猫の恩返しの都市伝説とは?「耳をすませば」との関連性やあらすじも紹介

猫の恩返しと言えばジブリの長編アニメです。メッセージ性の強いジブリ作品は多くの作品に、本編で直接語られるわけではないメッセージが都市伝説としてファンの間で実しやかに伝えられています。今回はジブリ作品の中でも猫の恩返しに焦点を絞り、あらすじなどネタバレ有りで紹介しつつ、同じくジブリ作品である耳をすませばとの関連性なども含めて猫の恩返しの都市伝説をまとめて紹介していきます。

猫の恩返しの都市伝説とは?「耳をすませば」との関連性やあらすじも紹介のイメージ

目次

  1. 猫の恩返しの都市伝説を徹底調査!
  2. 猫の恩返しとは?
  3. 猫の恩返しのあらすじをネタバレ!
  4. 猫の恩返しの都市伝説を紹介!
  5. 猫の恩返しの耳をすませばとの関連性は?
  6. 猫の恩返しのキャラクターを画像付きで紹介!
  7. 猫の恩返しの都市伝説まとめ!

猫の恩返しの都市伝説を徹底調査!

ジブリの長編アニメ、猫の恩返し。ジブリ作品と言えばそのメッセージ性の強さと個性豊かなキャラクターで人気ですが、作中では直接的に描かれていない裏設定なども多く、作品から読み取れる事、作品外の部分との関連性などがファンの間で考察され、実際は分からないけど、そうなんじゃないかと言われる話、いわば都市伝説となっている事でも有名です。

猫の恩返しはジブリ作品の中では比較的都市伝説が少ないと言われていますが、それでも一般的な作品に比べれば多数の都市伝説があります。基本的にはファンによる考察なのでどこまでが本当でどこからが事実とは異なるかは不明ですが、1度視聴してあらすじを知っている上でこれらの都市伝説でさらなるネタバレを受けて再び猫の恩返しを見るとまた違って見えるのだから不思議です。

そんなジブリが製作した猫の恩返しにも多数の都市伝説があります。猫の恩返しは作品としての都市伝説はもちろん、製作背景やタイトルなど、作品に関わる多くの要素に都市伝説が生まれています。今回はジブリ作品の中でも猫の恩返しに絞り、あらすじのネタバレも含みつつ、都市伝説を紹介していきます。

猫の恩返しとは?

猫の恩返しはスタジオジブリが製作したアニメ映画で、2002年に短編アニメ「ギブリーズepisode2」と同時上映という形で公開されました。事前情報などや後述する製作背景などからからジブリファンからはあまり期待されていませんでしたが、「猫になっても、いいんじゃないッ?」というキャッチコピーの元、興行収入は64.6億円を叩き出し、2002年に公開された邦画では1位を獲得するなど高い人気を集めました。

この数字はジブリ作品の中でも2018年現在で8位の数字となっており、かなり上位に食い込んでいる作品です。前年の大ヒット作である「千と千尋の神隠し」は現在でも邦画ランキングで1位を死守し続ける作品なのでどうしても低く見えますが、邦画としてかなりの成績を収めた映画になっています。

監督は森田宏幸さん

監督を担当したのは、「魔女の宅急便」や「となりの山田くん」にアニメーターとして参加し、三鷹の森ジブリ美術館で放映されていた短編アニメ「コロの大さんぽ」に携わっていた森田宏幸さんです。2018年現在はフリーで活動していますが、猫の恩返し当時はアニメ製作会社シャフトから出向という形で監督を担当しました。

猫の恩返し以降も、時に監督として、時にアニメーターとして多くの作品に関わっており、「猫の恩返し」をきっかけに監督としては「ぼくらの」や「ONEPIECEエピソードオブルフィ」などを手掛けている他、アニメーターとしては「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「進撃の巨人」、「亜人」などその時々で話題になる作品に多数関わっています。

猫の恩返しのあらすじをネタバレ!

都市伝説について書く前にまずは猫の恩返しのあらすじをネタバレ有りで振り返っていきます。都市伝説はこれらのあらすじをネタバレしてある程度理解しているからこそ楽しめるものだからです。

猫の恩返しネタバレあらすじ①:猫が話した!

