【MIX】立花英介はなぜ死亡した？死因や作者・あだち充の意図を考察

立花英介は、『MIX』の主人公である立花兄弟の父親です。物語序盤から登場し、投馬や走一郎の野球の試合を熱心に応援してきました。立花英介はしばらくは何事もなく平和に暮らしていましたが、物語の途中で突然死亡します。本記事では、立花英介の死因などを詳しく解説します。

MIXは、あだち充さんによる青春ラブコメ漫画です。あだち充さんの過去作である『タッチ』に登場した、明青学園野球部が舞台となっています。小学館のゲッサンで、2012年から連載が始まりました。2024年1月時点で21巻まで単行本が発売されており、累計発行部数は800万部を超しています。

立花投馬と立花走一郎は、親同士の結婚で兄弟となりました。2人は一緒に明青学園に進学し、野球部に入りました。野球部では投馬がピッチャー、走一郎がキャッチャーとして活躍します。投馬と走一郎の2人は兄弟バッテリーとして有名になり、他の強豪校からも注目されるようになります。高校2年の夏に惜しくも甲子園行きを逃した2人は、最後の夏に向けて練習に励むのでした。

MIXの立花英介は、立花投馬の実の父親です。走一郎と音美の母親と再婚し、3人の子供の父親となりました。立花英介も息子たちと同じ明青学園の出身で、上杉達也の3学年下の世代です。立花英介は高校時代野球部で、ピッチャーを務めていました。しかし、才能には恵まれず、万年控え選手として過ごします。全国制覇を果たした上杉達也には、強い憧れを抱いていたようです。

MIXの立花英介が死亡したのは、明青学園が東東京大会の準決勝で勢南と戦っていたときのことです。この試合は、投馬と西村の激しい投手戦となりました。投馬は走一郎が驚くほどの見事なピッチングで、7回まで勢南打線を完璧に押さえます。しかし、8回の表、勢南の西村にホームランを打たれて1点を失いました。このとき作中では時計がクローズアップされ、投馬が「12時50分か」とつぶやきました。

そして、この時間こそが、立花英介が死亡した時間だったのです。投馬がホームランを打たれたのはMIXの107話ですが、ここではまだ立花英介の死は明かされていません。立花英介が死亡したと明記されたのは、MIX110話でした。109話では明青学園が勢南に勝利し、野球部員たちが「あとひとつで甲子園」と盛り上がる様子が描かれています。

ところが、続く110話ではその後の試合の描写はなく、何気ない日常のワンシーンから物語が始まります。投馬は買い物に出かけ、帰る途中で原田正平に会いました。投馬は原田の家に無理やり連れて行かれ、昼食に誘われます。そこで原田が何気なく口を開き、立花英介の死に触れました。110話の最後には立花英介の遺影も登場し、立花英介が死亡したことが明らかになりました。

明青学園の準決勝では、立花英介が死亡する伏線がいくつも張られていました。あだち充さんの漫画では主要キャラが死亡することが多いため、これらの伏線に気づいたファンも多いようです。その日立花英介は息子たちの応援をするため、試合会場へと足を運びました。立花英介は出かける際に家に携帯電話を忘れてしまい、音美は母親からその携帯電話を預かります。

しかし、試合が終わっても立花英介が見つかることはなく、音美は結局その携帯電話を持ったまま家へ帰りました。連絡がつかない状態のまま姿を現さない立花英介に、不穏な空気を感じた読者は少なくありませんでした。また、試合の途中で救急車が走るシーンがはさまれたことで、立花英介は事故死したと推測した人もいたようです。実際のところ、立花英介の死因は事故ではありませんでした。

しかし、実際の死因がはっきりするまでは、立花英介の死因は事故であるという説が多く見られました。立花英介の死因を事故と感じた読者は、おそらく『タッチ』の上杉和也の死因に影響を受けたのでしょう。タッチでは上杉達也の弟の和也が事故死し、そこから上杉達也の野球人生が始まります。MIXはタッチと深い関係にあるため、和也の死因が頭に思い浮かんだ人が多かったと推察されます。

MIXの立花英介の死因は、死亡が確定してからもしばらく明かされませんでした。立花英介がどのように亡くなったかはっきりしたのは、MIXの113話です。投馬は1人で朝食を食べているとき、立花英介の遺影を眺めながら父親が死亡したときのことを回想しました。投馬の回想により、立花英介の死因が心筋梗塞であったことが明らかになります。

