【新世界より】スクィーラはかわいそうなバケネズミ?声優や最後も紹介 

2008年に講談社より出版された貴志祐介の小説「新世界より」。1000年後の日本を舞台に、呪力を手にした人間と人間を神のように崇める動物、バケネズミとの関係を通して世界の真実に迫っていくSF作品です。本記事で特集するのは、新世界よりに登場するバケネズミの中でも一際精彩を放つ存在のスクィーラ。これから、スクィーラがかわいそうと言われる理由をその最後のシーンを中心に解説、さらには彼の残した名セリフやアニメの声優のプロフィールまで、スクィーラに関する情報をまとめてお届けします。

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目次

  1. 新世界よりのスクィーラはかわいそうなバケネズミ?
  2. 新世界よりのスクィーラの声優
  3. 新世界よりのスクィーラの最後やセリフ
  4. 新世界よりのスクィーラに関する感想や評価
  5. 新世界よりのスクィーラについてまとめ

新世界よりのスクィーラはかわいそうなバケネズミ?

新世界よりの作品情報

本記事の特集スクィーラの話題に入る前に、スクィーラが登場する作品「新世界より」について紹介します。 

新世界よりの概要

概要のイメージ

2008年に講談社より出版された貴志祐介の小説「新世界より」。1000年後の未来を舞台にするSF作品で1000ページを超える大作となっています。2008年の第29回日本SF大賞を受賞しました。タイトルはチェコスロヴァキアを代表する作曲家ドヴォルザークの交響曲第9番の副題「新世界より」に由来。作中には交響曲の第2楽章ラルゴを基にした歌曲「家路」の歌詞が幾度となく出てきます。

メディアミックス展開も行われ、2012年には漫画化され「別冊少年マガジン」に連載されました。また、同じ年の10月から翌年3月にかけてはテレビアニメが放送されています。さらに、本作の前日譚「新世界ゼロ年」が『小説現代』で2011年8月号より連載されています。

新世界よりのあらすじ

物語の舞台となるのは1000年後の日本。人々は脳内で描いたイメージを具現化し様々なことに応用することができる「呪力」という超能力を手に入れていました。

あらすじのイメージ

豊かな自然に囲まれた集落・神栖66町の人々は、バケネズミという生き物を家畜として使い、いたって平和に暮らしていました。本作の主人公はこの町に生まれた12歳の少女・渡辺早季。彼女の語りにより物語は進行していきます。

ある日、友人と連れ立って出掛けた郊外で、早季は先祖の残した自走型端末「ミノシロモドキ」を見つけます。そこに保存されていた情報により、早季たちは1000年前の文明が滅亡した理由とその後人類が辿った歴史を知ってしまいます。ここから「新世界より」の物語は新たな局面に入って行きます…。

新世界よりの原作者

ここで、新世界よりの原作者について紹介します。新世界よりの作者は、小説家の貴志祐介(きし・ゆうすけ)です。

鈴木光司「リング」の影響を受けた貴志は、1996年ホラー小説「ISOLA」(後に十三番目の人格 ISOLAと改題)で小説家デビューします。翌1997年には同じくホラー小説「黒い家」で第4回日本ホラー小説大賞に輝きます。

その後、青春ミステリー小説「青の炎」(2000年)、本格ミステリー小説・防犯探偵・榎本シリーズ、本作SF小説「新世界より」(2009年)と幅広いジャンルの小説を次々に発表しています。

スクィーラはかわいそうなバケネズミ?

ここから本記事のメインテーマ、スクィーラの話題に入って行きます。新世界よりには、バケネズミという毛のないネズミのような外見をした動物が出てきます。彼らは呪力を持った人間を神のように崇め、女王を頂点とするヒエラルキーの社会組織を形成していました。

このバケネズミの中にあって一際異色に映るのが、本記事の主役スクィーラでした。至って卑屈な態度を取ったかと思えば、人間を忌み嫌っているような素振りを見せるスクィーラ。それではスクィーラはかわいそうなバケネズミなのでしょうか?ここまでの説明では、スクィーラを表わす形容詞に「かわいそう」という言葉は当てはまらないように感じられます。その答えは、彼の最後の項に取っておくことにいたします。

いずれにしても、スクィーラは頭のキレるバケネズミでした。それは狡猾と言ってもいいほどで、主人公の渡辺早季はスクィーラに不信感すら抱いてしまいます。後に人間から「野狐丸」(やこまる)という名前を与えられますが、それは極めて異例なことで、ごく限られた有能なバケネズミしか受けられない栄誉でした。

スクィーラがその才能を発揮するのは、早季たちに取り入って「塩屋虻コロニー」の奏上役に就いてからの事。旧態依然とした大勢や風習を改革し、コロニー間の融和を図って勢力を拡大していきました。

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新世界よりのスクィーラの声優

浪川大輔のプロフィール

アニメ・新世界よりでスクィーラの声を演じたのは声優、ナレーター、そして歌手と幅広く活躍する浪川大輔です。所属事務所のステイラックでは代表取締役を務めています。

  • 名前:浪川大輔(なみかわ・だいすけ)
  • 性別:男性
  • 出生地:東京都
  • 生年月日:1976年4月2日
  • 年齢:43歳(2019年12月現在)
  • 身長:173 cm
  • 職業:声優、ナレーター、俳優、歌手
  • 事務所:ステイラック