主人公の女子高生、ハルは特に目標ややりたい事を持っておらず朝に弱く良く遅刻してしまう普通の女子高生です。その日も遅刻したある日の放課後、ラクロス部に所属する親友のひろみと共に帰路に付いている途中、何かを咥えている見かけない猫がトラックに轢かれそうになっている場面に出くわします。

ハルは咄嗟にひろみのラクロスのスティックを使って猫を助けました。なんとか猫を助ける事には成功したもののラクロスのスティックは折れてしまいます。助けられた猫は、なんとスッと二足歩行で立ち上がると、日本語でハルにお礼を良い、足早に去っていきました。

猫の恩返しネタバレあらすじ②:助けた猫は王子様!

その日の夜、ハルがその話を母に話すと昔にも白い猫を助けた事があるというエピソードを聞かされました。そのエピソードは小学生の頃、ビスケットを持って歩いている時にお腹をすかせた猫を見つけ分け与えて助けてあげたという話でした。その日の夜中、猫の国の王である猫王らの一行がハルの元を訪れ、お礼として目録を貰いました。ハルが助けた猫は猫の国の王子様ルーンだったからです。

あまりの出来事に夢なのではないかとさえ思っていたハルでしたが、既にお礼は始まっていました。翌日からハルの家には猫を助けた時に折れてしまったスティックが大量に届けられ、家の庭には大量の猫じゃらし、マタタビ、下駄箱には包まれたねずみと言った多数のお礼が届けられるようになります。猫王の家来、ナトルがハルの元を訪れると「私は猫じゃないから嬉しくない」と文句を言いました。

猫の恩返しネタバレあらすじ③:恩返しの始まり?猫の国へ招待

するとナトルは「猫の国へご招待します」とハルに伝えます。同時に猫王がハルを王子の妃にしようとしている事を聞かされたハル、今夜お迎えに上がりますと言い残して一度猫の国へ戻ったナトルに、ハルは「猫のお嫁さんにされちゃう」パニックになります。その時、どこからともなく「猫の事務所を探して、十字街に居る白い大きな猫が教えてくれるから。」という声が聞こえました。

猫の恩返しネタバレあらすじ④:バロンとの出会い

学校の帰り道、聞こえた不可思議な声に導かれるように十字街を訪れたハルは白い大きな猫、ムタに出会います。事情を察したムタに案内されてハルは不思議な街の中にある猫の事務所に行く事になります。そこでハルは探偵事務所の局長をする猫の男爵バロン、相棒のカラストトに出会うのです。

猫の国は自分の時間を生きられない奴がいく場所だというムタ。それを聞いたバロンは自分を見失わないようにとハルに諭します。そんな時も束の間、ナトリ率いる猫の軍団は猫の事務所に訪れ、ハルを連れ去る形で猫の国に連れていきます。ムタはなんとか一緒に来る事になりますが、バロンとは一旦離れ離れになります。そのムタも王様も手下によってゼリーの中に閉じ込められてしまいました。

猫の恩返しネタバレあらすじ⑤:バロンによる救出劇

猫の王子ルーンの妃として歓迎を受けるハル。徐々に猫の耳や尻尾、髭などが生え始めて猫化していきます。仕方なく猫の国の城の祝宴に出席するハルでしたが、祝宴に仮面の貴公子が現れます。それは変装したバロンでした。白猫ユキの手引きも受けてなんとか城を脱出したハルとバロン、猫の国の塔の頂上に行けば元の世界に帰れる事を知ると、ムタと共に迷路となっている塔を登ります。

しかしそれを黙って許す猫王ではありませんでした。後少しハル達が頂上に辿り着くという所で、塔の下半分を爆破し崩壊させてしまいます。追い詰められるハル達でしたが、そこにルーン王子が帰還、さらに先程も助けられた白猫ユキによって助けられました。ハルを猫の事務所に導いた声はこのユキの声だったのです。物語の冒頭で母がハルに話して聞かせた、小学生のハルが助けたお腹をすかせた猫というのはこのユキの事でした。

怒った猫王は今度はハルを自分の妃にすると言いだして暴れ出します。バロンは猫王を足止めするべく立ち向かいハルを塔の頂上に送り出しますが、塔の崩壊によってその入り口は本来とは異なり、人間界の遥か上空に繋がってしまっていました。トトが呼び寄せたカラスの群れに助けられる形で九死に一生を得たハル。バロンは「また困った事件があったら猫の事務所の扉は開かれる」と言い残して猫の事務所に帰っていきました。

猫の恩返しの都市伝説を紹介!

