電影少女(あい編)のあらすじをネタバレ!あい編の魅力や漫画の最終回は?

漫画『電影少女(あい編)』のあらすじネタバレ記事です。『電影少女』は、週刊少年ジャンプ(集英社)誌上で1989年から1992年にかけて連載されたSF恋愛漫画で、「あい編」と「恋(れん)編」の二編から成っています。累計発行部数は1400万部を超え、ラジオドラマ、実写映画、テレビドラマ、OVA、小説、ゲームと様々なメディアで展開されました。そんな作者である桂正和にとっても転機となった作品である漫画『電影少女』の魅力に、ここでは、「あい編」のあらすじや最終回のネタバレをすることで、迫っていきます。

電影少女(あい編)のあらすじをネタバレ!あい編の魅力や漫画の最終回は?のイメージ

目次

  1. 電影少女(あい編)のあらすじネタバレや漫画最終回が気になる!
  2. 電影少女とは?
  3. 電影少女(あい編)の主な登場人物
  4. 電影少女のあい編の魅力は?
  5. 電影少女(あい編)のあらすじネタバレ
  6. 電影少女(あい編)の漫画最終回はどうなる?
  7. 電影少女(あい編)のあらすじネタバレや漫画最終回まとめ

電影少女(あい編)のあらすじネタバレや漫画最終回が気になる!

漫画『電影少女』は、ピュアな心を持つ少年にレンタルされるビデオテープの中から実体として現れるヒロインの名前を取って、「あい編」と「恋(れん)編」の二編に分かれています。しかし、「恋編」は短期の連載で終了したため、一般的に広く知られているのは「あい編」のみとなっています。そのため、ここでは、「あい編」に絞って、あらすじや最終回をネタバレしていきます。

電影少女とは?

漫画『電影少女』は、純粋さゆえに傷つきやすい少年と彼を慰めるために貸し出されるビデオガールとの間に生まれる、複雑な恋愛模様を描いた作品です。ここでは、そんな漫画『電影少女』の作品情報を、その作風にスポットを当てて、紹介していきます。

電影少女の作品情報①:内容・絵柄双方におけるリアリティ

漫画『電影少女』の作風の魅力は、何と言っても、その内容・絵柄双方において獲得されているリアリティにあります。作者の桂正和は、今でこそ恋愛漫画が得意なイメージがありますが、元々はSFやヒーロー物を好むところがあり、編集部からの要請で恋愛物を描くことになった際、せめてもの抵抗として、ありがちな作品にしないように心掛けたそうです。

電影少女の作品情報②:深みのある内面描写

その結果、漫画『電影少女』は、少年誌にありがちなラブコメ的ごまかしを排したリアルな内面描写に徐々に接近していくことになり、とりわけ洋太と伸子の交際を境目にして、作品はその深みをグッと増していくことになります。

電影少女の作品情報③:性描写への挑戦

漫画『電影少女』におけるリアルな内面描写は、当然リアルな外面描写を呼び、性行為をいかに描くかという問題につながってきます。連載が「キスまで」という制約を持つ少年誌であったことから、「裸体描写を抑えながらも過激度は上げる」という挑戦がされ、その結果生まれた様々な際どい描写は、桂の作風として、その後の作品にも受け継がれていくものになりました。

電影少女の作品情報④:少年誌初の恋愛漫画

ただ、一方で、連載当時に強まりを見せていた漫画に対する表現規制の網にも引っ掛かり、単行本化に際しては、度重なる修正を強いられることにもなってしまいます。しかし、高校生の恋愛を、ラブコメとしてお茶を濁さず、リアルに描き切った漫画『電影少女』は、桂がその絵柄においても追及したリアルさと合わせて、「少年誌初の恋愛漫画」と評されることにもなりました。

電影少女(あい編)の主な登場人物

弄内洋太

弄内洋太は、平凡な男子高校生で、過去に経験した恋愛上の失敗から自分に自信が持てず、マニュアル頼みの生活を送っていました。そのため、周囲から、その名前を別読みして、「モテナイヨーダ」と呼ばれています。

しかし、自分が傷ついても、同じく傷ついた相手の方を思いやって涙するようなピュアさを持っていることから、レンタルビデオショップGOKURAKUの利用資格を与えられ、ビデオガール・あいと出会うことになります。そして、その後、様々な女性たちとの交際や別れを経験し、傷つき、成長していきます。

