【銀河英雄伝説】 ラインハルトは最後死亡する？最終回やその後の王朝を考察

銀河英雄伝説の主人公の1人として描かれるのがラインハルトです。この記事では銀河英雄伝説のラインハルトについて、ネタバレありでまとめて紹介していきます。

銀河英雄伝説（通称銀英伝）は、1982年～1989年に、田中芳樹先生が発行していたSF小説を原作とするメディアミックス作品群です。本編10巻、外伝4巻の合計14巻の内容となっており、原作の連載開始から既に40年が経過したにも関わらず、高い人気を誇る作品となっています。元々刊行していたトクマ・ノベルズレーベル以外にも愛蔵版や、他メディアミックスに合わせての展開など、これまで度々刊行されています。

メディアミックスは、漫画化、ゲーム化、舞台化、実写化、宝塚化など幅広く扱われる題材になっています。中でもアニメ化は1988年から2000年にかけてOVAと映画シリーズを中心に展開されており、その後2018年からは、再アニメ化が行われるなど、異例な動きも多い作品になっています。

遥か未来、人類は宇宙に進出して2つの陣営に分かれていました。銀河帝国と、共和主義を謳う自由惑星同盟です。戦端が開かれて150年が経過する中、停滞する両陣営の戦いですが、自由惑星同盟にヤン・ウェンリー、銀河帝国にこの記事で紹介するラインハルトが登場します。この2人の登場で、歴史が大きく動くことになるのです。

ラインハルト・フォン・ローエングラムは銀河英雄伝説（銀英伝）における2大陣営の1つ、銀河帝国で誕生したキャラクターです。帝国の首都星オーディンにおいて、下級貴族の家に長男として生まれた金髪と蒼氷色の瞳が特徴的な美青年として描かれています。幼い頃に母を失っており、5歳年上の姉アンネローゼに育てられた過去を持っています。

しかしそのアンネローゼが、皇帝の後宮に召されたことで、帝国の体制に疑問視を持つようになりました。その後、ラインハルト自身の活躍と、姉アンネローゼの立場も相まって異例の昇進を続けており、銀英伝の物語開始時点で、軍人としては上級大将、貴族としては伯爵の地位を勝ち取っていました。しかしそれだけに飽き足らず、物語の中で帝国の最高権力者となり、銀河統一のために同盟軍との戦いに力を入れるようになります。

銀河英雄伝説（銀英伝）の最終回の最後は、ラインハルトの死亡で幕を閉じています。しかし、決して唐突に死亡したわけではありません。ラインハルトの死因は、病死であり、物語の中盤から終盤にかけてその兆候は如実に描かれていたのです。ネタバレするとラインハルトがかかっていた病気は『変異性劇症膠原病』と言われる未知の病で、ラインハルト以外に発症した者がいない新病であることから別名『皇帝病』とも呼ばれました。

ラインハルトだけがかかったこの病気は当然、治療法も薬も存在していません。この病気によって、最後は眠るように息を引き取った形でラインハルトは死亡しています。

最終回においてラインハルトは新帝都と定めたフェザーンに向けての帰路につく中、数度に渡ってユリアンとの会談に望んでいました。この時点で既に病状はかなり悪く、自身の寝室で薄着のまま会うほどの状態になっています。フェザーンには無事に到着したラインハルトでしたが、この時点で既に自身の死期を悟っていました。その後、オーヴェルシュタインが仕掛けた地球教との戦いで、オーヴェルシュタインも死亡したことを聞かされます。

オーヴェルシュタインの最後を報告に来たミッターマイヤーに彼の奥さんであるエヴァと、養子のフェリックスを呼んでほしいと頼みます。ラインハルトは、自身とヒルダの子供であるジークフリードに対等の友人を用意してあげたいと考えていました。ミッターマイヤーが席を外す中、ラインハルトは眠るように息を引き取ることになりました。そして、ラインハルトの最後の言葉は「宇宙を手に入れたら皆で、、、」という言葉になっています。

ラインハルトは皇帝に即位してから僅か2年あまりとあまりに短くありました。しかし、その2年の間に旧体制の悪い点の多くを改革・改善するように務めており、臣民からの人気は高くなっていました。そのため、最終回の最後にラインハルトが死亡したその後も、ローエングラム王朝は継続しており、2代目皇帝には息子のアレクサンデル・ジークフリードが就任したことがネタバレされています。