猫の恩返しのあらすじをネタバレ有りで紹介した所でいよいよ猫の恩返しの都市伝説を紹介していきます。今回紹介する都市伝説にはほぼ事実である物からファンの空想まであります。

初めに映画のネタバレあらすじ部分だけでは分かりにくい映画の外部的な部分をメインに、猫の恩返しだけで見る都市伝説を紹介します。

生まれた経緯すら都市伝説?元々はアニメじゃなかった!

猫の恩返しはジブリの中でも異例な作品として知られています。まず、そもそもの出発地点は某テーマパークからのキャラクターデザインの依頼でした。「猫をテーマに」という依頼から既に登場していたキャラクターである「バロン」や「ムーン」を提案した所「ムーン」が採用され、ムーンを使ったショートアニメを作ることになりました。このショートアニメの話も実際にどこまでが本当なのか分からない都市伝説の1つになっています。

さらにここには続きがあります。宮崎駿監督は耳をすませばの映画化で付き合いのあった漫画家の柊あおいさんに原作をオーダーしたのです。「耳をすませば」や「魔女の宅急便」のように元から原作のある作品のあらすじをベースにした映画化はこれまでも行われていましたが、映画を作る前提で原作となるコミックを作ったのはジブリでは初の事でした。

ジブリが製作する予定ではなかった?

こうした経緯で柊あおいさんにより原作である「バロン猫の男爵」が描かれましたがその物語は基本的に壮大な冒険物を好む宮崎駿さんが想定していた物とは大きく異なってしまいました。しかも原作コミックもなかなかのボリュームがあり、とてもショートアニメに収まる内容ではなく、さらに上記の某テーマパークからの依頼もテーマパーク側の問題で無くなってしまいました。

短編アニメならともかく、猫の恩返しの前年に公開された映画「千と千尋の神隠し」を製作している最中のスタジオジブリには、この長編を仕上げるだけの人手はありませんでした。他のアニメーション会社にという話もありましたが、その長さから手を上げる会社はなく、最終的にディズニーにという話が出た所、宮崎駿監督がディズニーに渡すくらいならと製作する事を決定したそうです。

ジブリ製作だけど、スタッフはほとんど外注に?

とは言っても上記の通り、スタジオジブリは宮崎駿監督も含めて「千と千尋の神隠し」に全精力を注いでいる状態で、とても「猫の恩返し」を進められる状態ではありませんでした。しかも宮崎駿監督は製作こそ決定したものの、イメージとの違いから猫の恩返しに対してそこまでの熱量を持っていませんでした。そこで急遽、森田宏幸さんが監督として白羽の矢が立ったのです。

しかし監督だけ居ても製作はできません。そこでジブリは多くの作業を外注する形で製作を進める形を取りました。当時、アニメーターを正社員として契約した上で映画やアニメを製作していたジブリでは異例の事で、通常のアニメ会社と同じ業務委託方式に転換するまでの間、唯一行われた多数の外注となりました。

ジブリファンの間で「猫の恩返しはジブリ作品として認められない」などとする声があるのもこのような経緯があったからです。実際に映画が公開されるとあらすじをネタバレして書いたように話としては良く出来ているものの絵柄の違いなど外注製作である事をネタバレされているような状態に仕上がっていました。

タイトルはまったく違うものだった?

猫の恩返しというタイトルにもとある都市伝説があります。それはタイトルが全く別の物だった可能性があるという事です。というのも「猫の恩返し」というタイトルが昔話「鶴の恩返し」に似ている事からスタッフの中で批判が多かったんだそうです。タイトルは作品全体のイメージを決める事にもなるのでそういう目で見られてしまうという意味ではこの批判は的確だと言えます。

他に挙がった候補としては「ネコと少女の道しるべ」「猫の生きる道」「あなたに尽くしたい」「生きる者への挑戦状」なんて物があったとか。こうして並べてみるとやはり「猫の恩返し」がジブリっぽいとなったようで、最終的にはそのまま「猫の恩返し」になったようです。

ただしこの都市伝説は他に挙がっている候補があまりにもジブリっぽくない事から「ファンが創作したネタでは?」という声もあります。もちろん真相はジブリにしか分かりません。それらの声も含めて1つの都市伝説となっています。

ハルはほとんど成長しない!

