2018年08月15日公開
2018年08月15日更新
天空の城ラピュタのシータとは?本名(フルネーム)やパズーとのその後も考察
スタジオジブリ製作のアニメ映画「天空の城ラピュタ」。今やテレビ放送があるたびにSNSではバルスがトレンドに挙がるほど根強い人気があります。今回はそんな天空の城ラピュタのヒロインであるシータとはどんな女の子なのか、またシータの本名(フルネーム)や主人公・パズーとはどんな関係でその後はどうなったのか、そして作品のラストはどうなったのか、などなど、ネタバレを交えながらご紹介していきます。
目次
天空の城ラピュタのシータを解剖!本名(フルネーム)やパズーとのその後は?
今回はスタジオジブリ制作の名作アニメ映画「天空の城ラピュタ」のヒロイン・シータについてご紹介します。シータはどんな女の子なのか、どこで生まれ、どうやって主人公のパズーと出会ったのか、本名(フルネーム)はなんなのか、そしてシータがおばあちゃんから教わったという呪文など、徹底解説していきます。
天空の城ラピュタとは?
「天空の城ラピュタ」はスタジオジブリ初制作の長編アニメ映画です。宮崎駿さんの原作、脚本、監督作品として1986年8月2日に公開されました。これより前の1984年に「風の谷のナウシカ」が公開されていますが、実は制作がトップクラフトというスタジオジブリの前身とも言える会社なのです。
「天空の城ラピュタ」は、空から降りてきた不思議な少女・シータと彼女を助けた少年・パズーが出会い、伝説の空飛ぶ城ラピュタの謎やシータの出生の秘密を共に解き明かしていく物語です。
天空の城ラピュタのシータとは?
「天空の城ラピュタ」のシータはどんな女の子?
「天空の城ラピュタ」のヒロインであるシータは赤いカチューシャとおさげ髪がトレードマークの少女で、見たところは10代前半ではないかと言われています。当初12歳という設定がなされていましたが、のちに取り消されています。はるか北方の地、ゴンドアの谷に住んでいました。飛行石という不思議な青い石をネックレスとして首にかけています。
「天空の城ラピュタ」のシータの本名(フルネーム)は?
シータは作中でシータと名乗っていますし、パズーや周囲の人々からもシータと呼ばれています。しかしそれが本名なのか、フルネームはなんなのかといいますと、これは作中で明かされています。シータの本名(フルネーム)は「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」といいます。しかしシータはこれを秘密の名前としておばあちゃんから受け継いでいたため、この名前は明かさずに生きてきたのです。
「天空の城ラピュタ」のシータの本名(フルネーム)の意味は?
シータの本名(フルネーム)である「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」には意味があります。「トエル」は真、「ウル」は王という意味です。そこからラピュタの真の王、シータが真の王家の血筋、正統な王位継承者であることが読み取れます。かつて世界に君臨したラピュタの王家の末裔、それがシータなのです。
シータとムスカの関係、ムスカの本名(フルネーム)は?
そして、パズーとシータを追い詰める政府の特務機関の大佐であるムスカですが、彼の本名(フルネーム)は「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」であり、彼もラピュタ王家の末裔なのです。ただ、この本名(フルネーム)にある「パロ」はギリシャ語で「従属」という意味で、このことからシータは本家、ムスカが分家であることが分かります。彼は独自にラピュタについて調べていて、ラピュタの知識に長けていました。
シータが知る呪文、おまじないとは?
シータは幼い頃おばあちゃんから「困った時のおまじない」として、ある呪文を教わっています。それは「リテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」です。当初シータはこの意味を知らなかったのですが、これには「我を助けよ、光よ蘇れ」という意味があります。
そしてもうひとつ、最近ではテレビ放送時にツイッターでトレンドに挙がるなど有名になった呪文ですが、「バルス」があります。これには「閉じよ」という意味があり、映画の終盤でシータがパズーと飛行石を持ち、手を取り合って唱えることでラピュタの中枢にある巨大飛行石が反応し、ラピュタ全体が空中分解されて崩壊してしまいます。「バルス」は滅びの言葉なのです。
また、シータはこの他にも、物を探す呪文と病気を治す呪文を教わったと話していました。
「The art of Laputa」という本のシナリオ準備稿には他の呪文についても記されていて、それは「レヂアチオ・ルント・リッナ」と「シス・テアル・ロト・リーフェリン」です。「レヂアチオ・ルント・リッナ」には「ものみな鎮まれ」という意味があり、「シス・テアル・ロト・リーフェリン」には「失せしもの汝、姿を現せ」という意味があり、これは雲を晴らす呪文です。
天空の城ラピュタのシータとパズーの関係とは?
