【いぬやしき】渡辺しおんと獅子神皓との出会い・関係は？声優や実写版キャストは？

「俺が悪役で…じじいがヒーローか…！」や「オヤジvs高校生」のキャッチコピーでも知られる『いぬやしき』に、健気でかわいい少女が登場するのをみなさんご存知ですか？それが、「犬屋敷麻理」（いぬやしきまり）と並んで人気の高い「渡辺しおん」です。

アニメ版『いぬやしき』では「諸星すみれ」さんが声優をつとめ、実写映画版では役者の「二階堂ふみ」さんが演じた「渡辺しおん」の魅力をご紹介しましょう！第2の主人公である「獅子神皓（ししがみひろ）」との関係性や印象的なエピソードに加え、「諸星すみれ」さんや「二階堂ふみ」さんの経歴や関連作品もご紹介していきます。

『いぬやしき』は『GANTZ』（2000）などでも知られる奥浩哉先生のSF漫画です。2014年から講談社の漫画雑誌『イブニング』で連載が開始され、全85話にわたり宇宙人によって機械の体を与えられた2人の登場人物を主人公として物語は群像的に展開されていきます。2017年には1クール11話にまとめられたアニメが公開されたことでも話題です。

アニメ『いぬやしき』はフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送されました。アニメ版は『TIGER & BUNNY』（2011）『聖闘士星矢 Legend of Sanctuary』（2014）『GANTZ:O』（2016）の監督でも知られる「さとうけいいち」さんが総監督を務め、『進撃の巨人』（2013~）や『甲鉄城のカバネリ』（2016）でも知られる「瀬古浩司」さんが脚本を担当しています。

また、『GANTZ』の実写映画化もつとめた佐藤信介監督のもとで2018年には『いぬやしき』は同じく実写化されています。主演キャストとして「とんねるず」の木梨憲武や佐藤健、本郷奏多や二階堂ふみなど名だたる役者が名を連ねています。実写版『いぬやしき』は第36回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で、インターナショナルコンペティション部門の「ゴールデン・レイヴン賞」を受賞するなど海外での人気も掴むことが出来た意欲作になりました。

実写版『いぬやしき』主要キャスト

• 犬屋敷壱郎：木梨憲武
• 獅子神皓：佐藤健
• 犬屋敷麻理：三吉彩花
• 渡辺しおん：二階堂ふみ
• 安堂直行：本郷奏多
• 犬屋敷剛史：福崎那由他
• ミヤノ：生瀬勝久

『いぬやしき』の舞台は現代日本です。家族に対しても会社に対しても梲が上がらない上に、ガンによる余命宣告を受けたサラリーマンの「犬屋敷壱郎（いぬやしきいちろう）」と、嫌世的な乾いた思想を持つ高校生「獅子神皓（ししがみひろ）」はお互い散歩に出ていたある夜に「ある事件」に巻き込まれます。まばゆい光と衝撃から目を覚ますと、皓は姿を消しており、自宅に帰宅した壱郎は自分の体が機械化していることに気付くのです。

ある日突然人間ではなくなってしまった「犬屋敷壱郎」と「獅子神皓」は日常のなかで少しづつそれぞれの死生観や価値観が変化していきます。そんななかで、「獅子神皓」の親友である「安堂直行（あんどうなおゆき）」やクラスメイトだった本記事の主人公「渡辺しおん」との関係性もまた歯車が回るように変化していくのです。

そんな「獅子神皓」の通う高校に通う少女がこの記事の主人公である「渡辺しおん」です。機械化の恩恵で超人的な能力を手にした獅子神皓は親友の「チョッコー」こと「安堂直行」がいじめられている際にいじめっ子たちを圧倒することになります。その光景を渡辺しおんは目撃し、その素っ気なさと内側にひかる優しさに惹かれることになります。

