ポプテピピックと竹書房の闘争の歴史まとめ！作者と出版社の因縁とは？

出版社のビルを破壊するシーンが作品を象徴する名シーンとなっているポプテピピックと、自社の漫画に対して「クソマンガ」を連発し打ち切りを匂わせる竹書房。漫画界でも類を見ないポプテピピックと竹書房の闘争にネット上で注目が集まっています。この記事では、ポプテピピック及び原作者の大川ぶくぶ先生と竹書房の因縁の歴史を紹介していきます。

アニメ化やコラボイベントの度に竹書房との因縁を読者に見せつけてきたポプテピピック。竹書房側も飯田橋駅改札にポプテピピックのイラストを使用してネタにするなど、激しい抗争の歴史は作中に留まりません。ここでは、ポプテピピックと大川ぶくぶ先生、出版社の竹書房について解説します。

「ポプテピピック」は、2014年から竹書房のWEBコミック配信サイト「まんがライフWIN」で連載されている大川ぶくぶ先生の4コマ漫画です。これまでに2度打ち切られており、現在は「ポプテピピック　シーズン3」となっています。時事ネタ、ブラックジョーク、パロディなど何でもありの作風と独特の絵柄による煽り力の高さから、ポプテピピックの1コマがスタンプ代わりに使用される場面もネット上ではよく見られます。

ポプテピピックの原作者・大川ぶくぶ先生は2007年に第8回電撃コミックグランプリ少年マンガ部門優秀賞を受賞した「3LDKM」でデビューしました。ポプテピピック以外にも「あんさんぶるスターズ！」のイベントを4コマ漫画化した「あんさんぶくぶスターズ！」の連載や、「Fate/Grand Order」、「KING OF PRISM by PrettyRhythm」などのアンソロジーコミックへの参加など精力的に活動を行っています。

竹書房は1972年に野口恭一郎氏によって創立されました。日本初の麻雀雑誌「月刊近代麻雀」や、「まんがライフ」、「まんがくらぶ」といった漫画雑誌を主力としています。WEBコミックの配信にも力を入れており、「まんがライフWIN」、「まんがSTORIA'」の運営も行っています。「あいまいみー」、「メイドインアビス」、「ラーメン大好き小泉さん」といったアニメ化も果たした人気作品を輩出している出版社です。

ここでは連載開始から2度の打ち切り、アニメ化、コラボイベントなど長きに渡って繰り広げられてきたポプテピピックと竹書房の因縁の戦いの歴史を紹介します。

ポプテピピックの主人公・ポプ子とピピ美は作中で竹書房に対して挑発的な言動を繰り返します。ポプ子が竹書房に単行本を出すことを要求し、返事がないことへの報復として看板に「指定暴力団」と書き加えて警察に通報する回は、ポプテピピックの中でも高い知名度を誇る回です。しかし、竹書房側も負けじと「こういうことばっかり描いてると打ち切りになるので、漫画家を目指すみなさんは参考にしてみてください！」と煽り返します。

竹書房の宣言通り、ポプテピピックは2015年11月7日に打ち切られてしまいます。怒り狂ったポプ子は竹書房のビルを破壊しますが、竹書房はTwitterで「みなさまの応援によって今後もし復活するようなことがあれば、またすぐに打ち切りたい」とコメントしました。この竹書房破壊シーンはグッズやコラボイベントのモチーフにも繰り返し使用されており、竹書房との抗争の歴史はポプテピピックという作品の象徴になっています。

作者の大川ぶくぶ先生は2016年2月18日から「☆色ガールドロップ」の連載を始めます。平凡な高校生・平大地が幼馴染・星降そそぐと5年ぶりに再会したことから始まるこの作品は、ポプテピピックとは全く違うラブコメディでした。ところが、自分を忘れている大地に「私だよ！」とアピールするそそぐの顔を引き裂いて現れたのはポプ子でした。「☆色ガールドロップ」はポプテピピック連載再開のための壮大な前フリだったのです。

「頭おかしい」という絶賛と共に始まった「ポプテピピック　セカンドシーズン」は、2017年4月2日にアニメ化が発表されました。ところが、30日には「作者が自力で海外から帰ってこれなくなった」という理由で再び打ち切られてしまいます。ポプ子による再度の竹書房破壊と、竹書房による単行本の帯の「この10年で最底の出来ばえ」、「インターネットの負の遺産！」という煽りにより、両者の因縁はさらに深まります。

