ユーリオンアイスの原作漫画はある？アニメ版声優やモデルになった選手も紹介

2016年10月から放送が開始され、女性を中心に莫大な人気を誇っている「ユーリオンアイス」。その原作はいったい何なのか。またアニメ版の声を担当している声優はどんな人？キャラクターのモデルになった選手は誰？これらについて今回は紹介していきます。

ユーリオンアイスはフィギュアスケートを題材にした人気作品です。作品の内容は知らなくともタイトルだけでも聞いたことがある人も中にはいるのではないでしょうか。ここではユーリオンアイスのあらすじについて細かくご紹介します。

「ユーリ！！！on　ICE(ユーリオンアイス)」は漫画家の久保ミツロウとアニメーション監督の山本沙代の2人が原案したフィギュアスケートを題材とする作品です。現役の選手から、元選手のフィギュアスケーターの間でも話題になるほど表現の描写が細かく、クオリティが高い作品になっています。

主人公、勝生勇利は23歳。フィギュアスケートの強化選手として選抜されるほどの実力の持ち主であるものの、メンタルが弱く初出場のグランプリファイナルで大敗が続いています。その後も大会に選抜されることなく、自身のシーズンは終了。大学を卒業後、自身の今後を考え、九州で温泉施設を営む実家の「ユートピアかつき」に帰省しました。

実家に帰省後、ひょんなことから世界的トップのフィギュアスケート選手「ヴィクトル・ニキフォロフ」が勇利のコーチになりたいと申し出ます。しかし、グランプリファイナル以降体重が増加してしまった勇利に対し、「痩せるまではコーチをしない」と厳しい条件を立てます。

勇利の体重が元に戻ったころ、ジュニア金メダリストのユーリ・プリセツキーがヴィクトルを連れ戻すために突如やってきます。それに対しヴィクトルは2人にスケート対決をし、勝ったほうのコーチになると言い渡します。

結果、「ユーリ」は戦いに負け、ヴィクトルは「勇利」のコーチになることになります。そして次シーズン、勇利は「自分の愛」をテーマにした曲を「Yuri on ICE」と名付けて挑むことになります。

爆発的な人気を誇る作品のほとんどが原作となる漫画や小説などが存在していますが、同じく爆発的な人気を出したユーリオンアイスにも原作となる漫画や小説などの作品はあるのでしょうか。ここではそのユーリオンアイスの原作の有無やその内容について触れていきます。

ユーリオンアイスは、人気を誇る他アニメ作品のように漫画、小説といった原作は存在しません。言ってみれば「アニメ作品」が原作のようなものです。爆発的な人気を誇るアニメ作品において漫画、小説などの原作がないのはとても珍しいことです。

先ほども記述した通り、ユーリオンアイスは漫画、小説などの原作がない「完全オリジナル」のアニメ作品です。原案を作成したのは漫画化の久保ミツロウさんとアニメ監督・演出家の山本沙世さんの2人。この2人の手によってユーリオンアイスは作られました。「ユーリオンアイス」の原作者は久保ミツロウ、山本沙世の2人とも言えます。

ユーリオンアイスの脚本、キャラクターの原案を担当したのは漫画家の久保ミツロウさん。「モテキ」「アゲイン！！」等が代表作として挙げられます。「モテキ」はテレビドラマ、映画化もされており、「アゲイン！！」も連続ドラマ化されています。

山本沙世さんはアニメーション演出家、アニメーション監督をされている方です。代表作に「LUPIN the Third-峰不二子-」などが挙げられ、ユーリオンアイスで3作品目になります。

2人がタッグを組んだのは2014年の冬に開催されたソチ五輪がきっかけです。ソチの際に久保ミツロウさんの出演するラジオ番組にて、アイススケートについて語っていたのを山本沙世さんが聴いていたのがきっかけのようです。しかし「アイススケートのアニメ」を題材にしたアニメを作ることは放送開始4年前に企画されています。

ユーリオンアイスには原作の漫画はありません。しかし脚本を担当している久保さんは、脚本をネームで書いています。ネームは、漫画の下書きの下書きに当たるものですが、そのネームの量は約900枚と相当な量を執筆しています。