「天空の城ラピュタ」の主人公・パズーとは?
「天空の城ラピュタ」の主人公はパズーという名前の少年です。パズーはスラッグ渓谷の鉱山で働く見習い機械工で、両親は亡くなっており、両親の残した家で一人暮らしをしています。パズーは13歳という年齢設定がありましたが、これはシータと同じく取り消されています。ラピュタの発見について詐欺師だと言われたまま亡くなった父の汚名を返上するべく、パズーは自分自身でラピュタを探し当てるという夢を抱いています。
「天空の城ラピュタ」のパズーとシータの出会いは?
「天空の城ラピュタ」のパズーとシータの出会いは劇的なものでした。ムスカが所属している政府の特務機関は、シータが持つ青い石・飛行石を狙ってシータを捕らえ、飛行船で移送中でした。そこへ空中海賊のドーラ一家も飛行石を狙ってきて、飛行船を襲撃するのです。その混乱の中、逃げようとしたシータは飛行船から落ちてしまいます。
石が放つ光に包まれながら、飛行石の不思議な力によりゆっくりと落ちていったところを、その様子をたまたま見ていたパズーに受け止められ、助けられたのです。それがパズーとシータの出会いでした。
パズーとシータの関係は?
そしてシータが追われていることを知ったパズーはシータを守り、いっしょに逃げます。その過程で出会った人に飛行石のことやラピュタのことを聞くことになります。そうした様々な人たちとの出会いの中、パズーがラピュタに行くことを夢見ていること、シータもラピュタについては、飛行石を受け継ぐ時に秘密の名前である「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」をいっしょに受け継いでいて、その名前に聞き覚えがあることを二人は話すのでした。
二人の関係はというと、パズーは追われているシータを守り、助ける存在ですが、シータはしっかりとした女の子で勇敢なところがあります。ただ守られるだけの弱い女の子ではなく、時にはパズーを守るために勇気ある行動に出ますし、自ら進んで何かを手伝ったり仕事をしたがるような、芯のある人です。二人は助け合いながら旅をしていくのです。
天空の城ラピュタの最後はどうなる?
ラピュタにたどり着いたパズーとシータ
再びムスカに捕まった際に、ラピュタの王族がラピュタへ帰るための道しるべが飛行石だと知ったシータ。その夜、シータは何気なく、昔おばあちゃんに教わったおまじないの言葉を口にします。それはあの、「リテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」でした。すると、壊れていたはずのロボット兵が動き出し、飛行石は光を放ってラピュタの方向を指し示したのです。
その呪文はラピュタの封印を解くものでした。混乱の中、飛行石はムスカの手に渡ってしまい、ムスカは飛行石が放つ光を追い、ラピュタを目指します。シータは助けにきたパズーと共にムスカを追ってラピュタへ向かい、二人はなんとかラピュタにたどり着きます。
ラピュタの城は廃墟となっていましたが、何百年も誰も足を踏み入れることがなかったそこは豊かな自然が美しいところでした。壊れて苔に覆われたロボットもあるものの、未だに動く園丁ロボットがいて、彼がずっと庭園を守っていました。一人ぼっちなのかと思われたそのロボットの肩に数匹のキツネリスが集まってきます。シータに花を差し出すなど、優しいロボットなのでした。
美しい庭園でほんのひととき穏やかな時間を過ごしたパズーとシータでしたが、そうもしていられませんでした。爆発音が聞こえ、見るとドーラ一家が軍に捕まって縛られていました。パズーはなんとかドーラの縄を切り、助けます。そしてドーラはパズーに銃を渡すのでした。しかし一方でシータは再びムスカに捕まってしまうのでした。
ラピュタの滅びの言葉
ラピュタに上陸した軍隊はラピュタに眠っていた財宝を片っ端から漁っていました。そんな中ムスカは密かに別行動を取り、ラピュタの中枢へと入ります。そこにある石碑にシータから奪っていた飛行石をかざすと、普通の人間には読めない文字がすらすら読めてしまうのです。それにより、ムスカが長年解き明かせずにいたラピュタの謎が解けてしまい、彼は高度なラピュタの技術を操作し始めるのです。
