おそ松さんの一松は謎が多すぎる？可愛い画像や性格・好みまで考察

1960年代に「週刊少年サンデー」などで連載され、爆発的な人気となった赤塚不二夫先生のギャグマンガ「おそ松くん」。2015年には赤塚先生の生誕80周年を記念して、27年ぶりに新作アニメ「おそ松さん」が製作され、こちらも女性を中心に大反響を巻き起こしました。下ネタ、パロディ、ブラックジョークなど危険なネタが満載のおそ松さんはお蔵入りや修正が入ることもあり、その度に話題を呼びました。

主人公である松野家の六つ子は、おそ松くんではあえて見分けがつかないように描写されていました。一方、大人になった六つ子を描くおそ松さんでは表情や髪型が描き分けられ、性格面でも個性が強調されたことで各キャラクターがに熱心なファンがつきました。この記事では四男の一松（画像左）に注目し、プロフィールや可愛い画像を紹介するとともに、おそ松さんのキャラクターでも謎の多い性格や他の兄弟との関係性にも迫ります。

おそ松さんの松野一松はボサボサ頭と猫背、半開きの目がトレードマークの四男です。イメージカラーは紫で、他の兄弟とお揃いのパーカーをよく着ています。六つ子なので誕生日は5月24日（年齢は不明）、血液型はA型で共通しており、全員がニートで童貞です。兄のおそ松、カラ松、チョロ松からは「一松」、弟の十四松、トド松からは「一松兄さん」と呼ばれており、一松の方は他の兄弟のことは基本的に呼び捨てで呼んでいます。

人気声優が多数出演していることでも話題になったおそ松さんですが、一松の声は福山潤さんが担当しています。1997年に「月間Asuka」のラジオCMナレーションで声優デビューを果たし、2000年に「無敵王トライゼノン」の主人公・神威章役に抜擢されました。「コードギアス　反逆のルルーシュ」のルルーシュをはじめ、主役級のキャラクターを演じることが多い一方で、男の娘や色物キャラクターまで幅広い役柄を演じています。

おそ松さんの一松は常にテンションが低く、画像のようにしれっと毒を吐くことの多い皮肉屋です。また、根暗かつ卑屈な性格でもあり、よく自分のことを「ゴミ」、「クズ」と称しています。兄弟からはその性格を心配されている上に、おそ松さん第1期4話で行われた両親による扶養面接では「一人だと何をするか分からない」、「息子の中から犯罪者が出てもいいのか」などと言って脅迫に出るというちょっと危険な一面を持っています。

しかし、そんな一松の言動は自信のなさや臆病さの裏返しでもあります。おそ松さん第1期5話では「自分には友達になってもらえるような価値がない」、「人と距離を縮めるのが怖い」、「友達がいなくても兄弟のみんながいるから寂しくない」という一松の本音が明らかになりました。この話はおそ松さんには珍しいシリアスな展開ながら、シリーズ中でも屈指の人気を誇るエピソードになっています。

基本的にローテンションで物静かな一松ですが、おそ松さんの真価といえるギャグシーンでは他の兄弟にも負けないボケを披露します。元々の性格による毒舌芸はもちろん、下半身を露出するシーンが多いのも一松の特徴です。おそ松さん第1期では二度の脱糞アクション（未遂）を披露しており、第2期7話ではついに完遂しました。「anan」掲載のおそ松さん特集によれば、一松の脱糞芸は「場をうやむやにするための特技」だそうです。

クズ揃いのおそ松さんの六つ子の中でも自他共に認める社会不適合者の一松は、家族以外との交流がほとんどありません。そんな一松にとって唯一の友達が猫です。仲が良いどころか、融合して猫人間（画像）に変身することもありますが、何故そんなことができるのかは謎です。初変身はおそ松さん第1期2話ですが、喧嘩や戦闘の際に時々猫化し、スマホアプリ「おそ松さんのへそくりウォーズ」にも猫人間姿の一松が実装されています。

他人との交流を好まない一松ですが、異性に対する興味は人並みにあるようで、他の兄弟と同様おそ松さんのヒロインである弱井トト子に入れ込んでいます。おそ松さん第1期4話でトト子の部屋に呼ばれた時は、ヴィジュアル系バンドマンのような服装（画像）で現れました。おそ松さん第1期16話ではカラ松のファッションに密かに憧れていたことが判明し、意外とロック趣味なのではないかとファンの間ではささやかれています。

