟の目を思い出すと誰でもいいからぶっ殺したくなると作中で語っています。
辺見和雄の最期とは?
刺青人皮(いれずみにんぴ)を求めて追ってきた第七師団から辺見和雄を連れて逃げてきた杉元でしたが、この時点ではまだその正体に気が付いていませんでした。クジラ漁から戻ってきた白石に声を掛けられようやくその正体に気が付きます。辺見和雄は杉元に「あなたも輝いて死にたいから抗うんだ」「僕もあなたのようになりたい」「だから殺してほしい」と思いを告げ、杉元はそれに応え、一騎打ちになります。
辺見和雄は杉元に包丁を突き刺そうとするもそれを躱(かわ)されて反撃を受け、致命傷を負います。死を覚悟したその瞬間、突然乱入してきたシャチによって辺見和雄は海へと連れ去られてしまいます。元の致命傷もあってか、シャチに弄ばれた辺見和雄は、自らの状況をかつての弟に重ね、煌めきの中で嬲られ、自身の想像を超えた死に方に歓喜しながら最期を迎えました。
辺見和雄死亡後、遺体は杉元によって回収され、刺青人皮(いれずみにんぴ)にされ、埋蔵金の在り処を示す地図となりました。網走監獄襲撃後には、辺見和雄の刺青人皮は杉元たちと結託した第七師団の手に渡ることになります。
辺見和雄は死亡したにも関わらず、その後も本編に登場します。特に杉元が囚人たちのことを振り返り、回想するシーンでは、すでに故人となっているにも関わらず、杉元の元に戻ろうとする執念を見せます。殺されてもなお、さらに死に執着する様は辺見らしいとも言えます。
辺見和雄のモデルとは?
辺見和雄にはモデルとなった人物が存在し、1936年生まれのアメリカの連続殺人鬼、「ヘンリー・リー・ルーカス」がモデルであると言われています。ルーカスは母親の虐待のストレスから殺人を繰り返し、最終的には総数360人あまりを殺したとされています。彼は「殺人は息をするのと同じだった」と辺見和雄も同じ言葉を遺しています。ルーカスの人物像や彼の残した言葉が辺見和雄のモデルになったようです。
ルーカスは毒殺以外のありとあらゆる殺人を行ったという旨の発言も残しています。作中での辺見和雄も紐で絞殺、ニシン粕(かす)を切るのに使う玉包丁による刺殺、斬殺など、使う獲物には拘りがないようです。このような部分も辺見和雄の性格のモデルとなっているようです。ルーカスはかなり深い部分まで辺見和雄のモデルとして掘り下げられていることがわかります。
ゴールデンカムイの辺見和雄を演じるアニメ声優を紹介!
辺見和雄を演じるのは関俊彦さん!
アニメで辺見和雄の声を演じる声優は関俊彦さんです。関俊彦さんは、1962年6月11日生まれで現在56歳になります。1980年代頃から声優として活躍し始め、現在も様々な作品で活躍しているベテラン声優です。関俊彦さんといえば、なんといっても多種多様なキャラクターを演じ分ける、その抜群の演技力です。大人、中年、クールな美形、悪役、主人公のよき理解者、老爺役などの非常に幅広い役柄を演じ分けます。
ゴールデンカムイでは辺見和雄の声優として決定した際には「私も『危ない奴ら』のひとりとして、辺見和雄をできる限り、アブノーマルな恍惚感の中で演じきりたいと思います!」と語っており、その言葉通り辺見和雄の持つ異常性を存分に引き出し、しっかりと演じ切っています。様々な役柄を演じ分けられる関俊彦さんはまさに辺見和雄を演じる声優として、最適解ともいえる配役です。
関俊彦さんの他の出演作とは?
関俊彦さんはゴールデンカムイの辺見和雄のほかにも「NARUTO」のうみのイルカや「HUNTER×HUNTER」(第2作)のウイング、「BLEACH」の志波海燕、アーロニーロ・アルルエリ、「忍たま乱太郎」の土井半助などの声を演じています。声優として数多くのキャラクターの声を演じ、研鑽を積んだ関俊彦さんの声はキャラクターの魅力を最大限に引き出します。
ゴールデンカムイの辺見和雄に対する感想・評価を紹介!
辺見和雄ちゃんかわいいよね
— 焼きNomad (@nomu_d) December 9, 2018
辺見和雄は杉元に自らを無惨に殺してもらうため、ある時は助けてくれたお礼にと食事に誘い、ある時はニシン粕(かす)の試し切りをさせたりと、どうにかして杉元を引き留め二人きりになろうとしていました。その姿はまるで恋する乙女のように一途であり、普段の人当たりのいい温厚な面とシリアルキラーのギャップも相まってかわいいという反応もあったようです。
挙句の果てに某北海道を舞台にした作品にどハマりしてしまいそこで出来た推しはログアウトしました…辺見和雄〜!!!!!お前がNO.1だ〜!!!!!
— みゆ📚 (@dearestbury) November 27, 2018
個性が強いゴールデンカムイのキャラクターの中でも、一際異彩を放つ辺見和雄は他のキャラクターに負けず劣らず人気を博しています。そのキャラクター性に惹かれ、登場するキャラクターの中でも一番好きなキャラクターであると語る人もいます。そんな辺見和雄は作中でも屈指の愛されキャラと言っても過言ではないのかもしれません。
もう退場したけど辺見和雄は個人的にかなり印象に残ってる
— 🥃般若 (@Hannya_0707) October 12, 2018
その強烈なキャラクター性ゆえに辺見和雄が死亡しても尚、ファンの印象に深く残るキャラクターとなっているようです。辺見和雄が死亡したことにより、「もっと辺見和雄絵を見たかった」「作中にもう登場しないのは悲しい、もう一度登場してほしい」と願うファンの方もいるようです。
ゴールデンカムイの辺見和雄についてまとめ!
多彩なキャラクターが登場するゴールデンカムイの中でも、屈指の異常者である辺見和雄というキャラクターの人物像やモデルとなった人物、アニメで声を演じた声優などの情報を詳しくご紹介しました。終始「死」というものに執着しているという強烈な個性を持つ辺見和雄は、既に死亡していても尚、忘れらない印象深いキャラクターの一人です。
辺見和雄はその非常に濃いキャラクター性、作中での杉元とのやり取りを見て、辺見和雄のファンになったという人も少なくありません。作者のお気に入りのキャラクターであるため、もしかしたら今後も杉元の回想の中などで登場する機会があるかもしれません。
近くに小樽水族館がありましてイトウやアザラシなどがいます。水族館前の店で鰊蕎麦を食べてください。辺見和雄が戦った鰊御殿が隣りにあります。鰊御殿のすぐ近くから出航している観光船のオモタイ航路はクジラ漁のシーンを想像できると思います。ゴールデンカムイ企画展のついでにご検討ください。
— 野田サトル (@satorunoda) July 23, 2016
野田サトルさんのツイートによると、小樽水族館前の鰊蕎麦の店の隣に辺見和雄が戦った鰊御殿があるそうです。ゴールデンカムイが好きな方や、辺見和雄が好きな方は一度訪れてみると、辺見和雄の生き様を感じられて、良い思い出となるかもしれません。