2018年10月05日公開
2018年10月05日更新
ポプテピピックはつまらない?面白い?愚作と言われる理由や人気の秘密を調査
ポプテピピックは、ブラックユーモアありパロディありの4コマ漫画。TVアニメも今までのアニメにはない、斬新な構成になっています。その型破りな内容がカオスすぎてわかりにくい、つまらないと感じる人がいることも事実。とはいえ、ポプテピピックのアニメ動画は全12話とも再生回数が100万回を超えています。SNSを中心に話題になり熱狂的なファンもたくさんいます。最初はつまらないと思っていたのに、気がついたらハマってしまった人も少なくありません。それにしても、つまらないと感じる理由はいったいにあるのでしょうか?
目次
ポプテピピックは面白い?つまらないと言われる理由や人気の秘密を徹底調査!
ポプテピピックは、今までにはなかったシュールな世界観の作品です。コミック版の表紙は、メインキャラクターのポプ子とピピ美が思いっきり中指を立てているという過激な煽りスタイルですが、シニカルなギャグ、アニメやゲームをベースにしたパロディが満載で10代から40代までと幅広いファン層を獲得。日本だけでなく、その人気は海外にも拡大しています。
ポプテピピックというタイトルの意味や理由について正式なコメントが出されているわけではありません。原作のタイトルの下に「POP TEAM EPIC」とあり、このキーワードに作品の世界観やコンセプトが隠されているようですが、初めての方はまずはあまり深いことは考えずに作品の世界にふれてみることをおすすめします。
4コマ漫画やアニメのベースになっている元ネタがわかると、最初は意味がわからなくても後からジワジワ来る面白さが人気の秘密です。元ネタはアニメ作品からゲーム・映画・テレビ番組などジャンルも年代も幅広く、SNSを中心にネットでもずいぶん話題になりました。
元ネタを知っている人は面白いと感じる一方で、知らない人には全く意味がわからないという「爆投オチ」も多く、面白い!と作品を評価するファンもいれば、つまらない!というアンチもそれなりに存在します。ここまで反応がはっきり分かれる理由はどこにあるのでしょうか?
ポプテピピックはつまらない?毎回ネットがザワつく事態に!
アニメ1話はオープニング映像の後、前半(Aパート)でいきなり「☆色(ほしいろ)ガールドロップ」という全く別のラブコメ風アニメ作品がスタート。もしかして、ほかの番組を見ているのか?と錯覚した人も多いはずです。ある意味、原作以上にカオスな展開に混乱した人やつまらないと感じた人もいるかもしれません。
さらに30分枠のアニメ放送のうち前半(Aパート)が終わったと思ったら、後半(Bパート)も全く同じものが再放送されるという構成で、キャラクターの声はAパートとBパートで全く別の声優が担当。ベテランの大御所声優から人気の若手声優までたくさん登場したのも、ポプテピピックならではの仕掛けといえるでしょう。
アニメは全12回ですが、毎回オンエア直後にtwitterなどでトレンドキーワード入りするほどの反響を呼びました。今までなかったアニメの構成、シュールな展開に驚いた視聴者が多かったようです。
我が家のポプテピピックグッズ。一番のお気に入りは「信者様専用ペンライトー召喚ー」#ポプテピピック pic.twitter.com/W8zEiuqCOV
— 声優・古川登志夫 (@TOSHIO_FURUKAWA) September 28, 2018
メインキャラクターであるポプ子とピピ美は、CMにも起用されるなど他のメディアに登場する機会も多く、キャラクターグッズも数多く販売されポピュラーになりました。そんなわけで、ポプテピピックが面白い秘密はどこにあるのか、またつまらないといわれる理由はどこにあるのか、詳しく調べてみました。
ポプテピピックとは?
ポプテピピックはWEBコミック配信サイト『まんがライフWIN』(竹書房)に連載中の大川ぶくぶ原作の4コマ漫画です。2018年にテレビアニメ化され、独特な世界観とちょっと変わった演出スタイルが話題となりました。
原作のキャッチコピーは「とびっきりのクソ4コマ!!」。ポプ子とピピ美という14歳の女の子を中心としたストーリー展開ですが、もはや14歳という設定がどこかに吹っ飛んでしまうくらい随所にブラックユーモアや風刺ネタがちりばめられています。
ポプテピピックの連載がスタートしたのは2014年。2017年にはアニメ化が予定されていましたが、遅れること3ヶ月。2018年1月よりアニメ放送開始になり、これまでのアニメにはなかった斬新な演出も話題になりました。
ポプテピピックは面白い?人気の秘密を調査!