2017年10月10日、「身の程知らずで最低」、「おなじみ三流漫画！三途の川を渡り損ねて、三度目の新連載！」という竹書房による煽りと共に、ポプテピピック シーズン3の連載が開始されました。2018年9月現在ポプテピピック シーズン3の連載は継続していますが、ポプテピピックと竹書房の因縁の歴史はアニメでも更新されることになります。

ポプテピピックのアニメは2017年10月放送開始とされていましたが、「キングレコードの勘違い」で3ヶ月延期されるというスタートを切りました。原作は4コマ漫画のため、どのような形で30分のアニメになるのか注目が集まっていましたが、原作にないネタは製作の神風動画とシリーズディレクターの青木純氏が考え、原作者の大川ぶくぶ先生が監修することで色々な意味でポプテピピックらしさを追求した作品となっています。

ポプテピピック4話では、アニメ初の竹書房破壊シーンが披露されました。このシーンの元ネタは任天堂のゲーム「スーパードンキーコング2」が元ネタになっています。また、ポプテピピック8話では破壊には至らなかったものの、明らかに竹書房を意識した指定暴力団のアジトでポプ子とピピ美が大暴れしていました。

ポプテピピック最終回となる12話では、ピピ美がポプ子を救う為に世界をループしていたという衝撃の事実が明らかになるとともに、黒幕として竹書房が破壊されます。ポプテピピックのアニメはキングレコードによる単独出資であり、竹書房は一切関わっていないにも関わらず爆破されてしまうということころに因縁の深さを感じさせます。

ポプテピピックのアニメはDVD、Blu-rayでも発売されており、その全てのジャケットで竹書房が破壊されています。さらにDVDとBlu-rayで違うイラストになっているという念の入れようで、竹書房破壊への執念を感じさせます。ちなみにポプテピピックのDVDは全3巻ですが、そのジャケットはそれぞれアクション映画「ダイ・ハード」1～3のパロディとなっています。

スイーツバイキングで知られているスイーツパラダイスとのコラボイベントでは、竹書房のビルを模したワッフル、その名も「竹書房ワッフル」が提供されました。「運搬時に倒れる可能性があります！」という注意書きは、竹書房とポプテピピックの因縁の歴史の長さを漂わせています。

一部の店舗には竹書房のビル型のパンチングバルーンが設置され、ハンマーで殴ることもできます。さらに粗末な茣蓙風のランチョンマットを引いた「アンチ様席」、「竹書房社員様席」も用意され、ポプテピピックの世界観を余すところなく再現した空間となっていました。

また、テイクアウトショップでは「竹書房ロールケーキ」も販売され、自宅でも竹書房を破壊できるという竹書房への執念が発揮されます。しかし、両者の闘争の歴史を感じさせる商品の数々ながら、味はおいしいと話題になっていました。

「竹書房壊すべし」と題されたあそびファクトリーとのコラボイベントは、「クソ謎」を解きつつポプテピピックと竹書房の闘争の歴史を体感できる謎解きゲームです。参加者には作者・大川ぶくぶ先生のイラストを使用したクリアファイルが配布されました。このイベントはポプテピピックのファンのみならず、謎解きゲームが好きな人の間でもそのゲーム性が評判になったようです。

ニコニコ超会議2018では、スポンジ製の竹書房ビルを破壊し破片を持ち帰れるという異例のコーナーが設置されました。このコーナーは入場規制がかかる程の人気となり、イベント開始時は6階建てだった竹書房ビルが終了時にはガレキの山と化してしまいました。ちなみに2日目はアニメの制作・スポンサーであり、真の黒幕でもあったキングレコードを破壊することができました。

ポプテピピックと竹書房の戦いは、他作品のキャラクターまでも巻き添えにしていきます。いがらしみきお先生の漫画「ぼのぼの」のフェア「ぼのフェス2017」では、竹書房の人気作品の作者が描き下ろしたイラストを使用したコースターが配布されました。ポプテピピックの作者・大川ぶくぶ先生も参加しており、嫌がるぼのぼのにポプ子を釘バットで殴らせるという、竹書房に卑劣なイメージを植え付けるイラストが公開されました。

