11人いる!はSF漫画の名作!あらすじ・結末や感想をネタバレ【萩尾望都】

少女漫画の神様とも呼ばれる萩尾望都の傑作中編SF漫画『11人いる!』についてまとめました。『11人いる!』は遠い未来の時代の異星人と交流するようになった人類を描いた漫画です。「主人公を含めた10人が宇宙大学の入学試験を受けるつもりが、試験会場には11人いた」という奇妙な状況からあらすじが展開されます。この記事ではネタバレあらすじを結末まで解説し、漫画を見た人の感想についても紹介しています。

11人いる!はSF漫画の名作!あらすじ・結末や感想をネタバレ【萩尾望都】のイメージ

目次

  1. 11人いる!のあらすじ・結末をネタバレ!名作のSF漫画を見た人の感想は?
  2. 11人いる!とはどんな漫画?
  3. 11人いる!の登場人物を紹介!
  4. 11人いる!のあらすじをネタバレ解説!
  5. 11人いる!の結末をネタバレ解説!
  6. 11人いる!を見た人の感想をネタバレ紹介!
  7. 11人いる!についてまとめてみた

11人いる!のあらすじ・結末をネタバレ!名作のSF漫画を見た人の感想は?

少女漫画のみならず、さまざまな創作に影響を与えている漫画家・萩尾望都。そんな萩尾望都が念願のSF漫画として連載したのが『11人いる!』です。1975年に連載された作品でありながら、今なお「面白い」という感想が多く寄せれられています。この記事では『11人いる!』の結末までのネタバレあらすじや、読んだ人の感想などをまとめて紹介しています。

11人いる!とはどんな漫画?

結末までのネタバレあらすじの紹介の前に、『11人いる!』がどんな漫画なのかをもう少し解説しておきます。『11人いる!』は遠い未来、宇宙人とも交流することになった時代を背景にしたスケールの大きなSF漫画です。『11人いる!』が連載された1970年代は少女漫画にSF作品が発表されるようになり、男性読者も楽しむようになっていく時代でした。『11人いる!』はそんなSF作品の中でも傑作と評価されている作品です。

11人いる!の登場人物を紹介!

本作の主人公「タダトス・レーン」

「11人いる!」の主人公はタダトス・レーンといいます。黒髪の少年であり、他の登場人物からは「タダ」と呼ばれています。直感力を有しており、手を触れ合うと相手の思考を読んで嘘を見抜くことができますが、自己紹介の時は誰が11人目か見抜くことができませんでした。ネタバレですが、実は幼い頃に宇宙船に乗っていたため、船内のことを良く知っていました。ただし、記憶が封印されていたため本人も不思議に感じています。

ヒロインのフロルベリチェリ・フロル

「11人いる!」のヒロインはフロルベリチェリ・フロルといいます。美しい金髪の巻き毛をしており、見た目は美少女です。他の登場人物からは「フロル」と呼ばれています。見た目とは反対にガサツな性格をしており、言葉遣いも綺麗ではありません。その一方で仲間想いな人物です。ネタバレですが、実は両性体であり、成長すると男か女になる身体をしています。テストに合格することで男になろうと望んでいました。

マヤ王のバセスカ

「11人いる!」のメンバーのひとりはマヤ王バセスカです。ストレートの長髪がトレードマークです。他の登場人物からは「王さま」と呼ばれています。王族らしくリーダーシップを発揮しますが、タダのことを疑うあまり過激な行動を取る早計なところもあります。テストに合格しても大学には行かず、自国を統治することになっています。

フォースことソルダム四世ドリカス

「11人いる!」のメンバーのひとりはソルダム四世ドリカスです。王さまの隣の惑星出身の美形の青年です。他の登場人物からは「四世(フォース)」と呼ばれています。王さまとは故郷が近いこともあり、真っ先に打ち解けており、タダの行動を懸念する王さまと一緒に行動しています。

狩猟民族のアマゾン・カーナイス

「11人いる!」のメンバーのひとりはアマゾン・カーナイスです。バンダナと細い目がトレードマークです。他の登場人物からは「アマゾン」と呼ばれています。狩猟民族の出身なため身体には無数の縫合痕が残されています。シャワー室でフロルと会った時は激しく動揺しました。

色黒天然パーマのチャコ・カカ

「11人いる!」のメンバーのひとりはチャコ・カカです。色黒でアフロのような髪型がトレードマークです。また関西弁を話すキャラクターでもあります。他の登場人物からは「チャコ」と呼ばれています。

赤鼻ことドルフ・タスタ

「11人いる!」のメンバーのひとりはドルフ・タスタです。大きな鼻とそばかすがトレードマークです。他の登場人物からは「赤鼻」と呼ばれています。気の小さな男ですが、タダを銃で撃ってしまいました。

