2018年09月05日公開
2018年09月05日更新
いぬやしきの獅子神皓について考察!なぜ隕石の日に公園にいた?
アニメ化やドラマ化された人気漫画「いぬやしき」ですが、多くの謎を残すストーリーが魅力の本作品の中でも、特に謎の多い獅子神皓(ししがみひろ)についてご紹介します。複雑な家庭環境や、なぜ、最後の夜に公園に現れたのか、そして獅子神皓はどういうキャラクターなのかを、作中で気になる点をまとめて、いぬやしきを見た方はもちろん、まだ見ていない方にもわかりやすくご紹介します。
目次
いぬやしきの獅子神皓とは?なぜ隕石の日に公園にいたのか?
ストーリー展開が衝撃的として有名な漫画「いぬやしき」ですが、アニメ化はもちろん、映画化もされました。そんな「いぬやしき」には謎な部分が多く残されています。特に謎なのが獅子神皓(ししがみひろ)が運命の日になぜ夜の公園に佇んでいたのか、です。
出典: http://himado.in
「いぬやしき」という作品のストーリーにも注目ですが、その中でも謎を多く残している獅子神皓についてや、なぜ最後に夜の公園にいたのか、を考察やネット上の情報と合わせてご紹介いたします。
いぬやしきとは?
「いぬやしき」とは、奥浩哉さんの漫画で、イブニングという漫画雑誌に2014年から2017年まで連載されていました。いぬやしきのアニメは2017年10月から12月の全11話が放送されています。奥浩哉さんは代表作に「GANTZ」という有名作品もある人気漫画家です。
「いぬやしき」は、現代の日本が舞台です。冴えないサラリーマン犬屋敷壱郎(いぬやしきいちろう)は、会社や家族からも疎外された生活を送っており、一戸建てを購入しても、家族の関心を得る事ができませんでした。そこに追い打ちを掛けるように胃ガンだと診断されます。
出典: https://anibu.jp
余命は3ヶ月と宣告されますが、家族に癌のことを打ち明ける機会に恵まれず、話したとしても家族が悲しんでくれるのか、と思い悩む犬屋敷でしたが、犬と散歩に行っている時に、高校生の獅子神皓と共にとても小さな宇宙人が引き起こした事故に巻き込まれて死亡してしまいます。事故を隠したい宇宙人によって犬屋敷と獅子神皓は生前の記憶と心を持ったまま、機械の体になって蘇ります。
生き返ってから、体が機械となって本当の自分は死んだと自覚した犬屋敷(いぬやしき)は、自分の存在意義を考え始めます。ある日、少年たちにリンチされていたホームレスを助けます。その時感謝されたことが嬉しく、人助けをすることに意義を見出しました。重病人の治癒をはじめ、現代医療では助からない人を助け、その能力を他人のために使うと考えました。
獅子神皓も同じく機械の体となったことを自覚し、いじめを受けて引きこもっている幼馴染の安藤直行に自分の能力を披露し、学校に行くよう説得します。獅子神皓は母親や親友には積極的に能力を使います。そしてもう一つ、「生」を実感するために民家に押し入って無差別殺人を繰り返します。
無差別殺人を行い生きている実感を感じていましたが、幼馴染の安藤が犯行に気づきます。そんな時に、安藤と犬屋敷(いぬやしき)が出会い、共に獅子神皓を止めようと行動し、犬屋敷と獅子神皓は激しい激闘になります。
大量虐殺を始めた獅子神と、それを止めるために戦う犬屋敷は、都内上空で激しい戦いを繰り広げますが、一瞬の隙を突いて犬屋敷が勝利します。さらに、戦いに巻き込まれた人々の救出も犬屋敷が行い、テレビやインターネットで公開され日本中に知れ渡ります。
翌日、家族に「自分は機械の体である」ということを明かします。ここにいる自分は偽物かも知れないと告げて、家から去ろうとしますが、妻や娘が受け入れてくれたことで涙ながらに喜びます。息子も戸惑いながらも後に、和解して大切な家族として幸せな生活を過ごします。
一方、獅子神皓は後頭部と両腕を失った状態で安藤の前に現れます。獅子神皓は再会の理由を説明しますが、安藤は信用しません。安藤との友情がなくなってしまったと考えます。そんな中、巨大隕石が地球に衝突する危機を伝えるニュースが流れます。大勢のために力を使う犬屋敷(いぬやしき)は、家族や安藤の引き止めも諭して、隕石の破壊へと向かいます。
犬屋敷(いぬやしき)が能力を使って様々な手段を試していきますが、隕石は軌道を変えることすらできません。そんな時になぜか獅子神皓が現れます。「自分にも死んで欲しくない人間がいる」と打ち明け、自爆能力によって隕石破壊を提案します。無事巨大隕石は破壊され地球の危機は免れ、再び日常を生き続ける、というストーリーです。
いぬやしきの獅子神皓とは?
