空の境界を見る順番と劇場アニメシリーズの時系列を解説!おすすめとあらすじは?

Fateシリーズでおなじみの奈須きのこ先生が手がける「空の境界」。現実に似せた架空都市を舞台に主人公が様々な怪奇事件を解決していく長編小説が原作となっている作品ではありますが、そのシリーズの醍醐味となるのが「順番の入れ替え」になります。この順番によって空の境界世界の視点や考え方が大きく変わってくる事からここではアニメ・空の境界をどういった順番で見るといいのかを解説していきたいと思います。

空の境界を見る順番と劇場アニメシリーズの時系列を解説!おすすめとあらすじは?のイメージ

目次

  1. 空の境界アニメシリーズを見る順番を解説!作品の時系列やあらすじもまとめて紹介
  2. 空の境界とは?
  3. 空の境界アニメシリーズを見る順番は?時系列を調査!
  4. 空の境界アニメシリーズを見る順番は?おすすめの順番を検証!
  5. 空の境界アニメシリーズのあらすじを順番に解説〜全7章〜
  6. 空の境界アニメシリーズのあらすじを順番に解説〜終章・番外編〜
  7. 空の境界アニメシリーズを好きな順番で見てより楽しもう!

空の境界アニメシリーズを見る順番を解説!作品の時系列やあらすじもまとめて紹介

Fateシリーズで有名な奈須きのこさんが手がける長編伝奇小説として2004年から文庫が販売されている「空の境界」は、その原作を元にドラマCD・劇場アニメ・漫画作品など様々な媒体で販売されています。

その中でも劇場アニメは2007年に第一章「俯瞰風景」が上映され、その後も短期間で第七章までの劇場アニメが上映されました。それぞれが完結したストーリーで作られていますが、所々に隠された伏線によって作品の時系列を考える推理がファンの間では話題を呼んでいました。それではアニメシリーズ・空の境界をどういった順番で観る事で正しい時系列を知る事ができるのかなどをあらすじやまとめと共に紹介していきます。

空の境界とは?

元々この空の境界とは奈須きのこさんとイラストレーターの武内崇さんが結成している同人サークル「竹箒」で1998年にホームページ上にアップしたWeb小説になります。現代と似ている世界観が舞台となっているために、共感できる部分も少なくないです。しかしその中でも「現代伝奇物」と呼ばれる現実とは異なった法則や生物、物が存在する非現実世界として描かれています。

主人公である両儀式は、この作品シリーズ全てに登場するメイン主人公となっており、「直死の魔眼」と呼ばれる特殊な能力を身に着けています。そのため、常にモノの「死」を見つめ続けなくてはならないという代償を背負っている状態になります。

しかし両儀式自身は生きているモノの死しか見る事ができず、同じ能力を持っている月姫シリーズの登場人物・遠野志貴のように有機物無機物問わずの死の点を認識する事が出来ないのが作中で描かれています。そんな力を持っている両儀式が巻き起こる不可思議な事件を解決していくのがこの「空の境界」なのです。

シリーズはそれぞれが独立した作品となっているため1話でも楽しむ事ができますが、時系列をきちんと知る事で更に作品を楽しむ事ができる作りになっています。また、順番通りに楽しむ事もできれば時系列にそって順番を変える事で作品に登場するキャラクターの心情を深く理解する事もできます。

知っておくと更に楽しくなる空の境界のキャラクター

アニメ空の境界では重要なメインキャラの他にも様々なキャラクターが存在します。そのため、キャラクターの事を知っておくと更に作品を楽しむ事が出来るようになります。ここではほんの少しではありますが、空の境界に登場するキャラについて説明していきます。

両儀式(cv.坂本真綾)

空の境界主人公となる少女で、「TYPE-MOON」作品の1つ「月姫」では「混血の天敵」と言わしめた家系の1つ・両義家の次期当主でもあります。生まれつき二重人格で本来式が持ち合わせるはずだった破壊衝動をもう1つの人格「識」によって抑えられているとされています。

