言の葉の庭の主題歌・挿入歌は?エンディング曲「Rain」の歌詞が深いと話題

2013年に公開された新海誠監督の映画「言の葉の庭」。その美しい映像もさることながら、映画全体をさらに盛り上げ話題になったのが秦基博さんが歌う主題歌「Rain」です。秦基博さんの透明感のある歌声はもちろん、映画「言の葉の庭」の内容とも非常にマッチしており重要な役割を果たしています。今回は映画「言の葉の庭」の主題歌「Rain」の歌詞や、共に映画を盛り上げている挿入歌をご紹介していきます。

言の葉の庭の主題歌・挿入歌は?エンディング曲「Rain」の歌詞が深いと話題のイメージ

目次

  1. 言の葉の庭の主題歌や挿入歌を紹介!
  2. 言の葉の庭とは?
  3. 言の葉の庭の映画主題歌や挿入歌一覧!
  4. 言の葉の庭のエンディング曲「Rain」の歌詞が深い?
  5. 言の葉の庭の主題歌や挿入歌は魅力的な曲ばかりだった!

言の葉の庭の主題歌や挿入歌を紹介!

2013年公開の新海誠監督の映画「言の葉の庭」。のちに公開された映画「君の名は。」が大ヒットし有名になった新海監督ですが、前作である「言の葉の庭」も非常に美しいアニメーションで話題になった映画です。この映画全体を盛り上げているのが秦基博さんの歌う主題歌「Rain」とKASHIWA Daisukeさんによる挿入歌「swan song」です。今回は「言の葉の庭」の主題歌と挿入歌にスポットをあてご紹介していきます。

言の葉の庭

言の葉の庭とは?

新海誠監督の映画「言の葉の庭」

「言の葉の庭」は2013年に公開された新海誠監督の作品です。新海監督が雨はキャラクターのひとつであると話すように作品の中で雨が重要な意味を持ち、梅雨入り前の5月31日に公開されました。雨は背景ではなく登場人物の心情を表す一端を担っており、小雨から雷を伴う激しい雨までその表現は多岐に渡ります。また雨を含む背景は現実よりも美しく、実写では逆に叶えることのできない繊細なアニメーションが魅力的な作品です。

「言の葉の庭」は新海誠監督が初めて恋を扱った作品であり、作中では雨と共に万葉集もキーワードとなっています。作品自体は46分と映画としては短い作品です。当初は配信やDVDのみの予定でしたが、最終的には劇場で公開をすることになりました。「言の葉の庭」の登場人物が後の大ヒット作「君の名は。」に少しだけ登場しているというファンサービスもあります。

言の葉の庭のあらすじ

靴職人を目指している高校1年生の孝雄は、雨の日の午前中は決まって学校をサボり新宿御苑にある東屋で靴のデザインを考えていました。ある雨の日、孝雄がいつものように東屋へ向かうとそこには午前中からスーツ姿でチョコレートをつまみにビールを飲んでいる謎の女性に出会います。彼女は帰り際に万葉集の「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みてさし曇り 雨も降らむか 君を留めむ」という短歌を言い残し去っていきます。

雨の日に2人は少しずつ距離を縮めていきお互いに惹かれあっていきますが、楽しく会話が弾むその端々で暗い顔を見せる雪野に孝雄は靴を作る事を決意します。「世界の秘密そのものみたいに彼女は見える」と孝雄が表現するように彼女の素性はよくわからないままでした。しかし孝雄の通う校内で偶然2人はすれ違い、孝雄は謎の女性が雪野百香里という古典の教師だったこと、そして彼女が抱えるある問題を知ることになります。

雪野は生徒からの嫌がらせを受け精神的に追い詰められていき、職場である学校に通うことができなくなっていました。雪野が初めて孝雄に会った時に言い残した短歌は「雷が鳴り響き雨でも降ってくれないだろうか。そうすればあなたをこの場に引き止めることができるのに」という意味の歌でした。そこで雪野の状況を知った孝雄は返し歌「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて降らずとも 我は留らぬ 妹し留めば」と詠うのでした。

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言の葉の庭の映画主題歌や挿入歌一覧!

Rain:秦基博

「言の葉の庭」の主題歌及びエンディング曲は秦基博さんの歌う「Rain」です。元々この「Rain」という曲は1988年に発売された大江千里さんのアルバム「1234(ワンツースリーフォー)」に収録されており、シングルカットはされていないものの根強い人気のある曲です。雨をメインテーマにした歌詞と美しいメロディが印象的で、1998年に槇原敬之さんもカバーをしています。

大江千里さんの「Rain」が好きだった新海監督は、雨をモチーフとした作品を作ろうとした時にふとこの曲が浮かび、映画の作成途中で「Rain」を当てはめた時に非常にマッチしたため主題歌はこの曲以外に有り得ないと思ったのだそうです。しかし現代の映画に80年代の曲をそのまま合わせるとミスマッチになってしまうため、不安定な少年のような声とセンシティブさを持ち合わせている秦さんにオファーをしカバーが実現しました。

swan song:KASHIWA Daisuke

「言の葉の庭」の主題歌と並び映画の中で存在感があるのが、KASHIWA Daisukeさんの挿入歌「swan song」です。こちらの曲は歌詞のない10分以上に及ぶ美しいメロディが特徴で、2011年7月に発売された「88」というアルバムに収録されています。大江千里さんの「Rain」と同様にシングルカットはされていません。

