宝石の国のダイヤモンドがかわいい！ボルツへの愛と憎しみなど関係も考察

2012年から月刊アフタヌーンで連載されている宝石の国。キャラクターのデザインからストーリー性など様々な点から注目を浴びるこの作品は、2013年の単行本１巻発売で更に注目が高まり、同年末発表の「このマンガがすごい！2014年」でオトコ篇堂々の10位を飾った作品でもあります。

また、その人気が収まることはなく2017年5月にはテレビアニメ化が発表され、同年の10月から12月の１クールの放送もおこなわれました。イラストでも人気の高かったキャラクターがアニメ化したことにより、その人気は更に高まっています。ここではそんな宝石の国に登場するキャラクターにスポットをあて、宝石の国という作品がどういったものかを考察していきます。

キャラクターについて考察していくにあたって「宝石の国」とは一体どういった作品なのかを紹介しておきます。この宝石の国の舞台は今現在の世界からはるか遠くの未来とされています。「にんげん」が存在していた時代が「古代」と表現されるほど遠い未来、この世界に至るまでに地球では６度の流星飛来の被害にあっているとされます。

その影響で海底に沈んだ地上生物の中から「微小生物」と呼ばれる生物に食われ無機物になったものがこの宝石の体を持つ人型とされています。その数は全部で２８人。唯一地上に残ったとされる指導者金剛先生と共に地球に襲い来る「月人(つきじん)」と呼ばれる生き物たちと戦うための術を学んでいるとされています。さてではこの２８種類の宝石の中でも戦闘能力が高く最強の硬度を持っているダイヤモンドについて触れていきます。

宝石の国でも人気の高いキャラクターと言われているのがダイヤモンド(通称：ダイヤ)です。「かわいい」「強い」「ママ」などと様々な点から視聴者を虜にするこのダイヤモンドですが、彼は一体どんな宝石なのかをここでは考察していきましょう。また、面倒見のいい彼がその内側に抱えている葛藤なども暴いていければと思っています。

宝石の中でも硬度１０というとても固い体を持っているダイヤモンドですが、その物腰はとても柔らかなものです。また、主人公のフォスフォフィライト(通称：フォス)からの「アイディアを出せ」という無茶振りにも近い質問に「変わってみるのはどう？」と対応する姿に多くの視聴者が魅了されたと言われています。

しかしイエローダイヤモンドなどには「おにいさま！」と呼び、甘えるシーンなども描かれている姿もあります。この普段はしっかりとした大人な対応なのに、時折現れる甘えたなギャップがとてもかわいいと人気を高めています。皆のお兄さん的立ち位置にいながらも、甘えられる存在を持っているダイヤモンドだからこそ見ている人達の心に突き刺さるものがあるのかもしれません。

かわいい感じから甘えたな感じまで、多くのギャップにより視聴者を魅了するダイヤモンド。しかし宝石の国の見どころとも言われているのが戦闘シーンになります。月から訪れる狩人・月人との戦いは避けることができないものです。しかし硬度の低い宝石が戦うと戦闘により壊れてしまう事があります。それは硬度が高いダイヤモンドであっても例外ではありません。

しかしダイヤモンドはその特性を利用して戦います。鉱物のダイヤモンドも「全ての物質の中で最も硬い」とされていますが、瞬間的なダメージにはとても弱いのです。そのため、真上から振り下ろされた金槌でも簡単に割る事ができるのです。硬度１０と言われるダイヤモンドですが、靱性(じんせい)と呼ばれる瞬時に与える衝撃への強度もあるのです。

そう、すなわちこのダイヤモンドも同じ特性を持っています。しかしダイヤモンドはその事を知りながらも自分の身を顧みない戦い方をします。自分自身の身を削る戦い方のため、１人での戦闘や重度の破損をしてしまうと月人との戦闘に負けてしまう可能性もあります。その事からダイヤモンドはしばしば同じ硬度１０を誇るボルツと衝突している事があります。

作品の中では面倒見がいいダイヤモンドをボルツがいじめているような雰囲気になる回もあり、その度にフォスなどが止めに入るシーンも作中では描かれています。しかしその話の内容を聞く限りではダイヤモンドの危険な戦い方をボルツが諌めているようにも感じ取れます。

