カノジョは嘘を愛しすぎてるをネタバレと結末！漫画の最終回あらすじと感想は？

「カノジョは嘘を愛しすぎている」は、小学館の女性向け漫画雑誌「Cheese!」に2009年5月号から掲載され、2017年4月この漫画の最終回を迎えた。作者は「僕は妹に恋をする」「僕の初恋をキミに捧ぐ」の人気漫画家青木琴美である。青春期の少年少女の心情を描くことが得意な漫画家青木琴美の作品はいくつも映画化され、中・高校生の人気を集めている。

今回のまとめで取り上げる「カノジョは嘘を愛しすぎてる」も2013年12月に佐藤健主演で実写映画が公開された。大原櫻子は「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のヒロイン役のオーディションを一般から受けてデビューとなった。2013年ではまだ漫画が最終回を迎えていない。その為映画はオリジナルな結末で描かれている。映画を見てその先のあらすじを知りたくて、漫画を買い始めたという読者も多い。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」は漫画雑誌で最終回を迎えた後に、韓国ドラマ化されている。韓国ドラマ版の「カノジョは嘘を愛しすぎてる」は、全16話で描かれ、音楽も俳優の演技も評価されている。日本でも結末を迎えたので、ぜひドラマ化してほしいという声もある。ただリコ役の韓国女優がマッシュルームカットでは、なかったことで、大原櫻子があの髪型をした事を褒める感想もあった。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の主人公小笠原秋（おがさわらあき）は、幼なじみ同士で作ったバンドCRUDE PLAY（通称クリプレ）のメンバーだった。しかしデビューが決まりプロデューサーの出した条件は、「楽器は演奏するふりでいい、音は上手なスタジオミュージシャンに任せる」と言われて脱退してしまう。けれどクリプレに対する思いはあり、楽曲提供と言う形で、表には出ない5人目のメンバーとして存在していた。

アキの抜けた穴のベースはスタジオミュージシャンの篠原心也（しのはらしんや）が担当することになった。バンドの音は他人の物であったが、クリプレは大人気のバンドになり、アキの名前も伝説のメンバーとしてファンの中には浸透していた。影の存在でいる事にアキはやるせなさを感じていた時、恋人の茉莉がプロデューサーと男女の関係にある事を知ってしまい、茉莉に別れを告げる。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のカノジョは女子高生のリコである。「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の恋の始まりは、鼻歌でクリプレの新曲を歌っているアキの歌が聞こえ、女子高生の小枝理子（こえだりこ）はその音楽に強烈に惹かれてしまった。リコに気が付いたアキは「ひと目惚れって信じる？」と聞いてくる。アキの歌声に一目惚れ状態だったリコは「信じます」と答えてしまった。

アキと付き合うことになったリコだったが、アキは自分の名前を「小笠原心也」と名前も職業も嘘をつく。リコがアキと会っている時に、リコが幼なじみと組んでいるバンドのメンバー2人と出くわし、二人で逃げた。逃げきった後アキはリコに「歌を歌っている女って嫌い」と言い出だす。バンドのボーカルをしているリコは自分も歌を歌っている女だと、アキに言い出せなくなってしまった。

リコのバンドのメンバーの前で「職業は…ニートかな」と言ってしまうようなアキで、よくわからないけれどリコはアキにどんどん惹かれて行く。メンバーが反対しても、アキが口ずさんだメロディーが頭から離れないように、リコの頭からアキは離れない。

アキが幼なじみと始め現在は楽曲サポートとなっているクリプレは、リコも大好きなバンドであった。特に姿を見せていないアキの作る歌の大ファンだった。リコがプロデューサーの高樹にスカウトされ、リコのバンドのデビューの企画が持ち上がった。高樹はリコたちの楽曲をアキに担当させようとした。でもアキには高樹が茉莉に手を出したことや売れるためにいろいろな裏の手を使う事にも嫌気がさしていた。

アキはそのバンドがリコのバンドと知らないまま、リコのバンドのプロデュースを断ってしまった。リコのバンドのプロデュースをしたいと言い出したのは、クリプレにアキの代わりに入った心也だった。心也は幼なじみで結成されたクリプレの新メンバーとして居心地の悪さを感じていた。だから自分の主張できるリコのバンドに力を入れたいと思っていたのだった。