2017年夏のコミックマーケットでは、ポプテピピックとサンリオがコラボし、作者の大川ぶくぶ先生が描き下ろしたイラストを使用したグッズが販売されました。サンリオのキャラクター・コロコロクリリンとのイラストでは、クリリンにサンリオ破壊をそそのかすポプ子とピピ美が描かれています。竹書房の名前は出していないものの、幾度となく竹書房を破壊してきた歴史を持つ2人の言葉は重みが違います。

2018年夏にもサンリオとのコラボが行われ、新たなキャラクターとポプ子＆ピピ美のイラストが公開されました。今度は「止めるんじゃねぇーッ！！！」と叫びながら竹書房を襲撃しようとするポプ子と、それを必死に止めようとするリトルツインスターズ（通称キキララ）の姿が描かれており、他社のキャラクターも容赦なく竹書房との闘争に巻き込んでいくスタイルを見せつけました。

ポプテピピックのアニメは毎週出演者が代わり、さらにAパートとBパートで声優だけを変えて全く同じ内容を2回放送するという独特の手法を用いています。キャスティングは原作者の大川ぶくぶ先生がピックアップした見てみたい組み合わせを元に行われたそうです。ここでは竹書房破壊シーンに出演した声優とその代表作を紹介します。

ポプテピピック4話Aパートでポプ子を演じたのは日笠陽子さんです。2009年に放送されたアニメ「けいおん！」の秋山澪役で人気を集め、「ダンガンロンパ」の霧切響子役やポプテピピックでもネタにされた「NEW GAME!」の八神コウ役を演じました。2013年からは歌手活動も行っており、「進撃の巨人」や「ダイヤのA」のエンディングも担当しています。

ポプテピピック4話Bパートでピピ美を演じたのは佐藤聡美さんです。日笠さんと同じく「けいおん！」の田井中律役で一躍注目を浴びました。代表作には「FAIRY TALE」のウェンディ・マーベル役、「氷菓」の千反田える役、「アイドリッシュセブン」の小鳥遊紡役があります。2016年から2018年までは、出身地である宮城県の「みやぎ絆大使」の活動も行っていました。

ポプ子とピピ美を担当した声優には共演歴があり、それを元にした小ネタも披露されることがあります。日笠さんと佐藤さんは「けいおん！」の他にも「生徒会役員共！」（日笠さん＝天草シノ、佐藤さん＝七条アリア）、「ロウきゅーぶ！」（日笠さん＝永塚紗季、佐藤さん＝野火止麻奈佳）、「夢色パティシエール」（日笠さん＝ケイティ、佐藤さん＝小泉かなこ）などでも共演しています。

4話Bパートでポプ子を演じたのは玄田哲章さんです。「Dr．スランプアラレちゃん」のスッパマン役、「クレヨンしんちゃん」のアクション仮面役、「幽遊白書」の戸愚呂役、「シティーハンター」の海坊主役などを演じている声優です。洋画の吹き替えでも活躍しており、特にほとんどの役を担当しているアーノルド・シュワツェネッガーからは永久専属として公認されていることでも知られています。

ポプテピピック4話Bパートでピピ美を演じたのは神谷明さんです。「北斗の拳」のケンシロウ役、「シティハンター」の冴羽獠役などを代表作に持つベテラン声優です。所属事務所である冴羽商事の代表でもあり、声の仕事のみならずイベント運営や講演会、ラジオCMやゲーム音声の製作など幅広い仕事を手掛けています。また、日本工学院専門学校で講師も務めており、声優の新谷良子さんや清水愛さんは教え子にあたるそうです。

玄田さんと神谷さんが共演した作品には、「シティーハンター」以外にも「うる星やつら」（玄田さん＝レイ、神谷さん＝面堂終太郎）、 「聖闘士星矢」（玄田さん＝牡牛座のアルデバラン、神谷さん＝ペルセウス座のアルゴル、α星ドゥベのジークフリート）、「キングダム・ハーツ」（玄田さん＝ティガー、神谷さん＝イアーゴ）などがあります。

ポプテピピック12話Aパートでポプ子を演じたのは小山茉美さんです。1975年に「一休さん」の桔梗屋弥生役（初代）で声優デビューを果たし、「Dr.スランプアラレちゃん」の則巻アラレ役、「キテレツ大百科」のコロ助役（初代）、名探偵コナンのベルモット役など国民的アニメにも多数出演しています。アニメ以外にも吹き替えやナレーションでも活躍している声優です。