ムスカの目的はこのラピュタの王となり、世界を支配することでした。中枢に存在する巨大な飛行石や高度なテクノロジー、財宝、それら全てを我が物にしようとしていたのです。そして、ラピュタには恐ろしい側面がありました。それ自体が兵器ともなりえてしまい、地上の世界を滅ぼすことすらできてしまう、恐ろしいものだったのです。ラピュタを操作したムスカは「ラピュタの雷(いかずち)」と呼ばれる巨大なエネルギー波を地上へ放ち、地上では大爆発がおこるのでした。
それによりラピュタから落下してしまう兵たち、そして操られたロボット兵によりさらなる攻撃を受け、軍は乗ってきた軍艦でラピュタを砲撃します。しかしその軍艦すらも撃沈されてしまうのでした。その酷い仕打ちに耐えかねたシータはムスカから飛行石を奪い、逃げます。合流したパズーに飛行石を託すと、ムスカはパズーに攻撃を仕掛けてきましたが、パズーもなんとかシータを追ってラピュタ王の玉座の間までたどり着くのでした。
ちなみに「ラピュタの雷」についてムスカが言及しているソドムとゴモラを滅ぼした天の火と、ラーマヤーナに出てくるインドラの矢についてですが、まずソドムとゴモラについては旧約聖書の創世記に記されているもので、かつてソドムとゴモラというとても繁栄していた都市が道徳的に乱れていってしまい、神が怒り、天から硫黄と火を降らせて都市を滅ぼした、というものです。
ラーマヤーナに記されているというインドラの矢ですが、ラーマヤーナとは古代インドの二大叙事詩のひとつで、もうひとつがマハーバーラタです。インドラの雷とも言われ、記述はマハーバーラタにあります。英雄たちの戦いにおいてインドラがアスラ族、またはラークシャサの王・ラーヴァナが率いる大軍を全滅させた兵器がインドラの矢と言われているのです。ラピュタの雷がこれらの正体だった、とムスカは言っているのです。
再会を果たしたものの、ムスカに追い詰められた二人でしたが、パズーはシータに、もうひとつの呪文を教えるように頼みます。そして二人は飛行石を持ち、手を取り合って唱えるのでした。「バルス」と。それはラピュタの滅びの言葉でした。飛行石が強力な光を放ち、目が眩んで見えなくなったムスカは崩壊したラピュタから落下していくのでした。
危機一髪でラピュタを脱出したパズーとシータ、そしてドーラ一家は、中枢部分が崩壊し、大樹の根が巨大な飛行石を包むように伸びた姿になったラピュタはどんどん空高く飛んでいくのでした。
それぞれの思いでラピュタを見送ったパズーとシータ、ドーラ一家。彼らは別れを告げるとそれぞれの故郷へと帰っていくのでした。
天空の城ラピュタのその後は?
幻のエンディング?
「天空の城ラピュタ」にはテレビ放送時に幻のエンドロールがあった、という都市伝説が有名ですが、その真偽については分かりません。ただ、アニメージュ文庫から出版されている「小説 天空のラピュタ」には映画のラストのその後が描かれています。
パズーに故郷のゴンドアの谷へ帰してもらったシータはそこで日常生活をおくっていました。一方、ラピュタで起こった一連の出来事は政府と軍によって隠蔽されようとしていること、ドーラは軍の給料を強奪するなど、海賊稼業を続けている、といったことも記されています。
パズーはシータに手紙を書いており、それには鳥型飛行機を完成させたので、それに乗ってシータに会いに行く、と書いてあるのです。また、それらは映画のラストから半年ほど経った後のことで、「スタジオジブリ作品関連資料集1」には鳥型飛行機に乗ってシータに会いに来たパズーの絵が掲載されています。ラピュタでムスカに撃たれた時に切れてしまったシータの髪は元の長さでおさげ髪になっており、パズーは花束を持っています。
このことから、パズーはプロポーズをしに来たのではないか、パズーはシータを迎えに来ていて、この後二人は結婚したのではないか、とファンの間では考察されています。
天空の城ラピュタのシータまとめ!
ここまで「天空の城ラピュタ」のシータについてご紹介してきました。かわいいだけではない、芯の強い素敵な女の子・シータは公開から30年以上経った今でも私たちを魅了し続けています。そんなシータの魅力いっぱいの映画「天空の城ラピュタ」は何度でも見たくなる素晴らしい作品です。