ハウルの動く城をネタバレ解説!説明されていない謎・シーンを考察

『ハウルの動く城』のあらすじやネタバレ考察を解説しています。宮崎駿監督のジブリアニメの中でも『ハウルの動く城』は特に難解とされている作品です。「一度見ただけでは理解できない」と言われることも多い作品ですが、作品自体の出来は多くのアニメ制作者や海外のアニメファンからも高く評価されています。そんな『ハウルの動く城』のあらすじやネタバレ考察をじっくり解説したので、ぜひご覧ください。

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目次

  1. ハウルの動く城を徹底解説!
  2. ハウルの動く城とは?
  3. ハウルの動く城のあらすじをネタバレ!
  4. ハウルの動く城で説明されていない謎やシーンを考察!
  5. ハウルの動く城のマルクルの謎を解説!
  6. ハウルの動く城で戦争が起こった理由を解説!
  7. ハウルの動く城のネタバレ解説まとめ

ハウルの動く城を徹底解説!

『ハウルの動く城』のネタバレ考察やネタバレあらすじを解説していきます。多くの人に愛される名作アニメを生み出してきたスタジオジブリですが、『ハウルの動く城』は難解なあらすじの作品と言われ、視聴者の好みがわかれています。そんな『ハウルの動く城』を紐解くためのあらすじやネタバレ考察の解説をまとめました。映画の中では説明されない謎も、ネタバレ考察を知れば謎が解けるかもしれません。

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ハウルの動く城とは?

『ハウルの動く城』は日本を代表するアニメ制作スタジオ・スタジオジブリが制作した長編アニメーションです。監督は日本を代表するアニメ監督・宮崎駿です。同監督が制作した『魔女の宅急便』以来、15年ぶりに原作のある映画として『ハウルの動く城』は作られました。『ハウルの動く城』の原作はイギリスの作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『魔法使いハウルと火の悪魔』というファンタジー小説です。

スタジオジブリ制作の長編アニメーション!

『ハウルの動く城』は2004年に公開されたスタジオジブリ製作の長編アニメーション映画です。スタジオジブリ政策の長編アニメーション映画としては第13作目にあたります。前作である『千と千尋の神隠し』は2018年現在も日本歴代興行収入第1位ですが、『ハウルの動く城』も歴代3位にランクインしている大ヒット作品です。海外からの評価も高く「史上最高の映画500本」や「史上最高のアニメ映画50本」に選出されています。   

監督は宮崎駿!

そのような大ヒットアニメ『ハウルの動く城』を監督したのは宮崎駿です。宮崎駿はスタジオジブリの看板的な監督です。『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』など、ジブリの創立時期からアニメ制作の現場で活躍しています。実は『ハウルの動く城』は制作に一度頓挫しており、始めは『サマーウォーズ』などで知られる細田守が監督を務めていました。後に宮崎駿が監督を引き継ぎ、映画を完成させています。

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ハウルの動く城のあらすじをネタバレ!

『ハウルの動く城』のネタバレあらすじを紹介していきます。『ハウルの動く城』は難解と言われていますが、あらすじ自体は難しいものではありません。ソフィーがハウルの城で暮らすうちに成長していく物語です。あらすじの詳細は省き、ここではネタバレあらすじを簡単に解説します。

ソフィーは美しい青年と出会う!

自分の容姿に自信を持てない少女ソフィーは父親が残した帽子屋で針子の仕事をしながら地味に暮らしていました。ある日、町を歩いていたソフィーは兵士たちに声を掛けられて困っているところを、金髪の美しい魔法使いハウルに助けられます。ハウルとはすぐ別れてしまうのですが、ソフィーは美しいハウルにときめきを感じていました。

呪いをかけられるソフィー

帽子屋に帰ったソフィーは、突然訪れた荒地の魔女と出会います。帽子屋やソフィーを馬鹿にする荒地の魔女に反抗したソフィーは呪いをかけられてしまいます。老婆の姿になったソフィーは帽子屋にはいられないと考え、いままでの暮らしを捨てて家出をしました。

カカシのカブに導かれた先には?