高校入学時に自分自身のあり方や感情など様々な葛藤を抱いている最中、不幸の連鎖が重なり交通事故にあい2年間昏睡状態になってしまいます。また、この際に式の身代わりとなり別人格の「識」が死亡してしてしまいます。しかしその後奇跡的な回復により目を覚ました式には対象の死を線として視る事ができる「直死の魔眼」が開眼してしまい、彼女自身を取り巻く環境が少しずつ変わっていく事になります。

黒桐幹也(cv.鈴村健一)

空の境界の準主人公と呼ばれる青年で、式達とは異なり魔術とは無縁の普通の学生です。しかし「1つの事を調査する」という能力が異常なほど長けているため、バイト先の店長である橙子に探偵としてやっていけるという高評価を受けるほどです。

この能力のおかげで人払いの魔術が施されている工房「伽藍の堂」を発見してそこで働くきっかけとなったのですが、たまに無給与という月も存在してしまいます。高校入学時に出会った式に一目惚れしてしまい、それから一途に想い続けているなど純情な青年で、式が昏睡状態になっている2年間は毎週見舞いに行くなどをしていました。

蒼崎橙子(cv.本田貴子)

空の境界で重要な役割を担っている人物の1人で表向きは建築デザイン事務所「伽藍の堂」の社長をしているが、実は一流の魔術師でありルーン文字などを使った魔術や人形を使った魔術に長けています。また、メガネキャラでありながらメガネを外すと性格や口調が大きく変わるのが特徴です。

作中ではとある事件で使い魔を失ってしまったために、式に「直死の魔眼」の使い方を教える条件で自分の使い魔の代わりに仕事を受け持ってほしいと条件を出してくるなど魔術や交渉に応じては甘さを見せない部分があります。また、空の境界で起こる事件の元凶となっている荒耶宗蓮とコルネリウス・アルバはロンドンにある魔術学院での同期生に値する存在です。

荒耶宗蓮(cv.中田譲二)

空の境界で起こる様々な事件のきっかけを作った人物で、過去には僧侶という職種に着いていた人物でもあります。しかし大勢の人間の死を見ていくにつれて、人がどうやって死んでいくかを記録する「死の蒐集」を始めとする様々な人の存在意義を示す「根源」を求めるようになってしまいます。

見た目の年齢は30から40歳ほどですが、実年齢は200歳を超えており、彼自身も「静止」の起源を覚醒させているために他の起源に対しての探究心がとても強いとされています。式の体が起源の一部と繋がっている事から巫条霧絵、浅上藤乃、白純里緒の3人を駒として利用しますが、最後には式から受けた傷により死亡してしまいます。

コルネリウス・アルバ(cv.遊佐浩二)

橙子と同じく人形を使った魔術に長けている魔術師で、宗蓮に人形を提供していた協力者でもあります。見た目の年齢は20代の青年ですが、実年齢は50歳を超えています。「反証」の起源を持つ魔術師で、彼自身高い魔術の才能を持っています。しかしプライドの高い人物でもあるため、自分よりも人形魔術に長けている橙子に嫉妬の念すら抱いています。

また、ジークフリートを祖とする有名な一族・シュポンハイム修道院次期院長の座も約束されている人物で、アグリッパ直系の子孫である等、血筋・実力とも一流として認められる逸材でした。また、破壊系の魔術に関しては橙子ですら認めるほどの力を持っている上に、高速詠唱による破壊魔術を得意としています。

浅上藤乃(cv.能登麻美子)

空の境界で唯一起源を持たずに式の敵となった少女で、その真実は荒耶宗蓮が式の力を高めるために用意した駒の1人でした。重度の無痛症で外部からの刺激や身体の異変を感じる事が出来ないため、「無感情症」「他者への共感性の欠落」を抱えている点があります。この無痛症の原因を作り出したのは実の父親で、生まれつき持っていた者を捻じ曲げる「歪曲」を嫌っての事だそうです。