天野あい

天野あいは、ピュアな心の持ち主にしか見えないレンタルビデオショップGOKURAKUで貸し出されているビデオガールという商品です。ビデオガールは、本来、不特定の男性を慰めるために存在していますが、あいは、壊れたビデオデッキで再生されたことで、まず、初期設定とは正反対の、がさつで乱暴な男っぽい性格を持つキャラクターとして生まれてしまいます。

そのうえ、再生上のエラーは、あいに、「特定の人を愛する」という感情も与えてしまい、その気持ちは、自分を再生した洋太に向けられるようになります。以後、あいは、自分の気持ちを押し殺して、洋太の恋を応援しようとしますが、次第に、ビデオガールとしての役割と人間が持つような愛情との狭間で、揺れ動いていくことになります。

早川もえみ

早川もえみは、洋太の同級生で、顔・スタイル・性格すべてにおいて申し分のない、まさに理想の女の子といった存在です。洋太からひそかに思いを寄せられていますが、その親友である貴志のことが好きなため、洋太の気持ちには気づかないまま、彼に、自分の恋の相談に乗ってもらうことになります。

新舞貴志

新舞貴志は、洋太の親友で、そのクールなイケメンぶりから、多くの女子生徒たちから思いを寄せられています。しかし、本人は、女性と付き合うことには、あまり興味を持っていません。洋太の、他人を思いやれる優しさに憧れを抱き、彼のようになりたいと思っていますが、なかなか素直になれない不器用なところがあります。

仁崎伸子

仁崎伸子は、洋太の一つ下で、中学時代に美術部で一緒だった彼に好意を持ち、高校まで追いかけて入学してきました。洋太への思いを包み隠すことなく積極的にアピールしていく元気で明るいキャラクターですが、その後付き合うようになった洋太との間に、あいとの関係をはじめとする様々な出来事から、すれ違いが生じるようになり、恋愛をめぐる複雑な感情に苛まれるようになります。

山口夏美

山口夏美は、洋太の幼馴染で、洋太とは、幼いころに引っ越して別れたきりになっていましたが、東京に出ていったボーイフレンドの後を追って上京してきたことで、久々に再会することになります。格闘術に長ける一方で、心臓の持病を持ち、心身両面から、洋太とあいのサポートをする役割を果たします。

GOKURAKU店主のおじいさん

レンタルビデオショップGOKURAKUの店主であるおじいさん(名前は不明)は、洋太にビデオガール・あいを貸し出した後、再生装置の不具合によって人を愛する感情を持ってしまったあいに深く同情し、何かと気に掛けるようになります。また、技術者としてもかなりの腕前を持ち、あいを、不完全な商品として回収しようとする追っ手から、命を懸けて守ろうとします。

ローレック

ローレックは、ビデオガール・あいの製作者で、自分の手掛けた商品が不良品として出回っているのを回収しようと、別のビデオガール・まいを、刺客として差し向けます。しかし、完全なはずのまいが不完全なあいに負けたことから、愛という感情をもっとよく知る必要に迫られ、「一人の男性と結ばれれば、回収はせず、人間にしてやる」という条件を、あいに提示することになります。

神尾まい

神尾まいは、あいを消すためにローレックに刺客として送り込まれたビデオガールです。伸子にフラれた男子生徒を、GOKURAKUを利用する資格がないにもかかわらず、特例として利用することで、この世に誕生します。愛を否定する完全なビデオガールで、あいを徹底的に打ち負かしますが、最後には、洋太を守ろうとしたあいの愛の力の前に敗北し、逆に消滅することになります。

電影少女のあい編の魅力は?