また、おそ松さんの公式上映会では、一松の好きな飲み物と食べ物がドクターペッパーと手羽先であることが明かされました。ドクターペッパーを飲みながら手羽先を延々と食べ続けるのが一松の好みの呑み方だそうです。おそ松さん第2期15話での一松は、台所にあった食材の中から食パンを選び、マヨネーズと「ごはんですよーん」を塗って食べようとしていました。

テンションが低く面倒事を嫌う一松ですが、他の兄弟やイヤミに対しては意外な凶暴性を見せることがあります。おそ松さん第1期10話で美女に化けたイヤミとチビ太に騙されていたことを知った時は2人を猛獣の檻に閉じ込め、檻の鍵のレンタル料として8兆円を巻き上げるというドＳっぷりを見せつけました。

おそ松さん第1期14話では、風邪を引いた他の兄弟に看病と称して「氷水でギンギンにしたこの冷たいタオルが欲しいんだろ？」、「我々のような雄豚共の火照った体をお冷ましください一松様、だろ」と言葉責めを行い、チョロ松から「看病じゃなくて調教だろ！」と突っ込まれていました。

おそ松さん第2期20話では犬の格好をした十四松に首輪をつけ、四つん這いで散歩させるというシーンも披露しています。こういったドSっぷりから、ファンからはおそ松さん第1期14話にならって一松様と呼ばれることもあります。

ドSな行動の数々に反して一松の公式設定はドMであり、おそ松さん第1期前半のエンディングテーマのソロパートには「もっと蔑んでもいいですよ」という台詞があります。おそ松さん第1期6話では、尻に画像のような巨大な旗を挿されて喘ぎ声をあげるというギリギリなシーンを披露していますが、これは一松はドMという設定を踏まえた福山さんのアドリブとのことです。

意味ありげな描写や演出の数々が議論を呼び、様々な謎が考察されてきたおそ松さんですが、その中でも一松は飛び抜けて謎の多いキャラクターです。ダウナー系の性格と暴走した時のギャップ、猫人間化、おそ松さん公式が認めるドM設定にも関わらずしばしば発揮されるドSっぷりと、謎は尽きません。

おそ松さんの元になった「おそ松くん」での一松（画像左）は、意志が強く根性のある少年として描かれている一方、他の兄弟のボケをばっさり切り捨てる「おそ松さん」の性格の片鱗も覗かせています。どういった経緯でおそ松さんでの一松の性格が形成されていったのかは謎ですが、いざという時のたくましさはおそ松くん時代にも通じるように思えます。考えれば考えるほど謎の深まるキャラクターです。

おそ松さん第1期1話では、現代でウケるアニメにしようと六つ子がイケメンアイドル「F6」と化し、様々な人気作品のパロディを繰り広げました。一松はBL学園に通う「400年前に帝王なんとかから世界を救ったと言われる、なんちゃら王家の末裔」という謎めいた生徒でした。おそ松さん1話は残念ながらDVD未収録の欠番となってしまいましたが、F6姿の六つ子はその後のアニメや舞台版おそ松さん、グッズにも登場しています。

おそ松さん第1期13話では、六つ子が女子になった「じょし松さん」も披露されました。こちらはおそ松さんとは異なり、姉妹ではなく友達同士という設定になっています。一松の女子バージョンの一子はスピリチュアル系女子で、謎めいた雰囲気と毒舌は一松と共通しています。しかし、おそ松さんの六つ子が揃ってクズだったのと同様、じょし松さんも可愛い外見に反してキツい設定を抱えており、一子は口臭がひどいと暴露されています。

おそ松さん第1期のDVD1巻には、テレビ未放送の3.5話「童貞なヒーロー」が収録されています。おそ松さん3.5話は、バーベキューに興じるリア充大学生への嫉妬から結成された「童貞自警団新品ブラザース」が大暴れするストーリーになっています。一松は「……殺す。新品の一松」を決め台詞とする新品ブラザーズの一員で、リア充への嫉妬のあまり「リアルな幸せ者達をとって食う害獣、リア獣イチゲルゲ」 に変身してしまいます。
 