ユーリオンアイスに登場するキャラクターは実際のフィギュアスケート選手をモデルに作成されています。全部は紹介できないので、一部抜粋して紹介していきます。

主人公・勝生勇利のモデルとなったスケート選手は町田樹選手と高橋大輔選手がモデルとなっていると思われます。勇利の経歴は町田選手の経歴が見本とされていると思われており、また、勇利の「ガラスのハートを持っている」などという設定は高橋選手がモデルになっていると思われています。

町田樹（まちだ　たつき）選手は1990年3月9日生まれの神奈川県出身。元日本男子シングルのフィギュアスケート選手です。3歳のころ、友人に誘われスケートを始めます。シニアの時期を経てソチオリンピックで5位に入賞するほどの実力の持ち主です。しかし2014年に突然引退を発表。引退後はプロフィギュアスケーター、振付師として活動しています。

高橋大輔（たかはし　だいすけ）選手は1986年3月16日生まれの岡山県出身の選手です。2010年のバンクーバーオリンピックで銅メダルを獲得し、同年の世界大会にも優勝しているほどの実力を持つ選手です。2013年に現役を一時引退するものの、2018年7月には4年ぶりに現役復帰を表明しています。

ユーリのモデルは、ロシアのスケート選手、ユリア・リプニツカヤ選手がモデルとなっているとされています。気が強い、猫を飼っているなどがユーリとユリア・リプニツカヤ選手との共通点となっています。またシニアデビューした年もお互い早いということが相似しています。

ユリア・リプニツカヤ選手は1998年6月5日生まれの女性シングルのフィギュアスケート選手で、出身国はロシアのエカテインブルクの出身です。2014年にソチオリンピック団体で金メダルを獲得し、さらに同年の世界選手権は2位を獲得するほどの実力の持ち主です。多数の趣味を持っており、動物好きとでも知られています。

ヴィクトルのモデルになった選手は、ジョン・キャメロン・ミッチェルとプルシェンコ選手だとされています。しかし、ジョン・キャメロン・ミッシェルさんはフィギュアスケート選手ではなくアメリカの俳優です。ヴィクトルの外見は、ジョン・キャメロン・ミッシェルさんをモデルにしたとされています。

ヴィクトルの「技量が高い」「毒舌」などの性格、技量についてはエフゲニー・プルシェンコ選手がモデルとなっている路いう説があります。

ジョン・キャメロン・ミッチェルは1963年4月21日生まれの俳優です。出身国はアメリカ合衆国のテキサス州。俳優業の他に、映画監督や脚本家としても活動しています。1994年にミュージカル『ヘドウィグ・アンド・グリーインチ』に着手し、脚本・主演を手掛けているこの作品は、ブロードウェイでも高い評価を受けています。

プルシェンコ選手は1982年11月3日生まれ、ソビエト連邦出身の選手です。4歳の時のスケートを始め、7歳のころに大規模の選手権で優勝するほど、幼少のころからスケートの才能を開花させていました。世界選手権では2001年、2003年、2004年と男子シングルスで金メダルを獲得しています。世界的にも技術力の非常に高い選手として知られています。

この3人のキャラクター以外にも登場するキャラクターのほとんどにはモデルとなる選手が存在します。例えばカザフスタンの選手であるオタベック・アルティンというキャラクターのモデルはデニス・ニン選手とされており、スイスの選手クリストフ・ジャコメッティはランビエール選手がモデルとなっているとされています。

キャラクターのモデルとなった選手は有名な選手がほとんどです。主人公の勇利は松田選手と高橋選手という最強の選手の2人がモデルとなっています。他キャラクター技量のある有名な選手がモデルとなっているキャラクターがほとんどなので「ユーリオンアイス」に登場するキャラクターは最強キャラが多いといえます。

原作漫画などが無いユーリオンアイスは実質アニメが原作ともいえることは先ほど紹介しました。ではそのアニメ版で声を当てている声優さんはいったいどんな人なのか紹介していきます。しかし、すべては紹介しきれないので登場するキャラクターの中から5人の声を務める声優さんについて紹介します。

