【コクリコ坂から】海（メル）が揚げていた旗の意味を解説！俊が応えていた理由は？

2011年7月16日に公開されたジブリ映画『コクリコ坂から』では、毎朝欠かさず庭に旗を揚げる海(メル)の姿が確認できます。さらに、物語終盤では俊が海の旗に応えている姿もありました。それぞれの思いを乗せて旗を揚げているようですが、果たして旗の意味とは一体何なのでしょうか？そこで、ここからは旗の意味や俊が旗に応えた理由を解説していきます。それではまず、『コクリコ坂から』の作品情報からご覧ください。

• 作品タイトル：コクリコ坂から
• 監督：宮崎吾朗
• 脚本：宮崎駿、丹羽圭子
• 原作：佐山哲郎、高橋千鶴
• 音楽：武部聡志
• 主題歌：手嶌葵「さよならの夏 〜コクリコ坂から〜」

『コクリコ坂から』とは、2011年7月16日より東宝系にて公開された宮崎駿監督作品です。佐山哲郎の原作、高橋千鶴の作画による漫画『コクリコ坂から』を原作とするスタジオジブリ制作のアニメ映画で、キャッチコピーは「上を向いて歩こう。」。物語の時代設定は1963年(昭和38年)となっています。

ここではジブリ映画『コクリコ坂から』のあらすじを簡単にまとめていきます。海の見える丘に建つコクリコ荘を切り盛りしている松崎海は、ある日高校の学級新聞に匿名で掲載された「旗を揚げる少女」の詩のモデルとして取り上げられていました。海は10年前に乗った船が遭難して行方不明になった船乗りの父のために、毎朝庭に旗を掲げていたのです。

『コクリコ坂から』に登場する松崎海は、親しい友人や俊から「メル」というあだ名で呼ばれている本作の主人公です。港南学園高等学校2年生。両親は10年前に行方不明となった船乗りの父と、大学助教授でアメリカ留学中の母です。普段は両親が家を不在にしているため、コクリコ荘の運営や家事をこなしています。

それでは早速、『コクリコ坂から』の海(メル)が揚げていた旗の意味を解説します。また、俊が海の旗に応えている様子が描かれているため、俊が応えていた理由も考察していきます。

『コクリコ坂から』のあらすじで触れていたように、海は毎朝庭に旗を揚げていました。この旗は「国際信号旗(UW旗)」と言い、船舶の通信のために使用されています。そして名称に「国際」と付いていることから分かる通り、世界に共通する旗です。国際信号旗(UW旗)はアルファベット文字旗26枚、数字旗10枚、代表旗3枚、回答旗際1枚の合計40枚の旗で構成されています。

国際信号旗(UW旗)のアルファベット文字旗は、1つの旗として使用する場合においても意味があり、たとえばA旗の場合「本船で潜水夫が活動中。徐速して通過せよ」、B旗の場合「危険物の運搬、積み下ろし中」、P旗の場合「準備せよ」などがあります。そして2つの旗を並べた場合は「二字信号」です。二字信号として代表的なものに「N・C」があり、これは「私は遭難している。直ちに援助が欲しい」を意味しています。

では、国際信号旗(UW旗)の特徴を踏まえた上で海が揚げていた旗の意味について見ていきましょう。まず、海が揚げていた国際信号旗(UW)旗は、二字信号の「U旗」と「W旗」です。U旗とW旗の意味は「ご安航を祈る」。そして、船乗りの父が10年前に行方不明になる前から国際信号旗(UW旗)を揚げていたという海の行動から、海は船を入港させようとする父に「貴船を歓迎する」と伝えていたことが分かります。

そして父が10年前に行方不明になってからも国際信号旗(UW旗)を揚げている理由、それは10年戻らない父を待ち続けているからです。しかし、海の父親は朝鮮戦争時に機雷に触れて亡くなっています。おそらく、海は頭では理解していても、その現実が受け入れ難いために心の中では否定しているのでしょう。だからこそ、海はいつか帰ってきて欲しいという思いを込めて国際信号旗(UW旗)を揚げていると考えられます。