これまで新海監督は映画で使用する音楽は作曲家の天門さんとタッグを組んでいましたが、今回「言の葉の庭」で初めてKASHIWA Daisukeさんに挿入歌の依頼をしました。2007年に公開された新海監督の映画「秒速5センチメートル」に感銘を受けたKASHIWA Daisukeさんが、自分の作品を聴いてほしいと新海監督に自身のアルバムを以前に送っていたのだそうです。

この「swan song」は10分の中で様々な起伏を繰り返し、「言の葉の庭」の冒頭で流れる、水が踊っているようなメロディから静かに降る梅雨の雨のようなメロディ、そして嵐がもたらす激しい雷雨のようなメロディとたくさんの動きがあります。その音の移り変わりが「言の葉の庭」の登場人物の感情の揺れ動きにぴったりだということで、新海監督が挿入歌の担当をオファーしたのだそうです。

番外編:イメージソング「言ノ葉」

「言ノ葉」は秦基博さんが「言の葉の庭」のために書き下ろしたイメージソングで、CDジャケットは新海監督のイラストです。映画のエンディング曲である「Rain」を共に収録し、映画公開2日前の2013年5月29日に発売されました。この「言ノ葉」は劇中では流れてはいませんが、新海監督が手掛けたミュージックビデオがあり「言の葉の庭」のアニメーションだけでなくこの曲のために新しくカットされた映像も追加されています。

言の葉の庭のエンディング曲「Rain」の歌詞が深い?

「言葉にできず 凍えたままで 人前ではやさしく生きていた」

そんな歌い出しから始まるエンディング曲「Rain」は、心の内を明かさない雪野に孝雄がお互いの感情を激しくぶつけ合い、どしゃぶりだった空から光がさす美しいラストシーンで流れます。その美しく切ない光景と、主題歌でありエンディング曲である「Rain」の歌詞があまりにリンクしており涙した人も多いようです。

「どしゃぶりでもかまわないと ずぶぬれでもかまわないと しぶきあげるきみが消えてく 路地裏では朝が早いから 今のうちにきみをつかまえ 行かないで行かないで そう言うよ」

この歌詞は、エンディングでお互いの感情をぶつけ合い邂逅をしたものの、既に今いる高校を去り故郷の四国へ帰ることが決まっていた雪野に対する孝雄の感情を主題歌で表しているようにも見えます。また、ラストシーンで雪野の部屋を飛び出してしまった孝雄を、泣きながら裸足で必死に追い掛けた雪野の感情のようにも受け取れます。

「別々に暮らす 泣き出しそうな空を にぎりしめる強さは今はもうない 変わらずいる心のすみだけで傷つくような きみならもういらない」

この歌詞は、その後雪野と離れ離れになった孝雄が、ある決心をしたように聞こえます。一見すると雪野を突き放しているようにも受け取れますが、映画では描かれなかったものの小説には後日談として出てくる、孝雄が靴の勉強のためにイタリアのフィレンツェに留学をした事とリンクしているように聞こえます。

「肩が乾いたシャツ 改札を出る頃 きみの町じゃもう雨は小降りになる 今日だけが明日に続いてる こんなふうに きみとは終われない」

少し穏やかな声で歌われるこの歌詞は、仕事でつまづき歩けなくなってしまったのだと話した雪野に、もう一度歩き出すことができるようにと靴を作る事を決めた孝雄が、雪野のために作った靴を思い出の東屋に持っていくエンディングの映像と非常にシンクロしています。映画「言の葉の庭」では描かれていませんが、小説では4年半後(孝雄の卒業から2年後)に2人が再会する時のエピソードがあります。

「言の葉の庭」の主題歌「Rain」は先にご紹介したとおり1988年に発売されており、「言の葉の庭」が公開されたのは発売の実に25年後です。それにも関わらず歌詞の内容と映画の内容や登場人物の心情そのものを描いているように見え、エンディング曲を新海監督が「Rain」以外有り得ないと考えたのも納得でしょう。

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言の葉の庭の主題歌や挿入歌は魅力的な曲ばかりだった!

「言の葉の庭」の主題歌およびエンディング曲「Rain」と挿入歌「swan song」と映画の内容についてご紹介致しました。KASHIWA Daisukeさんの挿入歌が映画の登場人物の感情の起伏を表現していること、そして秦基博さんの歌うエンディング曲の歌詞が映画の内容や孝雄と雪野たちの思いに非常にリンクしていたことがおわかり頂けたでしょう。雨をテーマにしたこの映画を、主題歌と共にさらに楽しんで頂けたら嬉しいです。

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