原作を書いたのは上記の柊あおいさんである事は間違いありませんが、映画化するにあたって監督の森田宏幸さんは主人公のハルに独自の味付けを加えました。それはハルが普通の女子高生で、物語の中で大きく成長しないという事です。ネタバレ有りのあらすじでも書いたようにハルは基本的に振り回されているだけで自分の意志を持って何かをすると言った主人公ではありません。

ジブリのヒロインは「天空の城ラピュタ」のシータ、「もののけ姫」のサン、「千と千尋の神隠し」の千尋など使命や強い意志を持ったヒロインがほとんどです。しかし、当時予備校などで講師をしていた経験もある森田宏幸さんは「女子高生はそんなに簡単に成長しない」という考えの元にハルというキャラクターを作り上げました。

加えて猫の恩返しは言ってしまえば「猫の国に行って帰ってくるだけ」の物語です。ハル自身が猫の国で何かを成したというような物語ではありません。そういう事もあって森田宏幸さんは心境の変化として最後にはハルの変化を描きましたが、そこまでの道中でのハルの成長は意図的に書かないようにしたという話が都市伝説になっています。

声優は使わない!

声優を使わないのは猫の恩返しに限らずスタジオジブリ全体の1つの都市伝説でもあります。宮崎駿監督が声優が嫌いだからなどその理由には諸説ありますが、異例尽くしの猫の恩返しもこの方針だけは守られています。声優は使わないとは声を当てないというわけでは無く、俳優さんなどを起用するという事ですが、担当する俳優さんの豪華さもジブリの1つの特徴になっています。

猫の恩返しもその例に漏れず豪華な俳優さんに声優を担当してもらっており、王子ルーンには山田孝之さん、ハルの親友のひろみの声を佐藤仁美さんを採用している他、役名を持たないキャラクターには大泉洋さんも参加しているなど、実に多彩な俳優さんが登場しています。

また繋がりが深いと言われる耳をすませばでヒロイン月下雫の声を担当した本名陽子さんもクラスメイトのチカ役で登場しているなど両作の繋がりを示す1つの要素にもなっています。

猫の恩返しのベースには「猿の惑星」がある?

とある作品を見た監督がその作品に影響を受けて自分の作品を作るというのは良くある話ですが、猫の恩返しを作る際、森田宏幸さんは「猿の惑星」からその影響を受けたと言われています。身近な人に「猿の惑星がなければこの映画はもっと違った内容になっていただろう」と漏らしたという話が残っているからです。

確かに人間以外の生物が支配する世界に行く事、そしてそこからの脱出を描くという意味合いで、「猿の惑星」と「猫の恩返し」には似ている部分もあるように考えられます。もちろん影響を受けているというだけで展開やあらすじは異なりますし、完全に別の映画ではあります。

猫の国は元々死んだ猫が暮らす国だった?

映画やアニメなど複数人で関わって作品を作る場合、いわゆる「没案」が生まれるのは当たり前に起こります。猫の恩返しの没案の1つとして都市伝説になっているのが「猫の国は元々死んだ猫が暮らす国だった」という設定です。上記のネタバレあらすじでも紹介したようにムタが「猫の国は自分の時間を生きられない奴がいく場所」と発言する事で、この案は完全に没案になったと分かります。

この没になった死後の世界案は、元々原作となった柊あおいさんの「バロン猫の男爵」の裏設定的な位置づけでした。原作でも明確に死後の世界とは書かれていない事もあって、森田宏幸さんの判断で没にしたそうです。この案が没になったのは作品の雰囲気が暗くなってしまうからという事らしいです。確かに死後の世界と考えると少し怖い物があります。

映画の中では日暮れを知らない浮世離れした国として描かれる猫の国。原作も絡んでいる話なのでどこまでが本当の話かは不明ですが、仮に死後の世界だったらと考えて猫の恩返しを見てみるのも面白いかもしれません。

猫の恩返しの耳をすませばとの関連性は?

ここからは、ジブリ作品の中でも特に関係が深いと言われている映画「耳をすませば」と猫の恩返しに関連する都市伝説を紹介していきます。都市伝説という関係上、猫の恩返しだけでなく耳をすませばのネタバレも含まれます。

耳をすませばのスピンオフ映画?

多くの共通点から猫の恩返しは1995年に公開された映画「耳をすませば」のスピンオフ映画だとする都市伝説は非常に多いです。しかしスタジオジブリはいわゆる「続編」は作らない方針であり、公式にスピンオフであると発言もしていないのでどこまでが本当の事かは分かりません。

共通点が多いのは当たり前だとするファンもいます。原作を同じ柊あおいさんが担当している事、企画のスタートとして「耳をすませば」で登場したバロンやムーンのキャラクターデザインを使った事などを考えれば、「バロン」や「ムーン」を使った話でという原作への要望も当然あったと考えられるからです。

或いは、ジブリや監督の森田宏幸さんにその気は無くても原作者である柊あおいさんがそのように意識して書いたという場合もあり得ます。どのような経緯かは不明ですが、スピンオフ作品であるという都市伝説は確かに存在し、その信憑性も非常に高い物になっているのも事実です。

月下雫の小説家デビュー作?