あい編の魅力その1:あいの純情な姿

あいは、不特定の男性に奉仕するようにプログラムされたビデオガールですが、壊れたデッキで再生されたことにより、プログラムにはない「特定の人を愛する」という感情を持ってしまいます。しかし、自分のビデオガールとしての役割から、好きになってしまった洋太の恋を、自分の気持ちを抑えて、応援することになります。

また、洋太が自分のことを思ってくれていることが分かっても、再生時間が終われば、いずれは消えてしまう運命にあるため、そのことから、彼の気持ちを心ならずも拒んでしまうような場面もあり、その明るく元気な表面と、常に好きになった人のためになるように考えてしまう健気で純情な内面という二つの顔が、読者に切なさを感じさせます。

あい編の魅力その2:あいのセクシーシーン

漫画『電影少女(あい編)』では、他のヒロインはもちろんですが、それ以上に、ヒロイン・あいの「セクシーシーン」が豊富に出てきます。ラブコメ調の軽いノリのものから、戦闘シーンで服がビリビリ破けるお約束、さらにはシリアスなベッドシーンまで、少年誌という制約の中で、様々なエロを見せてくれます。

ただ、あいは、壊れたビデオデッキで再生されたことで、本来の女の子らしい設定とは逆に、男っぽい性格として生まれてきています。そのがさつで乱暴な性格は、羞恥心にも及び、裸同然の格好で家の中を歩き回るのはもちろん、学校でパンツを見せても「減るもんじゃない」と意に介さず、いつも洋太に怒られています。

また、本来は大きかったはずの胸も「洗濯板」同然のぺったんこになってしまい、これでは、その手の性癖の人を除けば、お世辞にも「セクシー」とは言えないはずなのですが、それでも色っぽく見えてしまうのは、「美少女と尻を描かせたら右に出るものはいない」と評価される桂正和の画力によるところが大きいと思われます。

あい編の魅力その3:あいの名言

「おまえのいいとこ、ひとつめーっけ」。漫画『電影少女(あい編)』には多くの名言が登場しますが、その中で、あいの一番印象に残るセリフを一つ選べと言われれば、やはり何度も繰り返し出てくるこの言葉になるでしょう。

人の素直になれない不器用であるがゆえの行動や振る舞いの裏には、たいてい優しさや真っすぐな気持ちがあります。あいは、それらを敏感に感じ取ることで、相手を励まし、その人の存在を否定せずに認めてあげるのです。そして、それは当然、人を愛することにつながります。

あいは、このセリフを、自分の好きな洋太のみならず、その友人・貴志や、さらには自分に強引にキスを迫ってきた男子にも言ってあげます。そこには、人の「どうしてもいいとこをみつけてしまう」あいの性格が反映されています。そして、言われた側は、それで救われた気持ちになるのです。

あい編の魅力その4:あいと正反対のもえみの存在

漫画『電影少女(あい編)』で、あいと対照をなす美少女が、早川もえみです。顔やスタイルはもちろんのこと、性格もよく、また料理も上手と、まさに男性が好む典型的な女性らしさを備えた王道ヒロインといった存在です。

対して、あいは、壊れたビデオデッキで再生されたことから、胸はしぼみ、性格や口調は乱暴で男っぽくなり、初期設定では得意だった料理も下手になってしまうなど、もえみのような典型的な女らしさとは真逆の存在として描かれています。

漫画『電影少女(あい編)』の魅力を探るうえで鍵になるのは、この二人の正反対の関係性です。洋太は、当初こそ、もえみに惹かれていますが、その心の中には、気が付けば、あいが強く居座るようになっています。そんな洋太を振り向かせるために、もえみは、髪を短く切り、服装も男っぽくするなど、あいの外見を真似して迫るシーンがあります。

そんなもえみに、洋太は「もえみちゃんにはもえみちゃんの良さがある」と拒否感を示すのですが、これが愛という感情を理解するうえで重要になってきます。愛とは、例えば「女の子らしいから、その人を認める」というものではなく、むしろ「その人が、女の子らしくなかったとしても認める」という不合理な感情のことだからです。

つまり、洋太があいを愛しているのは、彼女が積極的に男っぽい性格をしていて、それが洋太の好みに合うからではなく、逆に、「全然女の子っぽくないけど、そこがいいんだ」というように、一般的には否定的だと思われている要素を、それでも承認して肯定してあげたいという気持ちが働くからです。

もし、愛が、積極的に好まれる要素の優劣を競うレースのようなものなら、人は、もっと好条件の人が現れたら次々と乗り換えられる、取り換え可能な存在になってしまうでしょう。しかし、そこに愛はありません。愛とは、その人が、取り換えの効かない、世界にたった一人の存在であることを認める感情のことだからです。