おそ松さん3.5話では、さらに一松が神になるという展開が見られます。自分もリア充の仲間に入りたいという素直な気持ちを吐き出した一松は悟りを開き、童貞の中の童貞、童貞ゴッドと化します。おそ松さん3.5話は、当初はおそ松さん第1期5話のAパートとして放送される予定だったそうです。おそ松さん5話のBパートは六つ子が尻に巨大フラッグを挿される回で、予定通り放送されていればかなりの下ネタ回になったと想像されます。

おそ松さん第1期16話では、何と一松がアルバイトの面接に行きます。無事採用されたのは猫カフェという、何とも一松らしいアルバイト先と思いきや、一松は店員ではなく猫として働いていたというオチです。猫と一緒になごんでいる一松が可愛い画像ですが、これはアクセサリーなのか、例の猫人間化なのかは謎です。

おそ松さん17話では、十四松メインのショートアニメ集「十四松まつり」で十四松が大暴れします。その中の一編である「十四松パン」はかの有名なピーターパンのパロディで、配役はピーターパン（十四松パン）が十四松、ウェンディがトト子（役名もトト子）、ティンカーベル（ティンカーイチ）が一松となっています。ポニーテールが可愛いティンカーイチですが、トト子に嫉妬してブス呼ばわりする毒舌な一面はそのままです。

おそ松さん第1期19話では、おそ松さんのキャラクターたちが時代劇を演じるショートストーリー集「時代劇おそ松さん」が放送されました。一松は十四松と一緒に聖徳太子のパロディ「十四松太子」に登場し、古代風の衣装に身を包んでいました。提供バックの画像の元ネタが昔の一万円札というところに、おそ松さんの元になったおそ松くんの昭和感が漂っています。

おそ松さん20話では、「スクール松」のタイトルで六つ子が学園コントを繰り広げました。こちらはおそ松さんの幻の1話で登場したBL学園のアイドルではなく、荒廃した学校の不良という設定になっています。一松は画像の通りスキンヘッドで顔色が悪く、目は充血しているという外見で、「キメている」と噂されている危ない雰囲気を漂わせたキャラクターでした。しかし、猫には弱いというところは元の一松と同じです。

アニメ本編でも様々なコスプレを披露しているおそ松さんですが、スマホアプリ「おそ松さんのへそくりウォーズ」ではイベントごとに様々な衣装の六つ子が公開されています。画像は「妖怪大抗争 赤塚区死闘編」で登場したいわゆる「妖怪松」で、九尾の狐姿が可愛いというよりもかっこいい一松です。ちなみに妖怪松の一松には猫又、ミズチ、化け猫といった公式の別バージョンの他、独自のファンアートも多数投稿されています。

こちらの画像も「おそ松さんのへそくりウォーズ」で行われたイベント「魔法少女おそ松ちゃん」で登場した、可愛い魔法少女姿の一松です。赤塚先生で魔法少女といえば「ひみつのアッコちゃん」と思いきや、現代の魔法少女アニメ風の衣装となりました。ファンの間でも魔法少女松が可愛いと評判になり、元ネタの考察やファンアートで盛り上がりました。

おそ末さんの六つ子の長男・おそ松と一松の組み合わせは、パーカーを着ていることが多いという共通点からパーカー松と呼ばれています。一松はカラ松、チョロ松のことは呼び捨てか「クソ松」、「シコ野郎」など罵倒交じりのあだ名で呼ぶのに対して、おそ松のことだけは「おそ松兄さん」と呼んでいます。おそ松も一松を「いちまっちゃん」と呼ぶことがあり、六つ子の中でも良好な関係のようです。

その一方で、がめつく身勝手なおそ松が抜け駆けをしたときに積極的に制裁を加えに行くのも一松です。おそ松さん第1期14話では、風邪でダウンした弟たちの財布を持ってパチンコに行った挙句、全部スッて帰ってきたおそ松に一松がディープキスで風邪をうつすというシーンがあり、視聴者に衝撃を与えました。

次男のカラ松と一松の組み合わせは「カラー松」と呼ばれています。由来は「カラ」と「一」を並べるとカラーに見えることからです。長兄から末弟まで揃ってクズと言い切る一松ですが、特にカラ松への当たりがきつく、おそ松さん第1期2話では他の兄弟が一松を「社会には馴染めなさそう」「上司とか殺しちゃいそう」と評する中、カラ松だけが「俺は信じてる」とフォローしたにも関わらず胸倉をつかまれる険悪ぶりを見せました。

