【アンデッドアンラック】ニコの裏切りの理由は？敵になったのは妻が関係してる？

『アンデッドアンラック』（アンデラ）で、ユニオンの円卓メンバーNO.8のニコ・フォーゲイルが、突然組織を裏切ります。ニコが裏切りをした理由は何なのでしょうか？この記事では、ニコの裏切りの理由を探るとともに、妻イチコの関与や不忘など彼の能力について考察していきますが、まずはその前にアンデラの作品情報をお届けしましょう。最初にアンデラの作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

『アンデッドアンラック』（アンデラ）は、戸塚慶文による日本の漫画作品で、「週刊少年ジャンプ」の2019年9号に読み切り作品『アンデッド＋アンラック』として掲載された後、2020年8号より連載が開始されました。

2020年には「次にくるマンガ大賞 2020」コミックス部門で第1位を獲得し、2022年3月までに全世界での累計発行部数が150万部を突破しました。また、2023年にはテレビアニメが制作され、毎日放送・TBS系列ほかにて放送されるなど、現在最も勢いのある漫画作品の一つとなっています。

触れた相手に不運をもたらす不運（アンラック）の少女・出雲風子と何があっても死ねない不死（アンデッド）の男・アンディは、自分たちと同じ否定者が集まる「ユニオン」という組織に入り、喋る本・黙示録（アポカリプス）から出される課題（クエスト）をこなしていきます。課題には、モンスター・UMAや敵対組織・アンダーの討伐や捕獲などの難題がありました。

ここからは、この記事のメインテーマである『アンデッドアンラック』（アンデラ）のニコの話題に移ります。最初はニコのプロフィールからです。

『アンデッドアンラック』のキャラクター、ニコ=フォーゲイルは、ユニオンの円卓メンバー10名の中で第8席に位置するNo.8の男性です。バンダナで髪を逆立て、クマのような不気味な笑みを浮かべています。優れた技術者であり、組織が使用する武器や装備の開発を担当しています。少なくとも半世紀前からメンバーとして活動しており、アンディが組織に捕らわれると、拷問や解剖を担当していました。

詳しくは後述しますが、自身の忘却を否定する不忘（アンフォーゲッタブル）の否定者です。自己対象強制発動型で、どんな出来事も忘れることができなくなるため、苦しい記憶であっても鮮やかなまま記憶されてしまいます。ただ、不忘が発現する前の記憶は対象外であり、徐々に消えていきます。

『アンデッドアンラック』のニコは、組織「ユニオン」の中で自分専用のラボ（実験室）を持っています。ラボにはニコラボメンバーズというニコには及ばないものの、彼に匹敵する優れた頭脳を持った科学者たちが在籍しています。

ユニオンの科学者たちの役割は、主に組織がクエストを達成したり、あるいは失敗した際に発動するペナルティに関する規則（ルール）を伝えることです。ニコの娘であるミコ=フォーゲイルを筆頭に、ボウ、ザック、バウ、ラング、ポッチョの6人がメンバーとして活動しています。ラボには他にも科学者はいますが、その代表格が上記の六人の科学者なのです。

ここからは、『アンデッドアンラック』のニコの裏切りの理由や妻との関係を探っていきます。ニコは、ユニオンのベテラン科学者で、先に述べたように独自のラボを運営し、ラグナロクの脅威に備えて日々研究に没頭していました。ある日、不眠の否定者、イチコがラボの仲間になりました。

初対面の頃はニコとイチコは意見が合わず、喧嘩が絶えませんでした。しかし、共同の研究を通じて二人は男女の関係に発展し、やがて結ばれて夫婦となりました。幸せな時期が続いたものの、イチコは突然亡くなってしまいます。ニコは、長い間ユニオンのために献身的に働いてきました。そんなニコによる裏切りの動機を考えると、この妻イチコの死が関係しているようなのです。

イチコの死後、ニコは否定者としての能力を発現させました。不忘の否定者となり、一度覚えた記憶はどんなことであれ、消去されないようになりました。この能力のデメリットは、発現前の記憶が、後から追加された膨大な量の記憶に圧倒されることです。妻イチコとの思い出も、後の記憶に圧倒されて次第に薄れていき、消えていく様子が描かれています。

ニコの能力が発現したのはイチコが死亡した直前であり、それ以降の出来事は鮮明に覚えています。しかし、最も大切な思い出である愛するイチコとの想い出は、この能力の発現前の出来事であるため次第に曖昧になり、思い出すことが難しくなっていきました。この「不忘」の能力もニコの裏切りのきっかけを作ったと言えそうです。

『アンデッドアンラック』で、最初は仲が悪かったニコとイチコも、共通の目的に向かっていくうちに互いに協力することが増えていきました。イチコは不眠で目のクマが悩みの種でしたが、ニコがクマを目の上に移動させる画期的なアイデアを提案します。それがきっかけで二人の関係は親密になっていきました。その後もお互いに距離を縮め、結婚し、ミコという可愛い娘が誕生しました。

ラボの所長であるニコの娘として産まれたミコ=フォーゲイルは、組織の否定者（世界の理を否定する業の器になった者）です。後に、父・ニコの部下となり、「ニコラボメンバーズ」のトップに就任しました。

『アンデッドアンラック』では、神との最終戦争、ラグナロクに向けて「ユニオン」は最終段階の準備に入っていました。そのため防衛力が少し低下している隙をついてニコは反逆を起こしたのです。それでは、『アンデラ』のニコはどんな理由でそんなことをしたのでしょうか？

