【無職転生】シルヴァリルは12の使い魔の一人！能力やルーデウスとの関係は？

シルヴァリルは、無職転生の甲龍王ペルギウスに仕える12の臣下の1人であり、リーダー的な存在です。この記事では、「空虚のシルヴァリル」とも呼ばれるシルヴァリルにスポットを当てていきますが、まずは無職転生の作品情報からお届けします。最初に作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

「無職転生〜異世界行ったら本気だす〜」は、理不尽な孫の手による日本のライトノベル作品です。（以下、略称の「無職転生」を使用します）。2012年11月小説投稿サイト「小説家になろう」にてオンライン小説として産声を上げた無職転生は、その後2015年4月まで同サイトにて連載されました。

また、並行してシロタカのイラストによる書籍版が、2014年1月から2022年11月にかけてKADOKAWAのMFブックスより刊行されています。無職転生は、現在「なろう系」小説の主流である異世界もの「ハイ・ファンタジー」の先駆け的な作品であり、業界ではなろう系のパイオニアあるいは金字塔と言われています。

2014年に小説「無職転生」は漫画化され、KADOKAWAメディアファクトリーのコミックフラッパーにて同年6月号より現在も連載が続けられています。その後上梓された「無職転生 〜ロキシーだって本気です〜」などスピンオフ作品も含めて、小説・漫画作品のシリーズ累計発行部数は、2022年1月時点で1000万部を超えています。

メディアミックス展開としては、ドラマCD、ゲーム、そしてテレビアニメ作品が制作されています。このうちテレビアニメについては、2021年に第1期（2クール）がTOKYO MXほかにて放送されています。さらに、2022年3月にはテレビアニメ第2期制作が発表されました。

20年余り引きこもり生活を続ける34歳の主人公は、親の死去に伴い愛想を尽かした兄弟に家を追い出されてしまいます。ところが家を出た直後、トラックに轢かれそうになった高校生を助けようとして命を落としてしまいます。ここで彼の人生は終了するはずでしたが、突然青年は目を覚まします。異世界に転生し新たな生を受けたのです。動揺する主人公でしたが、一念発起し後悔のない人生を送ろうと決意します。

ここからは、この記事のメインテーマであるシルヴァリルの話題に入っていきます。シルヴァリルは、純白の法衣を身に纏い、白髪を肩まで伸ばした上に顔には白い鳥の仮面を着けた女性です。背中には黒い翼があり、白色とのコントラストが際立っています。また、優雅で気品のある所作が印象的でもあります。

シルヴァリルは、甲龍王ペルギウスに仕える12の使い魔の1人として「空虚のシルヴァリル」という名で作品に登場します。他の使い魔がすべてペルギウスが創り出した精霊なのに対し、シルヴァリルだけは天族という種族出身です。詳しくは後述しますが、ラプラス戦役でペルギウスに窮地を救われたことからペルギウスに忠誠を誓うことになりました。

無職転生のシルヴァリルは、12の使い魔の中でただ1人精霊ではなく天族であり、見た目は人族と変わりません。人族との違いは、背中に黒い翼を持っていることと、それを使って自由に飛翔できることです。

また、シルヴァリルは、天族の公用語である天神語を流暢に話します。ルーデウスがペルギウスの命令で天大陸に渡った時には、シルヴァリルも同行して天神語への翻訳を買って出ました。

シルヴァリルの能力ですが、まず天族の特長である翼で空を自由に飛び回ることが挙げられます。そして、詳しくは後述しますが、おいしいお茶を入れるという独自の能力を持っています。また、格闘術の訓練を受けていますので、最低限の自衛能力は備えていると考えられます。

シルヴァリルは、甲龍王ペルギウスが根城としている空中城塞ケィオスブレイカーにて召喚魔術の先生をしています。ここにやって来たルーデウスたちにも召喚魔術の講義をしました。黒板など書く道具は一切使わず、言葉のみでわかりやすく魔獣召喚と精霊召喚を説いていきます。