しかし能登に不良達による暴行事件が原因で無痛症が改善されてしまい、能力が飛躍的に向上した状態で覚醒してしまいます。そのため、式との最終決戦でもこの力を屈しして戦い、更に「透視能力」にも目覚めてしまい障害物による防御も克服してしまうなどの成長を遂げました。しかしその代償として視力が著しく低下してしまい、事件後には杖をついて歩く様子が描かれています。

空の境界アニメシリーズを見る順番は?時系列を調査!

1本の作品としても楽しむ事ができるアニメ空の境界シリーズですが、その時系列をきちんと知る事でさらに楽しみが増えてきます。全部で10作もの大作となっていますが順番よくシリーズを観ていると浮かび上がる疑問をここでは時系列に沿って調査していき、解説していきます。

①第二章「殺人考察(前)」

1995年に上映された空の境界がこの第二章になります。主人公である両儀式が通う観上高等学園に黒桐幹也(cv.鈴村健一)が入学して出会う話になります。本章の舞台である1998年の三年前を描いている作品となり、両儀式と黒桐幹也が出会い惹かれ合っていくまでが語られています。また、この時に両儀式の他人格「識」の存在などの重要ポイントと呼ばれる設定が語られている章でもあります。

また第二章でありながら、第七章に繋がる前編となっているため、第一章から順番よく見ていると大きな疑問が残る作りになっています。しかし第七章でその疑問が解決するため、第二章⇒第七章という流れで見ると理解度は高くなります。ちなみにこの章のラストで両儀式が能力を覚醒させる事故が描かれています。

②第四章「伽藍の洞」

この第四章は実は空の境界・第二章のラストで描かれる両儀式の交通事故から数年後を描いた章になります。この時から両儀式の目には「モノの死」を見る力が備わってきます。しかしそれと引き換えに幼い頃から自分の中にいた別人格の1人「織」がいなくなっている事に気づきます。

色々な支えとなってくれていたもう1人の自分が消えてしまった事に塞ぎ込んでしまった両儀式ですが、魔法使いと名乗る蒼崎橙子と出会い、対話する事によってどうして今まで自分の中にいた「織」がいなくなってしまったのかを考えるようになります。
 

この章はシリーズ的には第2段で公開されたものになりますが、両儀式が「直死の魔眼」を覚醒させる大切な章になります。また、物語的にも幼さの残る両儀式を蒼崎橙子というキーパーソンが導く事により、今後のシリーズにおいて重要な人物となっていくのがわかる章とも言われています。

空の境界アニメシリーズを見る順番は?おすすめの順番を検証!

従来のアニメであれば第1期・第2期など公開された順番に見るのがセオリーとなる作りがされています。しかしこの空の境界では見る順番を変える事によって複雑に張り巡らされた謎を解決させることができます。ではそのおすすめと言える順番を検証していきましょう。

まずは原作通りの順番で見てみよう!

原作通りの順番で見るのはもはや王道とも言えます。しかしだからこそ、第一章から順番よく観て最後の「未来福音extra chorus」まで流れを知る事もこの作品においては重要なポイントになります。

また、作品の時系列がバラバラに描かれているストーリー展開は実は原作の小説版と同じ流れになっているのです。そのため、小説原作から空の境界を楽しんでいる人にとっては展開が自然と入る作りになっているのも順番通りに作品を観るメリットだと言われています。

その他にもアニメ作品になっている事により、原作よりもバトル描写が綺麗に描かれていて見応えは間違い無しと言われているほどです。登場するキャラクターの葛藤や現実世界では起こりえない不可思議な問題など観ていて引き込まれる空の境界の魅力が詰め込まれているアニメとも評価されているため、何の先入観もなく最も入り込みやすい作りになっている順番で作られているとされています。

10作品の並び替えは360万通り以上?