末の妹を頼って旅をするソフィー。旅の途中で一休みをしていると、草むらにささった木の棒を見つけました。杖にしようと棒を引っこ抜くと、そのはただの棒ではなく、カブ頭のカカシでした。ソフィーについてこようとするカカシのカブ。追い払うために「家を探してきて」とソフィーが命じると、カブはハウルの動く城を連れてきました。驚きながらもソフィーはハウルの動く城に入っていきます。

ハウルの城で働くソフィー

城の中にはマルクルとカルシファーがいました。火の悪魔であるカルシファーにソフィーは呪いを解く方法を尋ねます。カルシファーは自身を縛っている契約を解き明かせばソフィーの呪いを解くことを約束しました。カルシファーとの約束を果たすためにもソフィーはハウルの城に住み込むことを決めます。しかし、ハウルの城は誰も掃除をしないので物が散乱した埃まみれの場所でした。ソフィーはまず掃除を始めます。

ハウルに再会したあとも掃除婦として働くことを宣言し、そのまま城に居座りました。次第にカルシファーやマルクルとも打ち解けていき、ハウルの城はソフィーにとって大事な場所になっていきます。

サリマンとの面会

ある時、ソフィーの掃除が原因でハウルは金髪を失い、ひどく落ち込みます。そんなハウルを叱咤するソフィー。ハウルはソフィーを頼るようになり、師匠である魔法使い・サリマンの呼び出しに、ソフィーを代理で向かわせます。王都に出向いたソフィーは荒地の魔女と再会し、ふたりでサリマンの元へ向かいました。しかし、荒地の魔女は罠にかかって魔力を奪われ、年老いた姿になってしまいました。

サリマンと面会したソフィーですが、サリマンはハウルのことを悪く言います。サリマンに対して怒るソフィー。そこへハウルが現れてソフィーを連れて王都を脱出します。ソフィーにしがみ付いていた荒地の魔女やサリマンの使い魔ヒンも同行しました。荒地の魔女とヒンはハウルの動く城の新しい住人になります。

戦争で傷つくハウル

ソフィーたちの平和な暮らしは続きますが、世界では戦争が激しくなっていきました。戦争に参加しているハウルは魔力を使うに連れて弱っていきます。ハウルが人間に戻れなくなってしまうかもしれないことを知ったソフィーは戦争に向かうハウルを止めます。しかし、ハウルはソフィーたちを守るために戦いを続けます。

ハウルの動く城の結末のネタバレあらすじ

ハウルを助けたいと願うソフィーは戦争の被害が及ばない場所へ住む場所を移動させます。そして戦争から帰ってこないハウルの姿を探し求めました。ようやく見つけたハウルは力を使いすぎて危険な状態になっていました。ソフィーはハウルを救うために、カルシファーと結んでいる悪魔の契約を解くことにします。ソフィーを信頼するカルシファーも契約を解くことに同意します。

失われていたハウルの心臓をハウルの身体に戻すと、ハウルは目を覚ましました。カルシファーも自由の身となります。ソフィーはハウルに気持ちを伝え、ふたりは結ばれます。呪いが解けたカブの正体はとなりの国の王子であり、戦争を止めるために帰っていきました。ヒンからハウルたちの幸せな様子を知らされたサリマンも戦争を止めるために腰を上げます。

バラバラになってしまったハウルの動く城は再建され、空を飛ぶ美しい城に変わりました。城の庭では荒地の魔女やマルクルたちが穏やかに過ごし、ソフィーとハウルは仲良く暮らしました。

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ハウルの動く城で説明されていない謎やシーンを考察!

『ハウルの動く城』に残された謎に対するネタバレ考察をまとめて解説します。『ハウルの動く城』には「意図的に説明省いた設定がある」と宮崎駿も明言しています。説明がないため、『ハウルの動く城』を理解するのは難しく、考察の難易度が高いとも言われています。そのため、多くの視聴者が原作小説の設定を頼りに、ネタバレ考察をしています。そんな『ハウルの動く城』に対するネタバレ考察を紹介します。

ソフィーには魔法の力がある!

ソフィーの魔法の力についてのネタバレ考察を解説していきます。『ハウルの動く城』の原作では、ソフィーに魔法の力があることが明示されています。その魔法の力とは「ものに命を吹き込む」というものです。原作ではハウルを救うことになる重要な要素でした。一方、ジブリアニメ『ハウルの動く城』ではソフィーに魔法の力があるかどうかは、明確には描かれていません。

原作の設定に準拠して、「ソフィーは魔法の力がある」という考察がある一方、「ソフィーが使える魔法というのは誰もがもっている普遍的なもの」という考察があります。ソフィーに魔法の力があるという考察では、ラストシーンでハウルの心臓がもとに戻っても、カルシファーが消えなかったことなどから、ソフィーが無意識に魔法を使っていたと考えられています。

一方で、明確に魔法を使うシーンが描かれていないことや、宮崎駿が「言葉には力がある」という考えを持っていることなどから、ソフィーの魔法と言うのは特別なものではないと考える人もいます。希望や願いを言葉にすることで世界を変えられるというのは、人間誰もが持っている意志の力であり、ソフィーがハウルを救うことができたのは特別な魔法を使ったわけではない、という解説もあります。

ソフィーが突然歳をとるのはなぜ?