「あいともえみ、どちらが自分の好みか?」という楽しみ方をするのは、もちろん読者の自由です。しかし、漫画『電影少女(あい編)』を、作品としてきちんと読むためには、あいの男っぽい性格は、読者の好みに合うかどうかが問われる積極的な要素としてではなく、むしろ、「一般的に好まれる女の子らしさの否定に関わるのが愛なんだ」ということを伝えるために必要とされたものであることを、見落とさないようにしたいものです。

あい編の魅力その5:人間模様

漫画『電影少女(あい編)』の魅力は、登場キャラクター個々の性格だけではなく、彼らが関係しあう人間模様にもあります。確かに、物語の基本パターンとしては、平凡でモテないがいい人である少年が、なぜか複数の美少女からモテまくるようになるという、いわゆるハーレム物の定番をなぞってはいます。

しかし、そこには、かなり濃密な内面描写を持つ三角関係の構造があります。好きな人の向こうには必ず別の人の影があり、相手の言葉や態度の裏を読み合いながら、最終的には何が正しいのかを決定できずに悩み苦しむ、そんな恋愛感情のリアルな描写が、この作品に深みを与えています。

また、登場キャラクター同士の関係性では、ビデオガール・あいの製作者であるローレックにも注目したいところです。ローレックは、不特定な男性を慰めるよう合理的にプログラムされた完成品にこだわるため、愛に目覚めた不良品であるあいを放置しておくことができません。

しかし、愛とは、前もって完全にはプラグラムできない不合理な感情のことです。あいが壊れたビデオデッキでの再生から生まれることは、愛とは不完全なエラーから生まれるということの、そのものズバリの比喩になっています。感情を欠いたプログラムとそのエラーとして誕生するあい=愛との対立関係は、漫画『電影少女(あい編)』の物語の根幹をなしています。

電影少女(あい編)のあらすじネタバレ

電影少女(あい編)あらすじネタバレ①:電脳少女あいと優柔不断な洋太

冴えない男子高校生・弄内洋太は、自分が思いを寄せる美少女・早川もえみに告白することを考えますが、それが成功する見込みがあるかどうかを確かめるために、親友・新舞貴志の助けを借りて、彼女の気持ちに探りを入れようとします。しかし、それが裏目に出て、もえみが好きなのは貴志であること、また、貴志はもえみに気がないことを明るみに出す結果に終わってしまいます。

洋太は、自分の片思い以上に、もえみを傷つけてしまったことを悔やみ、涙を流しながら帰途につきますが、そんな彼の前に、ピュアな心の持ち主にしか見えないというレンタルビデオショップGOKURAKUが現れます。傷心の洋太は、そこで気に入ったタイトルを借りて帰り、自宅で再生します。すると、思いがけないことに、パッケージの美少女・天野あいが、テレビの画面から飛び出してきます。

洋太は画面から飛び出してきたビデオガール・あいに、驚き、興奮しますが、それも束の間、実は故障していたビデオデッキで再生されてしまったことで、あいは、その大きかった胸はしぼみ、言動は粗野で乱暴になり、「やさしく清楚」という洋太好みの設定とは、まるで正反対の性格になってしまいました。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ②:不良品あいとローレックの登場

洋太は、あいの奔放な振る舞いに振り回されっぱなしでしたが、一方で、彼女に元気づけられる面もあったことから、親が留守がちな自宅で、しばらく一緒に暮らすことにします。

あいは、最初こそ、ビデオガールの役割として、洋太を、彼女なりに精一杯「慰め」ていましたが、洋太が、自分の下手な料理を食べてくれたり、世話になっているお礼として服をプレゼントしてくれたりしたことで、その優しさに、本来ビデオガールが持たないはずの「人を好きになる」という感情を覚えるようになります。

また、あいは、度々身体に異常が発生する不具合を起こすようになります。そこに、あいの製作者であるローレックが現れ、彼女を不良品として回収しようとします。しかし、GOKURAKU店主のおじいさんの説得もあり、あいは、洋太を慰めることから、もえみとの恋を応援することへと、その役割を変え、「洋太離れ」を実践しようとします。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ③:貴志ともえみⅠ

