兎が二匹を結末までネタバレまとめ!漫画の感想や魅力を考察【山うた】

死にたいのに、死ねない体質の主人公すずと、すずが自殺をしたがっているのでその手伝いをしているサク。兎が二匹の始まりはそんな死にたがっているすずの自殺を青年であるサクが手助けして殺そうとしているところから始まるという何ともインパクトのある始まり方をしている兎が二匹。デザイナーから始まり2015年に兎が二匹を書き上げた山うた。独特なタッチと雰囲気が印象的な山うたの作品ですが、今回はこの山うたが手掛ける兎が二匹の結末や感想をネタバレを交えてまとめていきます。兎が二匹はどんな結末になっているのでしょうか?

兎が二匹を結末までネタバレまとめ!漫画の感想や魅力を考察【山うた】のイメージ

目次

  1. 兎が二匹の結末とあらすじをネタバレ!漫画の感想や魅力を考察!
  2. 兎が二匹の登場人物を紹介!
  3. 兎が二匹のあらすじをネタバレ考察!
  4. 兎が二匹の結末をネタバレ考察!
  5. 兎が二匹の魅力と感想!作者山うたについても紹介!
  6. 兎が二匹のあらすじと結末をネタバレまとめ!

兎が二匹の結末とあらすじをネタバレ!漫画の感想や魅力を考察!

兎が二匹の主人公であるすずが願うことは一つ、ただ「死ぬこと」でした。生き過ぎたと自負するすずは常に死ぬことを考え首を絞めてもらったり、自分で首を切り落として死のうとしたり、わざと重い犯罪を起こして死刑になって国に殺してもらおうとしたりと様々な方法で命を絶とうと試みます。しかし、上手くいかずにどうしても生き残ってしまうすず、そんな兎が二匹のあらすじや結末をネタバレをし、感想などをまとめます。

兎が二匹の登場人物を紹介!

不老不死で398歳である主人公「稲葉すず」彼女は常に死にたいと思っており色々な方法で自殺しようと試みます。一応働いており、骨董商などで食いぶちを稼いでいます。モノを作ることが得意であり後述しますが、幼い頃の「サク」に色々と教えたり作ってあげたりするのです。死にたいと常日頃思っているのは過去に経験したことが引き金であり、そのことを常に思い出し苦しむことから死んで忘れようとしているのです。

この兎が二匹のもう一人の主人公、宇佐見咲朗「サク」彼は幼い頃に父親に捨てられてしまい、すずに拾われて二人で生活していました。ネタバレになりますが彼はすずのことをとても愛しておりずっと一緒にいたいという思いを抱いていますが、すずが一番願っている「死にたい」という気持ちを理解しています。そのため泣く泣く自殺幇助などということをしているのです。自殺が失敗するといつも泣いて喜ぶのも特徴です。

異色な二人が紡ぐ純愛ストーリーとなっている兎が二人。しかし兎が二匹の内容は甘い物語ではなくかなり心に響く重い内容となっています。純愛ストーリーではないのか?なども兎が二匹を読んだ人の感想にもそのような感想が多く見受けられるほど。死ねないことを辛さを真剣に訴えかけてくるすずの姿に悲しい物語と映る人も多いでしょうが、読み進めるにつれ兎が二匹の奥深さに気づけるのではと言われています。

兎が二匹のあらすじをネタバレ考察!

ここからは兎が二匹のあらすじをネタバレを含んで簡単にまとめていきます。物語の最初はサクがすずの自殺を泣きながら手伝っている姿から始まります。しかし、首を絞めても少し経てば生き返ってしまうすず。今回も死ねなかったとぼやきますが、サクはさらに泣いて喜び抱き着くほど嬉しがっています。1巻の初めからそんなショッキングな内容になっていますがここからもすずの自殺探求が続きます。

その後も自らの手で首を斬り落として命を絶とうとします。今度こそ死んでしまったと思いサクはひどく悲しみますが首が勝手に胴体の元に行き修復されていきます。すずが死にたいと思っていても身体が本人の意思とは関係なしに戻っていきます。サクは喜びますがすずはまたがっかりとした表情。そんな中、テレビを見ていると犯罪を犯した者が死刑になったというニュースが流れており、すずは「これだ!」とひらめくのです。

意図的に犯罪をし、国に殺してもらおうと企むのです。そして実行、案の定死刑に。この間3コマ。生き死にがかかっているにも関わらずどんどんと物語は進んでいきます。そして、ありとあらゆる手段で死のうとしますがその死ぬ方法のスケールがどんどんと大きくなっていってしまったことがすずとサクの距離を開けてしまったのでしょう。それまでは二人でアイスを食べたり、動物園で兎を抱えたりと楽しそうに見えましたが。