渡辺しおんは容姿がかわいい人物でもありますが、内向的で自体も高校では卑猥なあだ名をつけられるなど鬱屈とした毎日を送っていました。また、両親はすでにガンで他界しており祖母と二人暮らしをするなど人恋しさがあったものと考察されています。そうして渡辺しおんは獅子神皓に告白するという大胆な行動に出て、物語の中核へと足を踏み込むのです。

この章では、先ほどご紹介した『いぬやしき』の渡辺しおんと獅子神皓の関係性について詳しくご紹介していきましょう！『いぬやしき』本誌のネタバレも少々含まれますので未読の方はご注意ください。

渡辺しおんと獅子神皓はもともと同じ高校の同じクラスに所属するクラスメイト同士という関係でしたが、『いぬやしき』の物語がはじまる以前はお互いに多数いるクラスメイトのひとりという程度の関係でした。しかし、先述の通りチョッコーを救ってみせた獅子神皓に渡辺しおんは憧憬と尊敬の念を感じ、告白することになるのです。

この際には、獅子神皓は軽く流しこの2人はすれ違っていくことになります。しかし、獅子神皓は末期ガンの母を救う一方で、連続殺人を犯した罪で警察に追われることになり、そんな獅子神皓を渡辺しおんが祖母と住む自宅に匿ったことで関係性は一歩進んだものに変わっていきます。

連続殺人犯だという獅子神皓を信用するという渡辺しおんに対して、獅子神皓は自分がもう人間ではないことを告げます。渡辺しおんは機械であると信じられず困惑しますが、その一方で獅子神皓の持っている優しさや大切なものに対する誠実さに恋している自分を捨て切れません。

そして獅子神皓に対して、拒絶ではなく許容という形で渡辺しおんは誠意を返そうと試み、獅子神皓が取り返しのつかない罪を犯し人間でなくなっても愛しているというどうしようもない事態に対して自分の感情を素直に曝け出すことにします。ほぼ無表情で無機質さの強い獅子神皓の内側に渦巻いていたであろう恨みや悲しみを体現するような渡辺しおんの論理的ではない泣き方の対比はファンにも刺さる名シーンとなっています。

そうして、本心を惜しげも無く曝け出し「おいてかないで」と縋り付く渡辺しおんに、獅子神皓は生きている実感を得るために人を殺し続けるという選択と自分に縋る全ての人々を救うことで生きているという実感を得るという選択を天秤にかけて「じゃあ…これから…人の命を…なくなりそうになってる命を…俺が殺した数だけ救っていくよ」と告白します。奇しくもここで犬屋敷壱郎と同じ答えに獅子神皓も至ることになるのです。

そうして渡辺しおんに応じるように獅子神皓は人を救うという行動に出ようと決意します。それは渡辺しおんの両親に去られ祖母も耄碌として愛する人々がどんどん消えてしまう心細さからくる叫びが、同じく最愛の母がガンとの闘病で自分を置いていってしまうという直感を毎日感じていた心細い思いと共鳴したからかもしれません。獅子神皓はそうして善意をもって能力を使うことを決めるのです。

この渡辺しおんに感化されるかたちで湧いた思考自体は獅子神皓の元々持っていた善性を呼び覚ますことになりますが、しかしながらこれまで行ってしまった罪を世間は許すことなく渡辺しおんとその祖母は獅子神皓の包囲網に巻き込まれていくことになります。そして渡辺しおんが傷付けられたことで結果として獅子神皓はより深い悪行の道へと染まってしまうことになってしまうのです。

この章ではそんな渡辺しおんのアニメ版の声優「諸星すみれ」さんと実写版映画の役者「二階堂ふみ」さんについてご紹介していきましょう！

アニメ『いぬやしき』で渡辺しおん役を演じている声優は「諸星すみれ」さんです。声優としては2006年から活躍されており、声優初出演作の『RED GARDEN』（2006）の「キャリー」役をはじめ、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』（2009）の「ニーナ・タッカー」、2012年の『アイカツ!』の「星宮いちご」役、『東京喰種トーキョーグール』（2014）の「笛口雛実」役など、2010年代に欠かせない声優のひとりになっています。