大人な対応を見せるダイヤモンドの周りには様々な宝石達がいつも一緒にいます。その中でもダイヤモンドと密接な関係のある宝石を紹介していきます。

宝石メンバーの中でも１番硬度が低いフォスは何かあれば必ずと言える程ダイヤモンドへアドバイスを求めます。また八つ当たりのような形で質問してもきちんと返事をしてくれるダイヤモンドを心から尊敬している事も作中では描かれています。

ダイヤモンドが金剛先生以外に唯一甘えることができるといえる存在がイエローダイヤモンド。ダイヤモンドと同じく柔らかな物腰ではありますが、はっきりとした強い意志が見て取れるほどしっかりとしている宝石です。しかし、過去にコンビを組んでいた宝石が月人に連れて行かれたことを気にしている事があります。

ダイヤモンドに並ぶ硬度を持ち、宝石の中でも最強と言えるチカラを持っているボルツ。ダイヤモンドとコンビを組んでおり、常に月人との戦闘を退ける実力者。他者のマイナス点を見つけることに長けていて、その観察眼を活かしアドバイスを伝えるのだが、一向に改善せずマイナス部分を大きくするダイヤモンドと衝突することが多いキャラと言えます。

さて、ここで気になるのがダイヤモンドとボルツの関係です。作中ではボルツがダイヤモンドに対して「兄ちゃん」と呼ぶシーンがあり、ダイヤモンドもボルツを紹介する際に「弟」と表現しています。この事から２人は兄弟と考えられますがその関係性はただの兄弟では無いようにも感じられます。ここではその関係について考察したいと思います。

作中においてなぜダイヤモンドとボルツが兄弟と言われているのか、実はボルツとは別名：金剛石(こうんごうせき)と呼ばれています。そうです、ダイヤモンドと同じものです。しかし、配合されている成分はダイヤモンドとボルツでは多少の異なりがあります。その大きな違いは、集められている結晶体にあります。ダイヤモンドは単一結晶と呼ばれる結晶体で、ボルツは多結晶体になります。

この結晶体の違いにより、同じ硬度１０を誇る鉱石にも関わらず、ダイヤモンドは衝撃と方向によっては真っ二つに割れてしまいます。これを靭性と呼びますが、ボルツはこの靭性が特級と言われる性質にあるため、ダイヤモンドよりも硬いのです。その事からダイヤモンドは自分自身のことを「ニセモノ」のようにいい、ボルツが本物かのようにフォスに説明するシーンがあります。その時にこんな言葉も伝えています。

しかしだからといってダイヤモンドはボルツを嫌っているのかと言えばけしてそういうわけではありません。むしろボルツに対して強い憧れと愛情を抱いています。「ボルツのようになりたい」とつぶやくシーンやフォスに対して「コラ！弟の悪口言わないでよ！そこに座りなさい！」と怒るシーンもあります。誰よりも弟・ボルツを愛しているからこそ、誰よりもその強さに惹かれ嫉妬してしまっているようにも感じます。

ダイヤモンドとボルツはお互いを大事に思う半面お互いを疎ましく思っている事があります。ダイヤモンドはボルツの強靭な強さに、ボルツはダイヤモンドの己を顧みない戦い方に。そんな２人でしたが、その関係に変化が生まれる出来事が起こりました。

それはフォスの急激な成長です。最初の頃は宝石の誰よりも弱かったフォスですが、冬の間皆が眠りについている時に様々な鍛錬を積むことにより、ボルツが認めるほどのチカラを手に入れることができました。そこで今まではダイヤモンドとボルツが組んでいたにも関わらず、そのコンビを解消し、ボルツとフォスの新しいコンビが誕生しました。

そしてその直後に今までに見たことのない月人の襲撃を受け、ダイヤモンドがボロボロになる事件が起こります。この時にダイヤモンドがボルツに対して「『無駄が多い』でしょ？別れてよかった、遠くにいるボルツは大事に見える」と答えるシーンがあります。