一方、もえみは貴志に改めてちゃんと告白し、二人は付き合うことになります。しかし、貴志はもえみに気がないため、二人の仲はなかなか進展しません。もえみは、貴志との恋を相談するため、洋太によく会っていたことから、貴志から、「洋太のことが好きなんだろう?」と優しく言われます。

しかし、もえみは、「自分が好きなのが洋太ならよかったのに、それでもやはり自分に気がない貴志のことが好きだ」と思い、それを直接聞かされた洋太は、もえみとの恋に見込みがないことの決定打を突き付けられ、また、あいが自分から離れていっているのと合わせて、最低な気分に落ち込みます。

一方、「洋太離れ」のために家を出ていくつもりだったあいは、自分の気持ちを抑えられず、洋太に好きであることを告白します。しかし、ビデオガールは人を好きになってはいけないため、ビデオの中に消えていきます。洋太は涙を流して「あいを返せ」と叫びますが、その時、テレビの画面に、洋太の涙に同情したGOKURAKU店主が現れ、特別な計らいで彼をビデオの中に入れ、あいを自分の力で取り戻すチャンスを与えます。

ビデオの中の世界は、洋太が抱えていた過去の恋愛のトラウマで一杯でした。洋太は辛さや苦しみを一歩一歩乗り越えながら、遂に、あいを救出することに成功します。しかし、安堵するのも束の間、ルール違反を見つけたローレックが現れ、二人は再度引き離されてしまいます。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ④:伸子と洋太

春、新学期になり、中学のときから洋太に憧れていた仁崎伸子が入学してきます。伸子は、自分の気持ちを包み隠すことなく、洋太に積極的にアプローチしていきますが、そこに記憶をなくしたあいも入学してきます。あいは、GOKURAKU店主のもとで、普通の人間として、かくまわれていました。

伸子は、戸惑う洋太を見て、彼の好きな相手はあいであることを知ります。しかし、洋太は、新しい道を歩き出そうと、伸子と付き合うことにします。ところが、それから、あいは少しずつ記憶を取り戻し始め、また、そこに、彼女を見つけたローレックが相変わらず回収のために追ってきます。

付き合うようになった洋太と伸子は、夜、自宅で一緒に過ごし、ベッドでキスをしていると、記憶を取り戻し始めて苦しむあいから電話が掛かってきます。はじめは躊躇する洋太でしたが、伸子の「行こうよ」の一言に促され駆け付けます。あいは、駅の公衆電話の前で、雨にびしょ濡れになって倒れていました。洋太は、コンビニにタオルを買いに行きます。そして残った伸子は、あいに、「あたし、負けない」と宣言します。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ⑤:伸子との別れ

そんな中、松井という男子が伸子に告白し、フラれます。そこで、あいを追うローレックは、彼を利用して、もう一人のビデオガール・神尾まいを誕生させます。あいは、まいを見て、自分もまたビデオガールであることを知り、GOKURAKU店主から、過去の全ての事情を教えてもらいます。

松井はローレックから記憶を消す薬を飲まされた影響で入院してしまいますが、学校では自殺未遂という噂が流れます。伸子は、自分がフッたことが原因だと思い、責任を感じて病院に通うようになりますが、そのことから、洋太との度重なるすれ違いが発生します。一方、洋太は、まいから襲撃を受けたあいの保護をGOKURAKU店主から頼まれ、再び彼女と同居することになります。

夏休み、洋太は、あい、もえみ、そして貴志の4人で、伊豆に泊りがけの旅行に行きます。そして、宿泊先から自宅の留守電を確認すると、伸子から「井の頭公園で待ってる」というメッセージが録音されていました。約束の時間はとっくに過ぎていましたが、洋太は東京へと急いで戻ります。

深夜の公園で、ずっと待っていた伸子となんとか会えた洋太でしたが、二人は、それまでの自問自答する時間の長さから、お互いの関係の終わりを確信するに至っていたので、ほとんど言葉を交わすことなく別れることになります。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ⑥:ローレックの提示した条件

伸子と別れた帰り、洋太は、幼馴染みの山口夏美と再会します。東京に出ていった彼氏を追って家出してきた夏美は、宿無しだったため、洋太の家の庭に、しばらくの間、テント暮らしをすることになります。