ポプテピピック12話Bパートでピピ美を演じたのは三石琴乃さんです。「美少女戦士セーラームーン」の月野うさぎ（セーラームーン）役、「新世紀エヴァンゲリオン」の葛城ミサト役などで知られており、近年発表された新作やリメイクにも続投しています。2005年からは「ドラえもん」ののび太のママ（野比玉子）役も担当しており、一度は声を聞いたことがあるはずです。

小山さんと三石さんは「名探偵コナン」（小山さん＝ベルモット、三石さん＝水無怜奈）、「美少女戦士セーラームーン」（小山さん＝エスメロード、三石さん＝セーラームーン）、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」（小山さん＝カレン・ジョシュワ、三石さん＝マリュー・ラミアス）などで共演しています。

ポプテピピック12話Bパートでポプ子を演じた速水奨さんは、「超時空要塞マクロス」のマクシミリアン・ジーナス役、「アンジェリーク」の光の守護聖ジュリアス役、「BLEACH」の藍染惣右介役などで知られる声優です。現在は「ガンダムビルドダイバーズ」のロンメル役、「ヒプノシスマイク」の神宮寺寂雷役などをこなす傍ら、ドワンゴクリエイティブスクールの講師も務めています。

ポプテピピック12話Bパートでピピ美を演じた中田譲治さんは、元々は俳優として活動していました。1990年代からは声優業をメインとし、「ケロロ軍曹」のギロロ伍長、「ゴールデンカムイ」の土方歳三役などの代表作があります。特撮作品への出演も多く「超新星フラッシュマン」のサー・カウラー役、「超獣戦隊ライブマン」の大教授ビアス役で顔出し出演しており、「仮面ライダー000」のナレーションも担当しました。

中田さんと速水さんが共演した作品としては「銀河英雄伝説」（中田さん＝シューマッハ、速水さん＝ファーレンハイト）、「ロードス島戦記」（中田さん＝ジェスター伯爵、速水さん＝オルソン）、「Fate/Zero」（中田さん＝言峰綺礼、速水さん＝遠坂時臣）などがあります。

ポプテピピック作中では何度か物理的に炎上している竹書房ですが、インターネット上でも炎上したとの噂が流れています。ここでは、竹書房炎上の真相と、そこにポプテピピックがどのように関係しているかについて迫ります。

2016年2月16日、竹書房の営業本部長である竹村響さんのTwitterで、竹書房の検索サジェストが「指定暴力団」になっていることに言及されました。竹村さんは「某漫画」とぼかしていますが、ポプテピピックのせいであることは明らかです。ちなみに現在でもサジェスト上位には「ポプテピピック」と並んで「暴力団」がランクインしており、ポプテピピックのネタの浸透ぶりがうかがえます。

2017年9月、アニメ「けものフレンズ」の監督を務めたたつき氏が降板することが発表され話題となりましたこの件を受けて、ポプ子が竹書房を破壊するシーンを改変し、けものフレンズの主人公・サーバルちゃんが角川を破壊するイラストが投稿されました。ここまではパロディの範疇ですが、「竹書房最低だな」という文言がTwitte上で見られ、竹書房は全く関係がないにも関わらず二次被害を被る結果になってしまいました。

また、2018年6月に作者・大川ぶくぶ先生のTwitterアカウントが凍結された時にも竹書房がやり玉に上げられてしまいました。この件について、大川先生は「どうやらガンキャノンの絵で凍結理由が『ドムの権利を侵害しているため』らしいです」と説明しています。この時期、虚偽のデジタルミレニアム著作権法申請によりイラストレーターのアカウントが凍結される騒ぎがあり、大川先生もこれに巻き込まれてしまったようです。

竹書房を破壊するシーンを使ったポプテピピックのグッズの中には、「とびきっりのクソ土産！！」というキャッチコピーの「竹書房破壊クッキー」なるものが存在します。パッケージにはもちろん作者・大川ぶくぶ先生のイラストが使用されています。裏には「不思議なことに申し訳ないという気持ちが1ミリもわいてこない……」というポプ子のイラストが印刷されており、作者と竹書房の深い因縁を感じさせる商品です。

ポプテピピックは4コマそのものはもちろん、竹書房編集部による柱の煽りも見どころの一つとなっており、ファンからはプロレス感覚で親しまれています。これからも重ねられるであろうポプテピピックと竹書房の因縁の歴史からますます目が離せません。