「ポプテピピック」は原作・アニメともにSNSを中心に話題が拡散し、人気がアップしていきました。作品全体にありとあらゆるパロディがちりばめられているので、元ネタ・隠しネタを知っていると面白さが増幅されていきます。
ポプテピピックに出てくるパロディが豊富で面白い!
パロディの元ネタになっているのは、漫画・小説・アニメ・ゲーム・映画・ドラマ・CMと幅広く、誰もが知っている超メジャー作品から、あまり知られていないマニアックなサブカル作品まで実にさまざま。その元ネタのリーチの広さにも人気の理由が隠されているといえます。
ジブリ作品・ガンダムシリーズ・ドラえもんといった国民的な人気作品がベースになっていたり、ホラー映画の金字塔とも言われる「シャイニング」の1シーン、関西ローカルでしかやっていないCMだったりとバラエティ豊か。元ネタ探しを真剣に始めたら、そのジャンルの豊富さにも驚かされます。
マニアックで細かすぎるパロディの元ネタ探しが面白い!
元ネタは1980年~90年代の作品も多く、アラサー以上でサブカル作品が好きだった人は「知っている人なら思わずツッコミを入れたくなる面白さ」が感じられるのも人気の理由です。10~20代の比較的若い世代の人はポプテピピックがきっかけとなって、元ネタ作品を知ってから面白いポイントが時間差で分かるという現象も起きているのだとか。
オチのシュールさや不条理さだけでなく、このシチュエーション、この構図…、なんか既視感があるなぁと思ったら、もしかしてあの作品のあの場面!!という「アハ体験」にも似た感覚がポピテピピックが面白いと感じる理由のひとつかもしれません。
4コマ漫画の王道とも言うべき「起承転結」のストーリーとはちょっと一線を画し、そこには「ほのぼの」があるわけでも「感動」があるわけでもない、いい意味で読者を裏切るブラックなオチがあり、そのオチのベースにある隠しネタ(作品)がわかれば更に面白いという重層的な構成になっています。
大御所や人気声優も登場。ポプテピピックの声優が豪華すぎる!
2018年1~3月に放送されたアニメも大きな話題になりました。30分番組で2本立てなのですが、なんと同じ話が2回繰り返されるという、今までのアニメにはなかった番組構成。そして、全く同じ話を別の声優が担当するというのも斬新な演出でした。
声優の名前やバックグラウンドに詳しくなくても、声に聞き覚えのある大御所や重鎮クラスから若手の人気声優まで多数登場しているので、エンディングに表示されるキャスト名を見て、後からあのキャラクターをやっていたあの人が声を当てていたのか!とビックリした人も多いのではないでしょうか。
ふと思ったんだけど、どっちの声優さんが豪華だと思う?#ポプテピピック
— ルナ (@Runa_runana) July 21, 2018
ポプ子→RT
ピピ美→いいね
両方だろ!→RT+いいね pic.twitter.com/D2JtjgFiJE
例えば「タッチ」で共演した三ツ矢雄二さん(上杉達也役)と日高のり子さん(浅倉南役)、「名探偵コナン」の小山力也さん(毛利小五郎役)と高木渉さん(小嶋元太役)、「アイカツ」の諸星すみれさん(星宮いちご役)と田所あずささん(霧矢あおい役)、ドラゴンボールの中尾隆聖さん(フリーザ役)と若本規夫さん(セル役)を起用。人気アニメの共演者たちがメインキャラのポプ子とピピ美の声を当てています。
また共演作の多い声優やプライベートでも仲が良いとされる声優コンビの回もあり、アニメ5話では小林ゆうさんと金田朋子さん、中村悠一さんと杉田智和さんがそれぞれポプ子とピピ美として登場。エキセントリックなストーリー展開だけでなく、声優キャスティングの妙もこの作品ならでの面白いところです。
こんな豪華声優たちが、ポプ子とピピ美になりきってブラックユーモアな世界を展開するのは、ポプテピピックのアニメ作品だけでしか味わえない演出です。声優たちのアドリブや独り言までもがそのまま使用されている場合もあり、そこも作品の見どころといえるでしょう。
ポプテピピックはつまらない?その理由を調査!
