ハウルの動く城の荒地の魔女とは?ハウルとの関係や階段シーンの真相を調査

ハウルの動く城の重要人物である、時には極度の肥満体系の中年女性。時には優しいおばあちゃんの荒れ地の魔女の正体を探っていきます。主人公ソフィーに対して時には敵として、時には味方として接触して来ますが、荒れ地の魔女とソフィーの変わりゆく関係性を特に顕著に表すシーンとして王宮の階段シーンがあり、様々な考察やエピソードを元に御紹介していきます。また、ハウルの動く城で階段シーンが作られたいきさつを紐解きながらハウルの動く城の面白さを紹介していきます。

ハウルの動く城の荒地の魔女とは?ハウルとの関係や階段シーンの真相を調査のイメージ

目次

  1. ハウルの動く城の荒れ地の魔女を徹底調査!ハウルとの関係に迫る!
  2. ハウルの動く城とは?
  3. ハウルの動く城の荒れ地の魔女とはどんな人物?
  4. ハウルの動く城の荒れ地の魔女とハウルの関係は?
  5. ハウルの動く城のあの階段シーンの真相!
  6. ハウルの動く城の荒れ地の魔女に注目して映画を見てみよう!

ハウルの動く城の荒れ地の魔女を徹底調査!ハウルとの関係に迫る!

ハウルの動く城で特に見た目に特徴がある荒れ地の魔女という人物をハウルとの関係やソフィーとのやり取りなどを通して、様々な角度から徹底的に迫って行きます。ハウルの動く城では原作設定を知らないと意味がわかりにくいシーンが複数あり、様々な考察が盛り上がっています。

スタジオジブリの作品 - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

ハウルの動く城とは?

ハウルの動く城はあのスタジオジブリが贈る長編アニメーション映画

思い出のマーニーや借りぐらしのアリエッティ、崖の上のポニョやトトロでお馴染みのスタジオジブリが、イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの原作「魔法使いハウルと火の悪魔」を原作として制作したのがハウルの動く城です。制作時期はもののけ姫とかぶっており、ハウルの動く城の制作が難航した話は有名です。

ハウルの動く城の人気はどれくらい?

ハウルの動く城が映画公開されて2日目で観客動員数が110万人を突破し最終では1500万人を動員しました。興行収入は196億円となり、千と千尋の神隠しに次ぐ史上第2位を樹立した大ヒットアニメとなりました。地上波TV初放映では視聴率32.9%という驚異的な数値を叩き出しています。(ビデオリサーチ、関東地区調べ)

ハウルの動く城の荒れ地の魔女とはどんな人物?

悪魔と契約した絶世の美女の魔女

50年前に悪魔と契約した事で魔女になった荒れ地の魔女は、私利私欲の為に数々の心臓を奪い、その事が原因で王宮から追放されてしまいました。ハウルとはハウルが子供の頃から関係があり、高い魔力を持つハウルの心臓狙っています。

主人公であるソフィーに呪いをかけて老婆にしたのも荒れ地の魔女です。ハウルの動く城の作中でソフィーが若返ったり老けたりとするのは呪いの種類が単純な「老化」ではなくソフィーの気持ちに連動しているという考察が一般的です。状況によって主人公の見た目がいきなり変わるのもハウルの動く城の大きな特徴です。

ハウルの動く城の序盤では肥満体系の中年女性として登場

ハウルの動く城の序盤では若さと美しさに非常に執着しており、ドレスや宝石に身をまとって裕福さが伺えます。王宮を追放された原因となったサリマンを恨んでおり、サリマンとの関係は非常に悪いです。自信家で我欲が強く、わがままで強い女という印象が非常に強いですが、クールな一面も持ち合わせています。

ハウルの動く城の中盤ではおばあちゃんになってしまう

ハウルの動く城の中盤では魔力を全て奪われてしまい、魔力でごまかしていた容姿が実際の年齢に適したおばあちゃんの姿になってしまいます。精神的にもおあばちゃんになってしまい、ソフィー達に介護されながら生活をしていますが、ハウルの心臓にいまだ執着していたり、サリマンの策を看破したりと時折鋭さを見せたりなど、荒れ地の魔女の凄さの片鱗が垣間見えます。

ハウルの動く城の終盤ではソフィーの恋の相談役に?