順番通りに観る以外にも、アニメ空の境界は様々な観方をする事ができます。時系列がめちゃくちゃに描かれている作品だからこその特徴とも言われています。まずはこの空の境界の舞台は1995年から1999年の4年間とされています。そのため、時系列を順番良く並べて観ると時間の流れが自然となる「時系列順」の観方が空の境界を初めて触れると言う人にはおすすめとされています。

他にも空の境界では両儀式と黒桐幹也との間柄も描かれているため、1つのラブストーリーとして楽しむ事もできる作品となっています。その流れがメインとなっている作りを意識して順番を変えるのもまたファンの間では楽しまれている観方です。

そして完全初見さん限定の並び替えとされている順番が「逆時系列順」です。時系列順に並べると空の境界は①第二章⇒②第四章⇒③第三章⇒④第一章⇒⑤第五章⇒⑥第六章⇒⑦第七章⇒⑧最終章⇒⑨未来福音⇒⑩未来福音extra chorusという流れとなっています。

逆時系列順とはこの順番をまるまる入れ替えて、未来福音extra chorusから観始めて第二章で完というデタラメとも言える流れになります。しかしこれは空の境界というシリーズの時間軸に触れた事がない完全初見さんが行う事によって様々な憶測、想像、考察が生まれ、この後に順番よく観て自分自身の中にしっかりと落とし込む事ができるとも言われています。

しかしあくまでもこれは「空の境界を観る時の参考」レベルに考えてください。10作品あり、原作自体が時系列がバラバラに描かれている作品だからこそ、10人いれば10通りの楽しみ方があるという言葉を体現しています。様々な観方を楽しむ事で自分が一番楽しめる順番を見つけ出す事がこの空の境界を楽しむポイントになります。

空の境界アニメシリーズのあらすじを順番に解説〜全7章〜


アニメ空の境界を楽しむためにオススメの順番などを説明してきましたが、ここではシリーズ毎のあらすじを説明していきます。どのシリーズでどのポイントに注目するかによって順番を決める参考になるのではないでしょうか?

空の境界のあらすじ〜第一章「俯瞰風景」〜

1998年9月、観布子市では少女による飛び降り自殺が多発し問題となっていました。自殺した少女たちの関連性は不明となっているがその自殺場所は決まって「巫条ビル」と呼ばれる取り壊しが決まっている高層ビルだったのです。

そんな時両儀式はその巫条ビルの上空で自殺したとされる少女達を目撃します。しかしあくまでも「死んでしまった者」として認識し、気にする素振りを見せずにいたある日、友人である黒桐幹也がビルに近付いてしまった後に昏睡状態になってしまいます。両儀式はこの高層ビルに漂う少女たちが何らかの原因になっていると考え、友人である幹也を取り戻すため夜の巫条ビルへと足を踏み入れる事となります。

空の境界のあらすじ〜第二章「殺人考察(前)」〜

1995年3月、黒桐幹也は不思議な少女と出会う事になります。真っ直ぐでそれでいて澄んだ眼差しを持っている少女に幹也は一目で心を奪われてしまいます。翌4月に観上高等学園に入学した幹也は偶然にもその少女と再会する事となります。
 

少女の名は「両儀式」、周りを寄せ付けないような性格をしている少女であったが徐々に幹也に対して心を開くようになってきます。そんなある日、幹也は式の中にいるもう1人の人格「識」と面識を持つ事になります。自分自身を殺人者だと伝える「識」に戸惑う幹也であったが、それと時を同じくして観布子市内では連続猟奇殺人事件が発生してしまうのです。

空の境界のあらすじ〜第三章「痛覚残留」〜

1998年7月、体の複数箇所をねじ切られたような変死体が発見される事件が発生します。その異常性から人間の仕業とは考えられないと猟奇殺人として話題となります。そんな時に工房「伽藍の堂」の所長である蒼崎橙子の元に1件の依頼が飛び込んでくるのです。