ポプテピピックが面白い!と評価される一方で、つまらない、面白くない、意味がわからないと感じる人がいるのも事実。その理由はどこにあるのでしょうか?
オチがどこにあるのかわかりにくい
ポプテピピックに関するネットでの反応で比較的多いのが「オチがどこかわからない」というコメント。起承転結がはっきりしている展開ではないところが、つまらないと言われる理由のひとつです。原作の4コマ漫画もどこまでがフリで、どこからがオチかということを考えだすと、なかなか答えがでないかもしれません。
メインキャラクターのポプ子とピピ美もボケとツッコミの役割が明確になっているわけでもありません。アニメ作品はストーリー演出の斬新さ、ギリギリ放送OKな悪ノリと悪ふざけを楽めるかどうかによって、つまらないと感じるか、面白いと感じるかにはっきり分かれそうです。
声優がわからないとつまらない
アニメ作品は30分のうちAパートとBパートで全く同じストーリーが2回繰り返し放送されるシュールさ。そしてAパートとBパートで声優が交代し、声優の演技によってメインキャラクターの個性や魅力が全く変わって見えます。
ポプテピピック11話
— レン (@yuyuyu580) March 20, 2018
いやぁ~ホラーだよね~ww にしても前半後半も声優やばいですなぁ~そして久々の昔話ww からのクッキングもホラーww あとおたよりコーナーでめちゃくちゃ動いてたなあ~ pic.twitter.com/ajKR5WxMGF
声優さんのエキセントリックな演技もポプテピピックの見どころのひとつ。人気の声優さんが奇声を発していたり、不思議なテンションの台詞を話しているのに違和感を感じた人もいるようです。ちなみにAパートとBパートで別の声優が担当するのは、アニメ化にあたり「主音声を女性声優、副音声を男性声優で・・・」という原作者のアイデアがもとになって実現した演出です。
ポプテピピックの声優さんは大塚芳忠さんと江原正士さんなんでしょ?
— 343(刺身) (@hiroikutomu) July 7, 2017
絶対見るわ。 pic.twitter.com/Wn2grgKjdr
アニメ1話のAパートに登場する声優は江原正士さんと大塚芳忠さん。実は原作に「アニメ化したらどーする?」という元ネタがあり、ポプ子とピピ美がCVを担当してほしい声優として名前をあげていたのが、この2人の大御所声優でした。こういった伏線や元ネタがわからないと面白さが伝わりにくいのも、ポプテピピックの特徴です。
声優個々の演技論の違いが明確に分かるポプ子とピピ美の複数キャスティング。ある意味、俳優教育、声優教育に一石を投じるコンテンツにも思える。基礎訓練(土台)は同じでもその上に建てる演技論(家)は多様。極論にせよ「演技論はプロの表現者の数だけ有る」は成り立つ、と。
— 声優・古川登志夫 (@TOSHIO_FURUKAWA) January 22, 2018
ポプテピピックでしか見れない声優さんの個性が光る演技やアドリブなど、自由すぎるお芝居も声優ファンにとっては魅力的です。しかし、声優に詳しくない人にとってはキャスティングの意図が伝わりにくいかもしれません。例えば「しもかじ」として人気の下野紘さんと梶裕貴さんは「進撃の巨人」で共演、ラジオなどでも息の合った掛け合いが人気ということもあり、ファンにとっては楽しめる演出でした。
あぁぁぁあ!!!
— しらたま。 (@shira___tm) February 10, 2018
下野紘 梶裕貴 きたよねぇぇ!?
もう実現したの?!(´;ω;`)💕
こんな夜中なのにテンション爆上げだよ😭😭💕#下野紘#梶裕貴#しもかじ#ポプテピピック pic.twitter.com/XqABRpZgLU
「よんでますよ、アザゼルさん」で共演した小野坂昌也さんと浪川大輔さん、仲が良いことでも知られる水樹奈々さんと能登麻美子さんなど、声優さんのバックグラウンドを知っていれば、ポプテピピックならではのシュールな世界観のなかでキャラクターにどんな声を当てるのか楽しめる演出でした。一方で初めて見る人にはわかりにくい演出だったかもしれません。
いまからBパートwwww
— 鷹取諒☆月華遊星7コス参加🌙*.。 (@takatorixx2) February 24, 2018
ついにこの二人きたwwww
小野坂、浪川さんコンビはやばいwww#ポプテピピック pic.twitter.com/0nO6ZTkZbk
声優さんが過去に関わっていた作品などがわからないと、何でポップなタッチのキャラクターに男性声優や大御所俳優が起用されているのかという「狙い」もつまらなく感じてしまうようです。
元ネタがわからないとつまらない
ポプテピピックの特徴はとにかくあらゆるところにパロディが組みこまれているという点。しかも元ネタの時代・ジャンル・切り取っている場面が幅広いのが特徴です。第6話にはブルゾンちえみさんに似たキャラクターが登場したり、藤井聡太七段の大活躍でブームになった将棋ネタなどリアルタイムで話題になっているネタのパロディも展開されています。
時代的にはかなり昔の作品をベースにしたパロディも多いので、元ネタを知らないとと面白さやツッコミどころがわからず、ただひたすらにつまらない・・・と感じる30分になってしまう可能性もあります。
ポプテピピックがつまらないといわれる理由についてまとめ!
