ヘルシングのアニメがひどいと評価されるのはなぜ？酷評の理由は原作改変？

「HELLSING（ヘルシング）」は、1990年代末から2000年代にかけて連載され、大ヒットを記録したダークファンタジー漫画です。ヘルシングは、2001年にテレビアニメ版が放映されましたが、その出来がひどいと酷評されてきました。また、後年制作されたOVAは、評価が高いことで有名です。この記事では、ヘルシングのテレビアニメ版がひどいと評される理由を中心に、原作漫画との違いやOVAについても紹介していきます。

ヘルシングの原作漫画は、ヤングキングアワーズ誌上にて、1998年から2009年まで連載されました。コミックスは全6巻で、累計発行部数が400万部を突破しています。一方、ヘルシングのテレビアニメ版は、2001年10月11日から2002年1月17日まで、全13話が放映されました。同作品のテレビアニメ版は、かつてDVDが発売されていたとのことですが、現在は絶版です。また、2023年12月現在、動画配信も行われていません。

ヘルシングは、20世紀末のイギリスからストーリーが始まります。同作品においては、吸血鬼が当たり前に存在していることが明らかにされました。そして、イギリスでは、不可解な吸血鬼事件が頻繁に起きていたのです。事態を重く見たヘルシング家当主のインテグラは、私設で王立国教騎士団を率いていました。この団体は通称ヘルシング機関と呼ばれていて、絶大な力を有する吸血鬼のアーカードと婦警のセラスが使役しているのです。

2001年に放映されたヘルシングのテレビアニメ版は、タイトルが「Hellsing」となっているなど、原作版との違いが多く見られるとのことです。また、テレビアニメ版は放映当時は無論のこと、現在でもSNS上で「ひどい」と酷評されていました。なぜ、ヘルシングのテレビアニメ版はひどいという評価が多いのでしょうか？この章では、ヘルシングのテレビアニメ版がひどいといわれる理由や原作漫画との違いなどを、考察紹介します。

ヘルシングの原作漫画とテレビアニメ版を比較すると、多くの違いが見られます。テレビアニメ版では、ヘルシング機関が私設機関ではない扱いになっており、ファンの間で違和感が生じました。また、テレビアニメ版のインテグラがヘルシング機関並びにヴァチカンに協力することを拒んだため、ヴァチカンメンバーが登場しなくなるという展開もあり、これ以降アニメオリジナルエピソードが増えたとのことです。

さらに、テレビアニメ版ではセラスが全く躊躇せず血液を飲んだシーンがあり、原作漫画そのものを揺るがす描写として、一層ひどいと酷評されました。アニメ化にあたって、原作から改変が行われるのは、どの作品にも見受けられます。しかしながら、ヘルシングテレビアニメ版の場合は、あまにも原作漫画と違い過ぎることで、ファンの不興を買いました。

ヘルシングのテレビアニメ版と原作における最も大きな違いといわれたのは、ナチス関連の描写がまるごと削除されたことです。これによってナチス残党によって結成されたミレニアムが登場せず、少佐や大尉、そして博士（ドク）の出演がオミットされました。特に、少佐は悪役キャラクターでありながらファンの人気が極めて高い人物なので、少佐がテレビアニメ版に登場しないことで多くのファンが落胆し、ひどいと声を上げたのです。

因みに、ヘルシングのテレビアニメ版でナチス関連エピソードが描かれなかった理由は、同作品が海外に配給される際の配慮だったといわれています。特にヨーロッパでは、ナチスに関する描写がデリケートだとされており、「ジョジョの奇妙な冒険」のテレビアニメ版でも、ルドル・フォン・シュトロハイムの所属がナチスからドイツ軍に変更され、ストーリー内で「ナチス」という単語は一切出てきませんでした。

ヘルシングの原作者は、平野耕太です。平野耕太は、アクションとギャグを得意とする漫画家として知られ、ヘルシングの他に「進め!以下略」や「ドリフターズ」を大ヒットさせました。彼は、歯に衣着せぬ発言が多いことでも有名で、ヘルシングのテレビアニメ版に対しても酷評したという噂があるのです。今回、平野耕太がヘルシングのテレビアニメ版についてどのような発言をしたのか調べたところ、以下のようなものがありました。

ヘルシングの原作者の平野耕太は、テレビアニメ版の第1話を観た際には、大きな期待を寄せていたことが窺えます。しかし、ヴァチカン関係者が登場しなくなり、アニメオリジナルの展開を見せ始めると、「（アレクサンド・アンデルセン役を演じた）野沢那智の無駄遣い」と酷評しました。また、アニメ版ヘルシングのDVD特典予定だったイラストを描くことも断っています。

平野耕太が、ヘルシングのテレビアニメ版に対して発したコメントの中で最も有名なのは、「ヘルシングのテレビアニメ版のDVDをまんだらけに売った」という主旨の発言です。原作漫画を蔑ろにされたという気持ちを、平野耕太は強く持っており、そのような彼を多くのヘルシング原作漫画ファンが支持しました。

ヘルシングのテレビアニメ版が、ひどと酷評されてきたことは、前章までで触れてきました。この章では、原作漫画ファンからも大絶賛されているヘルシングのOVAについて、概要と評価が高い理由を取り上げていきます。

• 原作をそのままアニメ化する
• 原作漫画の連載が終了するまでOVAをリリースする

ヘルシングのOVA版は、上記のコンセプトを旗頭にして、2006年に1巻が発売されました。そして、連載終了後もリリースが続き、2012年12月に出た10巻をもって完結しています。ヘルシングのOVA版の円盤は、現在も発売中で、他にもAmazon Prime VideoやHuluなどの有料動画配信サービスにて鑑賞可能です。

ヘルシングのOVA版の評価が高い理由は、原作漫画に準拠したストーリー展開であることです。また、キャラクター造形やバトルシーンなども原作に準拠しており、コアなファンをも唸らせる結果となりました。先述のように、テレビアニメ版を観ることは難しいですが、OVA版は容易に観られる点も高ポイントとなっています。

この章では、ヘルシングのアニメ版に関するX（Twitter）でのつぶやきを、いくつか取り上げていきます。同作品のアニメ版は、インターネット上でどのような感想や評価を受けているのでしょうか？

こちらは、ヘルシングの大ファンだと思われる方のツイートです。同作品のOVA版を非常に高く評価している一方で、テレビアニメ版についてもOPとBGMは好きだったとつぶやいていました。

こちらは、ヘルシングを熱心に見ていると思われる方のツイートです。原作漫画について、シリアスパートもギャグシーンも面白いという感想を持っており、テレビアニメ版については酷評していました。

こちらは、漫画とアニメのファンだと思われる方のツイートです。ヘルシングのテレビアニメ版について、原作者の平野耕太がひどいと評価していたと思うとつぶやいています。

この記事では、ヘルシングのテレビアニメ版がひどいといわれる理由について特集してきました。2023年12月現在、テレビアニメ版を観る方法は難しいとのことです。是非一度、ヘルシングの原作漫画とOVA版を見てください。