その内容は今回の猟奇殺人の犯人の保護、それが出来ない場合には殺害を依頼するものです。犯人の名前は浅上藤乃、被害者となった人達に陵辱されていた少女である事がわかりました。橙子は藤乃の復讐による殺人劇だと考え、特殊な力を持つ両儀式にその暴走を止めるように依頼します。そしてそこから藤乃の暴走を止めるための行動を開始するのです。

空の境界のあらすじ〜第四章「伽藍の洞」〜

1998年6月、交通事故により約2年もの間昏睡状態に陥っていた両儀式が奇跡的に回復し目を覚まします。しかしその直後から彼女の目には「死の線」と呼ばれる不可思議な現象が見えるようになります。その線が何かを理解してしまった式はとっさに自分自身の目を潰すという選択肢を選ぼうとします。

しかしそれを止めたのは蒼崎橙子と名乗る女性で、その目の使い方を教えると交渉してきます。その際に式の中にいた人格「識」が既にいなくなっている事を式は知る事になります。「識」がいなくなってしまった事により生への執着が薄れてしまった式は抜け殻のような日々を過ごす事になります。

そんな彼女の元へ夜な夜な訪れる訪問者がいます。それは「識」が消えた隙間に入り込もうとしている悪霊達です。橙子が病室に施してくれた結界により凌いでいた悪霊達ではあったが、ある時霊安室に安置されていた遺体に乗り移り、物理的に結界を破壊して式に襲いかかったのです。式は橙子から渡されたナイフで応戦しなんとか「動く死体」を倒す事に成功します。

しかしそれはあくまでの死体を倒しただけで、中にいた悪霊はそのまま式に入り込んでしまいます。しかしそれは彼女の計算で、式自身の中に入り込んだ悪霊だけを倒す事ができたのです。

空の境界のあらすじ〜第五章「矛盾螺旋」〜

1998年10月、両儀式はひょんな事から自称人殺しを名乗る家出少年・臙条巴と知り合います。巴に助けを求められ自室を隠れ家として提供する事になった式は奇妙な共同生活を送る事になります。それから徐々に心を開いていく巴から式は親殺しの罪を告白されるのです。

しかしその内容は蒼崎橙子から依頼されていた事件に酷似している事に気付いた式は巴と共に事件があったとされ、また巴が住んでいたとされる小川マンションへと向かいます。そこで式と巴は事件の裏に潜んでいた真実に気付くのだが事件の元凶となった男・荒耶宗蓮の手によって式が連れ去られる事になってしまいます。

空の境界のあらすじ〜第六章「忘却録音」〜

1999年1月、魔術師見習いの黒桐鮮花は師である蒼崎橙子に命じられある事件の調査を行っています。それは鮮花の母校である礼園女学院で生徒たちの記憶が「妖精」のよって奪われてしまっているという内容のものです。

鮮花は妖精を視る事ができる力を持つ両儀式と共に母校である学園で調査を開始する事になったのだが、この問題の裏には魔術師が関わっている事が判明します。2人は事件を解決させるべく、魔術師・玄霧皐月を倒す手立てを考え始めるのです。

空の境界のあらすじ〜第七章「殺人考察(後)」〜

1999年2月、3年前と同じように再発してしまった連続猟奇殺人事件。この問題が浮上したタイミングで両儀式は黒桐幹也の前から忽然と姿を消してしまいます。式の事を信じ続けると誓った幹也は3年前に自分自身を人殺しと称した式を思い返す事になります。

そして式の無実を証明するために、幹也は単独で殺人事件の調査を始めるのです。その最中に麻薬事件をきっかけとして高校時代の先輩である白純里緒と再会し、里緒こそが猟奇殺人事件の犯人である事を突き止めます。