ソフィーが歳をとることへのネタバレ考察を解説します。ジブリアニメ『ハウルの動く城』ではソフィーが若返ったり、突然歳をとる描写がされていますが、実は原作小説では一度90歳の老婆になったソフィーは終盤になるまで若返ることがありません。アニメでソフィーの外見が何度も変化するのは、宮崎駿が加えたアレンジのひとつだったのです。

ソフィーの外見の変化にはソフィーの心が反映されていると考察されています。ソフィーは自分の容姿に自信のない少女だったので、呪いをかけられてすぐの時は特に老け込んだ老婆の姿になっています。その後、ハウルの城でマルクルやカルシファーと仲良くなるうちに、皺の数が減り、背筋が伸びるといった具合に変化しました。

また、ソフィーが寝ている時や、感情が高ぶったり、素直になっている時は少女の姿に戻ります。反対に、自分を卑下している時はなどは急激に老婆の姿に戻ります。このようにソフィーの外見が変化するのは、自分への自信のなさの表れであると解説されています。

ハウルとカルシファーの契約

ハウルはカルシファーと悪魔の契約を結んでいることが明示されています。しかし、なぜハウルがカルシファーと契約したか、アニメでは説明されていません。最終的には悪魔の契約が解かれることでハッピーエンドとなるあらすじなので気になった人も多いでしょう。

カルシファーは火の悪魔と解説されていますが、その正体は星です。流れ星となって落ちて来たカルシファーを見つけるシーンはアニメ『ハウルの動く城』でも描かれていました。唐突に過去の場面が映し出され、特に説明もないため「わかりづらいあらすじ」と評される『ハウルの動く城』の中でも特に難解な場面と言われます。

迷子になって命の危機に瀕していたカルシファーを救うためにハウルは自分の心臓を与えました。そうして契約を結んで強い力を発揮するようになったハウルですが、当時のハウルとカルシファーは契約の危険性に気付いていなかったと原作小説では明かされています。カルシファーは命を救ってくれたハウルに礼をしたくて力を与え、ハウルは純粋にカルシファーを助けたかっただけとされています。

ソフィーがハウルの城を壊した理由

『ハウルの動く城』の後半で、ソフィーはカルシファーを連れ出して城を壊しますが、これは戦火の中にある王都から逃れるためと考察されています。ハウルは戦争に出かけていますが、ハウルが戦うのはソフィーやマルクルたちみんなを守るためです。ハウルが戦う理由に気付いたソフィーは住み慣れているけど危険な王都ではなく、戦争とは無縁な場所で暮らし、サリマンからも逃れるために城を壊しました。

しかし、王都を離れ、城を壊しても戦いの真っ只中にあるハウルが気づくことはありません。戦火の空にハウルがいることを感じたソフィーはすぐに城を再建してハウルを助けに行きます。城を壊してすぐに直すことになるため、ソフィーが城を壊した理由がわかりづらいとされています。

原作とは全く違うカカシのカブの正体

アニメ『ハウルの動く城』ではラストにソフィーにキスされて王子としての正体が明らかになるカブですが、原作にもカカシが登場しているにも関わらず、その役割は大きく変わっています。原作では、カカシにカブという名前はついておらず、単なるカカシです。命を持たないカカシの正体は、原作では完全に悪役であった荒地の魔女が作り上げたつぎはぎのカカシでした。

特別な力は持たないカカシですが、原作では「命を吹き込む魔法」が使えるソフィーによってカカシは動けるようになります。アニメのように正体が王子ということはありません。原作には戦争もなく、カブはソフィーが魔法を使えることを示す存在として描かれていました。

一方、アニメ『ハウルの動く城』では隣の国の王子様であることがわかります。隣の国の設定自体が原作にはないのですが、アニメ『ハウルの動く城』では戦争を終わらせることができるキャラクターとして、ハッピーエンドを飾ります。通常のおとぎ話ではキスによって呪いが解かれたふたりは結ばれてハッピーエンドになります。しかし、ソフィーはハウル一筋なのでカブは相手にされません。

カブはソフィーと出会ってすぐにソフィーに対して献身的に接していました。しかし、ソフィーはカブの好意には気付かず、親切心に感謝することはあってもカブに惚れることはありません。自分の意志でハウルを好きになったソフィーは、カブが王子であると明かされても一切動じませんでした。そんなカブの役回りには同情の声や、「女の子が夢見るおとぎ話」とは違う物語であることが示されていると考察する人もいます。

ハウルの動く城のマルクルの謎を解説!