しかし、おそ松さん第1期16話では一松がカラ松のファッションに密かに憧れていることが判明、おそ松にバレそうになったところをカラ松に助けられて「俺はもうカラ松Boysだよぉ！」と感動するという展開がありました。おそ松が出て行った後は「誰にもバラすな」と逆ギレする一松、着替え中に転んで上半身裸で折り重なっているところをおそ松に目撃されあらぬ誤解を受けるカラ松といういつものカラー松も見られます。

おそ松さんの脚本とシリーズ構成を担当する松原秀氏によれば、一松のカラ松への態度の裏には「なんでそんなに自信を持ってんの？六つ子なんだから俺とおんなじだよね？」という引っ掛かりがあるそうです。卑屈な一松とナルシストなカラ松という対照性や、そこから生まれる複雑な関係性から、おそ松さんの中でも特に人気の高いコンビです。

おそ松さんの六つ子の真ん中の二人で「年中松」と呼ばれる三男・チョロ松と一松ですが、実はあまり会話のない二人でもあります。おそ松さん第2期3話ではそれをネタにしたストーリーが展開され、六人でいるときは普通に話せるのに二人きりにになると気を使ってしまって気まずいという、ある意味リアリティのある関係性が描かれました。

かといって共通点がないわけではなく、おそ松さん第1期3話でパチンコで一儲けしたトド松から金を巻き上げようと結託する、おそ松さん第1期7話で一人リア充への階段を登ろうとするトド松に熱々のコーヒーをかける、脱糞しようとするなど、嫌がらせ（特にトド松に対する）の悪質さは群を抜いています。チョロ松も市松も普段はおそ松さんのキャラクターの中では比較的おとなしい分、その反動で大暴れしているのかもしれません。

おそ松さんの六つ子の五男・十四松と一松の組み合わせは、二人とも名前に数字が入っていることから「数字松」と呼ばれます。根暗な一松と明るい狂人の十四松と一見正反対の二人ですが、プロレスごっこをしたり息の合った漫才を繰り広げたりと、何かと一緒にいることの多いコンビです。

おそ松さん第1期5話は数字松の関係を軸に展開されるストーリーとなっていました。猫しか友達がいない一松を心配した十四松はデカパン博士の研究所を訪れ、博士の薬で人の内心を言葉にして喋る力を持ったエスパーニャンコが誕生します。本音を暴かれて怒った一松はエスパーニャンコを追い出してしまいますが、本心ではエスパーニャンコを心配していた一松のため、十四松は泥だらけになってエスパーニャンコを探し回ります。

一松役の福山潤さんと十四松役の小野大輔さんによれば、エスパーニャンコのエピソードは「いい話とみせかけて、実はカラ松事変のオチに持って行く壮大なフリ」だそうです。下品なギャグやブラックジョークを得意とする作風のおそ松さんの中で、おそ松さんらしいネタをこなしつつも、可愛い、心温まるやりとりも見せるところが十四松と一松のコンビの魅力と言えるのではないでしょうか。

おそ松さんの六つ子の末っ子・トド松と一松の組み合わせは「110松」と呼ばれています。由来は一松の「一」とトド松の「ト」を数字に置き換えたものです。イメージカラーがピンクと紫というおそ松さんの中でも「一見可愛い雰囲気の組み合わせですが、そのやりとりには可愛いとは言い難いものもしばしばあります。年中松の項目でも紹介した、トド松のアルバイト先のカフェ・スタバァでの脱糞未遂事件などはその代表的なものです。

おそ松さん第1期13話では「お前そんなにルックスいい方じゃない」、「しばらくすると飽きる」と一松の毒舌が炸裂し、トド松を凹ませましたが、トド松も「そのキャラやめたら？」、「本当はごく普通の人間でしょ？」と一松の痛いところを突いて反撃します。しかし、最後には一緒に布団を敷いているところには何だかんだで仲の良い様子がうかがえます。

一見ひねくれているけれど兄弟のことが大好きというギャップが可愛いとファンの心を掴んだおそ松さんの一松。おそ松さんのアニメの放送は終了してしまいましたが、ゲームやグッズなどの展開は続いています。次々繰り出されるギャグに爆笑する、六つ子の可愛い姿を楽しむ、謎を考察するなど、様々な楽しみ方ができるおそ松さんの世界に触れてみるのはいかがでしょうか。