劇中では海だけでなく、のちに彼女と惹かれ合うようになる俊も国際信号旗を揚げています。海の場合は帰ってこない父に向けて国際信号旗(UW旗)を揚げているのですが、果たして彼の場合何を伝えようとしているのでしょうか？まず、俊は海の揚げる「U旗」「W旗」に加えて、三角形の赤と白で構成された縞模様の旗を揚げています。この俊が揚げて信号旗は「回答旗」と呼ばれるものです。

回答旗の信号を解読したら揚げるという特徴を踏まえると、俊は海のあげた信号旗に応えていることが分かります。しかし俊の乗ったタグボートは海の死角となっているため、海は俊が回答旗を揚げていることに気付いていません。ただ、最終的に下宿人の広小路さんによってその存在を知らされることになります。

さらに、学内新聞『週刊カルチェラタン』には海宛てに「少女君は旗をあげる/なぜ」という詩が掲載されているのですが、この詩を掲載したのは俊です。つまり、俊は海が信号旗を揚げている理由を知りたいと思ったことがきっかけとなり、徐々にその知りたいという興味から好意へと変わっていったのだと考えられます。

そして俊が掲載したもう一つの詩の「朝風に想いをたくして/よびかける彼方」という内容から、俊は海が切ない理由のもとに毎朝旗を揚げていることを感じ取っていたことが窺えます。だからこそ、俊は海の信号に応えたかったのではないでしょうか？海の切なさを感じ取っていた俊は海に寄り添いたかったのだと考えられます。

『コクリコ坂から』の海が揚げていた旗は、ご安航を祈るという意味が込められた「国際信号旗(UW旗)」であり、10年前に行方不明となった船乗りの父に帰ってきて欲しいという思いを込めて旗を揚げていたことが分かりました。では、次に『コクリコ坂から』のラストやポスターの旗の意味を見ていきましょう。

『コクリコ坂から』のラストでは、海が庭に旗をあげるシーンで締めくくられています。宮崎吾郎監督は、このシーンについて「人はそんな簡単に変わることはできなくて、海はまだ父のために旗を揚げている」と答えています。宮崎吾郎監督はこのように答えていますが、海は国際信号旗(UW旗)が意味する「入港する船」を俊に見立てて、「あなたを歓迎する」と伝えていると捉えることもできます。

『コクリコ坂から』の旗の意味は映画のポスターに掲載されていたものだと、「貴船の協力に感謝する」「航海の安全を祈る」といった意味があります。しかし、通常の旗の並びとは逆です。そのため、ポスターの旗の意味は、裏の意図があってのものか、間違いがあってのものかのどちらかだと推測されます。

ネット上では『コクリコ坂』に登場するキャラクターの声を担当した声優キャストの多くが豪華だと言われています。そこで、ここからは『コクリコ坂から』の声優キャストを一覧形式で紹介していくのでぜひ参考にしてください。

『コクリコ坂から』にて登場する松崎海役を演じた声優キャストは、東宝芸能に所属する長澤まさみ(ながさわまさみ)さんです。長澤まさみさんはテレビドラマ・映画・CMのジャンルを中心に活動する女優で、史上最年少の12歳で芸能界入りを果たしています。主な出演作品には、テレビドラマの『ドラゴン桜』『プロポーズ大作戦』『真田丸』、映画の『涙そうそう』『モテキ』『キングダム』などがありました。

『コクリコ坂から』にて登場する風間俊役を演じた声優キャストは、ジャニーズ事務所に所属する岡田准一(おかだじゅんいち)さんです。岡田准一さんは映画・テレビドラマ・CMのジャンルを中心に活動する俳優・歌手・タレントで、バラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』のコーナー「ジャニーズ予備校」に応募後、オーディションに合格したのをきっかけに芸能界入りを果たしています。

主な出演作品には、テレビドラマの『白い巨塔』『SP 警視庁警備部警護課第四係』『タイガー&ドラゴン』、映画の『永遠の0』『SP 野望篇・革命篇』『ザ・ファブル』などがありました。