いぬやしきの冒頭は、小さな宇宙人の事故に巻き込まれ、機械の体になって蘇った高校生です。家族や友人には気の優しい好青年ですが、それ以外の人間には全くの無関心という二面性があり、機械の体であると自覚すると、いじめられて、引きこもっていた親友の安藤を救うために能力を使います。
その反面、能力を使って徐々にいたずらが限度を超えて行き、安藤をいじめていた同級生を射殺してしまったり、ATMの不正操作で退勤を引き出したり、無関係の一家を惨殺する凶悪事件を起こすようになってしまいます。そんな中、母親が末期のガンと知らされると、能力によってガンの治癒をし、殺人をやめようとしていました。そんな時に、連続殺人事件の犯人として警察に特定されてしまいます。
連続殺人事件の犯人として追われるようになってからは、同じクラスメイトの渡辺しおんに匿ってもらいます。しおんの友達曰く、獅子神皓はイケメンでスポーツも万能なので、女子からモテる。そして、しおんも獅子神皓に告白をしています。獅子神皓は「ありがとう」とだけ言ってそのままですが、好意も合って獅子神皓を匿うこととなりました。
警察に追われるようになり、テレビで報道されてからは、大量殺人のことはもちろん獅子神皓の用紙についてもネットで盛り上がるという異常な事態になります。さらに犯罪者でもあるにも関わらず獅子神皓のファンクラブが10個もあると言われていました。匿ってくれているしおんに対しても気持ちが変わって「ずっと大事にするから…」と伝えています。
今まで殺してきた人数分の人助けをすると誓い、SNSを通じて重症の人の怪我を直し穏やかに過ごしていましたが、SAT(特殊急襲部隊)に突撃され、匿っていたしおんとその祖母が事件に巻き込まれたことにより、警察署を襲撃することになります。更に新宿でも集団で殺害を行い、そのときに犬屋敷と再び対面し、どうしようもない怒りを犬屋敷にむけ、激しい闘いを繰り広げます。
激闘の末に後頭部と両腕を失いますが、親友の安藤とも疎遠になっていきます。そんな時に巨大隕石衝突のニュースが流れ、最後の夜に公園で犬屋敷(いぬやしき)と再会します。犬屋敷に一緒に隕石を破壊することを提案し、獅子神皓が身を呈して地球を守ります。
獅子神皓って暴力的なだけじゃない!
機械の体になって、能力を手に入れた獅子神皓ですが、殺人を犯したり、警察に襲撃したりしますが、喜んでいるわけではないようです。人間に戻った夢を見たときに獅子神皓は喜ぶ様子を見せていたり、しおんに機械の体になったことを怖いと打ち明けている場面が描かれています。
作品の中で、獅子神皓が大切に思う相手に使うセリフがあります。「おれが守ってやる。」「支えるから」「大事にするから。」と、こういった言葉をよく使います。こういうフレーズから考えてみると、獅子神皓は誰かに必要とされたいからなのかな?と思います。
それが垣間見れるのが、しおんから「置いていかないで」と求められた場面で、獅子神皓は「わかった。ずっと一緒にいる。」と考えを変える場面が描かれています。この会話で今まで殺した人数分の人助けをしようと誓うのですが、なぜかうまくは行かず、悲劇に見舞われ、不安定な17歳はまた暴走してしまいます。
犬屋敷は終盤に、獅子神皓の親友の安藤と行動を共にしていました。安藤から獅子神皓のことを色々聞いていたかもしれません。その時に犬屋敷が抱いた獅子神皓に向ける感情は、自分と重なる切ない部分があったのかもしれません。あまり作中では犬屋敷と獅子神皓の会話のシーンは描かれていないので憶測ではありますが、想像をしながら見るのもアニメの楽しみの一つです。
いぬやしきの獅子神皓の最後を紹介!なぜ隕石の日に公園にいた?