一方、旅行から帰ってきたあいは、まいから再び襲われ、窮地に陥ります。そこに、夏美と洋太が、助けに駆け付けます。「キミは愛に憧れているんだ」と洋太に指摘されたまいは、怒り、洋太を殺そうとしますが、彼を守ろうとしたあいがとっさに放った磁力放電によって、「消えたくない」と思いながら消滅していきます。

「完全な者が不完全な者に負けた」ことからローレックは、愛という感情を、もっとよく知る必要に迫られます。そして、あいに、「再生時間中に、一人の男性と愛を結べ。そうすれば人間にしてやる。ただし、相手にそれを話したら無効」という条件を提示します。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ⑦:貴志ともえみⅡ

一方、洋太は、街で、もえみに会い、貴志が相変わらず彼女に素っ気ない態度を取っていることを知ります。そんなある日、もえみは、台風の中、貴志のバンド練習を見るために、学校の部室へ向かいますが、そこに貴志はいず、居合わせた見知らぬ男に強姦されそうになります。そして、転倒した拍子に気を失ってしまいます。

そこに、貴志から今日の練習はないことを聞いた洋太が駆け付け、事なきを得ますが、逃げる男から、この件に貴志が関わっているらしきことをほのめかされます。貴志は、その後遅れてやって来ましたが、はっきり弁解をせず、洋太は涙を流して、親友に、「オレはお前を軽蔑する」と言い放ちます。

事件後、洋太は、すべてをやり直そうと、もえみをデートに誘います。失恋した思い出の場所でもえみに告白するつもりだった洋太ですが、「今そんなことをしてもフラれて傷つくだけだ」と心配して止めようとするあいと貴志が、そこに駆け付けます。

あいが洋太を食い止めている間に、貴志は、もえみに、「付き合うのをやめよう」と告げます。そして、友達と彼女をいっぺんに失った貴志は、その苦しみを抱えながら、あいとともに立ち去ります。一方、貴志から別れを告げられて震えながら泣いているもえみに、洋太は、自然と「好きだよ、もえみちゃん」と口にします。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ⑧:あいの記憶が戻る

もえみは、今までの洋太の言動を振り返り、自分が彼の気持ちに気づかずにあれこれ相談に乗ってもらっていたことを自覚します。そして、学校で、例の事件は貴志が裏で糸を引いていたという噂も耳にし、心細さから、洋太の気持ちを受け入れます。また、洋太も、それをわかったうえで、付き合うことにします。

一方、貴志は、もえみを襲った犯人を見つけ、殴りつけます。事件は、貴志に直接の原因はなかったものの、彼がもえみに素っ気ない態度を取っていたことが遠因になって起こったものでした。貴志は、犯人の男の仲間たちからボコボコにされますが、「ケジメをつけて晴れた気持ちになった」と、あいに告げます。

洋太は、好きだったもえみと付き合うようになったにもかかわらず、彼女と一緒にいても何かスッキリしないものを感じます。そこで、あやふやなままになっている伸子との関係に、ケジメをつけに行きます。伸子は「今好きな人がいるなら、その人だけ一生懸命になってあげて!」と言い、不意打ちで別れのキスをし、二人は晴れやかな気持ちで、交際を終わらせます。

あいは、洋太ともえみの交際を受け入れ、自分がもえみに敵わないことを納得しようとしますが、その矢先に、洋太が好きだったころの昔の記憶が戻りそうになり、苦しみます。GOKURAKU店主に相談しに行き、昔の自分に打ち勝ってみせると宣言しますが、帰宅した家の庭から、洋太ともえみがリビングのソファで抱き合っているのを見て、完全に昔の記憶を取り戻してしまいます。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ⑨:もえみと洋太

洋太は、絵本作家になるのが夢で、間近に迫ったコンクールに応募するラストスパートに入っていました。もえみに、一か月ほど学校以外で会えなくなることを伝え、了承をもらいますが、色塗りの才能があったあいに手伝ってもらっていることを黙っていたことから、二人の関係は、少しすれ違いを見せ始めます。しかし、完成した絵本を真っ先にもえみに見せにいったことで、二人の関係は良好さを取り戻します。