それでも死ねないすずをあまりにも救われないと思ったサクは捕まっているすずの元へ面会に行きます。「自分はすずと一緒にいたい、だからもう死ななくていいし死なないで」とサクの純粋な愛しているという気持ちをすずへぶつけますがすずは自分といると不幸になると考えており「私よりもっとふさわしい女と出会えるから、私のことは忘れて生きなさい」と突き放してしまいます。この言葉を聞いたサクは喪失感に苛まれます。

表面上は聞き入れたように見えたサク。すずは苦しい思いをしながらも私といると不幸になる、サクは咲に死んでしまうということを考え放った言葉だったのでしょうが、サクにとってその言葉は死刑宣告よりも重い言葉だったのです。小さい頃からすずと一緒にいたサクにとってすずは何よりも、誰よりも愛しい存在でありますので、すずからそんなことはいってほしくなかったのでしょう。彼は身投げし海で自殺してしまいます。

すずとサクの出会い

1話からすごい重いストーリーと感想が多い兎が二匹。2話からすずの過去の記憶が少しずつ散りばめられており、この兎が二匹を紐解くキーポイントとなってきます。夏の日にサクと一緒に歩いているときに「うちを埋める父親の、後ろに見えた入道雲」この段階ではまだ分かりませんがネタバレを混ぜますと、400年近くも生きてきたすず、そこから遡ると江戸時代から生きてきたということになりますので、当然戦争も体験しています。

サクが幼い頃にすずの家のまで倒れておりそれをすずが拾ったことがすずたちの出会いでした。サクの家は母親がおらず、父親も帰るのが遅くサクは独りぼっちなのでした。サクを拾って少しずつ同じ時間を過ごす中、サクの父親が訪ねてきて、再婚するためにサクが邪魔ので引き取ってもらえないかと提案してきます。さすがのすずも怒り、サクは泣きながら訴えますが、父親にもサクを幸せにしてやれないという思いがあり言ったのです。

サクは父親に嫌われたから捨てられたと思い、すずに「俺がどんな子供だったら嫌いにならないでくれる?」と涙ぐみながら質問し、すずはその痛々しい思いを受け止め「そのままでいいよ」とサクを受け入れるのでした。そこからすずとサクは家族になりどんどん互いのことを知っていきます。すずが人と関わるのが苦手で大勢に囲まれると倒れてしまうこと、そういうこともサクは考え始めすずを大事に思っていきます。

そして、小学校を卒業し中高に進んでいき高校生のときにすずが本気で好きと気づくサク。そんな思いを抱えながら家に帰ると血だらけになって倒れているすずの姿、その時になってすずが不老不死ということを知るのです。その姿を見てもすずのことを変わらず好きなサク「好きだからずっと一緒にいたい」サクらしい温かい言葉という感想も多いですが、すずは唐突に「一緒にいるなら私を殺しなさい」という条件を出すのです。

すずの過去をネタバレ

兎が二匹の2巻からはすずの過去が明かされます。山うたらしい悲しくも儚い内容になっていると感想が多いですが、過去を紐解くことによりこの物語に救われる部分が見いだせるのです。昭和13年の広島にまで遡り、1巻で名前がでてきた花、大谷花子が登場します。すずとは親友とも呼べるほどの友達でした。しかし花子は東京に出ていくということを伝え、一緒に来ないかと誘われますが不老不死がばれることを恐れ断ってしまいます。

そして、昭和20年の8月6日に原爆が広島を襲います。辺りは火の海と化し生命など感じられない広島。すずは花子のことが心配で必死に探しましたが、見つけた時には花子は変わり果てた姿で横たわっていました。花子の伯父から聞いた話では、花子は「すずを迎えに行ってくる」と伝えていたそうです。何というタイミングの悪さなのでしょうか。さらにすずは「自分が一緒に東京に行っていれば」という思いに苛まれるのです。

親友を殺したも同然のことをしてしまったと思い込むすずは二度とこんな思いはしたくない、相手にもさせたくないという願いからサクに「自分を殺せ」という条件を出したのです。親友との記憶が何度も蘇り苦しい思いをしてきたすず。そんな中、自身が死んでいるときは何も考えなくていいことを知ったために、何度も自分を殺し現実と切り離されたかったのでしょう。山うたの書く話はそうですが、救いがない話という感想が多いです。

そんな悲惨な過去が付きまとい、さらには自分も無意識に愛していたサクも自分が死んで生き返っている間の1年間の中で自殺をしてしまっています。すずにとってこれ以上ないくらいに絶望してしまいます。また自分が死に追いやってしまった、自分が殺してしまったと思い込みそんな世界で生きていても仕方がない、受け入れたくないという強い思いとどうしようもない絶望から屋上から飛び降りて自殺します。