耳の大きなトト・ニ

「11人いる!」のメンバーのひとりはトト・ニです。作中で一番小柄なキャラクターです。他の登場人物からは「トト」と呼ばれています。赤面症なところがありますが、農業や植物に詳しいキャラクターでもあります。

ヌーことヴィドメニール・ヌーム

「11人いる!」のメンバーのひとりはヴィドメニール・ヌームです。背が高く、皮膚を鱗で覆われているという特徴があります。他の登場人物からは「ヌー」と呼ばれています。ネタバレですが、フロルと同じく両性体の種族であり、フロルの性質にも初めから気付いていました。自らを「僧」と称し、占星術の知識も持ちます。

ガンガことガニガス・ガグトス

「11人いる!」のメンバーのひとりはガニガス・ガグトスです。大柄な身体をしています。他の登場人物からは「ガンガ」と呼ばれています。実は特殊な出生をしており、一種のサイボーグと自ら言っています。作中で負傷しますが、すぐに回復するほど頑丈な身体と再生力を持っています。事故を起こした張本人であるタダを庇ったことから、特にタダとよく話す登場人物です。

石頭ことグレン・グロフ

「11人いる!」のメンバーのひとりはグレン・グロフです。岩石のような頭が特徴です。他の登場人物からは「石頭」と呼ばれています。ネタバレですが、正体は11人目です。実は受験生ではなく、試験官でした。タダよりも優れたテレパスを有しているため、最後まで正体を知られることなく一行のテストを見守っていました。

11人いる!のあらすじをネタバレ解説!

宇宙大学の入学試験

まずは冒頭のあらすじを解説していきます。地球人類が異星人と交流するようになった遠い未来。各惑星の優秀な人材が集められて宇宙大学の入学試験が行われていました。宇宙服に身を包んだ受験者たちは十人一組の70チームに分けられ、テスト会場である宇宙船に乗り込みます。宇宙船の内部を確認する一行でしたが、そこで「11人いる!」と誰かが叫びます。数えてみると確かにひとり多い状況でした。

混乱する一行は宇宙服を脱ぎますが、初めて顔を合わすので誰が11人目なのかわかりません。そこで、突然爆発が起こりました。一行は協力して状況の把握に努めます。そこへメッセージが送られれ、「10人で協力して53日間の宇宙漂白を体験すること。ただしひとりでも落伍者が出たら不合格となる」と告げられました。非常事態用のボタンを押そうか議論しますが、とりあえず自己紹介をすることになります。

自己紹介をする一行

続いて、序盤以降のあらすじを紹介していきます。そこで直感力を持つタダは「誰がウソをついているかわかる」と明かし、一行はタダと手を触れながら自己紹介をしていきました。しかし、ウソをついている人はいませんでした。とりあえず船内を調査する一行ですが、妙にカンの働くタダをマヤ王は疑います。宇宙船内には野生化している電導ヅタがあり、それを見たタダは気味が悪いと感じました。

ひとまず11人目の捜索を止め状況を確認した一行は、53日間のテストに合格しようと考えます。タダが女性のような美しいフロルと船内を探索していると山ほどの銃がみつかりました。宇宙船に何が起こったのかを勘繰る一行でしたが、タダはなぜか気持ちが不安定になります。銃を見つけたことや、船のことに詳しいタダを王はますます訝しみました。

ガンガの怪我

一行が協力して食事の準備をしていると、ガンガがコンピュータを修理すると言いました。タダと石頭が協力します。しかし、タダが基盤の操作を誤り、ガンガは怪我をしました。王に責められたタダでしたが、フロルと協力し、自らガンガの手術をしました。無事に手術は成功しますが、タダは事故の原因となったテレパスの声を気にしていました。11人目が誰なのか考えます。

しかし、王を中心にタダの事を疑うメンバーが増えました。多数決でタダは閉じ込められそうになります。そんなタダを救ったのは快復したガンガでした。ガンガは特別な身体を持つ一種のサイボーグでした。タダとフロルはガンガの星の人間が特別に寿命が短いことを聞かされます。メンバーそれぞれが事情や夢を抱えてテストに参加していることをタダは感じるのでした。

フロルの性別

そんなタダをフロルが励まします。ふたりで話しているとフォースとフロルがケンカし、ヌーがフロルを止めました。むしゃくしゃしたフロルはシャワーを浴びます。しかし、フロルの裸を見たアマゾンは女だと思って動揺しました。一行に伝えに行くと、窓から見える不吉な黒い惑星に皆が気を取られていました。そして、ヌーが53日間の旅は達成できないことを予言します。

そこへ服を着たフロルがやって来ます。女だというアマゾンに対して、フロルは男だと言い張ります。証拠を見せられないフロルを一行は責めたてますが、タダは真実に気付きました。フロルは両性体だったのです。フロルは成長すると性別が別れる人種だったのです。その星の慣例ではフロルはいずれ女性になるのですが、フロルは男性になることを憧れており、テストの合格がその条件となっていました。

