文ストの中原中也と双黒・太宰治の過去を考察！異能や声優キャストは？

強い異能力を持つ中原中也と、一風変わった異能力を持つ太宰治。中原中也と太宰治は文ストの中でも非常に人気の高いキャラクターです。過去に中原中也と太宰治は双黒と呼ばれる最強のコンビでした。会う度にケンカをする犬猿の仲の中原中也と太宰治。この記事では中原中也と太宰治を演じた声優、舞台俳優、２人の過去、異能の力、能力の相性を解説しつつ、２人の関係性について考察してまいります。

「文豪ストレイドッグス」（略・文スト）は、文豪とその作品名等を題材とした異能力バトルアクションストーリーです。ヤングエースから漫画が連載され、2016年にはアニメ化された人気作です。原作は朝霧カフカさん、作画は春河35さんが担当しています。文豪が現代人に好まれるキャラクターとして描かれ、異能力を使ってバトルを繰り広げるという今までにない世界観も人気要素の一つです。

文ストの主人公・中島敦は孤児院から見捨てられ横浜の町をさまよっていたところ、武装探偵社の太宰治と出会います。太宰治との出会いをきっかけに、中島敦は近頃町を騒がせていた巨大な虎が自分の異能力によるものだと知ります。太宰治の協力のもと、武装探偵社に入った中島敦は敵対する組織ポートマフィアや組合との争いに巻き込まれていきます。異能力の名前には主にそれぞれの文豪の作品名がつけられています。

文ストの中原中也のプロフィールについて紹介していきます。中原中也はポートマフィアに所属しています。4月29日生まれで年齢は22歳。160cmと小柄ですが身のこなしが軽やかで柔術が得意です。血液型はB型。好きなものに帽子、ケンカ、酒、音楽を挙げており、嫌いなものに太宰治を挙げています。ポートマフィアに入ったばかりのころは尾崎紅葉の部下でもあり、彼女のことは姐さんと呼んでいます。

文ストの中原中也が所属しているポートマフィアとは、森鷗外を頭とする横浜を拠点とする凶悪犯罪組織です。主人公・中島敦や太宰治が所属する武装探偵社と敵対しています。武装探偵社と同様、幹部は強い異能力を持った者たちで構成されており、中原中也もポートマフィア五大幹部の一人です。

文ストの作中で、中原中也は夢野久作に殺された部下のことを思い出すなど、部下のことは大切に思っているようです。また、同じポートマフィアの梶井基次郎や広津柳浪とよく酒を飲みかわすようで、組織内では良好な人間関係を築いている様子が伺えます。

中原中也はベストに黒いズボン、ひざ丈ほどある黒いジャケットを羽織っています。好きなものに帽子を挙げているだけあって、常につばの浅い黒い帽子を被っています。しかし太宰治からは「恥ずかしい帽子」と揶揄されてしまいました。左へ流したアンシンメトリーの髪形と挑発的な目つきが特徴です。

中原中也は太宰治と会う度に先にケンカごしで絡みます。しかし、太宰治は中原中也の行動パターンや思考パターンを読んでいるかのように毎回言い負かしています。中原中也と太宰治のリズムの良いケンカは文ストではお馴染みの掛け合いとなっています。

文ストの中原中也の異能力名は「汚れつちまつた悲しみに」です。能力は自分自身も含むあらゆる重力を自由に操作できるというものです。こうした能力から、壁や天井の上を重力無視で自在に行動することが可能です。己の身体能力の高さも相まって、ポートマフィアでは五大幹部の一人として活躍しています。

文ストの作中において、一人で武装探偵社に入り込み、同じく異能力者の宮沢賢治と与謝野晶子と戦闘の際は、その戦闘能力の高さを伺い知ることができます。

そして「汚れつちまつた悲しみに」が進化した異能力が「汚濁」というものです。「汚濁」を使うとさらに強力な重力操作ができるようになりますが、己が死ぬまで戦い続けてしまうという最大の難点があります。