不老不死の原因

当然死ねるわけもなく、すずが目を覚ますと白衣を着た男が佇んでいました。彼は1巻から登場しており研究対象としてずっとすずを追っていたのです。その目的がすずの、不老不死の身体を手に入れ永遠の命を手に入れることでした。そして彼はすずに対し「殺してやろうか?」と問いかけるのでした。不老不死の原因を彼はウィルスと言い、0.01%の確率で輸血や性行為で感染すると言ったのです。そのことにすずが衝撃を受けます。

感染する方法を使えばサクを生き返らせることができるかもしれない、また一緒に過ごせると考えたすずは施設から飛び出してサクの遺体の元へ。しかし、サクの遺体はまだ海から見つかっておらず海に漂っているのです。見つからない、見つからないが嘆かないすず。サクに悲しい思いをしてしまった自分への罰と償いの意味を込めて、どんなに時間がかかってもいいので見つけ出すことにしたのです。

兎が二匹の結末をネタバレ考察!

兎が二匹の結末をじっくり考察

時が経ち、1年探しても見つかりません。しかし諦めるつもりはないすず。さらにネタバレですがサクは0.01%の確率で感染していることが分かっています。ですが、万が一感染していたとしても身体の再生速度は分からないのです。すずのようにすぐ再生できるかもしれませんし、千年後になるかもしれません。ですがすずは、サクのことを愛しているのできっと諦めず、サクが言っていたポジティブな考えを突き通して行くのでしょう。

これにて兎が二匹の結末は完結です。山うたらしい、悲しいストーリーの結末だという感想が多いでしょう。確かに途中では互いの思いが交錯してしまい絶望と呼べるほどの悲劇が起きてしまいますが、その元凶となった不老不死を使ってサクとやり直せる希望が見えたのです。時間や贖罪のめに行動するすずは儚いながらも前に進んでいっている姿に心を打たれます。甘酸っぱいストーリーの純愛と違う味を楽しみたい方にお勧めの結末です。

兎が二匹の魅力と感想!作者山うたについても紹介!

儚く切ないストーリーの兎が二匹。そんな漫画を書き上げた山うた先生。ここからは兎が二匹を読んだ人の感想と、作者である山うたについてまとめていきます。この物語を読んだ人は必ずと言っていいほど悲しい物語と感想を残すでしょう。不老不死であるすず、人との関りも苦手な上に不死なのでしぬこともできない、孤独が何よりの拷問と言われておりその寂しさを兎に例えたのでしょう。最終話では兎が一匹になってもいました。

すずはそんな寂しさで死にそうになることを嫌ったのでしょう。また一人になってしまうくらいなら先に死にたいと願ったすず。様々な想いが錯綜するところも兎が二匹の見どころの一つと言えるでしょう。さらにこの作品を見た人が口をそろえて言うのが「不老不死にはなりたくない」ということです。悲しいストーリーを見たからこそ言うのは普通のことでしょう。自然な事でしょうが他の感想を持つ人もします。

山うたとはどんな人?

山うたが手掛けた兎が二匹「このマンガがすごい!2017」のオトコ部門でランクインも果たすほどの人気作品となりましたが、山うたは新作の角の男も連載が始まっておりさらに勢いが乗ってきています。山うたは当初「pixiv」の方で兎が二匹を少し載せていましたが反響が大きくなり漫画化を果たしたのです。当時はwebデザイナーの仕事をしていたので漫画にかける時間があまりなく、書き始めたのはずっと前からだったそう。

そして山うたはざっくりと不老不死の設定は思いついていたそうです。不老不死を活かして読者をどん底に叩き落すのを狙いとして書いていたそうですので、概ね狙い通りになったのではないでしょうか?さらに、山うたは不老不死を「萌え」と称したのです。さらに山うたの頭の中では「人の頭をバットで殴りたい」と考えていたそうです。「表現でたたき割りたい」という意味であり、読んだ人に衝撃を与えることを狙ったのです。

独特な世界観を持っている山うたが描いた兎が二匹。悲しいストーリーと分かっていても読みたくなる構成をしています。少しグロテスクな表現も散りばめられていますが、それを差し置いても読む価値は十分にあると言えるでしょう。

兎が二匹のあらすじと結末をネタバレまとめ!

ここまで、山うたが手掛けた兎が二匹のあらすじや結末をネタバレを交えてまとめていきましたが、普遍的な純愛ストーリーに飽きてしまった方、心を動かしたい人におすすめの漫画となっています。不老不死で自分を怪物と称するすずと何の変哲もないサクが出会い、二人の時間を過ごしていくうちに大切な存在になっていきますが不老不死がそれを邪魔する…苦悩や愛が錯綜するストーリーですが気になった方はご一読を。

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