この事からダイヤモンドは近ければ近いほど愛する者への感情が膨れ上がるようです。また、ボルツも同じようでダイヤモンドの言葉に「僕もだ」と返事を返しています。

ここまでダイヤモンドとボルツの関係性について考察してきましたが、この２人以外に兄弟と呼べる宝石はいないのかという疑問が生まれてきます。確かにダイヤモンドは「イエローダイヤモンド」のことを「お兄様」と呼ぶシーンがあります。しかしそれはあくまでもダイヤモンドだけでボルツがそう読んでいるシーンは見られませんでした。

そもそも”ダイヤモンド”と名前がつく宝石がダイヤモンド・ボルツ・イエローダイヤモンド以外にいないのも疑問です。その問題を解決してくれたのが「月人」でした。実は彼らは宝石を破壊する事が目的ではなく、宝石を連れ去ることが目的なのです。そして連れ去られた宝石の中には「グリーンダイヤモンド」の名前もありました。グリーンダイヤモンド現在は月人の元にいると考えられています。

これまでダイヤモンドとボルツについての考察、この２人以外の兄弟に関しての考察をおこなってきましたが、なんとなくの答えは導き出されてきました。それは「彼ら以外の兄弟はすでに月人に連れ去られた」という点です。アメジストのように双子の兄弟がいるように、彼らにはまだ別の兄弟がいても不思議ではありません。

しかしそれらを失ってしまったからこそ、ダイヤモンドもボルツも愛している兄弟のはずなのに「なぜ自分に守られてくれないのか」という憎悪を抱いているのかもしれません。「失いたくない」「守りたい」という思いが大切だからと近くに置いている兄弟にマイナスな感情を抱かせる元になっているのかもしれません。

個性的なキャラクターが複数登場する宝石の国ですが、そのキャラクターの数だけ声をあてる声優さんもいます。主人公・フォスを担当する黒沢ともよさんや金剛先生を担当する中田譲治さんなどの大御所声優と呼ばれる人達に並ぶダイヤモンドの声優さんとは一体誰なのでしょうか。

ダイヤモンド役として声を当てている声優さんは実は茅野愛衣さん。しかし声優に詳しくない人だと名前を効いても「誰なんだろう？」と疑問になりますよね。どのようなキャラクターを演じているのかを説明する前に、まずは茅野さんのプロフィールを軽く紹介させていただきます。

これだけではわからないという人もまだまだいます。実は茅野さんはアルスラーン戦記のイリーナ役、FAIRY TAILのキョウカ役も努めています。数多くの作品に登場する有名な声優さんだからこそ、ダイヤモンドの可愛い感じ、優しい感じ、甘えん坊な感じ、嫉妬する複雑な感じなどを綺麗に表現できているとも言えます。また、今回は同期とも言える佐倉綾音さんとの兄弟役ということもあり「うれしい」とコメントしています。

また、今回のダイヤモンド役として重要視されている点に「かわいい男の子」「かっこいい女の子」に見えるという中性的な声があります。ダイヤモンドは男の子でありながら面倒見がいい点、優しい点、かわいい点などから最初女の子と思っていた人も少なくありません。その事も踏まえて考えてみるとダイヤモンドは茅野さんで納得できる点が多いです。

宝石の国という作品の中でもファンの間でかわいいと言われ続けるダイヤモンドですが、それ以上に強く魅力的な部分をたくさん持っています。しかしその魅力はけして綺麗な側面だけでなく、弟への愛憎もあるからこそ生まれている魅力なのかもしれません。

また、そのかわいいながらにかっこいいキャラクター性にかわいいキャラクターを多く演じられている声優・茅野さんが声をあてることによって、その魅力は更に底上げされいるのではないかと考えられます。だからこそ今後どのような展開になっていくのかも期待できるキャラクターだと思います。

今回は宝石の国のダイヤモンドについて紹介しましたがいかがだったでしょうか？宝石の国にはダイヤモンドだけでなく主人公のフォスフォフィライトや他にも様々なキャラクターが登場しています。この記事をご覧になって宝石の国に興味が出た方は是非ご覧ください。