ハウルの動く城の終盤ではソフィーの恋愛事情の相談に乗ってあげたり、最後にはあれほど執着していたハウルの心臓をソフィ-に託すなどしてソフィーとの関係を作り上げ、さらには城の住民からの信頼をも勝ち取り、性根の優しい部分がピックアップされています。

荒れ地の魔女のモデルは声優の美輪明宏さんそのもの

ハウルの動く城の荒れ地の魔女の声優の美輪明宏さんですが、キャラクター自体も美輪明宏さんがモデルになっています。美輪明宏さんのラジオの中での発言で、宮崎駿監督からハウルの動く城の声優の話が来た際に「荒れ地の魔女の顔を何度消して書いても、どうしても最後は美輪さんの顔になっちゃうんで、だからこれはもう美輪さんしかないっていうんでお願いしました」と言われたとの事です。

「もののけ姫」ではモロの声を担当していたりとジブリとの関係も深いです。ハウルの動く城では自分がモデルになっているキャラクターに声を充てていての感想で「鏡を見ているようなものですから」と回答しています。

ハウルの動く城の荒れ地の魔女とハウルの関係は?

荒れ地の魔女がハウルの心臓を狙う理由は?

ハウルの動く城の作中に荒れ地の魔女のセリフの中に「男なんか仕方のないものだけどね。若い心臓は良いよ。」というセリフがあります。ただ単純に若い男の心臓が良いのであれば、仕方のないというセリフは必要ありません。「男が仕方がないのに」というのは惚れた女のセリフでもあります。

ソフィーとの恋の相談の時に、荒れ地の魔女はソフィーが恋をしている事を突っ込みますが、その際ソフィーの返しで「おばあちゃん、恋をしたことあるの?」との問いかけに対して「今もしているよ?」と答えています。老化した荒れ地の魔女はハウルの心臓の執着だけは現役時代と同じな為、ハウルに対して恋をしているとも取れます。

ハウルと荒れ地の魔女は昔は恋人関係だった?

元々荒れ地の魔女に最初に近づいたのはハウルです。「面白そうだな」と思って近づいたのですが、「恐ろしい人だった…」とハウルが自ら語っています。実際に相思相愛の関係だったのかはわかりませんが、ハウルが近づいた事で荒れ地の魔女が恋をして、ストーカー状態のようになったと考えると荒れ地の魔女の行動はわかりやすいです。

一見天真爛漫にも見えるハウルですが、城の中の道具は魔女が嫌いなもので溢れ返させ魔女を遠ざけるなど、かなり精神的に怯えている様子が垣間見えます。きっかけが自分だった事もあり、邪険にもできず逃げ回るしか方法がないという所は罪悪感からくる行動とも取れます。

ハウルの髪の毛の色が変わってしまった際にハウルが「美しくなかったら生きていたって仕方がない…」と嘆き悲しむシーンがあり、こういう所は荒れ地の魔女にそっくりな為、荒れ地の魔女とは元々波長が合う性質だと言えます。

荒れ地の魔女がソフィーに呪いをかけたのは嫉妬が原因?

ハウルの動く城の序盤でソフィーがハウルの連れと思った荒れ地の魔女は兵士を使ってソフィーに襲わせます。そこでハウルがソフィーを助けて逃げ出すのですが、これが好きな人が他の女を助けて仲良くしているシーンだと考えると、ソフィーは巻き添えの嫉妬心で呪いをかけられたと考える事ができます。

荒れ地の魔女がハウルにかけた呪いの呪文で「流れ星を捕らえし者・心無き者、お前の心臓は私のものだ」というものがありますが、「流れ星」は「願い」の象徴であり、荒れ地の魔女の願いは「魔力」ですので、ハウルを契約を結んだ火の悪魔「カルシファー」だと考察できます。それを「捕らえし者」でハウルの事を指し、「その心臓は私のもの」でハウルを自分の物にすると意味で考察できます。

呪いの中で重要なのは「心無き者」という一文で、これは好奇心で荒れ地の魔女に近づいてきたハウルが自分勝手に逃げていった事を「薄情」という意味で「心無き者」と例えているという考察ができます。つまり、単純に力が欲しいという文面に薄情を追加する事で、恋愛のもつれがよりハウルの動く城では強調されているとも取れるわけです。

ソフィーと荒れ地の魔女は正反対?