タダの記憶

タダはフロルが女性になったら美人だろうと考え、恋人にしたら大変かもしれないと妄想します。フロルの件が落ち着きましたが、今度は太陽に近付いていた宇宙船の軌道が問題になります。次第に船内の温度が上がっていき、そのままでは機内の温度は危険になります。そして、タダは電導ヅタが異常に繁殖していることに気付きました。

調べると、一定の熱量に達するとウィルスが発生することがわかりました。そのウィルスはただの過去と深い関りがありました。タダは幼い頃に宇宙船に乗っていたのです。しかし、そこで発生したウィルスによって乗員の9割が亡くなっていました。タダの記憶は保護者である長老によって封じられていました。タダの証言を頼りに、一行は対策を練ります。

タダの窮地

石頭はスクランブルのボタンを押して助けを求めようと提案しますが、フロルは簡単には諦められないとして議論は紛糾します。残された期間は9日。タダは何か方法を考えようと言いました。1日、また1日と日が過ぎていきますが、暑さとウィルスへの恐怖から王は限界を迎えます。タダを11人目だと断定し銃で殺害しようとします。

ガンガはフロルに協力を求めてタダを救おうとしますが、タダは赤鼻に撃たれました。医務室で目が覚めたタダはガンガと会います。ガンガはすでにウィルスに感染して症状が出ていました。ただし、ガンガはすでに治癒しかけていました。そこへ王たちも現れますが、タダはワクチンが作れると言いました。そのためには船内の爆弾を利用して太陽から離れる必要があります。

テストの結末

タダの事を信用できない王は疑いますが、ガンガは自分が11人目であると言いました。動揺するメンバーたちでしたが、フロルがその場を治めました。一行は協力して爆弾を用意し、無事に太陽から離れます。船内の温度は下がり、ワクチンも無事に摂取できました。もう心配ないと思われましたが、フロルの様子がおかしくなります。

フロルにはワクチンが効いていませんでした。発病したフロルのために一行はテストを諦めます。誰よりも反対したのはフロル自身でした。死んでも女になりたくないというフロルでしたがその意見は通りません。他の全員一致でスクランブルのボタンが押されました。途中リタイア、それがテストの結末です。ひとりで泣くフロルをタダが慰めます。そして、タダは「ぼくと結婚しなよ」と言うのでした。

11人いる!の結末をネタバレ解説!

あらすじの意外な結末とは?

迎えの宇宙船に助けられ、フロルも適切な治療を受けることになります。そこで石頭こそが本当の11人目であることが明かされました。実は11人目はどの受験生グループにも紛れていました。石頭の狙いは受験生の命を守りつつ、スクランブルのボタンを押させることでした。他のグループは早いところだと開始後35分でボタンを押していました。タダたちは45日です。これはトップの成績で合格です。

合格を告げられた一行は大喜びをしました。それはフロルが男になれるということも意味しています。タダは石頭から長老が宇宙船のキャプテンであったことや、故意にタダがグループに入れられていたことを明かしました。その後、フロルを見舞ったタダに、「女になってもいいや」とフロルは告げました。ふたりは同じコースに進むことを約束します。そして、仲間たちは未来へ向かってそれぞれの道を歩むのでした。

11人いる!を見た人の感想をネタバレ紹介!

登場人物がみんな個性的

「11人いる!」を読んだ人のネタバレ感想には「登場人物が個性的」という意見が多くありました。SF漫画らしく、異なる星の人物が集められ、外見はもちろん文化や体質にも個性がわかれているのが面白いといった感想です。中でもヒロインのフロルが可愛いという感想が多くありました。古典的名作と呼ばれながらも、登場人物の魅力は色褪せないという感想が挙がっています。

設定や構成が面白い

「11人いる!」を読んだ人のネタバレ感想には「設定や構成が面白い」という意見が多くありました。「11人いる!」はタイトルの通りの奇妙なシチュエーションから始まります。ミステリーのような謎を残しながら次々に起こるアクシデントや、徐々に明らかになっていくメンバーの素性など、設定や構成が優れているという感想が多くありました。また、伏線が結末で明らかになることを評価する感想も寄せられています。

11人いる!についてまとめてみた

漫画『11人いる!』の結末までのネタバレあらすじや、読んだ人の感想をまとめました。『11人いる!』はSF少女漫画の古典と言われる作品ですが、若い世代の読者にも「面白い」という感想が寄せられている作品でした。あらすじの構成や、希望を感じる結末が人気の漫画です。まだ読んでいないという方は、ぜひ一度『11人いる!』を読んでその面白さを確かめてみてください。

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