文ストの中原中也を演じた声優は、谷山紀章さんです。1975年8月11日生まれ山口県ご出身です。GRANRODEO、ワイルド三人娘という音楽ユニットのメンバーとしても活躍されています。第6回声優アワード歌唱賞を受賞しています。

演じた役に「せんせいのお時間」関譲治役、「君が望む永遠」鳴海孝之役、「DearS」幾原武哉役、「ゾイドジェネシス」ロン・マンガン役、「天元突破グレンラガン」キタン役、「おおきく振りかぶって」花井梓役、「スカイガールズ」橘遼平役、「幕末Rock」坂本龍馬役、「絶対可憐チルドレン」賢木修二役、「AMNESIA」イッキ役、「進撃の巨人」ジャン・キルシュタイン役などがあります。

舞台版の文ストで中原中也を演じたのは、俳優でタレントの植田圭輔さんです。1989年9月5日生まれ、大阪府のご出身です。舞台の出演作に「少年陰陽師＜歌絵巻＞ -この少年、晴明の後継につき-」安倍昌浩役、「王室教師ハイネ」ハイネ・ヴィトゲンシュタイン役、「弱虫ペダル」 真波山岳役、「ノラガミ」雪音役、「おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN’S SHOW TIME〜」チョロ松役などがあります。

文豪・中原中也は、1907年4月29日から1937年10月22日を生きた人物です。詩人、歌人、翻訳家として知られています。著書に「在りし日の歌」、「山羊の歌」などがあります。親しみやすい言葉選びと幻想的な作風で、文学をあまり読まないという人にも人気があります。

文豪・中原中也の写真には黒づくめの礼服を着た写真が多く残っています。また、大の酒好きで酒乱としても知られています。酒癖の悪さが分かるエピソードも数多く記録されています。文ストの中原中也の酒癖の悪さはまだ作中にはでてきませんが、今後描かれる可能性はあります。モデルになった人物なだけあり、文ストの中原中也との共通項が目立ちます。

余談ですが、文豪・中原中也は文豪・宮沢賢治の作品を好んだといいます。文豪・中原中也は文豪・宮沢賢治の作品の影響を受けたのではないかと考える人もいます。このあたりのエピソードも作品に盛り込むのだとしたら、今後文ストでの２人の関係にも注目したいところです。

文ストの太宰治のプロフィールを紹介していきます。元々ポートマフィアに所属していましたが、ある事件をきっかけに武装探偵社に入ります。身長181cm、22歳。血液型はAB型。好きなものに自殺、酒、蟹、味の素を、嫌いなものに犬、中原中也を挙げています。中原中也も太宰治も、嫌いなものにお互いがお互いの名前を挙げています。常に穏やかなしゃべり口調ですが、飄々としており、つかみどころのない性格です。

文ストに登場する武装探偵社とは、社長である福澤諭吉先導のもと創られた組織です。主に異能力を持つメンバーで構成されており、警察が介入できない事案を解決する役割を担います。そのため、裏で勢力を広げているポートマフィアとは敵対関係にあります。

ウェーブがかった短い髪形。格好は長いベージュのコートに白いシャツとズボン。首元や手首に包帯を巻いています。苦しんで死ぬのは嫌なようですが、自殺マニアを自称しています。「完全自殺読本」を愛読しており、作中では様々な方法の自殺を試しています。初登場シーンでは入水自殺を試み、川に漂流していました。女性に優しく、美女と心中することを夢見ている少し変わった人物です。

文ストの太宰治の異能力名は「人間失格」です。能力は異能力の無効化で、異能者や異能の力そのものに触れることで無効化の能力を発揮します。故に異能力をコントロールできない状態の中原中也や、中島敦のサポート役にまわることがあります。

文ストの太宰治役を演じた声優は、俳優、歌手、ナレーターでもある宮野真守さんです。第2回声優アワード主演男優賞、TAF東京アニメアワード声優賞、第6回声優アワード助演男優賞と歌唱賞、日本アニカン大賞2012男性声優部門第1位、第8回声優アワード歌唱賞などといった受賞歴があります。