声優としては少年から青年役を演じることが多く、アニメをはじめゲーム、洋画の吹き替えなど数多くの作品に出演しています。アニメ・新世界よりでは、卑屈な小心者でありながら弁が立ち狡猾という難しいキャラ、スクィーラを巧みに演じていました。

浪川大輔の主な出演作品

それでは、声優・浪川大輔の主な出演作を、アニメ作品で彼がメインキャラクターを演じた作品を中心に紹介します。

2007年 忍たま乱太郎(-2019年、斉藤タカ丸)
2009年 君に届け(-2011年、風早翔太)
2010年 閃光のナイトレイド(伊波葛)
2011年 HUNTER×HUNTER(-2014年、ヒソカ=モロウほか)
2011年 ルパン三世(石川五ェ門)
2014年 東京喰種トーキョーグール(-2018年、有馬貴将)
2015年 うしおととら(鏢)
2016年 ポケットモンスター サン&ムーン(-2019年、ロトム図鑑他)
2017年 ブラッククローバー(-2019年、ジャック・ザリッパーほか)

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新世界よりのスクィーラの最後やセリフ

スクィーラの最後

遂に人間に対して反旗を翻したバケネズミのスクィーラ。果たしてスクィーラの最後はどうなったのでしょうか?

人間に媚びることなく反抗的な態度を貫くスクィーラに待っていたのは、地獄の中でも最も苦しいとされる無間地獄(むけんじごく)。人間たちは、スクィーラに激しい拷問を加えた上で死ぬ直前で回復させ、また拷問を繰り返すと言う残忍な方法で殺すことにします。

拷問と修復を繰り返されたスクィーラは、生きる屍へと姿を変えていました。苦痛に悶えながらもなお生かされているスクィーラの前に、渡辺早季が現れます。早季はかわいそうなスクィーラに「あなたは十分に苦しんだ」と伝え、彼に止めを刺しました。

スクィーラの名セリフ集

スクィーラのセリフ①「我々は高度な知性を持った…」

スクィーラ特集の最後に、彼が発した名セリフを紹介します。最初のセリフは、「我々は高度な知性を持った存在です。あなたがたと比べても何ら劣るところもない。違いと言えば、呪力という悪魔の力を持つか否かだけだ」。

人間を崇拝し、家畜のように首輪で繋がれているバケネズミ。しかし、彼らは人間並みに優れた知能を持っていました。中には、なぜ我々が人間に媚び従わなければならないのか?と疑問を抱くスクィーラもいたことでしょう。そんなバケネズミの一人がスクィーラでした。やがてスクィーラは、バケネズミの仲間を率いて人間に狼煙(のろし)を上げることになります。

スクィーラのセリフ②「私たちは人間だ…」

次に紹介するスクィーラの名セリフは「私たちは人間だ」です。仲間を先導して人間に逆らったスクィーラは、逮捕され裁判にかけられます。その時叫んだのがこの言葉でした。

ところが傍聴席の人間たちは、そんなスクィーラを嘲笑します。いくら高い知性や心情を持っていても、人間にとってはバケネズミはただの下等動物に過ぎません。人間の都合でどうにでもなる軽い存在でした。この法廷シーンを見て、人間とスクィーラのどちらが下等動物なのか?疑問に思う人も少なからずいらっしゃることでしょう。

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新世界よりのスクィーラに関する感想や評価

スクィーラの最後はかわいそう!

ここまで新世界よりのスクィーラ特集をお届けしてきましたが、最後にスクィーラに関する感想や評価を紹介します。

新世界よりのスクィーラに関する感想や評価、最初に紹介するのはスクィーラの最後はかわいそうとおっしゃるおまめさんのツイートからです。最後の場面でスクィーラに感情移入してしまったそうです。支配する者とされる者それぞれの考え方などいろいろ考えさせられるいい最終回だったと感想を語っていました。

心に残るセリフ!

次に紹介する新世界よりのスクィーラに関する感想や評価は、スクィーラのセリフが心に残ったと言うあんごさんのツイートからです。この記事でも解説した「私たちは人間だ!」というスクィーラのセリフ。最後まで自身のアイデンティティを強く持っていたスクィーラに心がほだされたのかも知れません。

声優・浪川さんの入魂の演技!

新世界よりのスクィーラに関する感想や評価、最後に紹介するのは、声優・浪川さんの入魂の演技に感銘を受けたshokoさんのツイートからです。浪川大輔のブログを引用し、この役に懸ける声優の本気度を感慨深く語っていました。

新世界よりのスクィーラについてまとめ

ここまで、『スクィーラはかわいそうなバケネズミ?声優や最後も紹介』と題して小説「新世界より」に登場するバケネズミのスクィーラ特集をお届けしてきました。

まとめのイメージ

新世界よりの重要なキャラクター、バケネズミ。呪力を持った人間を神のように崇めている動物です。知能の高いバケネズミでしたが、人間たちは彼らを下等動物として卑下していました。そんなバケネズミの中で一際精彩を放つ存在がスクィーラでした。己のアイデンティティを貫こうとするスクィーラは、仲間を率いて人間に反旗を翻します…。

本記事でスクィーラに興味を持たれた方は、彼に注目して「新世界より」を鑑賞してみてはいかがでしょうか?難解と言われることの多いこの作品の、新たな一面が見えてくるかも知れません。

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