一方で、実写版『いぬやしき』の渡辺しおんを演じているのは女優「二階堂ふみ」さんです。12歳からグラビアモデルとして芸能界デビューを果たしている「二階堂ふみ」さんは、2007年のテレビドラマ『受験の神様』で女子児童生徒役としてお茶の間デビューしており、映画も2009年の『ガマの油』の「光」役からファンの目を惹きつけています。

2011年の『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』における「第26回 高崎映画祭 最優秀助演女優賞」をはじめとした数々の賞の受賞を皮切りに、近年では2019年の『翔んで埼玉』で「第43回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞」と『人間失格 太宰治と3人の女たち』で「優秀助演女優賞」のダブル受賞を果たすなど今が旬の注目の女優さんとなっています。

「渡辺しおん」は果たして劇中で死亡したのか？死亡説があると言われていますが、それは原作漫画の『いぬやしき』からアニメ化や実写映画化をする際の脚本変更によるものだと考察されています。というのも、原作漫画では、渡辺家への特殊部隊の襲撃シーンのあとに獅子神皓が渡辺しおんとそのおばあちゃんを蘇生するシーンが明確に存在しますが、アニメや実写映画だとそのシーンが省略されているからです。

「渡辺しおん」を辛くも守りきるも、大切にしていた母親も世間体に押しつぶされて自殺し、平穏な生活や人間を助けようと改心した心も踏み躙るような世界に対して、獅子神皓は激しい憎悪と失望を覚え「最後の計画」を実行しようとしてしまいます。この際に、原作漫画では獅子神皓を引き止めいっしょにやり直そうと説得する渡辺しおんと獅子神皓の短いやりとりが確認出来ます。

その後、獅子神皓と犬屋敷壱郎の激闘を経て地球は救われますが、この際にも獅子神皓はチョッコーやしおんは生きて欲しいと語っているため、少なくとも獅子神皓によって殺害されるということはないのだと考察出来ます。この自分を置いていきはしたものの最期まで思っていてくれたという真相はチョッコーを通じてしおんに伝わり、しおんはこれに涙することになるのです。

しかし、エンディング後にもしかしたら獅子神皓の母のように押し潰されてしまう可能性も否定は出来ない終わり方にはなっていると言えるでしょう。気になる方は是非、原作漫画も読んでみてください。

ここでは『いぬやしき』の「渡辺しおん」についての評価や感想をSNSから抜粋してご紹介しましょう！原作漫画版だけでなくアニメ版や実写映画版などについても網羅していきます。

こちらは原作漫画『いぬやしき』を全巻読了した方の感想です。健気さや獅子神皓への愛情などかわいさが詰まっているとファンの間では人気なのです。

アニメ版の『いぬやしき』での声優のキャスティングが妙技だったとの感想は数多くみられています。特に、渡辺しおん役の諸星すみれさんの演技が光っていたという評価は多く、今後も諸星すみれさんの活躍を期待する声もあがっています。

映画版の『いぬやしき』を観て「渡辺しおんが可愛いと思ったら二階堂ふみだった！」という感想は実は多くみられています。「渡辺しおん」役の二階堂ふみさんにはじまり映画版『いぬやしき』の配役は概ね好評だったと言えるでしょう。

映画版『いぬやしき』では死亡したように演出が見える「渡辺しおん」はとても可哀想だったという感情を揺さぶるキャラクターだったようです。二階堂ふみさんの役者としての演技力がマッチしていたという感想もありました。

こちらも実写版『いぬやしき』の感想です。原作漫画からアニメへ。アニメから実写映画へのキャラクターの落とし込みが二階堂ふみさんは完璧だったという声は、実写化の精度の高さが謳われた『いぬやしき』のなかでも一等多く上がっています。

『いぬやしき』に登場する第2のヒロイン「渡辺しおん」の声優や実写俳優、物語上の活躍などの紹介はいかがでしたか？『GANTZ』のスピンオフ続編などまだまだ広がる奥浩哉先生の作品をこれを機に再チェックしてみても面白いかもしれません。