それでも都市伝説として猫の恩返しが耳をすませばのスピンオフ作品だと都市伝説にされているのには、いくつかのポイントがあります。その中の1つが耳をすませばのヒロイン月下雫にあります。月下雫は将来の夢として小説家を公言しており、作中の中でも1つの作品を描いています。その作品こそが、「猫の恩返し」なのではないかとする都市伝説があります。

月下雫はファンタジー系の小説を好んで読んでいたという事もあり、それらをモチーフとすれば確かに猫の恩返しのようなファンタジー系の話を書いたと言われても不思議ではありません。この都市伝説は半ば公式設定化されてしまっており、多くのサイトで公式の発表であるかのように紹介されてしまっています。

また別の都市伝説として、1995年の耳をすませば公開当時15歳だった、月下雫は2002年公開の猫の恩返しの時点では22歳。だから小説家としてデビューした作品が猫の恩返しなのではないかと言う都市伝説です。確かに年齢などを考えればあり得ない話ではなく、夢の広がる都市伝説と言えます。

ラストにあるかもしれなかったシーン!耳をすませばの劇中作説

上記の都市伝説から派生して、さらなる都市伝説が生まれています。ネタバレ有りのあらすじでも紹介したように、猫の恩返しのラストは人間界にハルを送り届けたバロンが帰っていくシーンで終わりますが、ここからスクリーンが引きになり、そこは映画館、耳をすませばの月下雫と天沢聖司が「猫の恩返し」の映画を見ているというシーンがあったという都市伝説です。

仮に耳をすませばの月下雫が作者であるならば試写会などのような場に呼ばれるようなこともあるでしょうし、仮に作者じゃないにしても視聴者として映画を見に行ったという事は十分に考えられます。もちろん、実際にはそんなシーンは描かれていません。しかし上記の都市伝説「月下雫が猫の恩返しを書いた」とするならその作品が映画化された、いわゆる耳をすませばの作中映画であるという都市伝説が生まれるわけです。

飛躍しすぎ?ハルのお母さんが雫説

都市伝説とは1人歩きを繰り返し、時に尾ひれが付いて大きくなる事もあるのが常ですが、そんな例を1つ紹介します。それが主人公ハルの母親が耳をすませばの雫だという都市伝説です。ネタバレ有りのあらすじでも触れていませんが、ハルの母親は一応作品に登場しています。仮にこの都市伝説が事実だとしたら確かに夢のある話ではありますが、残念ながらこれは完全に否定された都市伝説になっています。

そもそも月下雫は耳をすませばの中で天沢聖司からプロポーズをされています。このまま2人が結婚したとしたら名字は天沢か月下になるはずですが、ハルの名字は吉岡です。さらに劇中でもハルの母の名前は直子としっかり描かれておりこの都市伝説は破綻しています。このように都市伝説とは時に作品の中で分かってしまう破綻までも網羅してしまう事があるのです。

バロンが若々しくなった!

あらすじなどでも紹介したようにバロンは耳をすませばに既に登場していたキャラクターです。しかし猫の恩返しに登場するバロンは剣劇を見せるなど、耳をすませばで描かれたバロンよりも若々しく描かれています。

元々、耳をすませばでバロンの声優を担当したのは俳優の露口茂さんでした。渋い声が特徴的な俳優さんですが、森田宏幸さんは、この渋い声では猫の恩返しのバロンには合わないという事で、袴田吉彦さんに新たにバロンの声優を担当してもらいます。この交代により、動きだけでなく声も若々しくなったバロンが生まれたのでした。

肖像画という繋がり

上記のように猫の恩返しと耳をすませばは大きく繋がりを持つ作品なので、関連する都市伝説を多く生んでいます。さらに細かなポイントを見ていくとその数はさらに増えていきます。その代表的な都市伝説の1つが肖像画です。

耳をすませばで月下雫が訪れる事になるバロンの人形が置いてある地球屋には2匹の猫の肖像画が飾ってあります。1匹はバロンでもう1匹はバロンの恋人の貴婦人ルイーゼでした。

この肖像画と非常に似ている症状がが猫の恩返しの中でも登場しています。描かれているのはバロンが所長を務める猫の事務所です。そこにはルイーゼらしき猫の肖像画が飾られています。バロンが若々しくなった事も合わせて考えると、或いはまだ恋人になる前なのか、恋人だけど別々に過ごしているのかなのではないでしょうか。

猫の恩返しのキャラクターを画像付きで紹介!