巨大隕石が地球に衝突するまで残り時間が少なくなった日の夜、自身の能力で出来ることがないかという思いが消えない犬屋敷は、引き止める家族を諭して、一人で隕石の破壊へと向かいます。最後の夜に公園で能力を使って様々な手段を試しますが、破壊することはもちろん、軌道を変えることさえできずに居た時に、獅子神皓が現れます。
なぜ最後の夜に、獅子神皓が犬屋敷(いぬやしき)と同じ公園にいたのかを考察します。考えられる理由は2つ、「たまたまそこにいた」「家に帰りたくなかったから」が考えられます。たまたまそこに居るには都合が良すぎますが、「家に帰りたくなかった」理由を掘り下げて考えてみます。
獅子神皓の家庭事情が問題なのではないか
獅子神皓は、母親と2人暮らしです。母の優子は皓の心の支えであり、一般的な道徳観を持っています。獅子神皓から「自分が連続殺人犯ならどうする」と問いかけられた時には、一緒に死ぬと答え、獅子神皓の人格に変化をもたらすこととなります。獅子神皓は、自らの能力を使って、がん細胞を消滅させます。その後は、つかの間の幸せを手にします。ですが、それも長くは続きませんでした。
ところがある日、警察が自宅に詰めかけたことで、獅子神皓が連続殺人犯の犯人であったと知ってしまいます。以前、獅子神皓に答えたとおり、息子の罪を償うためだけではなく、ネット上での誹謗中傷や、連日によるマスコミの取材。そして凶悪犯の母となっってしまい、息子の罪を償うために、自ら命を絶ちます。
離婚後、離れていくらしている父親は、別の女性と再婚し、2人の子どもがいます。離婚後も獅子神皓とは釣りに行く約束をしたり、自宅に招いたりとの関係が続いています。別の家庭ですが、ここでも良い顔で過ごす獅子神皓ですが、実の息子が連続殺人犯の犯人であると発覚し、マスコミから取材を受けます。その最中に獅子神皓はマスコミを襲撃しますが、その場で打たないように懇願して一命をとりとめます。
二重生活の中にいた獅子神皓ですが、母親は心の支えでしたが、父親の家庭では他人とも言える家庭で、いい顔をして関係を築かねばならず、精神的にも不安定な環境にあったのかもしれません。なぜ、最後の夜に公園にいたのかは、この二重生活の精神的に不安定だったことと、心の支えであった母親に罪を償わせてしまったことの、大きく2つが要因として考えられます。
その他に考えられる理由は?
そのほかにも、ネット上では「公園で動物を虐待していた」や「命を絶とうとしていた」などという意見が出ていますが、ポジティブな意味で公園にいたわけではないと考える人が多いと感じられます。大量虐殺をし、最後は地球を救うため自爆を提案する獅子神皓が動物虐待やそのまま命を絶つとは考えにくいので、公園にきた理由は「家に帰りたくない」ではないかと考えます。
いぬやしきの獅子神皓を演じる声優を紹介!
演じた声優は、村上虹郎(むらかみにじろう)さん!
出典: https://eiga.com
村上虹郎さんは、父親に村上淳さん(俳優)を持つ、俳優さんです。声優としては「いぬやしき」の出演のみで、活動の多くは映画やドラマの俳優さんとしての活動がメインとなっています。お父様と同じ、ディケイドという事務所に所属している1997年生まれの若手俳優さんで、今後の活躍に注目です。
小学生時代の声優さんは、藤田奈央さん!
小学生時代の声は、藤田奈央さんが演じています。藤田奈央さんは、獅子神皓の小学生時代意外にも、作中ではレポーター役や通行人の声も演じていました。いぬやしき以外にも人気アニメの声優さんを担当していますが、メインキャラクターの配役はまだまだ少なく、藤田さんも今後の活躍に注目の声優さんです。
いぬやしきの獅子神皓についてまとめ!
「いぬやしき」の獅子神皓は、悪役に思われがちですが、実際は「いぬやしき」の中でも特に複雑で切ない背景を背負った青年でした。取り巻く生活環境を考えると、二面性のあるキャラクターにもうなずける部分が多く描かれています。「いぬやしき」をご覧になった方も獅子神皓を見て切なくなった人も多いのではないでしょうか。
主人公の犬屋敷(いぬやしき)も家庭での立ち位置が切ないくらいに冴えない設定でした。どちらのキャラクターも世間からの見られる目は似たものがあったのかもしれません。途中の「能力の使い道」は両極端ですが、最後に力を合わせるのは、お互いに切ない背景を汲んでいたからかもしれません。
そんな獅子神皓がなぜ、最後に夜の公園にいたのか、どんな気持ちで最後の決断をしたのか、なぜ激闘で破れた犬屋敷(いぬやしき)に最後の提案をしたのかを、皆さんも、もう一度考えながら、アニメ「いぬやしき」を見直してみるのも楽しいかもしれません。ぜひ獅子神皓の背景も参考にしてみてください。