心也がリコたちのプロデュースをすると知って、高樹がアキに依頼しようとしたのがリコのバンドだとアキは気が付く。アキは自分にリコのバンドを担当させてほしいと言い出す。しかしもうプロジェクトは動き出してしまっていた。リコが、アキがクリプレの伝説のメンバーだった事を知るのはこの時だった。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の最終回はコミックス22巻に収録されている。コミックスの22巻は作者が連載中に書ききれなかった事を大幅に加筆している。最終回までの連載中に書ききれなかった結末のシーンを加筆したことで、漫画雑誌で読んでいた読者もメンバーの気持ちがよく分かったという感想も多かった。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の漫画の最終回のあらすじを簡単に説明する。ラストコンサートの様子は幕が上がる前の、涙を抑えられない観客席から始まる。映像はクリプレの歴史を映す。インディーズ時代のアキがいた頃のクリプレは、幼なじみで組んだ仲のいいよく笑うバンドだった。映像は笑顔のクリプレから、アキが抜け、心也が加入しクリプレはクールな路線を歩み始めた。

曲だけは、アキがメンバーのために作っていたので、アキは5人目のメンバーとして、ファンの間でも伝説になるメンバーとして存在していた。アキはメンバーに「5人のための曲を作っていたのに、4人で歌うからおかしくなる」ことに気が付いた。「最後の東京ドームに自分も立ってもいいか」と、今の4人のメンバーと音を重ねたいと思ったのだった。

そんなクリプレのあらすじをたどりながら、ステージにはアキが5人目のメンバーとして戻ってきた。心也とアキのツインベースの立つステージにファンは歓声をあげる。そしてクリプレはこれまでリリースした曲を全部歌うという。その代わりアンコールの時間は作らない、最後のリリース曲までファンは熱い声援を送る。けれど最後が近づくたびにファンたちは「やめないで」という気持ちに傾いていく。

最後にメンバーが演奏するのはアキが5人になったCRUDE PLAYのために作った「卒業」というデビュー曲と同じタイトルの歌。デビュー曲の「卒業」は幼なじみの4人を思いながらアキは作った。でもそこに心也はいない。だからこそこのラストソングの「卒業」は高度なレベルを持つ心也がいてこそ完成する5人のクリプレのための曲だとアキは言った。

これまでのクリプレのリリース曲の演奏をすべて終えた時、瞬也は「活動休止したくねーな」とファンの声に答えてつぶやいた。その声にファンたちの心も「休止しないで」という叫びになって表れた。クリプレは5人のクリプレのための曲「卒業」を演奏前に説明する。アキが抜けて心也が入り、今までのクリプレとは違う中でのメンバーの想いが込められていた。

特にベーシストのアキは「こんな曲弾けんのかよ」とベースに難しいテクニックを入れ過ぎた。それでも心也が「努力という名の魔法を使った」と笑顔で言う。今回の「卒業」も努力という魔法をいっぱい使ったという心也に、自分もそうだとアキも微笑む。「この曲は5人のために作った曲だけれど、いつかみんなの曲になるといいな」そう言って、クリプレは休止前の最後の曲を演奏する。

出会えて幸せだったこと、行動を共にすることでお互いを妬んだことがあった事、妬んだからこそ今成長できたことなど、クリプレのこれまでの葛藤をさらけ出した。5人で歌うクリプレのラストソング「卒業」は、子供っぽい感情からの卒業でもあると歌い上げる。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のアキがバンドのベースを始めた理由は、父親にあった。音楽が大好きでギターが欲しいと言っていたアキが小学生頃の誕生日の事だった。「店で一番高いギターを買ってきた」そう言われて渡されたギターには弦が4本しかなかった。アキは親友の瞬の所に行って、もらったギターを見せると「スティングレーじゃん、ギターじゃなくてベースだけど、これでバンドが出来るな」と言った。

アキの父がアキにベースをプレゼントした誕生日。卒業コンサートの日は、瞬とバンドが出来ると始めたアキの誕生日に終わりを迎える。ラストの曲「卒業」を歌い終えた。その時、アキの父親が客席から叫ぶ「今日はお前の誕生日だ、12年前俺がへそくりをためてベースを買ってやった日だ」と叫ぶ。クリプレを抜けると決めた日、「夢中になっている者を手放すな」とアキの父はアキに言った。

それでも辞めると言ったアキに「勘当だ」と言い放った父が、今会場に来て、アキの誕生日を祝ってくれている。その言葉に心也も祝いの言葉を言い、会場で見ていたマッシュ（リコ）に声をかけ、「ハッピーバースデー」の歌を歌わせる。そして心也は会場のみんなにも歌うように声をかける。