ハウルの動く城でのソフィーはささいな物事に対して怯え、はっきりとしないソフィーに対して、自信家で努力家でもある荒れ地の魔女はイラつきを感じえません。そんな女が恋敵となるのであれば、老化というかなりひどい魔法をかけてしまうのは、嫉妬心だけでなく別の感情があった気持ちもわからなくはないと言えます。

ハウルの動く城のエンディングでは結果的に恋人の関係から親子の関係へ?

ハウルの動く城の終盤でカルシファーにハウルの心臓を見つけた荒れ地の魔女は、燃え盛るカルシファーに掴みかかったせいで炎に包まれてしまいます。命を犠牲にするほど欲しいのか、老化によるボケなのかはわかりませんが、慌てたソフィーがハウルの分身であるカルシファーに水をかけてしまいます。その後、無理やりではなくお願いをするソフィーに「大事にしてね?」とハウルの心臓を渡します。

ハウルの動く城の最大の見所とも言えるシーンですが、それはまさに親が息子の伴侶に息子を託すシーンにも似ており、ハウルと荒れ地の魔女の性格が似ている事から、単純な恋心というよりは家族や同族と言った感情も少なからずあり、荒れ地の魔女がソフィーを認めるという瞬間でもあります。

ハウルの動く城のあの階段シーンの真相!

ハウルの動く城の荒れ地の魔女があの長い階段を上っている理由を解説!

ハウルの動く城の中盤で王宮にいるサリマンによって呼び出された荒れ地の魔女は、自分がサリマンから頼られていると勘違いして追放された王宮への復帰を夢見て王宮に向かいます。天狗になっている荒れ地の魔女は籠で優雅に移動していた所にそこでソフィーと出会い、余裕を見せます。ですが、実はサリマンには別の目論見がありました。

サリマンは王宮の魔法学校の学長であり、宮廷に仕える魔女です。基本的には温厚な性格ですが、その魔力はハウルをも遥かに超えると言われています。国王の裏で政治事をコントロールしたりとかなり権力も持っており、荒れ地の魔女に対しての行いは、罪は絶対に許さないという非情な冷酷さをも兼ね備えています。

階段を登るシーンでソフィーと荒れ地の魔女の関係性が変わりだす

王宮に入る為には入り口の長い階段を登らなくては行けません。魔法で登るという選択肢も本当はあるのでしょうが、サリマンの魔法によって階段は自力で登らざるを得ない状況になります。余裕だった荒れ地の魔女も自力で階段をあくせく汗を噴き出しながら登り始めます。ソフィーも老化しているのでおばあちゃん二人による競争がここで始まります。

遅れをとった荒れ地の魔女が「待ちなさいよ!」とソフィーに投げかけますが、呪いの解き方を教えるようかわされてしまいます。「今日はやめといたら?無理だよ」と促すソフィーに対して荒れ地の魔女は、「ここを追い出されてから五十年もこの日が来るのを待ってたんだよ!」と憤慨すると、「じゃぁ頑張りな」と薄情にソフィーが吐き捨てます。

なんだかんだとお互い罵りながら階段を登って行くのですが、結果的にソフィーは手助けはしないものの荒れ地の魔女が階段を登りきるまで付き合います。ここでは今まで「狩る者」「狩られる者」という圧倒的な力関係があったのがいい意味でのライバルという立ち位置に変わっていました。

階段を登り切った荒れ地の魔女を待っていたものは…

サリマンの策略によって階段を登って体力・魔力ともに限界まで使い切った荒れ地の魔女に対して待っていたものは、弱った荒れ地の魔女に対して根こそぎ魔力を奪い取る事で無力化させる事でした。さすがの荒れ地の魔女でもこの状態では手も足も出せません。