立花英介は毎年の健康診断でも何の問題もなく、健康体だったようです。ただ、やや小太りな体型であるため、肥満気味だったと可能性があります。また、立花英介はお酒が好きで、作中では飲酒シーンもよく見られました。こうした肥満気味な体型や生活習慣が、心筋梗塞につながったと考察できます。

MIXの作者であるあだち充さんは、物語の途中で登場人物を死亡させることが多いです。登場人物の死はその後の物語に大きな影響を与え、作品をさらに深みのあるものにします。では、あだち充さんはどのような意図で、MIXの立花英介を死亡させたのでしょうか？立花英介の死に関し、あだち充さんが公式にコメントしたことはありません。ただ、読者の間では、投馬が音美とくっつくためのお膳立てではないかといわれています。

投馬と音美は血の繋がりがない兄妹ですが、立花英介がいることで家族として成り立っていました。しかし、立花英介が死亡したことで、投馬は立花家とは何の関わりもない人間になってしまったのです。作中では実際に、立花英介の死後に投馬が疎外感を抱いている描写が出てきます。立花英介の死により、投馬は立花家の人間ではないことが強調されました。それにより、音美との恋愛関係も進めやすくなったと考察できます。

立花英介が死亡した後の立花家は、どこか物悲しい雰囲気が漂っています。ただ、残された家族は今後も生きていかなければならず、いつまでも悲しんではいられません。投馬たちは立花英介との思い出を大事にしつつも、少しずつ前を向いて歩き出すでしょう。そして、高校3年生の夏に、甲子園出場を叶えると推察されます。ただ、甲子園出場だけで終わるか、その先まで描かれるかはわかりません。

もしも全国制覇を成し遂げたとすれば、タッチの上杉達也が関係してくる可能性もあります。これまでも何度か上杉達也の名前は出てきましたが、明青学園が全国制覇をすれば、さらに名前が上がりやすくなるでしょう。ただ、現在の上杉達也が出てくるかどうかは、定かではありません。仮に登場するとしても、後ろ姿だけチラリと描かれるような、わずかな登場シーンである可能性が高いです。

MIXのアニメで立花英介を演じたのは、声優の高木渉さんです。高木渉さんは1966年7月25日生まれのA型で、出身地は千葉県君津市です。勝田声優学院を卒業し、後にアーツビジョンの所属となります。『ミスター味っ子』で声優デビューを果たし、その後さまざまなアニメに出演してきました。趣味と特技には、スノーボードを上げています。

高木渉さんは、『名探偵コナン』の小嶋元太と高木渉の声優として知られています。名探偵コナンでは、他にも仮面ヤイバーなど多くのキャラを担当しています。名探偵コナン以外の主な出演アニメと演じたキャラは、『GTO』の鬼塚英吉、『はじめの一歩』の青木勝、『ゲゲゲの鬼太郎（第5作）』のねずみ男などです。近年では、『うる星やつら（2022）』の錯乱坊、『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-（2023）』の比留間伍兵衛などを担当しています。

MIXの立花英介の死には、「悲しい」「辛い」という感想が相次いで寄せられています。たった1人の肉親を亡くした投馬にも同情の声が集まっており、暗い展開を嘆く声が多く上がっていました。また、立花英介がなぜ死ななければならなかったのかと、首をひねる人もいました。

MIXの立花英介には、「キーマン」というコメントが見られました。立花英介は自身も明青学園の野球部に所属しており、走一郎や音美の父親である澤井とも深い関係にありました。物語が進みにつれて、立花英介の重要な立ち位置に気づいた読者もいたようです。

明るく朗らかな立花英介は、MIXでも人気が高いキャラでした。しかし、物語途中で死亡したため、多くのファンが早すぎる退場を惜しんでいました。立花英介が好きでMIXを見ていた人からは、「続きを見るのを迷う」というコメントも上がっています。

MIXの立花英介の死因や、作者のあだち充さんの意図の考察などをまとめました。立花英介は原作の110話で死亡が確定し、読者に衝撃を与えました。立花英介の死に関しては、どのような作者の意図があったかは発表されていません。ただ、立花英介が死亡したことによって、立花兄弟や音美の今後が大きく変わってくることは確かでしょう。