里緒は過去に式が倒した男・荒耶宗蓮が式のために用意した駒の1つで魔術と薬によってすでに人格が破綻しています。また、彼自身2年前に式に告白している過去があったのだがその際に「弱い人は嫌い」とフラれた事をいまだに心に残し、式に深く執着を見せていたのです。

なんとしても式を自分のものにしたいと考えた里緒は式と共に幹也も己の仲間にしようとするもその申し出を幹也に断られ激怒し、幹也を傷つけてしまいます。それが式の逆鱗に触れ式の手により倒されるという結末を迎えた。またこれが式が始めた犯した殺人となります。

空の境界アニメシリーズのあらすじを順番に解説〜終章・番外編〜

本作だけでもボリュームが多い空の境界ですが、実は最終章と呼ばれるものや番外編と言われている作品まで登場しています。これらもまた他の時系列とは異なった描かれ方をされているため、1度すべてのシリーズを観た人やこれから観ると言う人にもおすすめできます。ここではそれらのあらすじを紹介していきます。

空の境界のあらすじ〜終章「空の境界」〜

1999年3月、その日は雪の降る夜です。黒桐幹也は4年前と同じ場所で「両儀式」と再会します。しかしそこに立っていた式は幹也がよく知る人物ではなく、式の第三の人格と告げてきたのです。

両儀式には世界をも作り変えてしまう力があり、今の自分にはそれが可能である事を幹也に伝え、式や識も含めた「両儀式」としてのあり方、今まで表には出てこなかった第三の人格が世界と大きく関わりを持っているなどを幹也に知ってもらった上で黒桐幹也自身の本質にも目を向けさせる事となります。

しかしその点で式と幹也では決定的な「根源」が違うという事を言及し、それでも「万物」となりえた式と共に歩くかを問い、式と幹也の道が別れる事となります。

殺伐した感じで描かれている空の境界において、戦闘と呼べる戦いシーンが描かれていない珍しい作品となっています。しかしすべてのシリーズの総まとめとして描かれているため、なぜ「両儀式」という人物が世界の根源と関わりがあるのかを知るために重要な作品となっています。

空の境界のあらすじ~番外「未来福音」~

空の境界本作から10年もの歳月が経った後に生み出されたのが未来福音になります。原作では短編集で全5話が収録され、劇場版では「未来福音」「未来福音extra chorus」が公開されています。ここでは全5話のあらすじを順番よく紹介していきます。

1998年8月 01_feline -August, 1998-

両儀式と浅上藤乃の戦いから幾ばくが経ったある日、黒桐幹也は黒い野良猫を式に預けてその里親探しを始めます。黒猫はただただ幹也の帰りを式の部屋で待ち続けていたが、そんな時藤乃との戦いで失った左腕の義手に痛みを感じ始める式なのです。

時系列的には「痛覚残留」の直後と言える時間軸で、本編が不可解で事件性を帯びている非日常が舞台となっている中、ほんわかした空気のストーリーは空の境界の日常を描いていると言われています。

未来福音 Möbius ring


1998年8月、黒桐幹也はひょんな事から未来を視る事ができると言う少女・瀬尾静音と出会います。幹也と静音は喫茶店「アーネンエルベ」で一時の時間を楽しんでいたが、その裏では連続爆弾魔事件が発生します。両儀式はたまたまその事件の犯人を目撃してしまい、命を狙われるようになります。爆弾魔・倉密メルカもまた未来を視る事の出来る目を持っているが、同じ未来を視る力でも静音とメルカでは決定的に異なる未来があります。

この短編が劇場版空の境界「未来福音」として描かれているストーリーになります。作品で重要視される式と幹也が同じ力を持った別の人間と関わる事で12年後の未来の話に繋がると言う伏線にもなっています。