講義を受けたルーデウスは、ユーモアに富んでいて説明もわかりやすいとシルヴァリルの講義を絶賛しています。シルヴァリルは、ザノバたちの質問にも的確に答え、教師としての資質の高さを示していました。

ここからは、シルヴァリルとルーデウスやナナホシとの関係について見ていきます。最初はルーデウスからですが、先ほど解説したようにシルヴァリルとルーデウスは先生と生徒という関係になります。

ただし教室以外の場所で会うと、シルヴァリルはルーデウスによく嫌味を言います。このようにルーデウスを邪険に扱う原因は、彼自身ではなく彼の上司にあると考えられます。ルーデウスの上司は、序列二位の龍神オルステッドです。

オルステッドの呪いをもたらす力は、世界のあらゆる生物を巻き込む強大な能力です。シルヴァリルは、自身が仕える甲龍王ペルギウスの身にもオルステッドによる呪いが及ぶことを警戒しているようです。もともと甲龍王ペルギウスと龍神オルステッドの関係は、良好なものとは決して言えません。そのようなオルステッドを上司に持つルーデウスに対し、シルヴァリルは嫌味の1つも言ってみたくなるのかも知れません。

次に、ルーデウスが前世で助けた高校生の1人であるナナホシ・シズカとシルヴァリルの関係を掘り下げていきます。シルヴァリルがナナホシと初めて出会ったのは、ペルギウスの空中城塞ケィオスブレイカーでのことになります。ナナホシは、元の世界に戻るため異世界への召喚について知識を得ようとペルギウスのもとを訪れます。その時、シルヴァリルもその場にいたと考えられます。

ペルギウスへの直談判が実を結び、ナナホシは異世界の召喚についての情報をもらえることになります。一方、シルヴァリルはナナホシに良い印象を持っており、彼女に会うたびに微笑みを浮かべて会釈をするようになりました。

ある時、ペルギウスの城にナナホシが姿を見せましたが、見るからに体調が優れない様子です。シルヴァリルは彼女のもとに駆け寄ると、心配そうに体の具合を訊ねました。また作中では、体型を気にしてダイエットを始めたナナホシに付き合って運動したり、戦闘能力ゼロのナナホシのために格闘術を訓練するシルヴァリルの姿が描かれています。こうしたことから、シルヴァリルはナナホシをかなり気に入っていると考えられます。

最後に、シルヴァリルと甲龍王ペルギウスの関係について改めて確認しておきましょう。現在はペルギウスの臣下として仕えているシルヴァリルですが、2人が出会ったのはおよそ500年前に起きた人族と魔族の戦争であるラプラス戦役でのことになります。

魔神ラプラスが魔大陸の魔族や獣族たちの総力を結集させて起こしたこの大戦争は、人族を殲滅することを目的にしていました。侵攻を受けた人族は当然ながら激しく抵抗しますが、彼らの力だけではラプラス軍の猛攻を退けることはできません。人族の苦戦が続く中で、立ち上がった七人の英雄たちの1人が甲龍王ペルギウスだったのです。

ペルギウスは空中要塞ケィオスブレイカーを使ってラプラスの本拠地を急襲します。激烈な戦闘の末、ペルギウスは他の英雄たちと力を合わせて魔神ラプラスの肉体を滅ぼすことに成功します。この戦争で、シルヴァリルはペルギウスに命を救われています。詳しいことはわかっていませんが、以来シルヴァリルはペルギウスの忠実な僕（しもべ）として数百年にわたり仕えているのです。

ここからは、シルヴァリルの性格や特技、そして彼女の最後について解説していきます。シルヴァリルは、優雅な見た目同様に平静心で落ち着いて行動することが多いようです。ルーデウスに接する際にも洗練された所作を見せています。

社交性があり礼儀作法もよく心得ており、コミュニケーションをとる際には自分は一歩退き相手を立てています。さらに、会話を聞けば彼女の頭の回転の良さが伝わってきます。このように完璧なまでのシルヴァリルですが、彼女には1つだけ欠点があります。それは心が狭いことです。鼻につく相手には嫌味を言ってしまいます。既に解説しましたが、ルーデウスにはあからさまな嫌味をぶつけています。