続いて、『ハウルの動く城』のマルクルに対する謎をネタバレ解説していきます。ジブリアニメのマルクルは「かわいい」と評判の人気キャラクターですが、原作小説では15歳の青年マイケルとして登場していました。アニメではより幼さが強調されてソフィーの弟のようなキャラクターになっていると言われています。

「ハウルは女性の心臓を食べる」という噂はマルクルが流した!

「ハウルは女性の心臓を食べる」という噂についての考察を解説します。『ハウルの動く城』の世界では、「ハウルは女性の心臓を食べる」と巷の女性たちの間で話題になっています。「美しい女性だけを狙う」とも言われていますが、この噂の原因はマルクルが流したと解説されています。ただし、マルクルが噂を流したと明確に描写しているのは原作小説であり、アニメでははっきりと言及されていません。

原作小説『魔法使いハウルと火の悪魔』は英語で書かれた作品です。その中でマイケル(マルクルのもとになったキャラクター)が「ハウルは女性の心(heart)を盗む」というのを言葉の綾で「ハウルは女性の心臓(heart)を食べる」と伝えてしまい、噂が広まりました。本来の意味では女性の心を奪う(惚れさせる)という意味があったのです。

ジブリアニメ『ハウルの動く城』でも、マルクルが部屋の掃除をしているソフィーのことを「魔女が部屋で暴れている」と表現していることから、ハウルの噂の原因になった可能性が示唆されていると考察されています。

ソフィーとマルクルの関係とは?

ソフィーとマルクルの関係を解説します。『ハウルの動く城』で初めてソフィーと会った時のマルクルは、見た目よりも大人びた態度を取っていました。しかし、ソフィーが城に住み着き、生活を共にするようになると次第に子供らしさを隠さないようになっていきます。最終的には家族と思うくらいにソフィーのことを大好きになっていました。そんなマルクルのことをソフィーも大事な家族と感じています。

ハウルの動く城で戦争が起こった理由を解説!

『ハウルの動く城』は原作小説とは大きく設定やあらすじを変えており、全くの別物とも言われています。設定の変更でもっとも大きな要素が「戦争」です。戦争は原作小説では一切出てこない要素であるため、「なぜ戦争シーンを入れたのか?」ということはたびたび議論になります。アニメの中でも詳しく説明されていないため、多くの視聴者がさまざまなネタバレ考察を展開しています。

戦争は原作にはなかった!

原作小説には戦争の要素が無かったことを解説します。ジブリアニメ『ハウルの動く城』は原作小説とは大きくことなるあらすじが展開されたことが知られています。原作では戦争は起こっておらず、ハウルが戦うことになるのは荒地の魔女です。しかし、『ハウルの動く城』ではふたつの国が争っており、ハウルは戦いに身を投じています。また、カブもハウルが戦う相手の国の王子でした。

なぜ戦争のシーンを入れたのか?

なぜ原作にはない戦争シーンを入れたのかを解説します。『ハウルの動く城』にオリジナル要素である戦争を入れたのは、宮崎駿が「戦火の恋」を描きたかったからだと解説されています。アニメでは戦争で傷ついていくハウルの身を案じて行動を起こすソフィーの様子が描かれていました。また、ジブリの意向としては「戦争を悪いものとして描きたかった」と解説されています。

製作スタッフの発言からの解説以外にも、『ハウルの動く城』を見た人からさまざまな考察が挙げられています。例えば、「戦争を描いたのは宮崎駿のアニメーターとしての本能」といった考察があります。多くのジブリアニメでは戦いや飛行船などの乗り物が描かれています。宮崎駿は『風立ちぬ』の時でも戦争反対の立場でありながら戦闘機への憧れを持っている矛盾を鈴木敏夫に指摘されていました。

戦争のシーンを入れた理由の考察には、『ハウルの動く城』が公開された2004年という時期は、アメリカがテロとの戦争を始めている時期と重なるからだと解説する考察もあります。2001年にはアメリカ同時多発テロ事件が起こり、世界がテロ組織の脅威や新しい世界大戦を危惧していました。『ハウルの動く城』に戦争要素を取り入れ、否定的に描いたことはそうした時代背景によるものだ、と解説されています。

ハウルの動く城のネタバレ解説まとめ

『ハウルの動く城』のネタバレ考察やネタバレあらすじをまとめて解説しました。『ハウルの動く城』は一見しただけでは「よくわからかない」と評されることが多いアニメですが、繰り返し視聴することで新しい発見があると言われる作品です。地上波でも繰り返し放送されていることからも人気の高さがうかがえます。今回紹介したネタバレ考察やあらすじを参考に、世界が認めた名作『ハウルの動く城』を何度も楽しんでください。

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