『コクリコ坂から』にて登場する松崎花役を演じた声優キャストは、アイ・バーグマンに所属する竹下景子(たけしたけいこ)さんです。竹下景子さんはテレビドラマ・映画・舞台のジャンルを中心に活動する女優で、1973年に放送されたNHK『波の塔』で女優としての本格デビューを果たしています。主な出演作品には、テレビドラマの『北の国から』『坂の上の雲』『ゲゲゲの女房』などがありました。

『コクリコ坂から』にて登場する北斗美樹役を演じた声優キャストは、風鈴舎に所属する石田ゆり子(いしだゆりこ)さんです。石田ゆり子さんは舞台・テレビドラマ・映画のジャンルを中心に活動する女優・エッセイスト・ナレーター・タレント・歌手で、1988年11月にテレビドラマ『海の群星』に出演し女優としてデビューしています。

主な出演作品には、テレビドラマの『君のためにできること』『はだしのゲン』『逃げるは恥だが役に立つ』『妻、小学生になる。』、映画の『悲しい色やねん』『僕だけがいない街』『記憶にございません!』などがありました。

『コクリコ坂から』にて登場する広小路幸子役を演じた声優キャストは、ファザーズコーポレーションに所属する柊瑠美(ひいらぎるみ)さんです。柊瑠美さんは映画・テレビドラマ・舞台・CMのジャンルを中心に活動する女優で、6歳から子役として活動しています。主な出演作品には、テレビドラマの『すずらん』『野ブタ。をプロデュース』、映画の『すずらん 〜少女・萌の物語〜』などがありました。

『コクリコ坂から』にて登場する松崎良子役を演じた声優キャストは、パパドゥに所属する風吹ジュン(ふぶきじゅん)さんです。風吹ジュンさんは映画・テレビドラマのジャンルを中心に活動する女優・歌手・タレントで、1974年に歌手デビュー、1975年に女優デビューを果たしています。主な出演作品には、テレビドラマの『ほんまもん』『あさが来た』、映画の『蘇える金狼』『無能の人』『浅田家!』などがありました。

ここまで『コクリコ坂から』の海が揚げていた旗の意味や俊がそれに応えていた理由、ラストやポスターの旗の意味、声優キャスト一覧と紹介してきました。では最後にネット上に寄せられた『コクリコ坂から』の旗に関する感想や評価を見ていきましょう。

『コクリコ坂から』に登場する海(メル)が掲げていた旗を、実際に見ることのできる「港の見える丘公園」に関する声があがっています。港の見える丘公園では実際に海が揚げていた国際信号旗を見ることができるようなので、その旗に興味のある方はぜひ港の見える丘公園に足を運んでみてはいかがでしょうか？

こちらでも『コクリコ坂から』に登場する海(メル)が掲げていた旗を、実際に見ることのできる「港の見える丘公園」に関する声があがっています。感想では「メルが毎日あげている旗があって、幸せでした」と言われているので、『コクリコ坂から』をご覧になった方であれば、港の見える丘公園はかなり充実した時間を過ごせる場所になるのかもしれません。

『コクリコ坂から』に登場する海(メル)が掲げていた旗に関する声があがっています。どうやら、ドリプラのデッキで海が揚げていた旗を見ることができるようです。投稿されている1枚目の画像と2枚目の画像(ポスター)が非常に似ています。船に国際信号旗があげられているので、機会があればぜひドリプラのデッキに足を運んでみてはいかがでしょうか？

『コクリコ坂から』に登場する海(メル)が掲げていた国際信号旗(UW旗)についてまとめてきましたがいかがでしたか？海(メル)が毎朝揚げていた旗は、アルファベット文字の「U旗」と「W旗」で構成された「国際信号旗(UW旗)」であり、「ご安航を祈る」という意味を持つことが分かりました。

ネット上では海が揚げていた旗が見れるということで、港の見える丘公園が注目されています。機会があれば港の見える丘公園に足を運び、実際に海が揚げていた旗をご覧になってみてはいかがでしょうか？