大まかな都市伝説を紹介した所で最後に、猫の恩返しに登場した主要なキャラクターを画像付きで紹介していきます。

吉岡ハル(池脇千鶴)

猫の恩返しの主人公ハル、名字は吉岡と言います。肩まで伸ばした髪が特徴的なヒロインですが、現代を生きる女子高生らしく、目標なども持たないながらに日々を生きていました。朝寝坊が多く学校に遅刻する事も珍しくありませんでしたが、母子家庭で母が忙しい時には炊事を行っているので家事は得意としています。

作中では大きく成長しない様を描かれたハルですが、最後には精神的に大きく成長し、立ち振る舞いが大人びており、朝寝坊が無くなり、髪も短いショートヘアーにするなど心情に変化が見られました。声を演じたのは俳優の池脇千鶴さんです。俳優としては多数の作品に出演していましたが、声優は初挑戦で、以降、いくつかの作品でも声優を務めています。

バロン(袴田吉彦)

本作の実質的主人公と言えるのが猫の男爵バロンです。バロンとはドイツ語で男爵という意味で本名はフンベルト・フォン・ジッキンゲンと言います。名前などは共にドイツ風ですが、タキシード姿にステッキを持っており、その雰囲気はどちらかと言えばイギリス貴族の雰囲気を持っています。冷静沈着で紳士的な態度からムタからはキザと呼ばれています。

ステッキを使った剣術は一流の腕前であると同時に単純な身体能力も高いです。一人称は基本的に「わたし」ながら作中で一度だけ「俺」を使った事があるなど過去が描かれていないという事もあって、神秘的な部分が多いキャラクターでもあります。声優は上記の通り、袴田吉彦さんです。現在でも俳優として多数の作品に出演して活躍しています。

ムタ/ルナルド・ムーン(渡辺哲)

バロンの仲間でふてぶてしい態度ながら世話好きな大きな猫がムタです。ハルを軽々と放り投げる程の怪力の持ち主です。甘いものが大好物で数十個のケーキを食べ尽くすなどしています。過去には猫の国で国中の魚を食い尽くして逃げた伝説の大犯罪猫「ルナルド・ムーン」として壁画になる程に知られていますが、バロンには敵わないとして仲間になっています。

作中で大きなと言われているように登場する猫の中でも屈指の身体の大きさを誇っています。どうしても横幅に目が行きがちですが、ムタは縦にも大きく、多くの猫よりも頭2個分程に大きいです。

加えて、作中でもかなり高齢に見える猫王をして「どうすればそんなに長く生きられるのか」と言われており、通常の猫よりも遥かに長生きしている事が分かります。元々ムタを使った話として考えられただけあって、作中での活躍も目立つキャラクターです。声優を担当したのは俳優の渡辺哲さんです。テレビドラマを中心に活躍する俳優さんで、ジブリ作品には猫の恩返しでムタを演じる前にもののけ姫にて山犬を演じています。

猫の恩返しの都市伝説まとめ!

ジブリ作品は他のアニメなどと比べて非常にメッセージ性が強い事もあって裏設定などが多数取りいれられそれらが都市伝説として語り継がれています。初めて映画を見る時には知っている必要はありませんが、1度見た後にこれらの都市伝説を知ると、改めて見たくなるような物も多く、作品を深く楽しむ事ができます。

猫の恩返しはもちろん、都市伝説となっている物の多くはジブリから直接発表された物などではありません。あくまでもファンがそう考察したという物が多く、ジブリが都市伝説に対して何かコメントを発表するなどという事もないので真実は不明です。鵜呑みにするのではなく、「そういう見方もあるんだ」くらいの感覚で楽しめるとより作品を楽しむ事が出来ます。

猫の恩返しの場合、作品自体の都市伝説もそうですが、耳をすませばと関連した都市伝説が多いのも特徴です。両作の都市伝説を知った上で耳をすませばを視聴し猫の恩返しを見る事でさらに深く楽しめます。既に視聴した事があるという人もぜひ一度振り返って視聴してみてはいかがでしょうか。

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