【後宮の烏】宦官（かんがん）は皇帝に仕える去勢された男性！登場キャラクターは？

ライト文芸の『後宮の烏』は、2018年に刊行が始まって以降、120万部を越える累計発行部数を記録するほど高い人気を博しています。120万部を越える人気から、『後宮の烏』は2022年の10月にアニメ化され、更に注目が集まりました。この大人気ライト文芸の『後宮の烏』には、｢宦官（かんがん）｣と呼ばれるキャラが登場しています。宦官（かんがん）とは、皇帝や後宮で働く男性の官吏であり、全員生殖器が去勢されています。

『後宮の烏』に登場する衛青や温螢、淡海といったキャラクターは、全員去勢された宦官として描かれています。『後宮の烏』の作中で、宦官の衛青や温螢は皇帝・夏高峻の補佐や情報収集などを行っています。本記事では、『後宮の烏』に登場する宦官とはどのような職業なのかについて、キャラや皇帝との関係などを交えながら一覧で紹介します。まずは、『後宮の烏』の作品情報とあらすじについて、簡単に一覧で紹介していきます。

宦官（かんがん）が登場する『後宮の烏』とは、白川紺子（文）と香魚子（イラスト）が描くライト文芸作品です。白川紺子と香魚子の『後宮の烏』は、中世の中国のような世界を舞台に、｢烏妃｣と呼ばれる主人公の柳寿雪と皇帝の夏高峻を描いたファンタジー作品となっています。元々、『後宮の烏』は2018年の4月20日に集英社のオレンジ文庫で刊行が始まりました。その後、2022年4月に最終回を迎え、完結することになりました。

2022年の4月に最終回を迎えた『後宮の烏』は、合計7巻の書籍で完結しています。その人気は非常に高く、『後宮の烏』の累計発行部数は120万部を記録しています。この人気から、『後宮の烏』は集英社オレンジ文庫の看板作品となっており、2022年の10月から12月までテレビアニメが放送されました。しかし、『後宮の烏』は漫画化が行われていません。そのため、『後宮の烏』を見る方法は、小説とテレビアニメしかありません。

皇帝の妃や子供が暮らす後宮には、｢烏妃｣という特別な妃がいました。烏妃は不思議な術を使うことができる特別な妃であり、どのような願いでも引き受けてくれると噂されていました。また、烏妃は少女や老婆といわれ、謎だらけの妃として扱われていました。ある日、皇帝の夏高峻（かこうしゅん）は、烏妃に対し、とある依頼を出します。この夏高峻の依頼により、『後宮の烏』の世界の歴史は大きく動き出すことになるのでした。

本記事で、キャラクターや皇帝との関係などを紹介する｢宦官（かんがん）｣とは、『後宮の烏』に登場する役職の名前です。宦官のキャラクターは衛青や温螢などであり、皇帝・夏高峻の周囲や後宮で働いています。宦官は近代で絶滅しているため、どのような職業なのか気になるといった声が数多く寄せられています。ここからは、『後宮の烏』に登場する宦官（かんがん）の詳細や仕事の内容について、一覧で詳しく紹介していきます。

『後宮の烏』に描かれている宦官（かんがん）とは、去勢した男性の官吏であり、中国の歴史書に多く登場しています。去勢とは、生殖器を取り除くことを意味しており、家畜やペットに施されています。去勢を受けた宦官は生殖器がないため、性交をすることができません。そのため、宦官は皇帝の補佐や後宮の仕事を行っています。しかし、宦官は性欲が普通の男性よりも多いといわれており、女官や妃との不義の記録が残っています。

元々、宦官の文化は、刑罰で去勢された罪人や捕虜が皇帝や後宮に仕えるようになったことで生まれました。この誕生の歴史から、宦官は去勢された罪人や捕虜が務める仕事といわれています。しかし、宦官は皇帝や後宮に仕えるようになったことで、大きな権力を手にしています。これが影響し、春秋戦国時代以降は自ら宦官に志願した人間が増えるようになりました。そのため、後漢末期の歴史書には、大量の宦官の記録が残されています。