【明日のMJ】東京MXなどでアニメ放送中の「ポプテピピック」が怪気炎。支離滅裂な内容と、30分の放送枠で同じ映像を声優を代えて流す型破りな手法で、ツッコミたくなると人気です。グッズも盛り上がり。
— 日経MJ (@nikkeimj) March 22, 2018
©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード pic.twitter.com/1gge1WL7mX
ポプテピピックのアニメOA後は毎回トレンドキーワードになるほど話題になり、その後、ポプ子とピピ美のキャラクターグッズ販売や企業とのタイアップのほか、雑誌や新聞でも特集記事が組まれるほど話題になりました。ネットとの親和性が高いアニメであったことは間違いなさそうです。
つまらないと感じるのはパロディが難解すぎだから!
オープニングの映像は神風動画の制作でとてもスタイリッシュ!なんだか面白そう!と期待を抱かせつつも、Aパートは全然違うアニメ「☆色(ほしいろ)ガールドロップ」からスタートするところから、視聴者を混乱に陥れる演出も好き・嫌いが分かれるところです。
やっとメインキャラクターが登場したと思ったら、もともとCVとして発表されていた小松未可子さんと上坂すみれさんの声ではなく、声優界の大御所が真剣に14歳の女の子の声を当てて物語がスタート。そのシュールな世界観がよくわからない、つまらなかったと感じた人も多いようです。
エンディングのこれ、元ネタDesert Busよな?
— パターン (@245kHz) February 3, 2018
ルート66だしwww
伝説のクソゲー#ポプテピピック#popteamepic pic.twitter.com/8JP2dEHxLm
声優やパロディの元ネタなどいくつもの伏線やネタが仕込んであるので、1回見ただけでは消化不良感が残ってしまうのもつまらないといわれる理由かもしれません。
新作アニメの放送が決定。今度は何をやってくれるのか楽しみ!
しかし、アニメをじっくり見てみると、とにかくよくこんな細かいところまで・・・と驚かされるくらいにあらゆるパロディやブラックジョークがネタとして組み込まれています。ネットでは元ネタさがしが大いに盛り上がったわけですが、そういった視聴者やファンの反応も含めて、単なる4コマやアニメではなく、話題性やムーブメントを狙って作っているという意味でも2018年の上半期を代表する作品のひとつとなりました。
「とびっきりのクソ4コマ!!」という原作のキャッチコピーであったり、メインキャラクターに「さてはアンチだな、テメー」という自虐的な台詞を言わせて、読者や視聴者からの「つまらない!」「わかりにくい!」というツッコミが入る前に、アンチファンの意見に対しても「クソアニメなんで・・・!」という言い訳が成立する仕掛けもちゃんと出来ているところが、ポプテピピックらしさかもしれません。
アニメ「ポプテピピック」新作テレビスペシャルが放送決定いたしました。2019年4月1日放送予定です。詳細は未定です。#ポプテピピック #POPCASTEPIC pic.twitter.com/qONbLeMva9
— アニメ「ポプテピピック」公式 (@hoshiiro_anime) September 16, 2018
2019年4月1日に「ポプテピピック」の新作テレビスペシャルが放送されることが決定し、話題になりました。エープリルフールの放送ということで、ここでも何か良い意味で視聴者を驚かせる仕掛けがありそうですが、新作のオンエアが楽しみだとの声も多くあります。作品を見て「ポプテピピック」つまらないと感じた方、ネットで元ネタ探しをしながら、配信サービスなどでもう1回、作品を視聴してみてはいかがでしょうか?