あいは、絵本の手伝いが終わったことで、洋太と一緒にいる理由がなくなったことから、家を出ようとします。洋太は「受賞すれば仕事が来る」といって引き止めようとしますが、応募した絵本は落選してしまいます。洋太はショックを受けますが、それは落ちたことよりも、あいと一緒にいる理由がなくなったことから来るものでした。

洋太の家を出たあいですが、GOKURAKU店主も急用でアパートを引き払うことになってしまったため、街を放浪していると、公園で、夏美のテントを発見します。のぞくと中には誰もいません。夏美は、体調を崩し、入院していました。見舞いに行ったあいは、彼女から「好きに使っていい」と言われたため、夏美のテントに住むことになります。

一方、洋太は、落選したにもかかわらず、受賞パーティーに招待され、もえみを誘って参加します。そこで、父の知り合いから、絵本を描く仕事をもらうことになり、喜びます。しかし、そこには、「あいとまた一緒にいられる」という思いが現れていました。そして、もえみから、「弄内君の中には、いつもあいちゃんが住んでる」と言われてしまいます。

パーティーからの帰り道、洋太は、途中通りかかった公園のテントの前で、あいとローレックが話しているのを立ち聞きし、あいが人間になれる条件を知ってしまいます。そして、ローレックが去った後、洋太は、聞かなかった振りをしながら、あいに、絵本の仕事のことを伝え、「また手伝ってほしい」とだけ告げて帰ります。

二日後、洋太の家に、もえみが、思いつめた様子で来て、「今日は帰らない」と言います。もえみは、嵐の日の出来事がトラウマになっていて、なかなか洋太と関係を結ぶ勇気が出ませんでしたが、あいへの嫉妬と焦りから無理に事に及ぼうとしたのです。

洋太は、すんでのところで自分を押しとどめ、もえみに「乗り越えなきゃいけない事がある。中途半端はいけない。それまではオレもつらいままで」と言い、もえみを抱き締めます。そして、二人は、何も無いまま、朝を迎えます。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ⑩:夏美の死

洋太は、仕事の手伝いのために、あいを探しますが、どこにも見当たりません。あいは、風邪で寝込んで、テントの中で苦しんでいたところを貴志に発見され、彼のアパートに運ばれていました。「洋太のように余計なお世話をしてみたかった」と言う貴志は、嵐の日以来、自分の甘さが嫌になり、一人暮らしをしていました。

一方、あいを見つけることができずに悩む洋太は、GOKURAKU店主から預かっていたビデオデッキを眺めながら、「あいのことは妹と割り切ったはずなのに、実はそうではないのではないか?」と思います。そして、その迷いが絵本にも出てしまい、また、あいの色使いもなかったことから、仕事を失うことになってしまいます。

あいは、貴志が不器用ながらも人に優しくしようとしていることから、「自分も」と思い、入院している夏美のために、その彼氏・清水を連れてこようとします。複雑な事情を抱え、なかなか夏美に会おうとしなかった清水は、しかし、貴志の知り合いだったこともあり、その協力のもとで、なんとか病室へと駆けつけることになります。

清水の姿を見て、先の長くなかった夏美は、喜びと感謝の涙を流し、また、あいに「洋太と仲良くして」という言葉も残して、息を引き取ります。そんな夏美の死を通して、あいと洋太は、自分の気持ちに素直になり、残された時間の思い出作りとして、再び絵本作りの共同作業に取り組むことになります。

あいとの時間を選んだ洋太は、もえみに別れを告げようとします。もえみは、父から仕事の都合で一緒に海外へ引っ越すことを伝えられていましたが、それを洋太に話すことはできずにいました。もえみは、洋太と別れたくない一心で、髪を短くし、服装も男の子っぽくするなど、あいの真似をして、必死に洋太に食い下がろうとします。

あいは、あくまで自分が消えるまでの思い出作りをしたいだけであることを、もえみと話し合い、仲直りします。そして、絵本が完成するまでの一か月を、もえみは「待つ」と言い、あいは「ありがとう」と言い、洋太は「必ず戻る」と約束しますが、もえみは、その約束が必ず破られることになるだろうと予感していました。

電影少女(あい編)あらすじネタバレ⑪:あいと洋太

1月9日、洋太は、画材を買うという口実で、あいを外に連れ出します。その日は、彼女と出会ってちょうど一周年に当たっていました。あいは年を取らずにずっと16歳という設定のままでしたが、洋太はその日を、あいの17歳の誕生日として、サプライズで祝います。