例えば、｢十常侍｣という後漢末期の宦官集団は、皇帝の霊帝に仕え、政・地位・金の全てを牛耳っていました。これを見ると、宦官は中国史において、どれだけ皇帝や後宮と深い繋がりになったのか分かるでしょう。『後宮の烏』に登場する宦官のキャラクターは、中国の歴史と同じく、皇帝の夏高峻や後宮に仕えています。しかし、『後宮の烏』の宦官は真面目なイケメンばかりであるため、中国史の宦官のイメージと大きく違っています。

上述で紹介した通り、『後宮の烏』に登場する宦官（かんがん）は、皇帝や後宮に仕える去勢された男性の職業です。中国史において、皇帝の周囲や後宮は男子禁制のルールがあります。そのため、宦官は皇帝の補佐や雑務、情報収集を行っていました。また、宦官は後宮にも仕えているため、皇帝と妃及び側室の性交の記録をしていました。さらに、宦官は皇太子（皇帝の子供）の教育や後宮の警備も仕事の1つだったことが分かっています。

これらの仕事に加え、宦官は食事及び宴会の準備や後宮の掃除もしていました。春秋戦国時代以降の宦官は、絶大な権力を手にしたため、政治や国庫の管理も行っていたそうです。前述で紹介した宦官の仕事は、『後宮の烏』で忠実に再現されています。例えば、衛青は夏高峻の補佐を務め、温螢は情報収集が主な仕事となっています。しかし、『後宮の烏』の宦官は中国史の記録と違い、皇帝に並ぶほどの絶大な権力を持っていません。

『後宮の烏』の作中には、衛青や温螢、淡海といったキャラクターが宦官（かんがん）として登場しています。中国史に登場する宦官は、皇帝以上の権力を手にしたため、悪の存在として扱われています。しかし、『後宮の烏』に登場する宦官のキャラクターは、全員イケメンであり、非常に高い人気を博しています。ここからは、『後宮の烏』に登場する宦官のキャラクターについて、夏高峻との関係を交えながら一覧で紹介します。

最初に一覧で紹介する宦官のキャラクターは、衛青（えいせい）です。『後宮の烏』に登場する衛青とは、夏高峻皇帝の側近を務めている宦官のキャラクターであり、細い目元と深緑の服装が特徴となっています。衛青は皇帝の夏高峻に対して絶対的な忠誠を誓っており、『後宮の烏』の作中で夏高峻を｢大家（ダーチェ）｣と呼んでいます。そのため、衛青は夏高峻と親密な異母兄妹の柳寿雪に対し、複雑な感情を抱いてしまっています。

2人目に一覧で紹介する宦官のキャラクターは、衣斯哈（いしは）です。『後宮の烏』に登場する衣斯哈とは、｢飛燕宮｣で働いている少年の宦官であり、幼い見た目と鼻のそばかすが特徴となっています。元々、衣斯哈は貧しい西の地方で生まれ、実の母親に売られてしまいました。そのため、衣斯哈は10歳という若さで宦官をしています。作中で、衣斯哈は指導者にいじめられたことで飛燕宮を見限り、柳寿雪に仕えることになりました。

3人目に一覧で紹介する宦官のキャラクターは、丁藍（ていらん）です。『後宮の烏』に登場する丁藍とは、皇帝・夏高峻の側近の1人であり、優しそうな顔立ちと薄い黒色の服装が特徴となっています。丁藍は夏高峻が幼い頃から側近をしていました。そのため、丁藍は｢友｣と呼ばれ、夏高峻に信頼されていました。しかし、丁藍は嫉妬から、皇太后に殺害されます。その後、丁藍は幽鬼となり、皇帝を皇太后の呪詛から守ろうとしました。

4人目に一覧で紹介する宦官のキャラクターは、淡海（たんかい）です。『後宮の烏』に登場する淡海とは、皇帝・夏高峻の側近の1人であり、主人公の柳寿雪の護衛を務めています。元々、淡海は家が没落したことで、盗賊をしていました。その後、淡海は盗賊から足を洗い、｢勒房子（ろくぼうし）｣という皇帝直属の犯罪防止組織で働いていました。盗賊と勒房子をしていた経験から、宦官の淡海は情報収集を得意としています。

5人目に一覧で紹介する宦官のキャラクターは、温螢（おんけい）です。『後宮の烏』に登場する温螢とは、夏高峻の側近を務める宦官のキャラクターであり、細い顔立ちと頬の傷が特徴となっています。温螢は非常に人脈が広く、どのような宮殿にも知り合いの宦官がいるといわれています。この人脈の広さから、温螢はスパイ活動を担当しています。また、温螢は同じ宦官の淡海と共に、主人公の柳寿雪の護衛と情報収集も務めています。