1998年10月 02_daylight -October, 1998-

礼園女学院の生徒である宮月は友人・安藤由子の自殺の原因が自分である事に絶望します。友人の自殺した現場へと訪れた宮月はそこで同じ学園の生徒・浅上藤乃と出会います。

時系列的には「痛覚残留」が終わった後になりますが、「俯瞰風景」で自殺してしまった少女の友人と「痛覚残留」で視力をほぼ失ってしまった藤乃が繋がる点としても貴重な物語となっています。

友人の死を嘆く者と己の道を信じた者との会話はそれぞれの考え方をうまく表現した作りとなっている事から、主人公である両儀式が直接的には関わってきていない作品であるにも関わらずファンの間でも人気の高い話となっています。

1998年12月 03_say grace -December, 1998-

大晦日の日に、両儀式と黒桐幹也は約3年ぶりに2人だけで初詣に行く事になります。神社へと足を進めながら幹也は以前式に預けた黒猫の事を話し始めます。

こちらもまた非現実とはかけ離れた日常を描いた話になっていますが、内容は「01_feline」で式が預かっていた黒猫の話になります。朗らかな2人を描いているため、空の境界という作品がただただ不可思議で殺伐とした作品でない事を感じられる作品として評判です。

未来福音・序 Möbius link

2010年8月、絵本作家である瓶倉光溜はとある廃ビルで地元の名代の専属興信所を営んでいます。そこに親元の娘・両義未那が訪れ1つの依頼を伝達してきます。心当たりがある光溜はある占い師の元へ向かうが好奇心が旺盛な未那はついてきてしまいます。

実はここが劇場版「未来福音」でも描かれている12年後の時系列になります。この光溜は未来福音においてかなり重要なキーパーソンとなり、明かされていく真相に思わず納得してしまう他ありません。

これでなんとなく想像が出来ている人もいるかもしれませんが、未来福音は番外編でありながら様々な時系列が織り交ぜられて作られている作品となります。また両義家で重要なポイントとなる未那の存在やこのシリーズで初めて登場するにも関わらず重要な鍵を握っている光溜など本作ではサブキャラとして描かれていた者や新しく登場するキャラなど新たな発見も数多くある作品になります。

空の境界とコラボしている作品ってどんなもの?

元々奈須きのこさんと武内崇さんが同人活動の際に生まれた作品がこの「空の境界」となります。また同人活度の際に出品していた出版社と商業として出品していた出版会社の違いもあり、権利問題からコラボが難しいと言われている作品でもありました。

そんな空の境界が唯一と言えるコラボを見せたのが2015年からスマートフォンアプリとしてリリースされていた「Fate/Grand Order」です。シナリオ監修に奈須きのこさん、キャラクターデザイン監修に武内崇さんが就くなどして作られているこの作品で、オリジナルストーリーとして空の境界のコラボが行われました。

その際にメイン主人公として描かれる両儀式と両儀式の「第三の人格」と呼ばれる両儀式の双方がキャラクターとして出てくる世界観のため、長年奈須きのこ作品を見ていた人にとっては嬉しいサプライズになっていたと言えます。また、復刻版の空の境界では両儀式だけでなく浅上藤乃も登場した事により、更に空の境界に興味を持ったプレイヤーが増えたとも言われています。

空の境界アニメシリーズを好きな順番で見てより楽しもう!

空の境界アニメシリーズの順番について解説していきましたが、いかがだったでしょうか。様々な順番で楽しむ事が出来る空の境界だからこそ様々な時系列での視聴方法があるのだと言われています。

しかしやはり一番は「自分自身が好きな順番」で楽しむ事ではないでしょうか?原作を読んだ後、空の境界作品を初めて触るなど観る人に応じて持っている知識が異なってきます。また、「キャラを知りたいから第一章から観る」「二章と七章を省いて時系列ごとに観る」など作品の良さを引き出せる順番を自分で模索するのも楽しみ方です。

空の境界ではどの順番で視聴しても楽しむ事ができる魅力もあります。ですので、ぜひ好きな順番から視聴してみてください。

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