実際には、アレクサンデル・ジークフリードはまだ幼いです。ジークフリードが生まれたのが5月、ラインハルトが死亡したのが7月のため、まだ生後2ヶ月の赤子なのです。そのため、ジークフリードの母であり、ラインハルトの妻であるヒルダが、摂政皇太后として就任することが決定しています。

ただし、この流れはラインハルトの意志に反したものになっているのも事実です。ネタバレするとラインハルトは生前、ヒルダに対し、『生ある者の中で、もっとも強大で賢明な者が宇宙を支配すれればよい』『ジークフリードがその力量を持たぬなら、王朝を存続させる必要はない』と伝えているのです。

しかし、銀河英雄伝説における後世の歴史家はこの帝国について、『ローエングラム王朝を作ったのはラインハルトであるが、それを育てたのはヒルデガルドである』と評しています。つまりヒルダは、ラインハルトの死亡からその後において、立派に皇帝としての役割を果たしながらジークフリードを育て上げたことが明らかになっています。

ラインハルトの妻、ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ、通称ヒルダは元々、伯爵令嬢として登場したキャラクターです。お嬢様でありながらも男勝りな性格をしており、その才覚は男として生まれていれば独力で出世していただろうとされるほどです。その才覚を見出されてて、リップシュタット戦役をきっかけにラインハルトの筆頭秘書官となります。

当時、親友であったキルヒアイスを失ったラインハルトにとっては、オーヴェルシュタインと並んでラインハルトに具申できる存在でした。オーヴェルシュタインがあくまで職務としてそばにいるのに対し、ヒルダはプライベートな部分でもラインハルトを支え続けており、ラインハルトの心の支えへとなっていきます。

少しずつ距離を縮めていったラインハルトとヒルダですが、プロポーズのきっかけとなった事件があります。それがラインハルトの暗殺未遂事件です。事件は未遂で解決されましたが、この時実行犯にぶつけられた言葉にラインハルトはひどくショックを受けます。ラインハルトの心配をしたヒルダが夜にラインハルトの部屋に様子を見に行くとラインハルトは帰らないでほしいと願うのです。

ヒルダと一夜を共にしたラインハルトは、翌日にはヒルダの父に求婚を伝えます。ヒルダは当初、返答出来ないままでしたが、妊娠が発覚したこともあり、最終的にはラインハルトのプロポーズを受け入れて結婚することになりました。ちなみにネタバレするとラインハルトは、恋愛方面には疎くなっており、どこかぎこちないものになっています。

ちなみにラインハルトの正式なプロポーズともいえる言葉は「あなたが予にとってたいせつな人間だということが、ようやくわかった」です。

最終的にはラインハルトと結婚し、皇后となったヒルダですが、ファンの一部からは嫌いという声も上がっています。ただ正確にはヒルダが嫌いというわけではありません。ラインハルトとヒルダの関係性があまりにも恋愛といえないのではないかという点と、急展開とも思える展開だった点が理由になっています。

ネタバレすると確かにビジネス上の付き合いとしては、両者に信頼関係があったのは事実です。ヒルダ自身、男性だったら出世していたと言われるほどに才能に溢れた女性であるのも事実になっています。だからこそ、恋愛方面には疎いラインハルトが惹かれたともいえますが、そこに一般的な恋愛感情は見られないとする声も見られるのです。

OVAアニメ銀河英雄伝説において、ラインハルトの声優を担当し、その後に作られたアニメ映画『わが征くは星の大海』『新たなる戦いの序曲』まで担当したのが堀川りょうさんです。1960年代から子役として活躍し、1984年に声優デビューを果たすとテノールの声質を生かして様々なキャラクターを演じています。特に英語を上手く扱い、英語交じりに喋るキャラクターを演じる機会も多くなっています。

堀川りょうさんがこれまでに演じてきたキャラクターとしては、『ドラゴンボール』シリーズのベジータ役、『名探偵コナン』の服部平次役、『幽遊白書』の鴉役、『デジモンテイマーズ』のマクラモン役、『史上最強の弟子ケンイチ』の谷本夏役、『ケロロ軍曹』のゲリリ少佐役などを演じています。