『アンデッドアンラック』のニコが裏切りを起こした理由は、組織がらみの出来事がきっかけでした。それは、組織がUMAオータムを捕まえたことでUMAゴーストが追加されました。UMAゴーストは、妻のことを忘れられないニコの心に働きかけます。「イチコの魂を風子の魂と交換することができる」とニコにユニオンの裏切りをそそのかしたのです。

ニコは、「妻イチコのことを思い出したい」という一心でUMAゴーストの申し出を受け入れます。この時、ニコは、アンディに戦いを挑みましたが、負けて倒されてしまいました。

ニコはイチコと再会するために組織を裏切りました。ニコとイチコが初めて出会った時、イチコは長い髪と胸の目立つ服を着用しており、ニコはそれが気に入りませんでした。しかし、二人は共に科学に対する熱い思いを持っており、二人の距離は次第に縮まっていきました。二人は否定者を再現する人形・アストラルドールの設計に携わっていたのですが、その人形は魂がないと完璧に動きませんでした。

ミコを難産の末に出産したイチコは、その影響で亡くなってしまいます。その瞬間、ニコの不忘の能力が覚醒したのです。そのため、イチコに関しては死亡直前の記憶しか残っていません。ニコは、イチコの思い出が完全に消えてしまう前に、組織を離れてでも彼女に再会したいと思いました。

アンデラのニコの能力は不忘（アンフォーゲッタブル）です。一度見たものを決して忘れずに記憶することが可能で、それは技にも当てはまります。欠点は、能力を得る前の記憶を忘れていってしまうことです。ここまで見てきたように、ニコは心からイチコを愛していました。彼は不愛想な人間ですが、組織のために尽力してきた信頼のおける人物であり、ユニオンの仲間たちは彼が組織に背を向けたことに驚かされました。

『アンデッドアンラック』で、ニコがユニオンに背いたのは、妻イチコの記憶を失いたくなかったからです。ニコが不忘の能力を発現した理由は不明ですが、ニコにとっては辛い能力だったのかもしれません。

『アンデッドアンラック』のニコを支えてきたのは、彼の持つ科学力であり、それが強さの秘密です。サイコポッドベリーズだけでなく、地球や宇宙の人と話せるネクタイや、ボイドやタチアナが着る特別なスーツも彼の発明品になります。その中でも最高傑作は、不忘を使って仲間の能力を再現できる人形、アストラルドールでした。

『アンデラ』のニコは、黒い浮遊球体・サイコポッドベリーズを武器として使います。サイコポッドベリーズはニコの発明品であり、レーザービームやビームカッターとして攻撃できますし、移動や情報検索、医療装置としても使える優れモノです。

通常はこれを3基使っていますが、11基まで同時に使えるようです。2基を熱線でつなぐと、アンディでも切断できるレーザーカッターになります。また、ミコたちに情報を送ったり、移動手段としても使っていました。

『アンデッドアンラック』のニコは、科学者ということで戦闘は苦手だと思われがちですが、遠距離戦も近距離戦も得意です。アンディが元の人格、ヴィクトルになった時も、サイコポッドベリーズで遠距離から彼の体を切り裂いていました。近距離戦なら不忘の能力で仲間の能力をコピーして攻撃できます。ニコは遠距離も近距離もどちらもこなせます。

『アンデッドアンラック』のニコは、アンディ戦で敗北を喫します。ニコは、ボイドやジーナ、ジェイス、そして力のアストラルドールでアンディを追い込み、捕らえることに成功します。しかし、アンディは魂で動いていたので、結局のところ止められませんでした。アンディにイチコと共に作った発明品を破壊されてしまいます。発明品は全て壊れて、ニコの文字もなくなってしまいました。

『アンデッドアンラック』のニコの自我が消失した結果、UMAゴーストが支配権を握りました。ニコはUMAゴーストに乗っ取られたのです。UMAは、ニコの肉体を制御することで魂と肉体の両方にアクセスでき、アンディ戦では風子の魂を奪って優位に立ちました。

『アンデッドアンラック』のニコは、ゴーストが理に反したことに怒り、自我を奪い返しました。自意識を取り戻しニコはゴーストを制しながら、風子の魂をアンディに渡しました。ゴーストが倒されても理はすぐには消えないので、その間に風子を救うように算段し、最後はアンディに斬られます。ニコはイチコたちの魂に見守られながら死亡しました。

ここまで『アンデッドアンラック』のニコ特集をお届けしてきましたが、最後にニコに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

『アンデラ』のニコは、自分の命と引き換えに風子を救おうとしました。こちらのツイートを投稿した方は、ニコの愛と犠牲の精神に感動し、涙したのでしょう。

この記事では、ニコの裏切りの理由として、亡くなった妻のイチコと再会するためとしました。こちらの投稿者は、妻に会いたい気持ちはわかるものの「娘のミコはどうなる？」と疑問を呈しています。かわいい娘の前で裏切り行為をしたニコを断罪しているようでした。

ニコの能力「不忘」は、結果的彼の愛する者との大切な思い出を奪ってしまいました。『アンデッドアンラック』の世界には「理」という神が存在しますが、この投稿者が言うように、人の心については一切考慮していないようです。

この記事では、『アンデッドアンラック』のニコに焦点を当て、不忘などの能力や組織への裏切りの理由、そして彼の最後について考察してきました。

「ユニオン」への忠誠を誓っていたニコですが、亡くなった妻イチコのことが忘れられません。そんなニコにUMAゴーストが取引を持ち掛けます。「風子とイチコの魂を交換しよう」とニコの心に働きかけたのです。また、イチコが亡くなる瞬間にニコの不忘の能力が覚醒したため、死亡する前のイチコとの大切な想い出が全て消えてしまいました。こうしたこともあり、ニコは組織への裏切り行為を犯してしまいました。