誕生日を祝ってもらってから、あいは、昔の記憶を取り戻したというだけでは説明のつかない感情にとらわれます。あいは、洋太に恋をしてしまったのです。一方、もえみは、日曜日にケーキの差し入れにいった時、洋太とあいの間に恋人同士の絆を超えた関係性を感じ、自分の洋太への思いは愛に届くかどうかはわからない恋に過ぎないことに気付きます。そして、あいには敵わないと悟り、海外行きを決意します。

そんな中、GOKURAKU店主から、「あいを人間にする装置を完成させた」という報が届きます。それを聞いて喜ぶ洋太とあいですが、それも束の間、ローレックにバレたことで、店主は処分されてしまいます。

あいは、「やはり、洋太はもえみと一緒になるべきで、自分は消えるべきだ」と思い、以前ローレックから手に入れていた薬を洋太に飲ませて、その記憶を消そうとします。そして、自分も、自らデッキの電源を落として消えようとしますが、もう三か月の延長を望むローレックに阻まれます。レンタルビデオショップGOKURAKUの真の目的は、「ピュアな心の持ち主を欲に溺れさせて、愛という幻想から覚めさせる」ことにあったのです。

しかし、一旦は記憶を失ったものの、愛の力によって再びそれを取り戻した洋太が、デッキを床に叩きつけて破壊します。そのとき、GOKURAKU店主が仕掛けていたカラクリが作動し、ローレックはその巻き添えとなり消滅します。そして、あいも消えていきますが、ビデオには帰らず、無数の光の粒となって、洋太の部屋に散りばめられます。そのあいのかけらに見守られながら、洋太は、生まれ変わることを誓います。

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電影少女(あい編)の漫画最終回はどうなる?

電影少女(あい編)最終回あらすじネタバレ:みんなの想い①

もえみは、海外へは行かず、日本に残りました。「海外に行くことは逃げではないか?」と思ったからです。そして、学校を辞めて、一人暮らしを始めます。あいのように、一人で頑張ってみたかったのです。また、伸子は、学校で、廃部寸前だった美術部を立て直すことに熱意を傾けています。洋太のように、何かに夢中になってみたかったのです。

貴志は、清水のいる岡山へ行き、一緒にバンドを組んで、プロを目指しています。日々、洋太ともえみを傷つけてしまったことを胸に刻みながら、洋太に、「幸せになれよ」と、心の中でエールを送ります。

電影少女(あい編)最終回あらすじネタバレ:みんなの想い②

洋太は、自分の夢をあいに頼ったことがそもそもの間違いだったと思い、部屋で、自分一人で、絵本作りに取り組んでいました。そして、あいに受け取ってほしいという一心で、ようやく完成にこぎつけます。すると、部屋に散らばっていたあいのかけらが、洋太を祝福するように降ってきます。

洋太は、あいがいよいよ消えるのだと思い、「もう一人でも大丈夫。最後の最後まで見守ってくれてありがとう。あいちゃん、さよなら」と言うと、光の粒は一か所に集まり、そこから、あいの姿が現れます。思いがけず再会した二人は、涙を流してお互いに抱き合います。

洋太の完成させた絵本の内容はこうでした、「町のみんなを幸せにするために作られたロボットがいました。その名はココロくんです。ココロくんは、みんなを幸せにしましたが、その後、用済みになり、スクラップ工場で静かに目を閉じます。しかし、町の人たちは、『これでは本当に幸せになれない。ココロくんはもう町の一員なのだから』と思い、神様に祈ります。そして、その願いは見事に届き、ココロくんは人間になりました」。

Thumb電影少女のキャスト一覧!ビデオガールのアイ役は乃木坂46西野七瀬【野村周平】 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

電影少女(あい編)のあらすじネタバレや漫画最終回まとめ

漫画『電影少女(あい編)』の魅力を、あらすじのネタバレと合わせて、解説してきました。連載時からかなりの年月が経ち、テクノロジーも進歩しましたが、それでも、いまだに印象に残る作品になっているのは、そこで描かれている愛が、時代を超えて届くものを持っているからでしょう。それを確認するために、いま改めて読み返してみるのもよさそうです。

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