荒れ地の魔女は魔力によって若さを保っていましたが、魔力を全て奪われて実年齢のおばあちゃんの姿にされてしまいます。完全に力を失って歩くこともできず台車で運ばれてくるシーンは非常に印象的です。これには少し心を開いていたソフィーもサリマンに対して怒りを覚えます。同じ苦境を乗り切ったソフィーは荒れ地の魔女に共感していました。

ハウルの動く城の階段のシーンは原作と大きく異なるアニメオリジナル

ハウルの動く城では元々原作とアニメでは登場人物が絞られていたり、生々しい戦争の描写を一般向けに再構築したり、キャラクターの性格が変更されていたりしますが、その中でも原作では絶対悪として描かれていた荒れ地の魔女の印象を大きく変えたのがこの階段のシーンです。

宮崎駿監督自身がハウルの動く城でどうしても入れたかったシーンだった

「Cut」2010年9月号のインタビューに答えていますが、魔女の宅急便と同時制作していたハウルの動く城は、スタッフ解体によって製作が頓挫してしまい、当初予定していた「バケモノの子」や「サマーウォーズ」でお馴染みの細田守監督から宮崎駿監督自身が監督を引き継ぐ流れになりました。その際宮崎駿監督がハウルの動く城に関わる際に「どうしてもやりたい!」と決めていたのがこの階段シーンなのです。

宮崎駿監督が入れた階段シーンをさらに大塚伸治が大幅に改変した

宮崎駿監督が想定していたハウルの動く城の階段シーンは「ただ二人が階段を登る」というシーンで、先に上がったソフィーが荒れ地の魔女に手を差し伸べるという内容でした。しかし、その内容を担当した大塚伸治さんが切り捨てたのですが、信頼するアニメーターが言うのであれば任せるという事で、二人の距離が縮まるという表現を「競い合いながら登る」という名シーンに仕上げました。

二人が手を握るというシーンを変更した理由は?

当初のハウルの動く城の階段のシーンは数秒程度の短いシーンを予定していましたが、手を握るシーンがあまりにも説明的過ぎるという意見が出ました。大塚伸治さんはそのイメージを聞いて「このシーンは間(時間)が持つよ」と言って予定の倍以上の長さに引っ張った上に、説明的過ぎるシーンをぼやかしつつ印象的なハウルの動く城の名シーンに作り直したのです。

ハウルの動く城の荒れ地の魔女に注目して映画を見てみよう!

ジブリ解釈による破天荒なエンターテイメントストーリー

制作途中だったハウルの動く城を監督交代によってゼロベースで作り上げた結果、公開延期という屈辱を経てジブリ作品の中でも極めて支離滅裂なストーリーになっているハウルの動く城は、逆にシーン一つ一つのクオリティを高めた事で見る人によって全く違った評価が出るという賛否両論の作品になりました。

「もののけ姫」や「天空の城ラピュタ」などの王道作品を持つジブリがこのような複雑な背景を持つストーリーをハウルの動く城で展開してしまったのは、いかに現場が混乱していたか?が伺えます。その混乱状態を名作で仕上げてくる宮崎駿監督にはさすがの一言につきます。

後に宮崎駿監督は原作者の事を「女性読者には凄くリアリティがあるものだが、彼女自身は世界の仕組みがどうなっているのかという事に全く関心がない」「ルールが存在しないので収拾のしようがなく、そのルールを逐一説明するような映画は作りたくない」「魔法の理屈を説明しない映画を作ったら僕自身が迷子になった」「散々な経験でした」と語っています。

こんな条件の中でもハウルの動く城ではジブリの特徴である「少女が成長していく物語」を踏襲しつつ、オリジナルの要素を組み込みジブリらしさを全面に出した映画は後にも先にもありません。宮崎駿監督自身も2013年の引退記者会見の際の「今までで最も思い入れがある作品は何ですか?」という質問に対して「自分の中で一番トゲのように残っている」という理由で「ハウルの動く城」と答えています。

そんなジブリ作品の中でも異色な立ち位置でもある「ハウルの動く城」という映画を、荒れ地の魔女に注目しつつぜひとも観る事をぜひともオススメします。

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