『後宮の烏』に登場する宦官（かんがん）のキャラクターは、皇帝の夏高峻と密接な関係にあります。中国史においても、去勢された宦官は時の皇帝と深い繋がりがありました。しかし、『後宮の烏』と中国史の宦官には、大きく違う点があります。それは、宦官同士の関係であり、『後宮の烏』と正反対の社会が形成されていました。ここからは、『後宮の烏』に登場する宦官の史実について、社会や皇帝との関係を一覧で紹介していきます。

『後宮の烏』に登場する宦官のキャラクターは、お互い親しい関係を築いています。そのため、史実の宦官も仲が良かったように見えます。しかし、史実の宦官の世界は非常に厳しく、完全な縦社会が築かれていたことが分かっています。上述で紹介した通り、中国は春秋戦国時代以降、宦官の数が一気に増えました。これにより、一部しか皇帝の周囲や後宮で働くことが出来ず、ほとんどの宦官は出世することが出来ないようになりました。

もし、皇帝の側近に出世したいのであれば、上司の宦官に気に入られる必要があります。そのため、中国史の宦官は普通に上の立場からいじめを受けていました。このいじめに逆らった宦官は、問答無用で追い出されてしまいます。実際、後漢末期の｢十常侍｣は絶大な権力を手にしたものの、曹操の祖父・曹騰に逆らうことができませんでした。ちなみに、『後宮の烏』でも衣斯哈が指導者の宦官にいじめられるシーンが描かれています。

『後宮の烏』の作中で、衛青や淡海といった宦官のキャラクターは、皇帝の夏高峻と親しい関係を築いています。中国史でも、宦官は皇帝と非常に密接な関係にありました。そのため、各時代の皇帝は宦官を大切に扱っていたことが分かっています。しかし、歴史に残っている宦官のほとんどが欲深く、皇帝を操り人形のようにしていました。例えば、後漢末期の｢十常侍｣は皇帝の霊帝を酒と女に溺れせ、都の権力を全て手中に収めました。

｢十常侍｣の専横により、後漢は滅び、三国時代が到来することになりました。また、春秋戦国時代に実在した趙高は李斯と協力し、始皇帝亡き後の秦国を牛耳りました。趙高は最終的に秦国を滅ぼしたため、最悪の宦官として歴史に名を残しています。これらの歴史から、史実の宦官は悪人だらけの職業として見られています。しかし、優秀な宦官も少なからずおり、明時代の鄭和は世界中で大航海を行った英雄として知られています。

『後宮の烏』に登場する宦官には、去勢に注目する感想が多く寄せられていました。『後宮の烏』には、数多くのイケメン宦官が登場しています。しかし、『後宮の烏』に登場する宦官はイケメンであるものの、去勢しており、生殖器がありません。そのため、去勢された宦官のイケメンキャラは、『後宮の烏』で最も注目を集めています。

『後宮の烏』に登場する宦官には、宦官の去勢に驚く感想も多く寄せられていました。宦官は去勢を受けた官吏であるため、生殖器がありません。そのため、宦官は生殖器を切除するという恐ろしい経験をしています。宦官がいた時代は優れた医療技術がなく、去勢した者の3割が死亡していたそうです。この歴史から、宦官は多数の『後宮の烏』ファンを驚かせています。

『後宮の烏』に登場する宦官には、イケメンな容姿にツッコむ感想も見受けられました。中国史に登場する宦官は極悪人ばかりであり、とてもイケメンだといえません。また、性格も欲深く、出世と権力のことしか考えていなかったといわれています。しかし、『後宮の烏』に登場する宦官は容姿と性格の両方がイケメンであり、宦官のイメージを大きく変えることになりました。

本記事では、『後宮の烏』に登場する宦官とはどのような職業なのかについて、一覧で紹介しました。確かに、史実の宦官は権力欲と出世欲に溺れ、汚名ばかり残しています。しかし、『後宮の烏』の宦官は史実と違い、イケメンだらけとなっています。また、『後宮の烏』の宦官は性格もかっこよく、多数のファンを魅了しています。そのため、衛青や温螢などのイケメン宦官は、『後宮の烏』の大きな魅力といえるでしょう。