劇場版銀河英雄伝説（銀英伝）の『黄金の翼』にて、ラインハルトの声優を担当したのが、緑川光さんです。1988年に声優デビューを果たすと、あらゆるキャラクターを演じることで知られるベテラン俳優です。その演技は、後に声優になった島崎信長さんや、古川慎さんのように、緑川光さんの影響で声優を志したとする声優も登場するほどになっています。

緑川光さんがこれまでに演じたキャラクターとしては、『坂本ですが？』の坂本役、『新機動戦記ガンダムW』のヒイロ・ユイ役、『スラムダンク』の流川楓役及び池上亮二役、『聖闘士星矢Ω』の光牙役、『ドラゴンボールZ』の人造人間16号役、『僕のヒーローアカデミア』のベストジーニスト役、『ワールドトリガー』の風間蒼也役などを演じています。

銀河英雄伝説（銀英伝）の再アニメ化シリーズである『Die Neue These』において、ラインハルトの声優を担当したのが宮野真守さんです。子役から声優になったタイプの声優で、少年から青年まで幅広いキャラクターを演じることで知られています。特に、狂気を孕んだキャラクターの演技は高い評価を受けています。

宮野真守さんがこれまでに演じてきたキャラクターは、『アイシールド21』の桜庭春人役、『甲鉄城のカバネリ』の天鳥美馬役、『信長協奏曲』のサブロー役、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のリン・ヤオ役、『HUNTER×HUNTER（2011年版）』のクロロ＝ルシルフル役、『文豪ストレイドッグス』の太宰治役、『ハイキュー』の宮侑役などを演じています。

『Die Neue These』ではラインハルトの幼少期もより詳細に描かれる形になっています。その幼少期のラインハルトの声優を担当したのが川上千尋さんになっています。これまでには『アイカツ』の天羽まどか役、『うさぎのマシュー』のケロン役などを演じています。

ここからは既に銀河英雄伝説（銀英伝）を視聴した人のラインハルトに関連する感想をネタバレありでまとめて紹介していきます。銀英伝がラインハルトの死亡で最終回を迎えるのは、形としてすごく綺麗だったとする声が多くなっています。銀河英雄伝説は戦争の話であったため、平和になってからについては敢えて描かない形だったのが良かったとする声が多いです。

特にラインハルトに関しては、優れた政治家というよりは戦争のイメージが強いという声も多くまっています。そのためある意味でラインハルトが死亡したことでその後の、平和が見えると言われています。

銀河英雄伝説は、非常に死亡キャラが多い作品です。いわゆる、『○○ロス』と言われる展開が多い作品ですが、その後最後がラインハルトだったことに驚いたとする声も多くなっています。主要なキャラクターの死亡も少なくない作品だけに、最後はラインハルトが彼らの思いをしっかり抱えて政治を進めていく展開を期待したとする声も多いのです。

とはいえ、ラインハルトは他の多くのキャラクターと違い、病死であり、最終回よりも前から体調不良が描かれていただけに覚悟は出来ていたとする声も見られます。言ってしまえば死亡するのがネタバレされている状態だったにも関わらず最終回で実際に死亡してしまった際には泣けてしまったとする声も見られるほどです。

ラインハルトが25歳という若さで、死因が病死だったのが驚いたとする声も見られるほどになっています。様々な面で優れたキャラクターだっただけに、35歳といわれても納得感があるというほどです。既に最終回で、ラインハルトの年齢を超えてしまったことを嘆くような声も多くなっています。

銀河英雄伝説（銀英伝）は死亡するキャラクターが非常に多い作品ですが、主人公であるラインハルトの死亡で最終回を迎えるという展開になっています。ネタバレしたようにその死因は病死であり、最終回よりも前からその兆候は描かれていました。また、最終回のその後については、ヒルダがアレクサンデルを育てながら帝国を育てていったこともネタバレされています。

銀英伝は最終回が綺麗に終わっていたことで名作といわれ、原作の連載終了後も、その後の展開なども含めて様々な形で描かれている作品になっています。まだ、銀河英雄伝説を視聴していない人は、最終回に向けてのラインハルトにも注目しながら視聴してみましょう。