代表作に「ヴァンパイア騎士 シリーズ」錐生零役、「ソウルイーター」デス・ザ・キッド役、「デュラララ!!シリーズ」紀田正臣役、「妖狐×僕SS」夏目残夏役、「信長協奏曲」サブロー役、「STEINS;GATE」岡部倫太郎役、「まじっく快斗1412」白馬探役、「血界戦線」ドグ・ハマー役、「雨色ココア」桜木涼太役、「私立らいよん学園」帝塚山らいよねる役など多数あります。

舞台版の文ストで太宰治役を演じたのは、俳優の多和田秀弥さんです。1993年11月5日生まれ、大阪府のご出身です。舞台の出演作に「100年分の声援を」デジマ役、「ソラオの世界」ソラオ役、「ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン」手塚国光役、「新・幕末純情伝」土方歳三役、「ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』」 エルトン役などがあります。

文豪・太宰治は、1909年6月19日から1948年6月13日の時を生きた人物です。生前、多くの文学作品を書き残しました。心理描写がリアルかつ繊細であるとの評価が多く見られます。執筆作に「人間失格」、「走れメロス」、「ヴィヨンの妻」「眉山」などがあります。

現在武装探偵社に所属する太宰治ですが、元はポートマフィアに所属していました。そして、ポートマフィアに所属していた時、中原中也とは双黒と呼ばれるコンビを組んでいたのです。仲の悪さは当時から顕在なようで、中原中也は太宰治がポートマフィアから足を洗った時に秘蔵の酒を開けてお祝いしたといいます。

しかし作中で、太宰治を他人に殺されるのは耐えられない、太宰治は自分が殺すといった旨の発言をしています。中原中也は太宰治に憎悪の火を燃やす一方で、認めている部分もあるようです。

中原中也の異能力「汚れつちまつた悲しみに」と、太宰治の「人間失格」は非常に相性がよく、双黒は黒社会最悪の二人組という異名がつくほど恐れられていました。その力は、わずか一夜で反抗勢力の組織を撃滅したというほどです。

中原中也の異能力「汚れつちまつた悲しみに」はその上の形態があります。異能名を「汚濁」といい、強大な力で自身や周りのあらゆるものの重力を操ることができます。しかし、「汚濁」は中原中也自身では力をコントロールできず、死ぬまで暴れまわってしまうという難点があります。

そこで必要なのが太宰治の「人間失格」の異能力です。異能力を無効化する太宰治の異能力のサポートを得ることで、中原中也は「汚濁」を使うことがでるのです。しかし生死が関わるこの異能力は、太宰治への信頼がなければできないことです。

組合の幹部ハワード・フィリップス・ラヴクラフトと対戦した際、中原中也と太宰治は再びダックを組みます。太宰治は「人間失格」の異能力を使うためハワード・フィリップス・ラヴクラフトに触れましたが、その能力が無効化されることはありませんでした。ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの能力は異能力によるものではなかったのです。

中原中也はハワード・フィリップス・ラヴクラフトとの対戦において「汚濁」の異能力を使いました。ポートマフィアと武装探偵社という敵対した立場になっても、太宰治のことを相棒はたまた戦友として信頼していたのでしょう。この対戦で、２人は互いを信頼し合ったような息ぴったりの戦闘を見せます。

リスクが高い「汚濁」の異能力を使うというところを見るに、中原中也は太宰治のことは嫌いだが、相棒としては信頼はしていると考察できます。さらに中原中也は毎回ケンカを吹っかけ、太宰治はそれに毎回対応しています。仲が良いのか、悪いのか、文ストファンの間では判断基準は人によって様々です。

ここまで文ストの登場人物・中原中也と太宰治を演じた声優や俳優を紹介しつつ、その関係を考察してまいりました。戦闘において２人は最高の相棒であり、最強のコンビです。中原中也と太宰治の会話や駆け引きを見ても、一言では説明し難い関係のようでした。今後の物語展開で、２人の関係や、中原中也を取り巻く人間関係はどうなっていくのか注目していきましょう。