また、ナナホシはある事情から月に1回だけ目覚める生活を送ることになるのですが、彼女は目が覚めるとすぐに風呂に入って体を洗います。なぜかと言うと、いかなる場合でも身ぎれいにしていないとシルヴァリルに責められるからです。ナナホシは、シルヴァリルが身だしなみについてはかなりうるさいと語っていました。シルヴァリルは、美意識が高く自分にも他人にも厳しい性格なのかもしれません。

前述のとおりシルヴァリルは、甲龍王ペルギウスに仕えており、ペルギウスの言うことは何でも2つ返事で即応しなければねりません。ペルギウスがルーデウスやザノバと共にテーブルを囲んでいた時のことです。ペルギウスは、シルヴァリルに「喉が乾いたのでアスラワインを垂らした紅茶のシオーヌのセカンドを用意しろ」と命じます。

かなり無理な要求でしたが、シルヴァリルはすぐにおいしい紅茶を出してご主人様の喉を潤しました。シルヴァリルにはおいしいお茶を淹れる能力があり、食通で知られるペルギウスをも唸らせています。そのためペルギウスは、新しい料理を知るたびに彼女にレシピを作らせていました。

お茶を淹れる能力に長けたシルヴァリルは、お茶の産地にも気をかけています。お茶には魔大陸産のものが多いのですが、ペルギウスが魔族をきらっていることから魔大陸産のお茶を使うことに抵抗を示しています。こうした行き届いた心配りのできるシルヴァリルだからこそ、食通をも唸らせるおいしいお茶を淹れられるのかも知れません。

シルヴァリルが最後どうなるのかについては、現時点では明らかになっていません。命の恩人であるペルギウスに対しては、命を捧げるつもりで仕えているのでしょう。ペルギウスが生きている間は、側にいて献身的にお世話をするのではないでしょうか？

無職転生でのペルギウスとシルヴァリルのやり取りから、シルヴァリルがペルギウスに心酔しているのが窺えます。ペルギウスに恋心を抱いているのかも知れません。2人と初めて会ったルーデウスは、シルヴァリルをペルギウスの恋人だと思ったようです。いつの日かシルヴァリルとペルギウスが一緒になるという展開が待っているかも知れません。

ここまで漫画「無職転生」のシルヴァリル特集をお届けしてきましたが、最後にシルヴァリルに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、シルヴァリルの視点でのスピンオフ作品を希望する方のツイートからです。ペルギウスに一から仕込まれたシルヴァリルの料理漫画は見ごたえがあるかも知れません。

続いて紹介する感想・評価は、シルヴァリルの強さに関するツイートからです。戦闘シーンの少ないシルヴァリルですが、空中から魔術で連続攻撃できることと、杖のランクが高いことからかなり強いのでは？と予想していました。

このツイート投稿者は、無職転生には「ひどい目に遭って当然」と思うほどのキャラはあまりいないと前置きしつつ、陰険な時のシルヴァリルを挙げています。シルヴァリルとは、それほどまでに極端な二面性を持った人物なのでしょうか？

ここまで、「無職転生のシルヴァリルは12の使い魔の一人！」と題して、シルヴァリルの能力や　ルーデウスをはじめ無職転生の主要な登場人物との関係について考察してきました。

シルヴァリルは、甲龍王ペルギウスに命を救われたことから彼に献身的に尽くす天族の女性として登場します。彼女の身のこなしや会話の中には、独特の優雅さや気品が感じられるとSNSでは評判になっているようです。仮面を取った姿を披露することはありませんでしたが、きっと美人に違いないという声も多く聞かれます。

無職転生の作中でシルヴァリルの戦闘シーンは描かれていませんが、真剣に戦えばロキシーやムーアよりも強いという声もあります。シルヴァリルの最後は明かされていませんが、ペルギウスの生きている限り側から離れず仕え続けるのではないでしょうか？