そしてクリプレが休止する原因となった会社社長の瞬の父も来ていた。「ガンになんて負けないから…」そう叫んでいた。これがクリプレの活動休止のコンサートのその次の日、休止を撤回する大きな理由になった。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の22巻にはアキ立ちクリプレのステージと共に、リコのバンドのステージも描かれる。「ファンが芸能人同士のカップルを認めるのは、お互いが対等な時だ」とリコは高樹に言われていた。いつかクリプレと並べるようなバンドになると、頑張りながらアキのいる場所を目指す。高校生のリコだからポジティブに前向きに恋に向き合っていく。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のタイトルの意味が分かるフレーズが、最終回のラストシーンに書かれている。これまでアキがリコについてきた嘘が並べられ、読者には物語の欠片が思い出させる仕組みになっている。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の中にはアキとリコの恋だけではなく、アキと茉莉など複雑に関係が入り組んでいる。アキと付き合っていた茉莉は、プロデューサーの高樹との男女の関係がアキにばれて別れることになる。しかしデビューしたてのリコとアキのキスシーンの写真を撮られて危機を迎える。高樹はこの件を表に出さない代わりに、アキと茉莉が付き合っているという記事に差し替える。

リコの未来をつぶさないために嘘をつくアキ、それでもアキが大好きなリコ。二人の関係にリコをプロデュースする心也や、同じバンドでずっとリコを好きだった幼なじみユウの想いも加わってくる。大人の打算的な感情、高校生たちのピュアな恋が、交差していく様を楽しんでいる感想もある。

歌姫と呼ばれていた茉莉もだんだんと、年齢的な外見の老いを感じていた。リコのように毎日きれいになっていく日々が過ぎ、自分ではどうにもならない見た目の変化に自殺しようとする。リアルな芸能人の中には年齢に抗い、整形を繰り返す人もいる。潔くきれいなまま覚えていてほしいと引退する人もいる。茉莉はどちらも選べず、自分を傷つけ死のうとしていたが、そんな茉莉を救ったのは高樹だった。

クリプレもリコたちのバンドMUSH&Co.もバンドとして未熟なうちはエアバンド状態だった。観客に分からないようにプロの曲を流すという手法だ。ゴールデンボンバーのように最初からそれを売りにするバンドもある。でもクリプレもMUSH&Co.も自分たちの音を聞いてほしいという葛藤があった。高樹もまたバンドマン出身である。今は音楽記者になった元メンバーとアキやリコをまぶしく見つめるシーンも描かれる。

綺麗で楽しいだけではない芸能界をリアルに描いているという感想も多い。この物語に登場するメインではないメンバーの過去や現在があるからこそ、よりリアリティが出せると推察する声もある。また実写映画では、リコのオーディションとペプシネックスのコラボなどもあり、大原櫻子はリコとしてCMに登場するなどのイベントもあった。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の頃は特撮ヒーロー好きには有名だった吉沢亮が、リコの幼なじみで同じバンドのメンバーとして共演している。2019年前半に放送された朝ドラ「なつぞら」ではリコを演じた大原櫻子と夫婦役を演じた。映画・ドラマ好きの人のつぶやきには、新たな共演の配役について感想を寄せている。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の最終回が収録されるひとつ前のコミックス。クライマックスのあらすじに向けての盛り上がりに、最終回を迎える事が嫌だと思ってしまうという感想のつぶやき。最終回はどうなるのか、結末を知りたい気持ちと、終わってしまう事が嫌な感想は、誰でも持つ感想なのでは？と言われている。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に限らず、漫画は自分のペースで向き合っていけるけれど、音楽が絡む漫画からは、音が聞こえてはこない。実写映画・ドラマなどで、漫画のイメージに合った音楽をつけてもらえると、気分も高まるという感想も多い。

「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のリコとアキの出会いから、最終回・結末の部分ををまとめた。コミックスは最終回を迎える22巻まで刊行された。感想の中には連載された「漫画雑誌では結末までのわかりにくい部分がコミックスでは加筆されてわかりやすくなって良かった」というものも多い。恋愛だけでなく、バンドの結末も最終回では驚きの結末を見せる。

解散コンサートを大々的に開いておきながら「やっぱりやめない」と決心したあらすじの感想にはいろいろ批判的なものもあった。しかしやめてほしくないという感想を持っていた人が多かったため、読者たちも怒りながらも、ホッとしたという書き込みも多かった。恋愛・友情・バンドの音楽で楽しませる「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に興味を持った方は原作・映画・ドラマをチェックしてみてはいかがだろうか。