フィギュアスケートの特別強化選手でプレッシャーに弱いものの負けず嫌いの主人公・勝生勇利を演じるのは豊永利行さんです。

豊永さんは1984年4月28日生まれで東京都出身、スーパーエキセントリックシアター所属です。2002年にアニメ「横浜買い出し紀行」にて声優デビューしています。主な代表作として文豪ストレイドッグスの谷崎潤一郎役・デュラララ!!の竜ヶ峰帝人役などの様々な人気作品に出演しています。また、2013年からはシンガーソングライターとして音楽活動もしています。

「生きる伝説」とまで称されるほどの実力の持ち主で、勇利のコーチを務めるヴィクトル・ニキフォロフの声を務めるのは諏訪部順一さん

諏訪部さんは1972年3月29日生まれ、東京都出身。所属事務所は東京俳優生活協同組合所属。1995年から声優として活動しており、現在はアニメ声優をはじめ、吹き替え、ナレーションなどもしています。代表作は「テニスの王子様」の跡部圭吾役、「うたのプリンスさまっ」シリーズの神宮寺レンなど少年役から大人役まで幅広い役を演じています。

ユーリオンアイスにおいてのもう1人の主人公であり、ジュニア金メダリストでもあるユーリ・プリセツキーを演じるのは内山昂輝さんです。

内山さんは1990年8月16日生まれの埼玉県出身、劇団ひまわりに所属しています。2001年に「A.I」にて声優デビューしています。代表作は「キングダムハーツ」シリーズのロクサス役・「心が叫びたがってるんだ」の坂上拓実役などがあります。また内山さんは1993年から子役としても活動していた時期もあります。

パーソナルベストを出し3位に入賞するものの、惜しくもファイナル出場を逃したイタリアの選手で、同じスケート選手である双子の妹に対し重度のシスコンを見せる兄、ミケーレ・クリスピーノ役を前野智昭さんが演じています。

前野さんは1982年5月26日生まれの茨城県出身。アーツビジョン所属です。2001年から声優として活動しており、代表作は「図書館戦争」の堂上篤役・「弱虫ペダル」の福富寿一役などが有名です。

色気のある演技が特徴のスイス出身の選手、でヴィクトルに次ぐ世界的なスケート選手のクリストフ・ジャコメッティを演じるのは安元洋貴さんです。

安元さんは1977年3月16日生まれの山口県出身。シグマセブン所属です。2003年から声優として活動しています。代表作は「鬼灯の冷徹」の鬼灯役・「ヘタリア」のドイツ役をはじめ、様々人気作に出演しています。

1つの作品にこれだけの人気声優さんが多数出演する作品はとても珍しいです。この5人のキャラクター演じる声優の他にも西郡豪役に福山潤さん。南健次郎役に村瀬歩さん。ジャン・ジャック・ルロウ役に宮野真守さんなどの人気声優も出演しています。

大人気作品、ユーリオンアイス。原作は実は漫画ではなくアニメだった？今まで紹介してきたことについて簡潔にまとめていきます。

アニメ放送当初から「原作漫画等はないのか」と囁かれてきましたが、ユーリオンアイスには原作となる漫画、小説等は存在せず、「アニメ」が原作となります。原案は久保ミツロウと山本沙世さんの2人になり、キャラクター原案は久保さんが担当しています。脚本はネームで作成されており、約900ページに渡って描かれています。

勝生勇利、ヴィクトル・ニキフォロフをはじめ登場するキャラクターのほぼすべてにモデルとなる選手、俳優が存在しています。各キャラクターはモデルとなった人の特徴、経歴をしっかりと受け継いだうえで構成されており、中には最強選手2名の特徴を受け継いだキャラクターも存在します。

主人公・勇利の声を務める豊永さんをはじめ、ユーリオンアイスには人気声優が沢山出演しています。イベント等で声優が並べば黄色い歓声が上がるほどです。

原案者、担当声優共に豪華になっている「ユーリオンアイス」。スケートが好きな方にはもちろんのこと、声優さんが好きな方などにもぜひ見てもらいたい作品です。少しでも気になった方は公式サイトやアニメ作品をチェックしてみてください。